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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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メルボルン夏日始まりました。
さっそくですが明日で一週間なのでお知らせ。

Stonnington Symphony Orchestra Malvern Town Hall Seriesコンサート3
Malvern Town Hall 11月16日(日)午後2時30分開演
指揮者:Roy Theaker
クロード・ドビュッシー(モーリス・ラヴェル編曲) サラバンド
サミュエル・バーバー 「悪口学校」序曲(ゲスト指揮者:Ingrid Martin)
エイノ・タンベルク トランペット協奏曲第1番 op.42(トランペット:Josh Rogan)
モデスト・ムソルグスキー(モーリス・ラヴェル編曲) 展覧会の絵

楽譜が届くのが遅れた上に知られてない曲ということでタンベルクがちょっと遅れをとってますが他は順調。展覧会の絵で盛り上がるといいな。

今日は実はソロの方で進めてるレパートリーについて書きたかったのですが今日の一曲を展覧会の絵にしたくてちょっと予定変更。ちょうど書けることもあるので。

メルボルンカップも終われば夏の始まり、アップダウンは激しいですが気温は確実に上向きになってます。昼ももちろん長くなって7時半くらいまでは明るいです。
昨日今日は30度超えということで昨日はシティまで遊びに行ってきました。

最初の行き先は最近習慣になりつつある初めての店での食事。今回は名前は何度も聞いていたけど行ったことがなかった The Hardware Société。メルボルンのシティの中でもいわゆるメインの通りでなく裏道に入ってもう一回裏道に入るという場所なので今まで行ったことがなかったです。今回一人だったのですぐ入れましたが行列できてました。それくらい有名なところ。
(ちなみに近くに以前メル響がSecret Symphonyコンサートをやった1000£Bendも近くにありました。あっちも気になりますね-)

The Hardware Sociétéはフランス系(とちょっとスペイン系)のカフェです。ケーキなども売ってるみたい。どこのカフェでも朝食に卵料理はありますがここはなんか卵料理が多いような。私は小さい鍋に入ってオーブンで焼かれた(と思われる)Baked Eggsを頂きました。カリフラワーのピューレやブリーチーズ、カボチャに松の実と卵3個(黄身の数からして)がこんがりと熱々でおいしかったです。ちょっとお値段は張るかな。ちょっと贅沢したいときにまた来たいです。そしてケーキも食べたい。(午後のお茶に来てもいいのですが閉店早めです)

そして久しぶりにチャイナタウンを歩いたり、大体手持ちのCDが消化されてきたし最近刺激&きっかけがあったのでオーストラリアの作曲家のCD2枚買ってしまいました。
一つは今年亡くなったPeter Sculthorpeのレクイエム(ようつべで探すとチェロ独奏のレクイエムが出てきますが今回買ったのは別作品のオケ+合唱レクイエム)が収録されたCD、そしてもう一つはElena Kats-Cherninのバレエ「Wild Swans」組曲が収録されたCD。もちろん演奏もオーストラリアのオケです。ゆっくり聴いたらこちらでまた紹介します。
(ちなみにどっちもABCが出してるCDなのにABC Shopには置いてなかったのでThomas' Musicまで行きました。あそこに行くと色々欲しくなって困るのですがぐっと我慢)

それからIngressのミッションでシティのストリートアート(MuralとかGraffitiとか、分類はよくわからないのですが)を巡るミッションがあったのでちょっとやってみました。こちらも裏道が多く知らない場所に初めて行きました。
ただミッションとは別のところでポータルがあるストリートアートの元の絵がなくなってる場所がありましたね。なるべくpermanentに存在するものをポータル登録する、という方針の中Graffiti/Muralもかなりポータルとして登録されてますがたまにこういうこともあるんだなーと。

ここポータルとして登録されてない?みたいなところも数カ所見ましたがちょっと人通り車通り多くて写真に撮りにくかったり立ち止まって手続きしにくかったり。でも現在数ヶ月待ちなのですでにだれか申請してるかも。
とりあえず今までに私も2箇所ほど申請出しておきました。これからも常に目を光らせておくつもりではいますがいい候補が見つかるかな。

