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最近オケピアノに関する一連のエントリーにアクセスがあってちょっとびっくりしています。
そんなタイミングでちょうどいいというべきか、今Stonnington Symphonyの今年の最後のコンサートに向けたリハーサルまっただ中でちょっとキーボードでピアノやらチェレスタやら弾いてます。
プログラムはこんな予定。
そんなタイミングでちょうどいいというべきか、今Stonnington Symphonyの今年の最後のコンサートに向けたリハーサルまっただ中でちょっとキーボードでピアノやらチェレスタやら弾いてます。
プログラムはこんな予定。
Stonnington Symphony Orchestra Malvern Town Hall Seriesコンサート3
Malvern Town Hall 11月16日(日)午後2時30分開演
指揮者:Roy Theaker
クロード・ドビュッシー(モーリス・ラヴェル編曲) サラバンド
サミュエル・バーバー 「悪口学校」序曲(ゲスト指揮者:Ingrid Martin)
エイノ・タンベルク トランペット協奏曲第1番 op.42(トランペット:Josh Rogan)
モデスト・ムソルグスキー(モーリス・ラヴェル編曲) 展覧会の絵
ちなみにトランペットのソロを吹くのは以前トマジやデザンクロを弾いたのと同じ彼。展覧会の絵では最高に格好いい第1トランペットパートを担当します。むちゃくちゃかっこいい音です。
私はドビュッシー以外の3曲でなにかしらん出番があります。バーバーでは6小節だけチェレスタパートがあるだけなのですがタンベルクでは結構長めのピアノパートがあり。展覧会の絵はちょこちょこっとずつ出番が数楽章であります。全部キーボードですけどね。
いくらチェレスタの表現の幅が限られてるといってもキーボードだとそれさえも細かい調整ができないのをひしひし実感しています。もっと豊かで繊細なチェレスタ表現がしたい!
ちなみにリハーサルが始まってから半月くらい経ちますがタンベルクはスコア・パートが欧州からの注文で、一昨日のリハーサルでやっと届くというハプニングが。なので一昨日は(まだソリストは抜きで)みんなで初見でした。一筋縄では行かない曲で(特にリズムが)、しかもパートが手書きなので読みにくい。でも本番までにはなんとかなりそう。いい初見エクササイズでした。パートの書き込みも前述オケピアノに関するエントリーで書いたの全部網羅するくらい書き入れました。
(リハーサルしながら自分で「あーやっぱりこういうメソッドになるよなー」って思い出してました)
なにより今回のハイライトは展覧会の絵。ものすごく広く知られている曲で(といっても最初のプロムナードと最後の「キエフの大きな門」が突出していて知名度低い楽章も多いです)、きっと今回も楽しみにしている聴衆が多いはず。
私は「展覧会の絵」を弾くのは始めてですが本当に長いつきあいの曲です。物心ついたときにはもう普通に知ってたくらい両親が車でよく聴く曲で、「キエフの大きな門」やは幼い頃から大好きな曲でした(あとなぜか「カタコンブ」も)。
「キエフの大きな門」では残念ながら一音も弾かないのですが、間近で聴きながらまさか大人になってこういうことになるとは思ってもなかったなーとしみじみ。
展覧会の絵はそういう私情を抜きにしても素晴らしい作品。元々ムソルグスキーはピアノのためにこの曲集を書いていて、その原曲ももちろん有名ですがラヴェルによるオーケストラ編曲版の有名さといったらものすごいもので。
ラヴェルのオーケストラ使いの素晴らしいことったら語り尽くせないほどで、実際「展覧会の曲の魅力はなにか」と語り始めると半分以上ラヴェルが仕事した部分の話になっちゃうんですよね。(今日の一曲では気をつけます)
しかもピアノ原曲を弾くときもラヴェル版を意識せずにはいられない。
(ちなみに他にも展覧会の絵の編曲っていくつかあります。オーストラリアだとJulian Yuが編曲してます)
展覧会の絵のラヴェルが仕事した部分ですごいこと。「古い城」のメインメロディーをサックスに吹かせたり、「ビドロ」のチューバソロ+後半のスネアドラムのかっこよさ。ソロ以外でも繰り返されるパッセージを細かく楽器割り当てたり。とにかくこの曲集に幾千もの色彩を与え、ピアノの音から想像される理想でベストのオーケストレーションが目の前に出てくる。そのうえ終始音楽作りに遊び心がある。
