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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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時代と文化の楽器に馳せる思い(「World Musical Instruments」を読んで)
ブーゲンビリア、ジャカランダ、キョウチクトウにジャスミンと夏の花が咲き乱れる季節になってきました。
最近日が長くて夕方働いていると8時くらいでもちょっと前の5時くらいの感覚で。「おーもうこんな時間!?」と思うことが多いです。

昨日ブログを更新してるときに妹が帰宅したのですが、なんか面白い本を土産に持って来まして。
Maria da Gandra & maaike van Neckの「World Musical Instruments」という本で、その名の通り世界の楽器の図鑑みたいな本です。こんな本
表紙にあるような切り絵風の絵で、楽器が開発・発明された時期ごとに年表として表示されています。楽器には番号が振ってあって後ろの索引で名前や種類(音の出し方による分類)などが調べられるようになっています(撥や弓など楽器の付属物も別にまとめて描いて番号がふってあって、メインの楽器のところにそっちの番号も表示されているのはなかなかいいシステムですね)。
ちなみに前書きは色んな言語で書いてあります。

イラストは楽器の相対的なサイズが分かるようになっていて(最初の「楽器」がヒトの声帯なので人間と大きさとの比較もできる)、和太鼓なんかはどーんと1ページ費やしてますし、パイプオルガンはページに収まってなかったり(大きな楽器は全体像を別縮尺で巻末にまとめてあります)。逆に鈴とか小さすぎて分かりにくいものも。

これが面白いんですよねー。色んな国の色んな楽器が見られる、というだけでなく時代と照らし合わせたり、進化の流れや流行も分かりますし。
これこんな時代にもうあったんだ!とかこの時代には金管楽器が色々出てきてるな、とか。

で、やっぱり今では無いような楽器とか、どうみても変な楽器とかあるんですよね。前回の一時帰国で行った浜松博物館に実物があったのも結構たくさんありましたが、実物を見ても変なものは変(笑)
イラストがこうシンプルだから特徴がはっきり分かってインパクトもまた大きいというか。ページをめくって「これ変!変!」と妹に見せること多々。

楽器の種類ってそう無限なわけでも無いんですよね。大体文化圏の中である程度決まった形いくつかに落ち着くというか(ちょっとざっくり言い過ぎかもしれないですけど)。
で、年表をたどっていくと時代が後になってくるとその大体の種類の中で改良・進化していくことが(全く新しい楽器の発明よりも)多くなってくる傾向があるように見えます。

その改良・進化がとにかく面白い。楽器をより良くしようと思ったら例えば音をもっと大きく、響きを良くとか(古代に比べて近代は大きい場で音楽を演奏するようになったため)、音域を広くしようとか、音の質や音色を買えてみようとか、弾きやすくしよう、運びやすくしようとか、色々改良点はあって。
今普通に使われている楽器だって完璧ではないです。ファゴットの指使いの変なのとか、ハープで現代音楽を弾く難しさとか、バイオリンだって弾く姿勢に注意を払わないと怪我に繋がる恐れもありますし。

この図鑑に載っている「変な楽器」もその「より良くしよう」という過程でもう色んな手段を試みたのがものすごく見えるんですよね。
例えば木管楽器のあの複雑なキーのシステムが実現できる前、金管楽器のバルブが作れるような技術がある前には音域を広げようとか、響きを良くしようとか、音を大きくしようとか考えると「管を長くする」という方向を検討しなくちゃいけなくて。
でも管を伸ばすと持つのが難しくなる。アルペンホルンなんか完全に地面に着いてるし(響き的には接触しないほうがもちろん望ましい)、とにかく運びにくいし重い。
だからセルパンみたいにぐにゃぐにゃしたり、ホルンの変わったやつみたいに色んなところでぐるぐる巻いてみたり、結果見た目ものすごく奇妙な楽器が出来てしまうわけです。
(弦楽器だったら共鳴弦といって実際には弾かないけれど共鳴させることで響きを豊かにする弦をいくつも張ったり、胴体の形を変えてみたりとかした結果変な形になる場合が多いです)

それから現代によくある変な楽器は逆に技術の進化によって色んなことが出来るようになったためあんな楽器とこんな楽器を合わせてみようとか形をこんなにしてみようとかそういうケースが多い。

