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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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弾いて、聴いて。
前回のエントリーに拍手ありがとうございました!
行って来ましたユースオケのコンサート、そしてクラムのコンサート。
2つもあるので(そして今日の一曲もやりたいので)なるべく簡潔にまとめますね。

まずはユースオケのコンサート。

メルボルン・ユース・オーケストラ 第1コンサート
2012年4月29日 2:30開演 Iwaki Auditoriumにて
指揮者: Imre Pallo
ツィンバロム: Rob Cossom
<プログラム>
コダーイ 「ハーリ・ヤーノシュ」組曲
ショスタコーヴィチ 交響曲第11番 「1905年」

本番の演奏は最初のリハーサルからはもちろん大きく成長しましたが、最後のサウンドチェックからもさらにまだ1レベル上の良い演奏になりました。やっぱり本番でこそでる力というものはありますね。(そしてホールの音響がリハーサル場所よりも大幅に良いのも励みになってますし)

コダーイは上出来。楽しく弾けましたし素晴らしい演奏になりました。
ショスタコはちょこちょこ崩れたところもありましたし、リハーサルではなかったミスもありましたし。
サウンドチェックの時指揮者さんが「たまたまのミスは今のうちに起こしておいた方がいい、と言いましたがもっとリハーサルでミスを重ねる機会が必要だったのかな、と思います。同時にこの複雑な曲を理解して浸透させる時間と努力も必要でしたし、そうやってリハーサルを重ねてこの曲の精神(凶暴さを筆頭に)をフルに表現する余裕を持てるようにするのが必要だったかな。その「余裕」がコダーイとショスタコの今回の演奏の差だったかな。

でもショスタコでも本番に発揮された力は凄かったです。特に曲が盛り上がる箇所でうまく乗ったときに音楽が一つになってふくれあがる感じとか、時に素晴らしいものがありました。もっと安定すればさらに良いものができるポテンシャルもあったと思います。

私は、というと実は今回初めてメル響所有のチェレスタを弾かせてもらいました!今まで弾いてたポンコツ楽器たちよりもずっと素直に音がでますししっかりした音がでて、タッチも音量調節もいいですし、なんといってもペダルを(脚を組まずに)普通に踏める。
ただ今日初めてその楽器を触るのでサウンドチェックは音量の調節に費やし、そしてショスタコでの音色は本番でもうまく決まりませんでした。(はっきりした音がでやすいのでもっと暗めの音色にしたかったんですがさすがにこの短期間ではかなわず)
でもやっぱり今回のプログラムじゃ勿体なかったですねー良い楽器も(笑)それでも本当に良い経験でした。持って帰ってきたかったですねー(笑)また弾く機会があるといいな。

今回のコンサートでは周りのメンバーはみんな年下でオケ経験が少ない中、ハープやピアノの奏者にちょっとおせっかいを焼いたりしたくなったながらもうまくそういうところで気が回らなかったり。
逆にツィンバロムのソリストの方は大学時代からお世話になっているメル響の打楽器奏者さんなのですが(プロフィールによるとやっぱりシンバルが専門みたいです)、目上の音楽家の方となかなかうまくお話できなかったり。せっかくプロの方とお仕事してる貴重な機会なのになあ。
そういうところで今後の目標がちらほら(笑)

そしてコンサートが終わったあとはあんまり面識はなくても演奏がよかったと思ったメンバーに挨拶したりしてから今度は聴く方のコンサートにMelbourne Recital CentreのSalonへ。どういう形でも2連チャンはもしかしたら初めてかも?
こちらのコンサートはメル響とMelbourne Recital Centreが主催している(イベントはMRC外でも行われています)Metropolisという現代音楽フェスティバルの一環として行われているうちの一つのコンサートです。

演奏したのはCircuit Duoというピアノデュオで、2人とも知り合いのピアニストです。今回2人がクラムを弾くということで聴きに行ったのですが2人とも以前にクラムの作品を演奏してたりします。
プログラムはこんな感じ:

Lowell Liebermann 「3つの子守歌」
ジョージ・クラム マクロコスモス第4巻「天体の力学」
ジョン・アダムズ 「Hallelujah Junction」

