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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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Maureen McCarthy 「Queen Kat, Carmel & St Jude Get a Life」 感想
前回のエントリーに拍手ありがとうございます~
最近どうも軽躁とはまだ言えないレベルの焦燥や活動上昇が出てきていて。例えば天使のまなざしとかスクリャービンとかにはそれがうまく働くのですが(気分が高揚したときのスクリャービンたまらないっすね)、弊害もちょこちょこ来ている。

そんな中これも軽躁傾向の影響で昨日は久しぶりに読書しました。Melina Marchettaの「Looking for Alibrandi」というヤングアダルト小説のことを調べていたのですが(今サーチかけたら映画版も小説もこのブログで紹介していなかった!そのうち。オーストラリアを読むのに大変良いです。オーストラリアの文化を教える教材にも使われているそうで)、その本のことを考えているうちに同じくオーストラリアのヤングアダルト小説であるこの本を思い出して10年ぶり?に読んでみました。

オーストラリアの女流作家Maureen McCarthyの小説、「Queen Kat, Carmel & St Jude Get a Life」。
今回これを久しぶりに読んで一番思ったのは、若い人が人生で「間違える」ことが許されないような風潮がある今だからこそ読んでもらいたい本だな、ということです。
あとこの本がメルボルンのシティ周りが舞台であることは本当に素晴らしいですね。今だと地名が分かりますし、出てくる場所がものすごく身近で景色がぱっと浮かぶのは嬉しかった♪(Melwayでたまに調べましたが)

この本の主人公はヴィクトリア州の田舎のとある地方で育ち、メルボルンの大学に進学しようとしている3人の女の子です。
Katerinaはブロンド美人でちょっとお高くとまった印象のある子。両親が医者で、育った町ではかなりお金持ちの育ち。成績も良く、大学では法律を学ぶ予定。
Carmelは代々農場を営む家族の、8人兄弟の中ただ一人の女の子。自分の太った体型を気にしていて、そして進学希望だった大学の音楽のコースに落ちたが、歌うのが好きで美声の持ち主。
Judeはオーストラリア人の母と今は亡きチリ人の父の間に生まれ、父のように医者になることを目指して医学部に進学した正義感の強い情熱的な子。
この育ちもキャラも全く違う、ほとんど会ったこともない3人が育った町を後にして、メルボルンの街で一緒にシェアハウスを始めるところから物語は始まります。そして物語は3人それぞれの視点から都会での生活1年目を進めていきます。

ある程度予想はつくと思いますが、3人の暮らしも、3人それぞれのメルボルンでの新しい生活も波瀾万丈です。
シェアハウスだって大学生活だって人間関係だって家族とのいろいろだって、うまくいかないことがほとんど。
本当にこれはきれい事抜きでかなりきっついこと色々出てきます。かなり泥臭いことだったり、(色んな意味で)痛いこともたくさん。読んでて苦しいというかあいたたたたなことも。女の子同士ならではのキャットファイト的なものも。

各登場人物の欠点もきついものまでしっかり描写している節がありますね。例えば私は最初Judeが好きで、途中で彼女のお節介なまでの正義感とか熱さとかまっすぐな気質とかが「あーやっぱりだめかも」となるのですが、一周回って最後には彼女がやっぱり好きになる。それはある程度他の2人でも一緒だと思います。
その「あーだめかも」と思わせるほどきつく欠点を描写しながらも登場人物一人一人を最終的には人間として愛せずにはいられない、そんな人物描写が素晴らしいと思いました。

それから若いときに通る迷い道だったり、馬鹿なこと無茶なこと(笑えるものもそうでないものも)、公開することも、大人になったり新しい生活を始めるときの挫折だったり失敗だったり、そういうものがものすごくフランクに、リアルに書いてあるのが本当にこの本の魅力であり、大切なことだと思います。
この本を読むと新しい生活、都会での生活は本当にサバイバルなんだな、と実感しますね。

面白いのは本を3/4ほど読み進めても実はまだ3人の間には相互的に友情が芽生えていない部分もあったり、誤認もあったり、トラブルも会ったりで。でも生活はなんか割と早いうちから成り立ってるし、不思議と色々うまくいったりしている、ベストではないけどなんとかなっている不思議ななりゆき。
あと実際のところ、Kat, Carmel, Judeそれぞれに関して本の最後までたどりついても解決していない問題ってあるんですよね。だから全部解決してハッピーエンド、なんていう都合の良いエンディングでもなく(それがまたリアルの追求でもあるんですよね)。

あと3人が育ち、性格、得意分野や家族との関係が全く違うだけでなくメルボルンに来て身を投じた世界がまったく違う、というのも面白いですね。
メルボルン大学やシティでのショッピング、移民によるエスニック文化、若者に政治活動、Fitzroyのカフェ、ゲイ・クラブ、ドラッグパーティー、などなどなど。
メルボルンって小都会ですがこんなにも多様な世界や文化があるんだ、ということを改めて認識。
(あと都会の田舎との差だったり、田舎の人情や田舎ならではの問題とか。)