で、そんな試行錯誤がとにかく大変で、作ってる本人はものすごく真剣だったことが分かるのだけれど、そういう試行錯誤も苦労もみんなひっくるめて「変な楽器」ってものすごく笑えるんです。もう面白くて仕方が無い。

そんなこんなでとにかく昨日からページをめくっては楽しくて。妹には感謝です。
変な楽器、色々あって自分のお気に入りは選べないのですが、ぐーぐるさんの画像検索で「instrument serpent」のキーワードで検索するとちょっと面白いかも。


今日の一曲: ルートヴィッヒ・ファン・ベートーヴェン 「エグモント」序曲



本文とは全く関係ないのですが前から紹介したかった曲。最近ちょっとオケ曲が手薄な印象ですしね。
メルボルンに来て学校で楽器が習えることを知り、チェロを6年生で始めて。
小学校のオケではかなり簡単にしたアレンジの曲を弾いていましたが、7年生になって中・高校生のオケになると曲のアレンもちょっと面白い・難しいものになったり、それから原曲そのままで弾くようにもなりました。
その中で生涯初めてちゃんと原曲で弾いた曲がこの「エグモント」序曲でした。

なんというか、ものすごく典型的にベートーヴェンですよね。暗い情熱に、調は「熱情」ソナタと同じヘ短調、そして最後の勝ち誇ったような長調の光。
あと「動き」が良いです。フレーズの流れに勢いがあって、チェロが弾く下降するメロディーとか、描く弧がどこもダイナミック。

この頃のオケってオペラでもそんなに金管が活躍することは少なかったのですが、その代わりといっちゃなんですが木管楽器隊のアンサンブルがすごく好きです。第2主題(長調の和音から始まる)で聞こえる木管楽器が一致団結した音はいいですね。この時代ならではの響き、みたいなところがあって。

ベートーヴェンは数々のオペラの序曲を残してますが「エグモント」はその中でも愛着があります。前述体験もそうですが、やっぱりベートーヴェンは暗いのが性に合いますね。この曲でコンサートを始めるときはどういうプログラムが良いんだろう。
最近ちょっとベートーヴェンの音楽にはそこまで特別なものを感じない時期に来ているようですがそれでも自分にとっては大切な曲です。

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(暦の上では)夏。
前回のエントリーに拍手ありがとうございます~
12月、ということで暦の上では夏です。実際のところは最高気温20℃台前半~30℃超えと相変わらず変動が大きい推移でお送りしています。
夜間の軽躁傾向も大分落ち着いた様子で、問題なく寝られるようになったためメラトニンはとりあえずのところストップしています。やっぱり季節的に春は(冬以上に)鬼門かもしれないなー・・・

ピアノも(レパートリーの)行き詰まった感が徐々に解けてきたかな。
昨日フォーレの前奏曲集を初見で弾いてみました。そんなに難しい曲じゃ無いけれどフォーレのharmonic languageはちょっとまだ自分に馴染んでないところがあったり、色んな作曲家の晩年の作品に共通する渋みだったりsubtleな表現だったり、そういうところはあれどまだそれはこれから詰めていけるかなーと。

でも実際に演奏したい曲ですね(全9曲なのですが選んで弾くつもり)。で、これがラフマニノフの練習曲「音の絵」のop.39セットの方とまた相性が良さそうで(こちらも晩年の作品)。
そこであとは鳥カタからダイシャクシギなんかもいいなー・・・なんて考え始めたらちょっとこう、ちょっと表面にでないところで何かが流れ始めて。
そこまではいいんだけれど他にイソヒヨやドビュッシーの「映像」第2集はどう折り合いをつけたらいいのか、とかラヴェルの「古風なメヌエット」とか武満の「雨の木素描II」とかも弾きたいし、と考えると大分しっちゃかめっちゃかになってしまい。まだ急ぎではないですがなにか解決策がでるといいなあ、と思っています。

