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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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メル響マーラーサイクル第2弾感想!
前回のエントリーに拍手ありがとうございます~

なんだか引き続き疲れている様子で、一昨日のリハーサル(明日の本番に向けて最後の!)では自分でもびっくりするほどの集中力の欠落。今夜はしっかり休まなければ。そしてしっかり数えよう。

昨日はそれでも楽しみにしていたコンサート聴きに行って来ました。
メル響とAndrew Davisによるマーラー交響曲コンプリートシリーズ、マーラーサイクルの第2弾。
交響曲第2番、別名「復活」です。

9つ+α(大地の歌とか未完成の10番とか)あるマーラーの交響曲の中で第2番には特別な思いはこれまでなかったのですが、今回のコンサートでそれが変わりました。
今ならマルクス・シュテンツがメル響との最後のコンサートにこの曲を選んだのか、なんとなーく腑に落ちる。やっぱりマーラーの交響曲に特別じゃない作品なんてないんだな。

ただ第2番はほんとこの世界のものじゃない、というか。それくらい神々しくて天国的で。なんか第4楽章くらいから音楽を聴いているという感覚が薄れて、何か違う体験になったような。
なので例えば5,6,7番みたいな親しみとか近さは2番には感じない、全く別のポジションにある。

演奏はとても良かったです。休憩なしの90分コンサートだったのに途中から時間の進み方が変になったようで後半あっという間でした。
マーラーといえばホルンが活躍するイメージで、もちろんホルンもかっこよかったですが今回トロンボーンが光りました。厳かなソロもそうですし、みんなでコラールを奏でる音色も素敵でした。ブラームスやホルスト(土星)でのトロンボーンのコラールに並ぶ。

オケは木管は4管編成+αでホルンもトランペットも人数多め、マーラー恒例の多彩な打楽器群にそれらに見合う弦の数。それに合唱もいて、そこで歌うソプラノ・メゾソプラノのソリストはほんとすごいなーと思います。(必ずしも全員弾いてる時に歌う訳じゃなくても)
第5楽章での揺るぎないソプラノのソロもすごかったですが印象に強く残るのは第4楽章の暖かで穏やかなメゾソプラノのソロ。第4楽章を切り取って飾りたい。

あとマーラー2番はステージ上のオケ+合唱+ソリストの他にステージ裏にも奏者が居ます。
全体の構成はとりあえずこう設定されてるみたいですが(すごい人数!)今回金管が全部で何人居たかはちょっとわからなかった。でもトランペット、トロンボーン、ホルンがかなり人数いるのは分かったし打楽器もいるようで。もはや別オケ。
ちなみに最初ステージ上にホルンが6人いたので(トランペットの5人?と比べても)意外と少ないなと思ったら後でステージ裏から4人合流して10人になりました。そうこなくっちゃ。

で、第2番のこの編成を見るとこのHamer Hallで「千人の交響曲」と呼ばれる第8番をやるときってどんな感じになるんだろうと気になりますね。1000人(合唱が大部分)どうやってステージ上&周りにフィットするんだろう。
(ちなみに第2番は音楽的にも第8番に一番似てるような気がします。そう考えるとなんかシンメトリーになってたりするのか)

さて明日は展覧会の絵。そしてバーバーとタンベルク。自分は弾かないけどドビュッシーも。
しっかり数えてしっかり弾いてきたいと思います。


今日の一曲: グスタフ・マーラー 交響曲第2番「復活」 第5楽章



以前オケ関係の裏方の話で「マーラーの交響曲には(チケットがよく)売れるのと売れないのがある」というのがあったのですが第2番はどっちなのかな。シュテンツ氏ラストコンサートは満員でしたし、今回もほぼ満員なように見えましたが。

自分にとって今までマーラー2番がちょっと心にぴんとこなかったのはそのストレートに宗教的な性質だと思います。(ブルックナーの音楽がぴんとこないのもそういう理由が多分ある)
マーラーの音楽のそういう方面でニュートラルというか、信仰や自然がテーマにあってもそれらをすごくストレートに表現する感じじゃないところに惹かれていたというか。なので器楽のみの交響曲の方が好きなのか。うーむ。

でもそういうのを超えて今回2番の神々しさにものすごく心動かされました。なので前半の葛藤的な楽章でなく昇天の後半からセレクト。
(ちなみに第1楽章のオープニングはオケのオーディションのチェロやコントラバスの課題パッセージにもなっています)

マーラーの交響曲も9つ+αあれば全体の性質も様々ですし、終わり方も様々。
2番の終わりかたは比較的「おとなしい」部類に入るのかな。ちょっと旅する感じと、天国的な感じと混在していて、でも9番みたいな永遠の感じとは違う。
5番のacceptanceともちょっと違う、多分言葉としては「昇華」が一番ふさわしいのかな。

合唱の立場もちょっと面白い。この2番はよくベートーヴェンの第九と比較されるのですが、第九みたいに合唱がメインになるのではなく一歩離れたところ(一段浮いたところ?)から包み込むような。ソプラノソロも同じく。

今回のコンサートを聴いてこの曲にはなにか聖霊みたいなものが宿ってるのではないかと思うほど神々しかったのですが、でも宗教的なイメージを超えてとにかく美しい曲。
そのイメージと、あと全長90分という長さもありますがどうか一度聴いてみて欲しいです。

リンクしたのはメル響+シュテンツの録音。試聴はないけどどうしてもこれにしたかった。
試聴があるシュテンツ指揮の録音はこちらのケルンのオケの演奏があるようです。
(またメルボルンに戻ってきてマーラーとか現代音楽色々とか振って欲しいな-)


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