3人にはお互いどんなに欲しくても手の届かない、うらやましいものがあったり、それがその人自身には迷惑でしかなかったりして、この物語を全体でみると3人がお互いを認め合うのは多様性と違いを受け止め、楽しむことにつながって、他人と自分を受け入れ好きになっていく、ということにつながるんですよね。
そして人を生まれや交友関係、外見などで偏見を抱いたりしてはいけない、ということも語られています。

さらにこの本ですごいな、と思うのは「みんな不器用で、みんな間違いを起こすのが当たり前」というのをきっちり打ち出しているということですかね。Carmelが最初にシェアハウスに入ったときの気まずさが良い例だと思うんですけどとにかくみんなが不器用!でもそれが人間的で、それが愛しいのです。

とにかくフランクな人間ドラマですね。人生において「間違える」ことにきれい事抜きで向き合い、そして勇気づけてくれる本であり、さらにメルボルンという小都会の「多様性」の賛歌ともいえる本。
メルボルンは不思議な縁の街なんだな、と。決して派手ではないけれどこの街の魅力と性格を存分に生かしている小説だと思います。
英語しかないですし、ちょっと分厚いですが(434ページ)英語はオーストラリアで普通に使われているものがほとんどなので難しくはないですし親しみやすいのでは?(多分)


今日の一曲: オリヴィエ・メシアン 「幼子イエスに注ぐ20のまなざし」より第14番「天使達のまなざし」

NaxosにあるMichael Kieran Harveyの演奏(試聴可)

以前紹介した記憶がありますが今回またリサイタルに向けて。
天使は炎から生まれた神の使い、神の一番近くにいる存在にもかかわらず、神は自身の分身、息子を「人間」として生まれさせた。それを知った天使達が混乱し、慌て、そして複雑なまなざしを幼子イエスに向ける曲です。

メシアンの音楽では天使ってほとんど穏やかに描かれませんね。炎の化身にして神の力を具現した存在なので。
特にこの曲では天使=鳥+炎+機械みたいな描写をされています。
天使ってのは思考と同じくらい速く動く(翼はその象徴)といいますし、さらに慌てているためものすごく音が細かい。

速くて落ち着きが無く、激しくしかも不協和音が多いということでなかなか聞きにくい曲ではありますのでちょっとイメージの面でお助けしたいと思います。
まずはこの「慌てよう」ですね。ものすごく機械的な、数学的なパッセージが出てくることからこの天使達が普段から厳しい規律のなか生きてることが分かりますが、とにかくこのせわしなさ。
さらに後半で天使に「階級」があることが分かります。高音でほぼ鳥の声そのままな話し声の天使と、もちょっと低音で鳥っぽさが抜けた、機械的なリズムの伴奏を伴った天使。低い階級の天使(高音)はこの一大事にひたすら憤っているけれど、高い階級の天使(低音)はそれをなだめながら神の意志を疑問に思い推測しようとしているシーン、と説明したら分かりやすいかな。

「20のまなざし」は一つ一つが絵みたいな性質を持っていて(鳥のカタログよりも絵っぽい)、でもあらかじめちょっと知っておかなくちゃいけないお約束ごとみたいなものがあって。西洋の宗教画で赤と青の衣や百合の花の女性が聖母マリア、とかありますがそういうことがメシアンの音楽でもあるんです。
だからちょっと聞きただうるさいだけ(汗)のこういう曲もさっきみたいな説明で少しイメージしやすくなったらな、と思います。

リンクは久しぶりにマイケルの演奏を。彼はせわしい人なのでこの楽章にはぴったりなんですよ(笑)実際かなり速く弾いています。
各トラック試聴ができるので(タイムリミットありだったかな)是非他のまなざしもいくつか聞いてみてください。ちなみに初めましてでお薦めなのは1, 5, 11, 19, 15, 4, 10くらいかな。 

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日常にしてはちとせわしい
前回のエントリーに拍手ありがとうございます~
最近ピアノもそうですが大分文書きに力入ってます。創作やブログはどっかんと勢いよく書けるのにラジオのお便りは書き始めてから送るまで1週間かかって後でぐだぐだ悩んでしまう・・・いや、どっかんと勢いよく書くほうもその間にぐだぐだ悩むんですが。
(お便りを読んでいただいてはなんだか申し訳ない気持ちになるのです)

今日はピアノのレッスンに行って来ました。リサイタル前最後のレッスンです。
ヴィラ=ロボスの第2楽章と、あと若干スクリャービンも斬られましたがこれは必要なので仕方ないですね。ここからの時期だれちゃいけないのでがっつり頑張るためのいい刺激になりました。
最近リサイタルへの緊張から今までなかったところでミスるようになってきたのですが、だからここからの練習はそういうアクシデント的なミス(弾けないことから繰り返し現れるミスではなく)をなるべく多く経験して、本番でそういうのミスが起こっても大丈夫なようにしていくことが大切ですね。
そしてそこを鍛えるにはこれから演奏機会を重ねていくのも大切なのでそっちもなんとかしなくちゃですね。

レッスンで今回弾いたメシアンのまなざし第11番、途中でいくつか音の長さ・リズムが数列になってるんですが、そこで先生に「Prime number(素数)の数列になっている」と説明したら「Phone number(電話番号)?」と先生がのたまったのが今年最高のボケです。