そして久しぶりにどさっと楽譜買いましたよ!
といってもオンラインなのでまだどさっとじゃないのですがこんなラインアップ:
ペルト Lamenate (ピアノ+オケのための曲)
メシアン 練習曲集(火の島2つを含め4つ)
フォーレ 前奏曲集(安い、しかもプレビューのない版を買ったんでちゃんとしてるといいな)
プロコフィエフ ピアノソナタ第3番 (単一楽章)
遅くなったらもしかしたら届くのは来年になってしまうかもしれないのですが楽しみです。なるべく今年中に着いてくれ。

それから今日は去年お母さんになった学校以来の友達がメルボルンの方に出てきたのでお集まりしましたよー。
赤ちゃんももう15ヶ月で、そこらを平気で歩き回ったり、歯も生えてるし、結構しゃべるし、色んなものを見逃した感で一杯です(笑)
こないだ向こうで引っ越ししたらしくてちょっと諸々大変そうですが元気でなにより。来年になったらHousewarmingパーティーもやるそうなので(数ヶ月遅れですが)そのときは遊びに行く予定。でもクリスマスにまた来るそうなのでまたみんなで遊ぶかも。

Housewarmingといえば別の友達もシティ周りに引っ越したそうでなんかやるみたい。
私も引っ越したいな-。結構今住んでるところ(主に住んでいる通りですが)がちょっと人口過密というかそういう風に感じることが多くなったので。もうちょっと色々余裕があるところに住みたいな、と昔住んでた辺りを最近歩いて思いました。願わくは来年あたり。

そういえば今回の衆議院選挙、在外投票がもう来週なので忘れないようにしなきゃ。行くのはもちろんだけど在外投票登録証みたいのとパスポートを忘れずに(汗)


今日の一曲: ガブリエル・フォーレ 前奏曲 op.103 第5番



母にCDを買ったときちょろっと聞いて初めて気になった前奏曲集、そのときは第3番を紹介した覚えが。あれが一番分かりやすく印象に残りやすい曲で初めましてではそれが一番お薦めですね。
で、そこから何回か聞いていくとこの第5番も結構じわじわ来るような。今来てるのですが。

暗さと深さ、灰色さを持った中で結構情熱的なこの第5番。一つの拍を2つに割ったり3つに割ったりそれを同時にやったりとする不安定に渦巻くリズム、そして上昇する音型が特徴的です。
情熱的、といっても爆発するような、燃えさかるような激しさではなく静かに煮えたぎるような、言葉で表そうとするとなかなか難しい複雑さのある情熱がなんかかっこいい。

あとは楽譜でいうと最後の1ページ、途端にリズムが落ち着いてコラールのような穏やかな音楽になるのもものすごく好きです。音は少ないし強弱の変化もあんまりなく、音域もこぢんまりしているけれどその前のふつふつした情熱がどこかに残っているような、そんな感覚もあり。

それから前奏曲集全体に言えることですがハーモニーの使い方が独特ですね。渋い。そして結構予測しがたい。この時代に台頭してきたドビュッシーやラヴェルよりも、例えばプーランクのスローなシャンソン風の曲に似たところがすごくある。
同じフォーレの舟歌(中期あたり)をこないだ初見で弾いたときの色彩の印象とかと全然違いますもんね!ちょろっと調べたところによると年齢を重ねたことだけでなく難聴に悩まされていたこととかもこの時期の作品には影響しているようなことが書いてありますが、それにしたってこの変化はすごい。
同じくラフマニノフの練習曲「音の絵」も、最初のop.33と2番目のop.39の間のこのハーモニーの差どうした!?(後者が格段に渋いのです。7thコードなんかものすごく使って)・・・ってことがあるのでそういう意味でも本文で書いたように相性がいいのかな、このフォーレとこのラフマニノフ。
ちょっと並べて聴いてみると面白いかもしれませんよ。

リンクしたのはたまたま検索して見つけた録音(試聴あり)。ドビュッシーの練習曲集と合わせるとはこれまた渋いですね、色彩が。

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Thirty-Eight Degrees Celsius!
前回のエントリーに拍手ありがとうございました~
昨日と今日とメルボルンは暑め→めちゃくちゃ暑かったです。
なので仕事はこのタイミングでちょっと休んで、外に出てビタミンDを増やしてきました。あと楽しんできました。

