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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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異種コンサート2つまとめて感想
前回のエントリーや前・過去のエントリーに拍手ありがとうございます。
一時帰国の話の途中でしたが火曜水曜とコンサートに行ったのでこちらを先に。
あと昨日リハーサルだった話も書きたいです。

さて火曜日のコンサートはピーターの作品を聴きにいきました。
詳細はこちら。

コンサート「Arianna on a Bridge of Stars」
Melbourne Recital Centre、Salon
Peter de Jager 「Arianna Meandering」(ホルン独奏)
Brett Dean 「Night Window」(室内楽アンサンブル)
Claudio Monteverdi 「Lamento d'Arianna(アリアンナの嘆き)」(ソプラノ+ハープシコード)
Peter de Jager 「Model Universe」(ソプラノを含む室内楽アンサンブル)

このコンサートは3番目に演奏されたバロック時代の作曲家モンテヴェルディのオペラの「アリアンナ」から唯一現存しているアリア「アリアンナの嘆き」という曲を中心にしたコンサート。他の3曲は「アリアンナの嘆き」をテーマとして作曲された曲です。(ちょっと説明下手かな)

Deanの音楽もピーターの音楽も頭で理解して吸収するのいものすごく難しいところのある音楽ですが改めて隣同士で聴いてみるとその音楽の性質も難しさの性質もかなり違う印象。ただそれを言葉で説明しようとするとできないのですが(汗)
あとこのコンサートのテーマへのアプローチだったり闇のエレメントの扱い方も違うのが面白い。

なにより最後の「Model Universe」が面白かった。ピーターの室内楽作品って(多分必然的に)人数=楽器数が多いのですがそれでも楽器同士の絡み合いが強力で聴いててびっくりします。さらに歌い手のパートも楽器と同等に絡んでいて(大変そうだけど)普通の「歌曲」とは違う聴き応えがありました。
そしてびっくりするといえば毎回彼の作品を聴く度にその裏の思考のメカニズムの凄さに驚きます。難解な世界ではあるけど聴いてると引き込まれる。
そしてピーターの音楽の「幾何学的だけれど生命的な気まぐれさ」という特徴がものすごく強く表れてた気がします。

そして今回プログラムとともに手書きのスコアの断片を含めた作品紹介ページがあったのもよかったです。ああいう音楽だから最終的な結果としての作品だけでなく作曲のプロセスも見てみたいと思っていたので。本当に断片なので垣間見える程度ではありますがそれでもものすごく興味深いです。

そして水曜日はMelbourne Festivalの一環のコンサート、Pat Metheny Unity Groupを聞きにHamer Hallに行きました。本拠はアメリカだそうですがメルボルンに来るのは30年ぶりだそう。(ここに来る前に日本でも公演やってたみたいですね)

そもそもなぜPat Methenyのコンサートを私が聞きに行くことになったかの経緯をちょっと。
クロノス・カルテットを知ってから彼らのCDを出してるNonesuch Recordsのネットラジオチャンネル(Nonesuchが出してるCDのトラックをランダムorジャンルごとに再生してくれる)を聴くようになり。それで色々聴いてたらふと「おっこれ良いな」と思った演奏があって、見てみたらPat Methenyというジャズギタリストの演奏で。
その名前に聞き覚えがあり、それがいつだったか碓氷峠音楽堂本舗でACEさんが対談したとおっしゃってたギタリストだ!と思い出してNonesuchのサイトで改めて録音を調べてみたら実は手元のElectric Counterpoint(Steve Reich作曲)の演奏を弾いてたのがPat Methenyだということが判明。
そしたら今回メルボルンで弾きに来る、しかもかなりの年数ぶりということでこれは聞き逃せないということになりました。

そんな経緯でほとんどPat Metheny(ソロでもUnity Groupでもその他アーティストでも)の音楽を知らない状態でコンサートに行くことになり。でもいつものHamer Hallなので普通にぶらりと聞きに行きました。

いやあ楽しかったです。ジャズでもかなり頭を使うというか複雑な魅力がある音楽。
なによりリズムがすごい!こんなリズムを使ってくるんだ!みたいなわくわく。
途中から自動で動くパーカッションみたいのが人間ではなかなかやりにくい細かい刻みを常時続けるのを担ってて(この常時刻みの存在は面白かったです)、でもその上にまた人間のドラマーがかーなーり細かいリズムを奏でるIntricateなつくり。
ドラマーの方のパートはすごかったなー。ソロももちろんかっこよかったですがそうでないところもびっくりような細かいパートを弾いてて。実際どうやって弾いてるんだろう。どういう考え方と体の動かしかたなんだろう。

Pat Methenyのギターも面白かったです。千変万化の音にこれまた独特なリズムのセンス。アコースティックも弾いてたけどエレキの方が魅力を感じたかな。時々フレーズの作り方が管楽器みたいに聞こえるところがあって、サックスとものすごく相性の良い音になったり。サックスとのデュエット部分は異種の楽器同士とは思えないくらいの絡みでした。

ということで火曜日も水曜日も良い音楽に出会えて、楽しいコンサートに行けてよかった。
Pat MethenyもこれからゆっくりCD買ったりNonesuch radioで聴き込みたいです。


今日の一曲はお休み。リハーサル分も紹介しなければなのでキューがまた伸びる!
(でも聴いて消化して選ぶほうはある程度進んでます)

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