今日は他にもチラシをコピーしたりおいてもらったり(先生も2つもらって行きました、来てくれるみたいで嬉しいです)。
チラシに関しては、というか周知に関しては今回よりも次回もっと頑張りたいですねー・・・とすでに思いつつあります。
とりあえず今回もなんとかせねば、ですが。

今日は20℃、ぽかぽかの良い天気だったので外でもっとゆっくりできればよかったなあ。明日は24℃だそうで。
シティはうちの周りよりもちょっと涼しい傾向にあるのですが忙しく歩き回ってるとちょっと暑いくらいでしたね。
そんな天気でどうもテンションが上がりやすくちょっとだけ不安定なのをファインコントロールしようとしているのですが、できればリサイタルまではSeroquel飲まずに行きたい、というのが目標です。

今日は久しぶりにお茶屋さんT2を覗いてきました。ちょっと見ない間にかなり変わってるところありましたね。
茶器の種類が増えていたりルイボスティーのラインアップが増えてたり、ケニア風のお茶やオーストラリアにちなんだお茶のラインアップ、さらに蜂蜜、ジャム、お茶の木の種のオイル、アイスティー(ガラスボトル入り)も仲間入り。(だいたいこのページに載っています)なんかものすごく積極的かつ活発なオフェンスにびっくり。
アイスティーはなかなか斬新ですね。Liptonにしろ何にしろ甘くしていないアイスティーなんてまずみないですから。今日はダージリンを買ってみましたがまだ飲んでません。他にもこんな種類があるのでいろいろ試してみたい。
T2は結構カフェとかでお茶葉をおいてる場合が多いのでこのアイスティーのシリーズもこれからの時期カフェで出したらいいんじゃないかな、と密かに思ったり。

それから今日の朝はとあるお知らせが入ってきました。
なんでも私の行ってた小中高校の兄弟校の男子校で音楽のトップを務めてた先生が今年の終わりで退職するということで。
自分の学校ではないんですが合同のコンサートやミュージカルなんかも数々やったのであの先生のバトンで弾いた経験などもあり。
女性にたじたじだったり合宿の時外にテント張って寝てたりち仕事にものすごく打ち込んだり、ちょっと変わり者だったみたいですが、優しい先生で。(その一部がうちの学校の音楽のトップの先生の厳しさとのコントラストから来る物だということはあるのですが)
小柄な方なので合宿なんかで指揮台がないとオーケストラの後ろまで見えなくてかごに乗って指揮してるのをうちの学校の先生たちがこそこそ笑ったりしてたのですが(汗)
合同コンサートとかであの先生が選んで指揮した曲って(学校のオケだとちょっと難しめではありましたが)良い曲ばかりで選曲から造詣の深さも感じられましたし、音楽の好みも似てるなと感じましたし。

それから10年生だったかな、合同のミュージカルで先生中心のちっさいオーケストラピットの一員に(チェロで)選ばれたとき、空き時間にピアノを弾いてたらその先生(キーボード担当だった)がちょっとびっくりした様子で話しかけてきてくれて。珍しい!と思ったのもそうですが自分の演奏で自分に興味を持ってくれる、奏者として認めてくれるのが嬉しかったのは今でも忘れないですし、以来ものすごく好きな先生なのです。
卒業してからもうすぐ10年、以来ご縁がないのですがなんかの拍子で会えないかな、と今回の報せを聴いて改めて思っています。

すっかり思い出話になってしまいましたが、まだまだこれからリサイタルもそれ以外もやることいっぱい。
明日はそんな中ちょっとでも外の天気を味わいたいです。


今日の一曲: ヨハネス・ブラームス 主題と変奏(弦楽六重奏曲第1番 第2楽章の作曲者によるピアノ編曲)



そろそろブラームスに人肌恋しさを感じる季節も終わりかな?
今回はあんまり演奏としては聴かない印象があるこの曲。今調べたらブラームス27歳の作品、とありますが同い年か!そして同い年にしちゃかなり渋くないかこれ!
確かに20代ならではの情熱とか色彩はあるんですがテーマの和音とかをみるとなんか円熟したほろ苦さがあるというか、40代の作品でもおかしくないような感じが(汗)

タイトルにもあるようにこの変奏曲はもともと弦楽六重奏のための曲の一部をピアノのために編曲したもの。
弦楽六重奏バージョンも同じ弦楽器を重ね、ビオラとチェロを厚くしたアンサンブルの響きが素晴らしくチームワークが光る音楽ですが、ピアノ版も一つも劣るところがないですね。
元が内向きな音楽ではありますがピアノだと音色の暗さや独りで弾いていることからか曲の性格がさらに内省的になる気がします。

渋く暗い短調の部分だけでは無く暖かく光る長調の部分もブラームスらしく、その全ての人間らしさというか人間くささが愛しい曲です。ブラームスの音楽はゲーテの作品と共通点がある印象がありますが、この曲もやっぱりゲーテっぽいとこあるんじゃないかな。