昨日はマッサージに。腕・手はもちろん、ピアノを弾いてる時にちょっと腰に力がうまく入らなかったりしたのでほぐしていただきました。アロマオイルはローズマリー、ユーカリとベルガモットだったのですがとってもすっきりしました。
身体的にはもうしばらくがんばれる感じかな。

そして今日は38℃という真夏日の中まずは朝歯医者さんに。
こっちに来たときからずっと一緒のクリニックなのですが何回か担当の歯医者さんが変わって、今の歯医者さんはとにかくてきぱきしていて手技も話し方も論理的でさくさく進むのがいいですね。
おかげでさっさとシティに行ってロルカの朝食メニューにまにあいました。昼に卵が食べたいのでHuevos Florentineに。Poached Eggとスモークサーモンとほうれん草とパンにHollandaise sauceってとにかく素晴らしいですな。
Huevos Flamencaには暑い季節になってきたのでよく頼むようになるかも。あと今日は暑かったからか空いててよかったー。

そしてこれもちょっとぶりに大学の図書館へ。
色々見ることは見たんですが実際に弾いてみるとなるとどうしてもcomfort zoneの作曲家になってしまう。
先にちょろっとでも聴いてみなきゃなあ、と思うものがたくさんあるんですよねー・・・シェーンベルクとか、ヒナステラとか、名前は知ってても音楽(またはピアノ曲)はそんなに親しくない作曲家がたくさん。ここら辺の壁を取り払いたい。
あとは気になるんだけどなんだか楽譜面難しそうってのもちょっぴり。クセナキスの「Mists」とか。(クセナキスは近いうちに色々聞いてみたいですし、チャレンジしてみたい)
あとオーストラリアからHindsonのAK-47とか。(途中で「即興で短いカデンツァを入れる」と書いてあったのに若干びびったのもあり)
次はヒナステラとクセナキスとオーストラリアの何らかの作品を借りたいです。年末年始のチャレンジとして。

結局借りたのはシマノフスキのマズルカ (op.50)、フォーレの前奏曲集(op. 103、晩年の作品)、そしてメシアンの練習曲「火の島II」。
火の島は1と2とセットでリサイタルの最初と最後に、とか弾いてみたいですね。習得するのは(まなざしも鳥カタもあるので)急ぎではないのですが、初見はやっておきたい。
フォーレの前奏曲・・・は、母にフォーレのピアノ曲全集のCDボックスを買って聴いたときから気になっていたのですが改めて楽譜見ながら聞いてこれはツボだな、と。
フォーレの作品のなかでも晩年のものでネットで調べてもとっつきづらいとばっかり書いてある、ちょっと変わった曲なので、これから最初に弾いてしまうのはどうかなーと思うのですが、きっと今他に弾きたいと思ってる曲と相性が良いと思うので。
(ただ9つあるうち全部は弾かないかも)
そんなこんなでまたシマノフスキのマズルカは手つかずになってしまうおそれが(汗)

ということで明日からまた20℃周りの気温が続く予報。そして私もピアノと仕事に戻る予定。
色々弾くもののアイディアが少しは固まるといいな。
そして近いうち楽譜を幾つか購入しようと思っています。それも楽しみ。あと日本でCDを買ったり、こっちでアルケミを買ったり。12月はしっかり楽しみたいです。


今日の一曲: Szokolay Sándor ツィンバロム、チェレスタ、ピアノ、打楽器とハープのための「Lament and Cultic Dance」 より「Lament」



前ダウンロードしたチェレスタ関連の曲から一つ。これは「Psy」というツィンバロムで演奏する現代音楽(ハンガリーの楽器なので自然とハンガリー周りの現代音楽)のCDなのですが、ツィンバロムのソロだけでなく他の楽器とのアンサンブルも幾つか入っています。
そんななかのこの曲。これまた似たようなところがある、オケにおいての(私がいうところの)「周辺楽器」達の集まり。ツィンバロム、チェレスタ、ハープはどこか音色が似てるようで似ていない、不思議な絡み方をします。

最初に聞こえる4つの音のモチーフからハープ、チェレスタ、ツィンバロム、鐘が展開する自由に流れ絡まるメロディー。
この暗い闇で夢のようにゆらめくスタイルはやっぱりバルトーク(特に「弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽」)が源泉なのかなー。ツィンバロムの独特な響きだったり、チェレスタの不安定な音色、それからハープの深い低音がものすごく生き生きしています。こういう闇のチェレスタ(そしてハープ、ツィンバロム)が大好きなんだ!