展覧会の絵のムソルグスキーが仕事した部分ですごいこと。例えばからをつけたひな鳥の踊りやリモージュの市場での描写の生き生きさ、小人や古い城、カタコンブでの和音や強弱のチョイスによる緊張や色彩の操り方、そもそもカタコンブという曲が今あらためてみるとものすごく不思議で天才的な曲だと思いますし、ピアノという楽器の音色で絵を描く美しさと楽しさが強く感じられる曲。
あと展覧会の絵をセットリストとするとすごくよく出来てるような気がするんですよね。つなぎとしてのプロムナードの工夫はもちろんですがそれ以外での曲のつながりもものすごくしっくりくる。同じキーでつないでみたり完全に虚を突いてみたり、曲と曲がattaccaで(切れ目なく)つながる部分も例外なくうまくいってるような。これがひとつながりの物語を表しているのではなく絵一枚一枚を見て歩いているというんだからさらにびっくり、みたいな。
毎回あれですが両親が大人になっても&音楽玄人・マニアになっても単なるノスタルジーだけでなく音楽的にも変わらず楽しめる曲で育ててくれてほんとうに感謝です(とはいっても両親は自分たちが好きな曲を聴いてただけなんですがね)。
そして生涯聴いて親しんで好きでいたこの曲を大人になって弾く機会に出会えて嬉しいです。本番が楽しみ。
・・・そんな間にもピアノのソロの諸々もやっているのでそっちの話も今度したいです。
まだまだ書きたいトピックがたくさんあるよー・・・
今日の一曲: モデスト・ムソルグスキー 「展覧会の絵」より「鶏の足の上に建つ小屋(バーバ・ヤーガ)」
展覧会の絵もこんなに長く付き合いがあるのにこのブログで紹介していないぽい。そんなばかな。(むしろそんなに長く親しい曲だからこそ空気のような存在になって積極的に紹介する気持ちにならなかった?)
これから紹介していかないと・・・(たまに2楽章セットとかで?)
どの楽章も魅力がつまってますがまずはこの曲を。最後から2番目の楽章で、最後の「キエフの大きな門」とはまた違う盛り上がりポイントです。
「鶏の足の上に建つ小屋」とはロシアの方の童話に出てくる魔女の住む小屋。昔読んだ覚えがあるんだけどどういう童話だったっけ?主人公が行きに助けた諸々に助けられる(ドアに油差したりとかあったような)くだりがあったはず。
この小屋がその足で走る(?)ので、この曲もひょこひょこと追いかけるような描写があります。
この曲はほんとロシアっぽい。ロシア色はもしかしたら一番強いかも。
例えばラフマニノフも練習曲「音の絵」で狼から逃げる赤ずきんを描いてますが共通する部分はかなりあると思います。あとストラヴィンスキーの「火の鳥」や同じムソルグスキーの「禿げ山の一夜」にもある、ロシアの童話独特の雰囲気。
暗さと恐ろしさと「異形」の奇怪な雰囲気と、でもどこかわくわくする感じ。もちろんピアノ版でも濃く現れています。
ラヴェルはフランス人ですがそのロシア感を殺さない、でも他にはなかなか真似できない楽器使いが光ります。ティンパニを初めとした打楽器軍団もいいですし、中間部の静かな(でも緊張に溢れた)部分で聞こえるコントラファゴットの伸ばす音もかっこいい。これはこないだのリハーサルで知ったことです。コントラファゴットは奇形・異形を表すのは得意ですからねー。それを音一つでやっちゃうのがまたすごい。
そうえいばこの曲はちょうど最後の盛り上がり=魔女に追いかけられて追い詰められてさあどうなる!みたいなところでattaccaで最後の楽章になだれこむってことですよね。絵を見る限りでは追い詰められてどうなったかのエンディングは分からないということになります。
そういう「絵」というイメージの兼ね合いも含めてほんとよく出来てる曲なんだなー・・・
とりあえずなんでもそうですが聴いた方が簡単で速くて楽しいです。今回はこの楽章から紹介しましたがまずは最初から通して聴いてほしいです。そんなに長くないですし、音楽が細かく変わるので飽きずに聴けると思います。
他の楽章の紹介もまた後日。
リンクしたのは私は持ってない録音ですがショルティ指揮・シカゴ響で春の祭典と展覧会の絵を一緒に収録したCD。もしかしたら今回書いたバーバ・ヤーガのロシアっぽさが春の祭典との組み合わせでさらに分かるかも?