ちなみに先ほど調べてたときにWikipediaでこの元の曲がなぜ「弦楽四重奏」ではなく「弦楽六重奏」の形をとったか、という経緯が書いてありました。ベートーヴェンと比較しちゃうコンプレックスは交響曲だけじゃなかったのか!もうブラームスは泣きたくなるほどブラームスですね(笑)
でもブラームスがビオラとチェロの響きが好きだった、というのはものすごく分かります。それについてはもう彼のビオラソナタとチェロソナタ(各2つ)を聴いてください。私にとっても特に思い入れの深い曲達です。

今回リンクしたのは試聴を優先した録音で弦楽六重奏曲第1番+このピアノ版変奏曲なんですが、実はこちらに弦楽六重奏曲が両方+このピアノ版変奏曲が入ってるCDもあります。買うときはこちらをおすすめ。
やっぱりアックス、スターン、ラレードとヨーヨー・マが最強!室内楽のCDを買うときは彼らの演奏ならまずまちがいないですよ。(ピアノ三重奏曲だったりビオラ抜きの曲はアックス、スターン、マで)

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月をモチーフとした曲コレクション
前回のエントリーに拍手ありがとうございます。
昨日はブルームーンでTwitterのTLも盛り上がっていましたが昨日はまた別に盛り上がることがあったのでブルームーンにちなんだエントリーは今日に。
実際月の移り変わりのアプリでみると満月はちょうど日付が変わるときで、今日でもfraction illuminatedは0.99~1.00なのでそんなに変わりなかったり。

ということで今日は「月」にちなんだ曲を10つ紹介します。キーワードto音楽のフォーマットができればよかったんですがちょっと難しいのでフリーフォーマットで。

1) ガブリエル・フォーレ 「マスクとベルガマスク」より「月の光」
フォーレによるオケ・合唱・ソロの歌手のための組曲で、楽章ごとにオケだけだったり合唱が入ったり歌曲になってたりします。この楽章はテノール歌手とオケのための組曲。詩はヴェルレーヌの「艶なる宴」からだそう。
以前も紹介していますがこの曲の月の光は冷たく蒼く神秘的に庭を照らす感じ。幸せの中に存在するもの悲しさと儚さ。フォーレに特徴的なフルートやハープのラインがフランスのfin-de-siecleを象徴する芸術を形作ります。

2) ベンジャミン・ブリテン 「ピーター・グライムズ」より「4つの海の間奏曲」 「月光」
こないだ紹介したばっかりだった!その時書いた通りピーター・グライムズはブリテンによる港町を舞台としたオペラ。オペラの中でオケのみで海の情景を描く間奏曲を抜き出した「4つの海の間奏曲」ですが、特に美しいと思うのがこの「月光」です。穏やかな海の上に黄金に輝く満月、金色を映し揺れる海。水平線と比べて少しずつ動いているのが分かるような。暖かみのある月の光です。

3) クロード・ドビュッシー 「映像」第2集より「廃寺にかかる月」
ドビュッシーだったらベルガマスク組曲の「月の光」は有名なので(ちなみにさっきのフォーレと同題材)こちらをプッシュしたい。ドビュッシーは東洋的な物が好きで、この曲の舞台もどこかしらの東洋の寺。空高くに白く輝く、時の止まったような古い寺と月の風景です。ちょっと「荒城の月」に似た情景がありますね。この曲のガムラン風というか鈴の音のような響きは前述ブリテンにも似たようなサウンドがあるのがまた面白かったり。

4) オリヴィエ・メシアン 「鳥のカタログ」より「モリヒバリ」
神秘的な森の夜が舞台のこの曲はあくまでもモリヒバリ、そしてナイチンゲールの鳴き声がメインですが真っ暗な「モリフクロウ」の森の景色とは違って月が輝いています。それは直接的には描かれて居ないのですが曲調でなんとなくわかりますし、あと途中でナイチンゲールの鳴き声のパッセージに「lunaire」=月の、月のようにという言葉が書いてあって、ここでナイチンゲールの鳴き声(聴覚)が月の光(視覚)と一致するようになっています。

5) オットリーノ・レスピーギ 「ローマの松」より「ジャニコロの松」
これも最近言及しましたね。レスピーギの説明によると満月に照らされた松の情景だそうです(そしてここにもナイチンゲールが)。夢のような柔らかさと暖かさで優しく恋人たちや眠る人に注いでいるような感じですね。なんといってもクラリネットの音色の透明さが月光を表現するのに効いていますね。それからピアノやチェレスタの音色も忘れず。

6) アルノルト・シェーンベルク 「月に憑かれたピエロ」 第13楽章「打ち首」
これまでの月のイメージとはがらり変わってこの「月に憑かれたピエロ」の月は狂気の象徴であり、冷たく不気味なもの。どの楽章の月も面白いのですがこの「打ち首」における刃物のように冷たく鋭利な三日月のイメージをチョイス。奇っ怪で、ちょっとキュビズムの絵画を思わせるような作風に一風変わった楽器編成、そしてシュプレヒシュティンメという話すような歌い方のソプラノ。何かに追われているような前半部分と透明で冷たい、これまでの音楽に通じるところのある月光の描写のコントラストにも注目です。