どれも存命中の作曲家による結構新しい作品です。(最初の曲と最後の曲は2台ピアノ、クラムは連弾+ページめくりの人が弾く部分も)
クラムは特殊奏法が多かったり割と不協和音的な音もいっぱいでてくるのですが、他の2曲はとっても聞きやすい曲。Liebermannの曲は夜の魅力が本当に美しかったですし(2001年作曲の曲ですがピアノデュオのレパートリーとしてもっと広まればいいな)、アダムスは明るい、ミニマルミュージックの特徴が濃い曲調のなかに思考のRoad tripに出たような感じがまた面白い。リズムと良い構成といいキャラクターといい弾いてて楽しそう!
「天体の力学」は見ててその特殊奏法などに関する2人+1人の奏者のものすごく細かく複雑な連携とか、見てて本当にはらはらしましたね!弾いてみたいけど難しそう!クラムの音楽の中でもトップクラスじゃないかと言われてました。コンサート中の曲の紹介でもありましたけどチームワークというレベルよりも「お互いの信頼の堅さ」が試されるようです。

ちょっと疲れてはいましたが行って良かったです。楽しいコンサートでした。あとアダムズの「Hallelujah Junction」が作曲家がカリフォルニアの田舎を車で走っててふと見つけた道路標識を見て「これは曲ができていない題名だ」と思ったのが作曲の経緯だと知ってなんだか親近感わきました(笑)そういう感覚に似たものはちょこちょこあって、気持ちいいですもの(笑)あの曲はまたどこかで出会いたいですね。

明日から両親がメルボルンに来て仕事もピアノもちょっとお休み。
寒かったり雨が降ったりしそうですが遊びにいくのに支障がでないといいな。


今日の一曲: ドミトリ・ショスタコーヴィチ 交響曲第11番「1905年」 第4楽章「警鐘」



今日までがんばってきたショスタコのフィナーレを。
この「警鐘」というのは以前から私はショスタコーヴィチのソヴィエト政府に対する警鐘(民の声を聴かず権力を振りかざして同じ轍を踏まないよう)、と解釈していましたがそれはどうやら「裏の本音」的な方で、表面的には「血の日曜日事件がこれから1917年のロシア革命に発展するぞ」という帝政に対する警鐘らしいですね。

第4楽章はオープニングからショスタコ得意のミリタリーマーチ。きびきびとしたリズムが力強いです。
そしてショスタコ得意といえば全オケを凌駕するピッコロの鋭い高音だったり、オケ全員が弾いてる間ホルン軍団が別のカウンターメロディーを吹いてたり(聞こえるかな?)、同じショスタコの第5番と似たような特徴がちらほらありますね。

そしてこれまたショスタコの音楽でよくある「異口同音に民衆が叫ぶ」ユニゾンの部分からいきなり静かになったところがこの楽章一番の聞き所。第1楽章から繰り返される静かな弦のテーマの上に長い長いコールアングレのソロが奏でられます。
一部では「最も美しい音色の楽器」と言われるコールアングレが、比較的淡々と悲しげなメロディー(交響曲の他の部分でも出てきた革命歌です)を奏でる、まるで時間が止まったような、ずっと聴いていたいような、貴重な時です。本当に美しい。弾き手もこれが吹けるのは本当に幸せだろうなあ~

そしてそれを断ち切る低音の和音から始まる最後のセクションも大好きです。バスクラのあの暗い渋いSinisterな音色からどんどん加わる楽器、そしてホルンの合唱から盛り上がって「警鐘」を表す鐘を伴い怒濤のラストまで突っ走る。激しく、そして不穏でominousなままエンディングを迎えるのがものすごく気持ちいいです。

この交響曲を通じて打楽器は大活躍ですがそれは最後の最後までそうですね。鐘の音の一番低い「ド」の快感ったらないですし(とくにtubular bellでなくすり鉢状の鐘だと余計)、最後の最後でバスドラムが入ってくるのも格好いい!
最後まで気を抜かず聴いてくださいね!