バルトークが源泉といえばCultic Danceの方の荒々しさもバルトーク色が濃いですね。Cultic Danceとはいってもものすごくハンガリー民族音楽フレーバー。
どちらもものすごく「妖しい」魅力があって、オケのはじっこにいる楽器たちのダークな部分が存分に味わえる曲です。

今回このCDからはこの曲しかダウンロードしてなかったのがちょっとやっぱり悔やまれますね。追ってほかのツィンバロム曲もダウンロードしたいと思っています(そういうCD結構たくさんあるなあ!)。
ツィンバロムの魅力についてはまたそのときに・・・?

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昨日行ったリサイタルの感想♪
前回のエントリーに拍手ありがとうございます~
昨日は久しぶりにコンサート行って来ました。やっぱり生きているピアノの音を聴くのはいいですね。(いかに普段の自分の弾くピアノの音が生きてないか、というか)
場所はMelbourne Recital CentreのSalon。こういうリサイタルでした。
・・・つまりピーターのリサイタルです。プログラムはリンク先のとおり、全部で1時間強のプログラムでした。
面白いプログラムでしたね。聞いたことない曲もたくさん。
一見ばらばらに見えてものすごくさりげないというか抽象的なところでつながりがある。不思議な組み合わせと連なりのプログラム。

Brett Deanの「Equality」はメゾソプラノとのバージョン(作曲家の娘さん)と一緒に弾いたのを聴いたことがあるのですがこれはピアニストが読みながら弾くバージョン。これは曲よりもMichael Leunigの詩が面白いのよですねー。(歌手とのバージョンであった「Prayer」も好き)

メトネルはあんまり縁の無い作曲家で、以前聴いたときはそんなに魅力を感じなかったのですが今回の「Skazka」(お伽話)からの3曲はなるほどピーターがメトネルが好きだというのがものすごく分かりました。がっつりなロシア系のピアニズムに後期ロマン派的な表現と色彩、それでいてどこか内向きなところがあって。特に第1番の河の流れの曲が良かったです。それから3河の流れを表す曲、森の妖精みたいなものを表す曲、リア王が嵐に向かって荒ぶるシーンを表す曲という曲の組み合わせも素晴らしかったですね。

ブラームスによるバッハのシャコンヌ(バイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調から)は左手だけで弾く曲なのですが、それを感じさせない演奏でしたね。こういうのを聴くととにかく大きい手がうらやましくなる(左手オンリーの曲はほんとそうなんですよ)。あとバッハのパッサカリアとフーガハ短調もそうですがこういうパッサカリアとかシャコンヌとかの素晴らしい演奏を聴いているとなんか自分の創作した諸々の運命に対してものすごくさいなまれるというかなんというか(汗)

「E-330 Plays」は作曲家が聴衆にいました(空いた席のその隣でした(笑))。面白い曲でしたね。エヴゲーニイ・ザミャーチンの「われら」というディストピア小説が元になっていて、20年以上もオペラとして暖めているうちの1シーンだそうです。
先日Michael Kieran Harveyが今年のPeggy Glanville Hicks addressで説いたようにオーストラリアで自国の作曲家の評価がそんなに高くないと言われる中、こういう風なリサイタルプログラムで地元の作品が演奏されたりする機会があること、それを聴く機会があるのは良いですね。(でもやっぱりオペラは大がかりだからもっと難しいんだろうな)
後でピーターの家族周りと一緒に夕飯をいただいた時にもそういう話になったのですが、割とクラシック好きな人が多い中地元の音楽も聴衆側の需要は結構あるっぽい雰囲気はあるような気がします。

照明を落として演奏されたDenisovの「Signes En Blanc」。クレーの絵画と少なからずつながりがある曲らしいのですが、なんとなくそれが分かるようなところはありました。
こういう曲好きなんですよ、余韻を楽しむ、抽象絵画みたいで何か音楽というよりはなにか神秘的な言語みたいなところがあるフレーズ使いの音楽。
いいなあ、そういう曲に出会いたい。