7) ジョージ・クラム 「Night of the Four Moons」 第4楽章「Huye Luna, Luna!」
特殊な歌い方のソプラノ、フルートの活躍、奇っ怪→穏やかなど前の曲とかぶるエレメントはちょこちょこありますが、その表すところの月はちょっと違います。クラムはこの曲をアポロ計画に向けて「月はそっとしておきなよ」というようなメッセージをこめて、ロルカの詩になぞらえて書いたと言われていますが、近いようで遠い、遠いようで近い月を天文学的なエレメントも含めて表現するのがクラムですね。最初の部分の奇怪さにめげず、是非後半まで聞いてみてください。

8) たま 「海にうつる月」
ここからクラシック以外でのチョイス。たまは月に関する楽曲ものすごくいっぱい書いてますね!柳原さんも知久さんも滝本さんも(石川さんは思いつかないんですが)。いろんな月の描写があるなかシンプルに美しい、昔から好きなこの曲を。冷たさも暖かさもある、色んなものが不思議なバランスのなかでそこにとどまっていて、静かにゆらいでいる月の光。歌詞もいいですし、なんといっても間奏のオルガンのソロがはかなくて愛しいです。

9) 聖飢魔II 「怪奇植物」
聖飢魔IIも「真昼の月」(震災後応援の歌として公式トップに歌詞掲載)とか「満月の夜」とか、月をモチーフとした曲はちらほらあるなか満月といったら私はやっぱりこの曲なのです。作詩作曲ダミアン浜田陛下。ダミ様の曲大好きです。方向でいえば先ほどの「月に憑かれたピエロ」のような不気味な月のイメージ、それにもっと「怪しい」&「妖しい」成分を足した感じですね。闇の神秘、植物的な神秘、そして危険、Metamorphosisが生々しいのが素敵です。

10) face to ace 「月華抄」
これは「月がモチーフになっているけど月がメインではない」くくりとして。言及はものすごく少ないけれど詩にも音楽にも確かにそこにある月の光。むしろ月光というのはそういう存在感であるイメージもありますね。その少ない言及の歌詞の中にもやっぱり他の曲の月と共通する優しさ、守るような性質、そっとそこに輝いて照らしている性質があったり。どうしても月の輝く夜に聴きたくなる曲なんです。

月を音楽で表現するときってこうやって曲をリストしてみるとなんとなく共通点が見えてきますね。まず音が全体的に少なかったり、調も比較的♯♭が少ない調が多い・・・かな?(ト長調がちょっと多いかも)それから和音(4度とか響きがオープンになる和音がよく使われる)、和音の移り変わり、そして音のアタックで月の光の性質を表現してみたり。楽器で言うと音色の透明さを求めて弦のハーモニクス(クラム)、クラリネット、アコースティックギターなどが好まれたり。
色々みてみると面白いですね。

明日はできたら鴨ラーメンとジェラート食べに行きたいので(笑)天気もいいはずなのでちょっと遅れたながら月を見たいです。満月じゃなくても晴れてたら綺麗に見えることには変わりないですし、明日もまだそんなには形は変わってない・・・はず。


今日の一曲はお休みです。

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ADOM Resurrection 企画終了。
今日はブルームーンといって一ヶ月に二度目の満月で、窓の外にはそれは綺麗な満月が輝いているのですがそれに関してはまた明日。
今日は大変めでたい日だったのでちょっとそちらに。

ここ数週間、とあるゲームのクラウドファンディング企画を追ってました。
「Ancient Domains of Mystery」(略称ADOM)という結構古いローグライクRPGで、グラフィックはなくアルファベットや記号でキャラクターから何から表示しているゲームです。
最初にダウンロードしたのが高校生の時だったかな・・・バージョン0.9.9のガンマなんとかだったんですが、それからちょこちょこ遊び始めたのですが数年後からアップデートが止まり。それが今調べてみたら2002年のことで、それから10年ずっと1.1.1(初めてwindows対応になったバージョン?)のままだったんですが。
そのADOMの作者が2011年の7月にADOMの別バージョン(ADOM II)を作り始めたのは聞いていましたが、元のADOMの開発もこのたび再会する、ということになりクラウドファンディングで寄付を募ることなり。
私はYoutubeでADOMのプレイ動画をアップしてくれてる方の情報でそれを数週間前に初めて知ったというわけです。

そんな経緯でこの企画はindiegogoというクラウドファンディング企画サイトで始まって。企画のサイトはこちら
「開発を再開する」ターゲット金額は$48,000(ここから金額は全てUS$)、達成期限は太平洋標準時で8月31日真夜中0時(こっちの8月31日午後5時でした)。それを期限内に達成した場合寄付を重ねていくことでさらにゲームにフィーチャーを足せる追加ターゲットがいくつもセットしてあったのですが、見つけた時はまだ最初のターゲットにも全然とどいてなかったんですが。
でも$48,000は期限の1週間ほど前?に達成して、実はそこからののびがすごかった!追加ターゲットは$5000単位で設定されてたのですが+$2500まで届いたら次のターゲットに届かせます(=$2500入れます)、なんて公約を発表する人が現れて(そして果たされました!)、最後の数日の展開はすごかった!参加した人の一人がアクション映画を見てるようだ、と表現したらしいですが確かにそんなはらはらどきどきがあります。