もちろん「展覧会の絵」はピアノ版も巷にたくさん録音ありますし富田勲のシンセ版も面白いですよ~
クロード・ドビュッシー(モーリス・ラヴェル編曲) サラバンド
サミュエル・バーバー 「悪口学校」序曲(ゲスト指揮者:Ingrid Martin)
エイノ・タンベルク トランペット協奏曲第1番 op.42(トランペット:Josh Rogan)
モデスト・ムソルグスキー(モーリス・ラヴェル編曲) 展覧会の絵
ちなみにトランペットのソロを吹くのは以前トマジやデザンクロを弾いたのと同じ彼。展覧会の絵では最高に格好いい第1トランペットパートを担当します。むちゃくちゃかっこいい音です。
私はドビュッシー以外の3曲でなにかしらん出番があります。バーバーでは6小節だけチェレスタパートがあるだけなのですがタンベルクでは結構長めのピアノパートがあり。展覧会の絵はちょこちょこっとずつ出番が数楽章であります。全部キーボードですけどね。
いくらチェレスタの表現の幅が限られてるといってもキーボードだとそれさえも細かい調整ができないのをひしひし実感しています。もっと豊かで繊細なチェレスタ表現がしたい!
ちなみにリハーサルが始まってから半月くらい経ちますがタンベルクはスコア・パートが欧州からの注文で、一昨日のリハーサルでやっと届くというハプニングが。なので一昨日は(まだソリストは抜きで)みんなで初見でした。一筋縄では行かない曲で(特にリズムが)、しかもパートが手書きなので読みにくい。でも本番までにはなんとかなりそう。いい初見エクササイズでした。パートの書き込みも前述オケピアノに関するエントリーで書いたの全部網羅するくらい書き入れました。
(リハーサルしながら自分で「あーやっぱりこういうメソッドになるよなー」って思い出してました)
なにより今回のハイライトは展覧会の絵。ものすごく広く知られている曲で(といっても最初のプロムナードと最後の「キエフの大きな門」が突出していて知名度低い楽章も多いです)、きっと今回も楽しみにしている聴衆が多いはず。
私は「展覧会の絵」を弾くのは始めてですが本当に長いつきあいの曲です。物心ついたときにはもう普通に知ってたくらい両親が車でよく聴く曲で、「キエフの大きな門」やは幼い頃から大好きな曲でした(あとなぜか「カタコンブ」も)。
「キエフの大きな門」では残念ながら一音も弾かないのですが、間近で聴きながらまさか大人になってこういうことになるとは思ってもなかったなーとしみじみ。
展覧会の絵はそういう私情を抜きにしても素晴らしい作品。元々ムソルグスキーはピアノのためにこの曲集を書いていて、その原曲ももちろん有名ですがラヴェルによるオーケストラ編曲版の有名さといったらものすごいもので。
ラヴェルのオーケストラ使いの素晴らしいことったら語り尽くせないほどで、実際「展覧会の曲の魅力はなにか」と語り始めると半分以上ラヴェルが仕事した部分の話になっちゃうんですよね。(今日の一曲では気をつけます)
しかもピアノ原曲を弾くときもラヴェル版を意識せずにはいられない。
(ちなみに他にも展覧会の絵の編曲っていくつかあります。オーストラリアだとJulian Yuが編曲してます)
展覧会の絵のラヴェルが仕事した部分ですごいこと。「古い城」のメインメロディーをサックスに吹かせたり、「ビドロ」のチューバソロ+後半のスネアドラムのかっこよさ。ソロ以外でも繰り返されるパッセージを細かく楽器割り当てたり。とにかくこの曲集に幾千もの色彩を与え、ピアノの音から想像される理想でベストのオーケストレーションが目の前に出てくる。そのうえ終始音楽作りに遊び心がある。
展覧会の絵のムソルグスキーが仕事した部分ですごいこと。例えばからをつけたひな鳥の踊りやリモージュの市場での描写の生き生きさ、小人や古い城、カタコンブでの和音や強弱のチョイスによる緊張や色彩の操り方、そもそもカタコンブという曲が今あらためてみるとものすごく不思議で天才的な曲だと思いますし、ピアノという楽器の音色で絵を描く美しさと楽しさが強く感じられる曲。