そしてリゲティの練習曲第4,5,6番(第1巻より)。
前の2曲も合わせてですがピーターの強みはやっぱり現代音楽だと思います。メトネルとかバッハ(ブラームス)の演奏もすばらしいながらも現代にもっと近いレパートリーが自然に聞こえるというかすっと入ってくると言うか。(リア王のメトネルは今回聴いたよりももっともっと激情的に弾くのもあると思うんですよね)
曲として好きなのは第6番で(おそらく私にとって一番のお気に入り)、演奏で一番好きだったのがスローな第5番。
(今日初見で弾いてみましたが私でも弾けそう。第2巻も楽譜買っていくつか弾けるようにしておきたい)

楽しかったです、聴いていて。ものすごく興味深かったですし、なんといってもプログラムを組むことについて勉強になったというか。改めて自分が弾きたい曲を練り直してみようという気になりました。
あと久しぶりに会ってちっとは話せてよかったですね。いつも会うとほっとします。あとお土産(箸、お茶と金平糖のセット)も渡しました。
あと夕飯で「先に頼んで良いよ」っていったら頼もうと思ってた料理と同じの頼みやがりまして(笑)
生ハムとクルミとメロンとゴルゴンゾーラとイチジクの、メインディッシュにリストされてるのに前菜とデザートを足したような料理でした。美味しかったです。

近いうちにまたゆっくり、と約束しているのでピアノの諸々の相談はまたそのとき。
今州立図書館で真ん中に穴を空けて内側から弾けるようにしたピアノの演奏、というのをやってるのですが(NHKニュースでも取り上げられたのですが今は記事はないみたいです)、ピーターもどうやらそれで弾いているらしく(お父さんが携帯で動画撮ってました)、その周りでなんかぶらぶらする予定になりそうです。ちょっと見たい(笑)ちなみに腰がめちゃくちゃしんどいらしいです。

ということでまあ自分のピアノのほうはぼちぼち。なかなか他の音楽家仲間との話し合いとか刺激とかそういうものが少ない環境(=主に自分側の問題ですが)がちょっとネックになってきそうな予感があって。室内楽とかやったほうがよかったりするのかな、と。
ただ前回のプログラムもなんとなくこう自分の内的世界の切り取りみたいな側面があって、そういうのがやっぱりやりたいところもあり。これからのプログラム組みもそういう風になってくれればいいな、と少し思っていたり。

とりあえず明日・明後日はマッサージを始めちょっとゆっくりの予定なのでゆっくり考えたいと思います。


今日の一曲: リゲティ・ジェルジュ 練習曲第1巻 第4番「ファンファーレ」



リゲティの練習曲で一番最初に出会う曲、というと多分これが一番かな。一番良く聴くような気がします(単に身近なピアニストでこれを弾く人がちょこちょこある、というだけかも?)。
リゲティに特徴的な機械っぽいところがあるながらも明るくて色彩もはっきりしていて、比較的catchyなリズムで聞くには分かりやすい曲かも。

でもとにかくリゲティの練習曲というのは難しい。ピアノのレパートリーの中でもトップクラスの技巧的難易度を誇る曲集です。
何が難しいというとまず指を動かすこと、それからイレギュラーなリズムでアクセントをしっかり強調してリズムの魅力を出すこと、それから求められているスピードで弾くこと。

この曲も曲集のなかでは比較的難しくない方だと思うんですよ。音だけなら。私でもそこそこ初見でなんとかなるくらいは。
ただこの曲のモチーフになっている繰り返される音階的なパッセージのアクセントを最初から最後まで落とさずつけるのがものすごく難しい。特に右手のアクセントとずれるところが。
なんかこう、狂うと思うんですよね、こういうディテールを継続して完璧にやるのには。人間の脳としてパンクするというか。

曲調もそうですし、上記ディテールの再現に求められる技巧・脳の能力も合わせてリゲティの音楽って人間の域を超えた機械っぽいところがあるんですよね。
それがなんというか無機質で冷たくみえるというか、そういうことはよく言われるそうで。ちなみにラヴェルも似たような印象を抱かれることが多いのですが、母曰くそういうところに魅力を感じるか否かの差が文系・理系の感性の違いだそうで(もちろん文系の感性は別のところで理系の感性にはなかなか共感しがたい魅力を感じるということで、どちらが勝っているということではないです。