そして先ほどの企画サイトを見ると分かるように最終的には$90,169の寄付が集まりました!(開発再開最低条件の約188%、追加ターゲット9つ。達成状況はこの絵が素敵。)
これはindiegogoのゲーム関係・コンピュータ関係企画としては最高額だそう。
$48,000を達成したときはでも追加ターゲット4つ行くかどうか・・・と私は思っていたのでびっくり。

ゲームのデザインでもそうなのですが、ADOMの作者さんはほんとプレイヤーのモチベーションを維持するのがうまいな、と。(ADOMはカスタマイズ豊富なキャラクター作成からエンディングの仕掛けや複雑さ、リプレイ価値の高さがなんといってもすごいんですよね)
開発再開ターゲットの後のタイルセットや追加クエスト、追加種族・職業など(ただでもいっぱい詰まってるゲームなのに)プレイヤーを喜ばせる要素がたくさん。
さらに時に応じて「一日にこの額を達成したら」アイテムやミニクエストを追加したり。

それに$65000でSteamというゲーミングプラットフォーム対応に商用版ADOM Deluxeを公開、というターゲットがありますがこの時に「$40以上寄付でADOM Deluxeのライセンスを無料で配布」という特典を付けたことでこのターゲット達成から寄付額を追加する人が続出したのもうまかった!(最後の方で寄付額がぐんぐん上がったのはこの影響が大きかったですねー)

あと寄付額に応じてもらえる特典も面白かったです。(企画ページの右側にリストされています)
ゲームのクラウドファンディングだとゲームのcreditsに名前を入れてもらったり、ゲーム内のキャラクターやアイテムにちょっと口出しさせてくれたり、そういうのが面白いですが、今回は$40寄付で紙とペンで遊べるADOMのRPGがもらえる!というのに食指が動きました。(今回がオンリーワンの機会だったそうです)
高額になってくるとそれがボックスセットになったりとかしてさらに豪華に。

今回の企画に寄付したのはのべ1666人(ただしアップグレードなどもあるので正確な人数はわからない)。Avatar of Thieves ($6,666)、 Demigod ($50,000)は現れませんでしたが前述公約+最初の寄付で$3500は寄付した人がいます。そしてやっぱり紙とペンのRPGがもらえる、ADOM Deluxeのライセンスが入る額のSeeker ($40)の人気はすごい。

このADOMなんですが、ソースコードが公開されていなくて(だから10年も凍結状態にあった、というのもあり)、なので英語でしか公開されていないにも関わらず世界中のファンから声援と寄付が集まり。長年遊ばせてもらったりその他色々含めてお世話になっているので私も少し寄付しました。
10年経ってもみんな待ってたんだなあ、愛されているゲームだなあ、と改めて。
そしてクラウドファンディングの部分は今日で終わりましたがゲームの進化はこれから。作者さんは時差の関係で仕事に行かなきゃいけなかったようですし(社長さんなんですって)、それになにより睡眠も必要だそうですし(汗)
お疲れ様、と同時にADOMのこれからが楽しみです(特典も楽しみ!)。


今日の一曲: ヨハン・セバスチャン・バッハ トッカータホ短調



リサイタルの最初に弾く曲。曲調からして一番最初に弾くべき曲でありますし、なんといっても自身を持って最初に弾ける曲だと思います。
もう長い間知ってて好きな曲で、今回新しいイメージを持って自分の力になってくれる曲です。

そもそもバッハの鍵盤楽器のための作品だと平均律とかパルティータとか組曲とかがよく弾かれるので相対的にトッカータはマイナーな部類に入るみたいです。先生も「長いからねえ」と行ってましたが確かにもうひとつトッカータで弾いたハ短調は今聴くと信じられないくらい長い!
そんななかこのホ短調は比較的コンパクトで聞きやすい一曲かな。
比較的短めとはいえ序奏→ゆるやかなフーガ→即興的セクション→速いフーガとしっかり4部構成。

バッハの時代って(前も書いたかな)ピアノがまだなくて、「鍵盤楽器のための音楽」というとハープシコードで弾くのが主でした。
オルガンのための曲だったら両手のパートに合わせて足(ペダル)のパートがあるのが特徴ですが、私がこのトッカータを弾くときはハープシコードよりもオルガンを意識しています。響きがやっぱり。

前も書きましたが私はこの曲を弾くときに教会をイメージします。
教会のオルガン弾き、そこに現れる一人の男性。一見普通の男性で、世間話とか気軽に話してくるんだけれど何かと信仰についてちょっと刃を入れてくる。議論はどんどん宗教と信仰と神の深いところまで行って、オルガン弾きはもしかしたらこの男性は悪魔で自分の信仰を試しに誘惑しに来たんじゃないか、と思い始めるも一見ただの男性なのでそうとも言い切れず、どんどん議論はヒートアップしていく・・・というあらすじかな。私の中では。
(悪魔かもしれない男性のモデル、ちょうどいいじゃんと思ってエーs(略))