シティだけとっても最近行ってないところ、Ingressを始めてから行ってないところ、全く行ったことのないところ色々。東西・南北とも端から端まで歩いても1時間しないくらいの小さい街ではありますがこうやって目的地を可視化してみるとものすごいですね。

あ、あと歩いてる途中でBourke StreetにMelbournaliaというインディーズ的なメルボルンもの・お土産やさんを見つけました。シティや住宅地の屋上で作った蜂蜜、ローカルメイドの雑貨やメルボルンにちなんだ本など面白いもの、メルボルン人でもときめくもの色々。
その中でちょっと買ってみたメルボルングルメ紹介カード(本は重いしちょっとだけ高かった)にいくつか日本系の食べ所(レストランに限らず)が載ってたので要フォローアップですね。
Melbournaliaはオンラインストアもありますよー。

来週はリハーサル2回に本番、それから金曜はメル響のコンサートとあわただしくなりそう。
Stonningtonが終わったらこんどはZelmanでのパートを練習しなければ。特にソロがもらえるあの曲を。


今日の一曲: モデスト・ムソルグスキー 「展覧会の絵」より「カタコンベ」&「死せる言葉による死者への呼びかけ」



「展覧会の絵」を語るとどうしてもオケに編曲したラヴェルの仕事に話が行く、と以前書きましたがこの2曲はムソルグスキーの貢献もものすごい。
(といってもムソルグスキーのピアノ版も元々素晴らしくて、ラヴェルはそれをさらにすごい作品にしたんですけどね)

まずは「カタコンベ」。イタリアなどにある教会の地下の墓所を表した作品です。
重々しく荘厳で、どこか不気味さというかこの世のものでない、この世界から切り離された感もある曲。コラール的な、でもコラールと言い切ってしまうにはちょっと異質な曲調。
(しかも前の楽章のにぎやかな市場の様子から切れ目なく続くのがさらに効果的)
強弱のコントラストと不協和音が暗いだけでなくはっきりと死の雰囲気のある独特な空間と時間を作ります。小さい頃から大好きな曲ですが、細部まで分かるようになった今も一つ一つの和音を愛せずにはいられない。

ラヴェルの仕事でいえば主体である金管がものすごく格好いい!舞台に向かって右のトランペット+トロンボーン+チューバ群と左のホルン群が組み合わさるように交互に吹くのはからくりが分かるとなんだかびっくりします。楽しそうではあるのですがかなり神経を使う金管パートじゃないかな。

「死せる言葉による死者への呼びかけ」はそんな「カタコンベ」から自然に続く次の曲。静かに震えるような弦のトレモロに乗せて最初のプロムナードのメロディーがこれまた静かにコラール風に奏でられます。高音と低音がまるで会話しているような構成。ただその息のような静けさと透明さ、浮遊している感じは生きている人間の肉声ではありえない。日本の「幽霊」の質感ともかなり近い物があると思います。

ピアノ版もオケ版も、プロムナードのメロディーがため息のように繊細で細くなるのが美しい。でもそれを実現するのは(特にピアノでは)ちょっと難しそうでもあります。特にピアノという楽器の音は元々が結構質量がある音ですし。息で鳴らす楽器とはちょっと事情が違う。息のように弾けたらなー。

「展覧会の絵」だとかなり暗い曲に入りますしちょっとマイナーな楽章ではありますがこの2つの「死」を描いた楽章はとても特別な音楽だと思います。もしも美術館だったらメインの廊下のコースから逸れた、暗い照明の部屋にこの2枚だけ飾ってあったら素敵だなあと。いわくつきの、またはそういう雰囲気のある不気味な部屋。

今回は「展覧会の絵」の他にこれもムソルグスキーの代表作だけど実は編曲という「禿げ山の一夜」(こちらも一流の楽器使いリムスキー=コルサコフによる編曲)も入ってるCDを。


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