でもこの曲をつまらなく感じたからといってリゲティの音楽全部捨てたもんでもないと思います。同じように無機質かもしれませんが色んな魅力を持った曲が全3巻の練習曲集にはありますし。例えば第6番は結構激情型だったり(私はそのバランスが好きです)。
なかなか普段出会うことは少ないかもしれませんが、リゲティのピアノ曲は面白いですよ。ちょっとご挨拶してみてください。

リンクしたのはエマールの演奏。もうこれがバイブル、というかこんなに完璧にこの曲集を弾きこなす人はほぼいませんね。人間らしい演奏に聞こえるか機械の完璧さを感じるかはまあ聞いてみてくださいな(リンク先には残念ながら試聴はありませんが)。

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うららかでない春(?)の集まり
前回のエントリーに拍手どうもですー。
昨日は行って来ました、シティの向こう側に住んでる親友の家。
ホームパーティーというか、暑くなったから集まって食べたり飲んだり話したりしようぜ、という感じのお集まり。
昨日は最高気温が34℃でクールチェンジありとの予報でしたが(数字だけ見るともはや春では無い)曇ってはいたものの雨はぱらついたくらいだったのでずっと裏庭にいました。食べ物食べたり飲み物飲んだりしゃべったり。
ずっと外でしゃべってたのが悪かったのかバーベキューの煙が悪かったのか帰りちょっと息苦しかったですが(汗)

豆がたくさん入ってるサラダとか鶏肉とかソーセージとか、あと甘いものだとBaklavaとかブラウニーとかレモンタルトとかいっぱいいただきました。
飲み物で面白かったのは友達が持って来た洋梨のシードル2種。どっちもYarra Valleyの同じワインメーカーで作ってるシードルで、コルク栓の方の伝統的な手法で作ったのは賞もとったそうです(そっちの方が確かにでもおいしかったです。最初の炭酸の強さすごかったですがね!)。
それから手作りのSangria。これは赤ワインのフルーツパンチみたいな飲み物ですね。今回ふるまわれたののレシピはちょっと変わってるらしく、リンゴとイチゴとオレンジをコアントローと砂糖に漬けてしばらく置いた後レモネードとスパークリング赤ワインで割る、という作り方らしいです。おいしかったです。作り方から想像がつくようにフルーツにかなりアルコールが入るのですが、イチゴはそれがとってもおいしかったり。

あとは医学・精神医学(ここらへんはいつも話に出る)、化学、言語、ボクシング、クリケット、レスリングなどの話で盛り上がって、あと別のところでは洗濯竿(傘みたいな形のがオーストラリアでは主流なのですが)にCaskのワインの袋を取り付けて回し、止まったところの人が飲むというDrinking gameをやってたり。
あとビニールプールも出してありましたよ。入ったのは2人くらいですが(笑)あと庭に2羽ニワトリ(笑)。

それからレーザータグの話が出ましたね。屋内でやるレーザー銃を持った鬼ごっこというかコンバットというか。
昔友達の誕生日パーティーとかでやった記憶があるのですが割と大人でも(若い人は)遊ぶみたいですね。
普通レーザータグって15分とか試合時間が割と短く決まってるのですが、なんでもBox Hillに真夜中(0時)から夜明けまでレーザータグ遊び放題の場所があるらしくて(再入場できないシステムだそうです)。明らかに若い人ターゲット(笑)それに行こうか、という話になったのです。
夜が明けても屋内で暗いから分からないのですが日の出が見えるシステム(または再現されるシステム)があったらいいのになーとか。
とろかったりなんだりであんまり得意ではないのですが、遊ぶのは好きなので是非実現してほしいです。
(あとゾンビから逃げるタイプもあるんですがそれは明らかに怖そうなので避けましょう)