聴き所は色々ありますがやっぱり最後のフーガのものすごくメカニカルな焦燥感はいいですねー。これはMoto Perpetuoの類に入るのかな?(最後までずっとどの声部かに十六分音符が続いている)
そもそもこの楽章がオルガンっぽいんですよ、何よりも。(第3部の即興的なとこもそうですが)

私は本当にものすごくこの曲が好きで、ある意味なんかバッハの音楽の一番バッハらしいところを集めたような感じがあって・・・だから今でもこれ以上に「弾きたい!」と思えるバッハの曲がなかなか見つからずにいるんですよね・・・
それくらい特別な曲です。

リンクした録音は珍しくグールドに。この曲は彼の演奏しか持ってないですし、そもそも自分の弾き方以外を聞かない曲(たまにそういう曲があるんです)なのであんまり聞かないですし、この曲に限ってはグールドは意外と嫌いではないのでいいかな、と。

拍手[1回]

ABC Classic FM フランス音楽 カウントダウン100
前回のエントリーに拍手ありがとうございます~
今日はメルボルンに春が来たようです。今日は19℃で日が出ている間はぽかぽかしていて余所の庭の花も随分バラエティが広がり。天気予報はこんな感じ
まだ冬っぽい雨の涼しい日もあるみたいですが最高気温が20℃を越えたり最低気温が10℃を越える日も出てくるのはやっぱり春ですね。

さて、ちょっと前から書いていましたがオーストラリアのABC FMラジオのクラシックチャンネルでは今年も投票&カウントダウン企画をやっています。ネットで一般投票を募ってクラシック音楽の特定のくくりでのトップ100を決めて、カウントダウンとして放送する企画です。
去年は現代音楽(1901年以降)で主に前半部分でものすごく盛り上がりましたが今年は「フランス音楽」というくくりです。

公式サイトはこちら
ちょっと下にスクロールすると主な作曲家の紹介、ジャンル別の説明、時代別の説明があります。
今回投票できる曲のリストはこちら。(前回は投票時に追加可能だったのですが今回は投票前の期間に追加というシステムでした・・・足しときゃよかった)
作曲家のアルファベット順で並んでますが時代別でフィルターかけられます。フィルターをみるとなんと中世の音楽から20世紀の音楽とスパンが広い!
そして今回はWikipediaやYoutubeのリンクが各曲に張ってあって背景を調べたり演奏を聴いたりもできるのが大きな特徴ですね。
去年は10曲選んで投票でしたが今年は5つだそうです。悩みますがほぼ決まったのでまたちょっと後で。

フランス音楽は前も書きましたが面白いですね。
20世紀になるまでは決してヨーロッパにおける音楽の中心、ということもなかったですし、アイデンティティに迷うようなところがあったながらも独自のスタイルを作り続け、さらに異国の音楽や文化を積極的に取り入れたりもしたり。
さらにジャンルの広さもすごい。オペラ(主にバロック時代)、バレエ、室内楽(特に後期ロマン派以降)、オケ曲、歌曲などなど。

どの時代・ジャンルを通じてもドイツ回りやロシア回りと比べるとフランス音楽はどちらかというと軽いところがあって、例えばドイツ回りの音楽の深い人間味やシリアスさ、濃さだったりロシア回りの静かに燃える情熱や土臭さとは全く違うキャラクターを持っています。
フランスの音楽は独特のひねくれたユーモアや軽快さ、スタイリッシュさ、そしてなんといっても色彩にあふれています。
そんなフランス音楽にはまって自分のレパートリーの要としてからもはや10年、最初はちょっとつかみにくかったフランス音楽の魅力に虜になっている次第で、去年のカウントダウンももちろんですが今年もわくわくせずにはいられません!

ということで私が選んだ(まだ投票してないですが)5曲はこちら:
1) エクトール・ベルリオーズ 「幻想交響曲」
2) クロード・ドビュッシー 交響詩「海」
3) モーリス・ラヴェル ピアノ三重奏曲
4) フランシス・プーランク 六重奏曲
5) オリヴィエ・メシアン 「幼子イエスに注ぐ20のまなざし」

見事にほとんど20世紀です、はい。ロマン派初期以前ってちょこちょこ曲に出会ったりもするんですけど特定の曲を知らなくて思い入れがそんなにないというか。(実際のところクラシックに詳しい人でも後期ロマン派以降に偏るんじゃないかなあ、今年の投票は)
それになんていったって普段弾いたり聞いたりするのは20世紀フランス音楽ですからねー。

そんな中やっぱりベルリオーズは特別な存在だと思うのです。「幻想交響曲」は文句なしに偉大で独特な交響曲ですし、その繰り返すテーマを使ったりストーリーを表現したりする音楽技法は本当に特別で、後の音楽に大きな影響を与えてると思います。そして楽器使いや指揮・オケ扱いは現代のそれの基盤になってますしね。