あと展覧会の絵をセットリストとするとすごくよく出来てるような気がするんですよね。つなぎとしてのプロムナードの工夫はもちろんですがそれ以外での曲のつながりもものすごくしっくりくる。同じキーでつないでみたり完全に虚を突いてみたり、曲と曲がattaccaで(切れ目なく)つながる部分も例外なくうまくいってるような。これがひとつながりの物語を表しているのではなく絵一枚一枚を見て歩いているというんだからさらにびっくり、みたいな。
毎回あれですが両親が大人になっても&音楽玄人・マニアになっても単なるノスタルジーだけでなく音楽的にも変わらず楽しめる曲で育ててくれてほんとうに感謝です(とはいっても両親は自分たちが好きな曲を聴いてただけなんですがね)。
そして生涯聴いて親しんで好きでいたこの曲を大人になって弾く機会に出会えて嬉しいです。本番が楽しみ。
・・・そんな間にもピアノのソロの諸々もやっているのでそっちの話も今度したいです。
まだまだ書きたいトピックがたくさんあるよー・・・
今日の一曲: モデスト・ムソルグスキー 「展覧会の絵」より「鶏の足の上に建つ小屋(バーバ・ヤーガ)」
展覧会の絵もこんなに長く付き合いがあるのにこのブログで紹介していないぽい。そんなばかな。(むしろそんなに長く親しい曲だからこそ空気のような存在になって積極的に紹介する気持ちにならなかった?)
これから紹介していかないと・・・(たまに2楽章セットとかで?)
どの楽章も魅力がつまってますがまずはこの曲を。最後から2番目の楽章で、最後の「キエフの大きな門」とはまた違う盛り上がりポイントです。
「鶏の足の上に建つ小屋」とはロシアの方の童話に出てくる魔女の住む小屋。昔読んだ覚えがあるんだけどどういう童話だったっけ?主人公が行きに助けた諸々に助けられる(ドアに油差したりとかあったような)くだりがあったはず。
この小屋がその足で走る(?)ので、この曲もひょこひょこと追いかけるような描写があります。
この曲はほんとロシアっぽい。ロシア色はもしかしたら一番強いかも。
例えばラフマニノフも練習曲「音の絵」で狼から逃げる赤ずきんを描いてますが共通する部分はかなりあると思います。あとストラヴィンスキーの「火の鳥」や同じムソルグスキーの「禿げ山の一夜」にもある、ロシアの童話独特の雰囲気。
暗さと恐ろしさと「異形」の奇怪な雰囲気と、でもどこかわくわくする感じ。もちろんピアノ版でも濃く現れています。
ラヴェルはフランス人ですがそのロシア感を殺さない、でも他にはなかなか真似できない楽器使いが光ります。ティンパニを初めとした打楽器軍団もいいですし、中間部の静かな(でも緊張に溢れた)部分で聞こえるコントラファゴットの伸ばす音もかっこいい。これはこないだのリハーサルで知ったことです。コントラファゴットは奇形・異形を表すのは得意ですからねー。それを音一つでやっちゃうのがまたすごい。
そうえいばこの曲はちょうど最後の盛り上がり=魔女に追いかけられて追い詰められてさあどうなる!みたいなところでattaccaで最後の楽章になだれこむってことですよね。絵を見る限りでは追い詰められてどうなったかのエンディングは分からないということになります。
そういう「絵」というイメージの兼ね合いも含めてほんとよく出来てる曲なんだなー・・・
とりあえずなんでもそうですが聴いた方が簡単で速くて楽しいです。今回はこの楽章から紹介しましたがまずは最初から通して聴いてほしいです。そんなに長くないですし、音楽が細かく変わるので飽きずに聴けると思います。
他の楽章の紹介もまた後日。
リンクしたのは私は持ってない録音ですがショルティ指揮・シカゴ響で春の祭典と展覧会の絵を一緒に収録したCD。もしかしたら今回書いたバーバ・ヤーガのロシアっぽさが春の祭典との組み合わせでさらに分かるかも?
もちろん「展覧会の絵」はピアノ版も巷にたくさん録音ありますし富田勲のシンセ版も面白いですよ~
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