で、今日はまだ仕事があるのであまり遅く滞在せず帰って来て、今日はSangriaのワイン分が祟って若干二日酔い気味(昨夜から始まってはいましたが)。ピアノは休んで一日仕事。
ピアノはねー、今かなり悩んでるところだったり。フランス音楽で水に関するプログラムを組みたいなーと思って曲を弾いてたのですがどうもやっぱりバランスが悪い。色彩だったり、軽さだったり、どうしても偏って物足りなくなる。
現在諸々心に余裕がなくて考えにくい状態ながらも色々1からプランし直すことを検討中。前回みたいにもっと抽象的なコンセプトにしてがっつり系の曲も入れたりして、かつイソヒヨドリ+他の鳥カタも生かして、と。
とりあえず明日出かける前に練習できるといいな。

そうそう、明日はピーターのリサイタルなのですよ。やっと今日チケット予約した。
Medtnerの曲はあんまり知らないしあんまり惹かれたこともないけれど、なんといってもリゲティが楽しみ。リゲティの練習曲、私がおそらく一番好きな第6番「ワルシャワの秋」をやるので。好みが似てるからあの子も好きなのかもしれませんね。
そもそも会うのさえも大分久しぶりなので(あんまりゆっくりはしゃべれないながらも)会うのも楽しみにしています。
ピアノ関連の悩みは出来たら彼に聞いてもらいたいものですがさて。

ということで次回感想が書けるといいな。(そして次回リゲティの練習曲を一つ今日の一曲に選べるといいな)


今日の一曲: フランシス・プーランク 三重奏曲 第3楽章「ロンド」



自分にとってはなかなか生でも録音も聞く頻度が低いプーランクのこの曲。でもこの曲を弾く楽器の奏者にとってはかなり人気が高い曲だと思います。
「三重奏曲」とありますが楽器編成はオーボエ、ファゴット、ピアノです。オーボエとファゴットはどちらも二枚のリードを重ねたものをくわえて音をだす木管楽器で、似たところのあるあひるっぽい音を出すのですが、形も大きさも全く違う楽器でもあります。(ちなみにファゴットは上から音が出るようになってますが、一番下で管がUターンしてるんですよ。そこは特に木が分厚いので持ってみるとそこのパーツだけでもかなり重いです)

そんなオーボエやファゴット、割と「歌い上げる」パッセージが得意な楽器です。ちょっともの悲しさのある音色で、(ファゴットはちょっと高めの音域で)メロディーをソロで歌い上げるときが確かにオケでも光ってる。機動力は同じ木管楽器だとどっちかというと残りの2種類(フルート、クラリネット)の方があるかもしれない。
でもこのプーランクの三重奏曲にはそんなホームグラウンド(?)から大分離れたアクロバティックなパッセージがたびたび見られます。
この第3楽章もオープニングからとばすとばす。転がるような速い音階的なパッセージを2人揃って合わせるのの見事さ&気持ちよさ。(ちなみに予想はつくと思いますが一緒に弾いてるピアノもこのスピードは大変)。
プーランクらしく、というか曲調と感情がころころ変わるのもこの曲で健在。オーボエもファゴットもコミカルな音色ではありまうが、それがそういう変化を演じるとどこかピエロのようでもあります。

あとオーボエとファゴットの魅力というか特徴というか、というのがスタッカート(音を短く弾く)で吹く時音をぱっと切ると丸い感じの音になるところで、それがこのロンドでもよく現れてて。前述速いパッセージも、歯切れのいい短い音も、みっちり詰まった濃い丸い音で奏でられて本当に輝きますね。

オケではソロが数多くある木管楽器ですが、わりとクラリネット・オーボエ・ファゴット辺りの楽器の音色のイメージは巷にあんまり根付いてない印象があります。
それにはまずプロコフィエフの「ピーターと狼」が一番の解決法だと思うのですが、オーボエとファゴットの音の特徴、そして魅力を知るためにはこの曲もお薦めです。なんたって木管楽器はフランス音楽でその魅力が一番発揮されるので。

リンクしますのは私も持っている大好きなCD。この三重奏曲だけでなくフルートソナタ、クラリネットソナタ、ホルンのためのエレジー、そして六重奏曲(フルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットの木管五重奏+ピアノ)も入っていてプーランクの室内楽曲の素晴らしさを味わえる一枚です。春にもぴったり。
エレジーはちょっとイマイチなのですが、他の曲は大好きでよく聞いてます。初めましてならフルートソナタやクラリネットソナタあたりがいいかな。

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