フランス音楽といったら一番のメジャーどころでいわゆる「印象派」代表のドビュッシーとラヴェルは外せない。メジャーな作曲家でなるべくクオリティの高い曲が上位に来るようコアなところをカバーしないと。
ということでドビュッシーは「海」。オケ曲はちゃんと入れとかないと、という意識もありますがやっぱり大好きなんですよ。この曲の色彩とか海の表現、そして東洋スタイルがちょっと入ってるのも。

そしてラヴェルはピアノ三重奏曲。去年は「マ・メール・ロワ」を入れましたが「フランスの室内楽曲の最高峰」と考えたときにやっぱりこれが一番にきました。ピアノ三重奏曲(ピアノ・バイオリン・チェロ)はハイドンとかそこらの時代から使われてきた楽器編成ですが、20世紀のフランスではほとんど使われくなって。そんな傾向の中で、というのももちろんありますが、こんな非の打ち所の無いピアノトリオ、そして音楽にはなかなかお目にかかれません。

同じく室内楽のレパートリーから、フランス音楽が特に得意としている木管楽器の活躍が現れているプーランクの六重奏曲(ピアノ・フルート・オーボエ・クラリネット・ホルン・ファゴット)も入れました。
フランスの独特なユーモアやエスプリも濃く出ていますし、木管楽器の癖のある、全くばらばらの音色のまとめ方・生かし方、そしてなんといっても「他の国の作曲家にはこんな曲はかけまい!」という強い思いからの投票でもあります。
なんというか、他には真似できないフランス、フランス音楽の真髄みたいなものがあると思います。

そしてもちろんメシアン。ピアノ曲、室内楽、オケ曲、いくつかリストされていた中で今回は「20のまなざし」に。
投票前に足すのを覚えてれば「鳥のカタログ」でしたね。とにかくピアノ曲が選びたかったですね。ピアノ曲の方がメシアンはフランス的なエレメントが大きいと思うんですよ。和音の色彩だったり、ドビュッシーの影響だったり、ある種の軽さだったり。(オルガン音楽もそうだと思いますが)
自分にとっては「20のまなざし」は自分のピアノのレパートリーの核みたいなもので、私がフランス音楽を考える上で本当に重要な曲ですから、やっぱり含めるのは自然なんだろうなあ。

でも本当に悩んだ!入れたい曲ほかにもいっぱい!
サン=サーンスとかフォーレとか微塵も出てないですし、上に選んで作曲家はほんとうにたくさん素晴らしいものを書いていますし。
今年もちょっとトップ100曲のラインアップがあんまり想像がつかなくて楽しみです。今度こそ最後の方まで楽しめますよう・・・(汗)
ちなみに投票締め切りが9月中旬なのでもしかしたら放送は一時帰国中・・・?なるべくネットラジオで拾えるといいけれど。


今日の一曲: エクトール・ベルリオーズ 「幻想交響曲」 第3楽章 「野の風景」



今回投票した曲から、ということなんですが選曲がガチ過ぎてなかなかこっちで紹介しにくいという変な癖再び。
そんな中リサイタルでやる20のまなざしから選ぶのもいいかな、と思ったのですがよくよく考えるとすでに紹介してるのも結構あるので最近書いたストーリーのイメージ曲としてよく聞いてたこの曲に。

幻想交響曲って割とぱっと掴みやすいキャラの立った楽章が多い中、この第3楽章は結構遅いし長いし比較的つまらない、みたいなイメージがあり。
でも聴き所はちょこちょこありますし、なんといっても「交響曲」の大御所であるベートーヴェンの影響がものすごく濃く現れている楽章でもあります。田園!ロマン派!みたいな。
それは主に音楽がドラマチックに盛り上がってるところで、こういう山や野の風景、青い空に湧く雲のダイナミックさを表現するのはベートーヴェンだったりシュトラウスだったりブルックナーだったり、ロマン派に共通する表現だと私は思います。(むしろヨーロッパらしい、というか。オーストラリアだとなかなかこういう表現でませんしね)

幻想交響曲は交響曲としてはちょっと珍しく「標題音楽」=ストーリーを描写する音楽でもあります。
主人公がアヘンを飲んで夢と幻覚をみた(第1楽章)中で恋人に一目惚れして(第2楽章)恋人の心を疑うようになって一人で山に出て(第3楽章)疑心から恋人を殺しギロチン送りになり(第4楽章)死後魔女のサバトで恋人の幽霊と再会してどんちゃん騒ぎ(第5楽章)というあらすじです。

聴き所は例えば冒頭のステージ裏で弾いてるオーボエとステージ上のコール・アングレの掛け合いだったり、盛り上がる場面での弦、とくにコントラバス!(オーディションで使うパッセージがあります)
そして後半で3人の打楽器の奏者が1セットのティンパニで和音を鳴らして遠雷を表現する(主人公の恋人への疑心を表す不吉なサイン)部分は聴いてのインパクトはもちろん、生演奏を見たときのインパクトもなかなかです。

今年メル響で幻想を聴いて、そしてストーリーのイメージ曲にこの楽章を使って今まであんまり愛着がなかったこの楽章にも思い入れが芽生え始めています。
(ただやっぱり長いんでそんなには聴かないかなー・・・)
是非全楽章まとめて、一つの波瀾万丈なストーリーとして聴いてください。

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