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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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チェレスタ祭り終わりました
今年のオケ仕事、無事完了です。
(明日から小旅行で荷物まとめなきゃいけないので手早く)

<Zelman Symphony Orchestraコンサート>
12月6日午後8:00、12月7日午後2:30
Eldon Hogan Performing Arts Centre, Xavier College
ベンジャミン・ブリテン オペラ「ピーター・グライムズ」より四つの海の間奏曲
レイフ・ヴォーン=ウィリアムズ オーボエ協奏曲(オーボエ:Andrew Kawai)
グスタフ・ホルスト 「惑星」(女声合唱:Cloud9 Women's Choir)

2回公演はZelmanでは初めての試みだったそうですが日曜日はそんなにお客さん入らなかったですねー。でも日曜日はコンサート後も夜遅くじゃないので子供連れの家族がステージに来てチェレスタ見に来て修理した人にお話聞いてました。色々メリットもデメリットもあるようですが来年はどうなるか。

どっちの公演もまずまずの出来でしたね。土曜はちょっとみんな緊張してたようですが特に目立ったエラーもなく、日曜日は全体的に生き生きしてましたがどうも気が抜けたようなミスがそこここで聞こえたり。複数回公演での緊張と士気の色々バランスって難しい。

今回ちょっとコンサートの最初にチェレスタを新しく直した件に関してスピーチがあって、その後ソリストのように紹介されて金平糖の精を弾かせていただいたのですが自分としてはまあまあの出来でした。土曜日はオケ全体の傾向と同じく緊張でちょっと保守的というかおとなしめな演奏になったかな。今日はもちょっと表情つけられた手応えはあったのですがそれでも楽器の魅力を引き出せてるかどうかはわからなかったです。(その点に関しては海王星のほうが手応えがあったかも)

そして今回金平糖が終わったあとで楽屋に戻ったときに居る面々の関係で木管奏者と話す機会が多かったです。Zelman Symphonyはメンバーの年齢範囲が広くて高校生や大学生などもいるのですが(ハープ弾いた子が高校生だとはびっくり!あんなにきれいなハーモニクスがでるのか!)、特に木管は若くて意欲の高い奏者が結構多くて色々面白い話が聴けました。

特に「弦楽器や鍵盤楽器は教えたり説明するときに目で動きを見て分かって真似できるからうらやましい!」と言う話だったり(管楽器は口の中や唇の圧など目に見えない部分がテクニックのほとんどを占めます)、あとオーボエと同族のコールアングレよりもっと長いヘッケルフォーンを持たせてもらいました。一番下が木の固まりだから重かった!
ちなみにヘッケルフォーンはバスオーボエに近い楽器ですが前者はリヒャルト・シュトラウスなどドイツ音楽で、後者はフランスの音楽で主に使われるそうです。「惑星」は元々バスオーボエのパートとして書かれてますが初演はヘッケルフォーンを使ったそうです。要するにどっちでもいいらしい。

それからピッコロの音の出口の傍に第1バイオリンの人が一人座ってるのですがうるさくないのかな?と思ってたら(ピッコロとアルトフルートと持ち替えのフルートの人が聞いてみたところ)「補聴器を外すから大丈夫」とのこと。以前行ったレクチャーでは補聴器は会話はいいけど音域・音量の幅が広い音楽を楽しむにはまだまだ、と聞いたので補聴器をつけて音楽をやってる人がいるとはちょっとだけ驚き。普段の練習、リハーサル、コンサート聴きなど色んな音楽の楽しみ方で補聴器がどう助けになるのかちょっと気になります。

ヘッケルフォーンを吹くのが好き、という話を聞いたりフルートのテクニックの話を聞いてるとホント楽しいです。
ただこういうコミュニティオーケストラって奏者の年齢も様々ならこのオケに参加する目的や意義なども大分開きがあって。特に人数の多い弦が顕著なんですよね。なかなか弦を強くするにはプロとかユースとかみたいに個々の奏者としてもチームとしてもしっかりしなくちゃいけない。

そんな弦ではユースオケからの仲間が「惑星」でチェロのリーダーをつとめてました。金星のあの難しいソロもしっかりこなしてましたよー。これまで教える方に専念してて弾くことを再開し始めたばっかりとのことで、またオケでも室内楽でも一緒に弾きたいです。

さて明日は朝早く電車にのってグレート・オーシャン・ロードです。気温は20度台前半とちょっと残念な感じですが楽しんで来たいと思います。
・・・荷物詰めなければ。調子に乗って食物が多い。



今日の一曲: グスタフ・ホルスト 組曲「惑星」より「土星」



今回ヘッケルフォーン吹きやフルート吹きの皆さんといろいろおしゃべりさせてもらったので彼らが活躍する土星を。(私は残念ながら弾かない楽章ですが)
ちなみに土星はホルストのお気に入りの楽章ですしものすごくうまく書かれてるし美しいのでもっと有名になるべき。

ヘッケルフォーン(又はバスオーボエ)は初めのセクションでソロがあります。オーボエみたいなアヒル系の音で結構低くて太い音がそれ。ちょっと珍しい楽器ですので耳を澄ませてください。ここはコールアングレでもファゴットでも同じ音は出せない、ちょっと特別なソロです。

フルートが活躍するのはトロンボーンのコラール以後。惑星は4管編成、つまりフルートも4人います。なので2本ずつ別のパートを担当したり4人一緒に和音を合唱風に奏でたり、フルートだけでかなりできることの幅が広がります。こういうフルートの使い方はオケではちょっと珍しかったり。あとフルートとハープが似たような役割で絡むのも珍しいかも。

その4人体制のフルートを支えてるのがアルトフルート。ハーモニーの一番下を静かに支えてます。残念ながらその音自体を聞くのは難しいかもしれないですがそれがあるからこそのフルートの和音の美しさ。(アルトフルートの音が聞きたいならラヴェルの「ダフニスとクロエ」やストラヴィンスキーの「春の祭典」あたりがいいかも)

「土星」は他にもトロンボーンのコラールに惚れたり、2人のハープが奏でる難しくも一音一音が限りなく美しいパートだったり、実はチェロの最初のエントリーの高音が難しかったり、色々聞き所があります。曲が長いのと(特に最初のぱっと聴きあんまり面白くない部分が長く感じる)、あと曲の魅力を感じるには弱音やディテールにものすごく耳を澄ませなくちゃいけないようなところがあったり。
でもじわじわと染みいるように好きになったら虜になること間違い無しです。作曲家自身が好きなのにはそれだけの理由があるのですよ。

さっき書いたような理由もあり30秒とかの試聴にもとことん向いてない曲なのですが(汗)今回はカラヤン指揮のベルリンフィル演奏の録音をリンクしてみました。ベルリンフィルの金管に期待して。でも基本イギリスのオケがオススメです。

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