この第4楽章のコールアングレソロから最後まで、最初のティーンセクションにての入院のときに好きな曲を持ち寄るセッションで患者仲間さんたちに聴かせたことがあるんです。当時初めてこの曲が好きになったのもあるのですが(こればっかり聴いてた!)、ヘヴィメタルとかハードロックとかそういう音楽が好きな子が多かったのであえてこの最後の2つのセクションを選んだのでした。結構良い反応でしたよ。
 

拍手[1回]

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明日本番。
前回のエントリーに拍手どうもです!
昨日の夜と今日の午後リハーサルで明日はサウンドチェック(日本ではゲネプロですね)と本番。
コンサートはこんな感じになる予定です。

メルボルン・ユース・オーケストラ 第1コンサート
2012年4月29日 2:30開演 Iwaki Auditoriumにて
指揮者: Imre Pallo
ツィンバロム: Rob Cossom
<プログラム>
コダーイ 「ハーリ・ヤーノシュ」組曲
ショスタコーヴィチ 交響曲第11番 「1905年」

コダーイは大分安定しましたがショスタコはまだちょこちょこ心配なところが。
「できる」というのと「いつやっても、ぱっとやってもできる」というのは1レベル違いますからね。それが演奏では安定感の大事な一部だと思います。

大幅なメンバーチェンジ後の一年の最初のコンサートで、今のメンバーの経験で、指揮者は常任でなくゲストとしてで、このリハーサル期間でこの難しい大曲に挑むのは確かに困難を極めたと思います。
ここまでまとまったのもすごいけれど、きっと明日には余裕を持って弾くことはできないかな。この曲が持っているすさまじいエネルギーを最大限に引き出すことはできないかもしれない。
でも(ほぼ傍観者に近いポジションから見て)明日はなんとかなると信じてます。

でもショスタコの11番は本当に思い入れが大きいのでやきもきしたり、思い残しみたいなものもあったり。
思ってみればトゥーランガリラのリハーサルの後はあのメシアン特有の高揚を振り払うのに必死で、ダフニスとクロエのリハーサルの後は何をバランスとろうと思ったのかある意味正反対らしい聖飢魔IIの音楽を求めてて。
でも今年のショスタコのリハーサルの後はむしろ同じ曲を帰りに聴きたくなってたり、今日は聖飢魔IIの「恐怖のレストラン」を聴きたくなったりと同じ系統(精神)の音楽を求めているようなんですよね。
それはだからリハーサルに期待していて得られない、足りない感覚があるということで。それが何かは聴きたくなった音楽が雄弁に語ってると思います。

さっきも書きましたが明日はちゃんといいコンサートになると思います。
でも何よりもこのシーズンが私より若いメンバーたちにとってオケでの洗礼や糧となって、これからの成長につなげられれば、と思っています。
そしてそれぞれの楽器を続けて行く中でこの曲にまた出会ったとき今回の経験が助けとなるよう、そしてさらに上の演奏を実現できるよう願っています。

リハーサルでひたすら待ってる間に奏者側・指揮者側、こんな風にしたらどうかな、とかいろいろお節介をひたすら頭の中で考えたりなんだりしていたのですが・・・
本当にチェレスタは今回オケ全体に対してほとんど影響ないですからね。自分が弾く事によってハープのパートを助けてあげる、ということさえできない。チェロだったら後ろからでもちょっとテンポを引っ張ったりとかできるもんなんですが。

オケの心構えとか、若い人に送りたい助言とか色々あるんですが、いつか文章としてまとめられたらな、と思います。
あんま偉そうなこととか言いたくないですし説教するのもしんどいのですが。
でも様々なオケで過ごしてきたこの15年近く?で経験と知識から積み重ねてきたものって自分にとっては貴重なものですし、他人にとってもなにかあるかもしれませんし。
そのために今回のこのコンサートにまつわる諸々を私も大事にしていきたいと思います。

それでは明日、行って来ます。
それからコンサートの後にすぐ近くのMelbourne Recital Centreで6時から知り合いのピアニスト2人がクラムの「天体の力学」を弾くそうなのでそっちも行きたいと思ってます(コンサート情報は英語ですがこちら)。ほぼ確実に行く。
月曜日から両親が遊びに来るのでどっちのコンサートも明日ちょろっとでも感想書けたらいいなあ。


今日の一曲: ドミトリ・ショスタコーヴィチ 交響曲第11番「1905年」 第2楽章「1月9日」




実はこの交響曲かなり前の紹介も合わせると全楽章カバーしてるのですがやっぱりこのコンサートの要なので。なので明日は書けたら第4楽章の予定。
リハーサルが少なかったのでコダーイもちょっとしか紹介できてないよー・・・(これから忘れないようにしないと)

以前書いた通りこの交響曲は1905年に起こった血の日曜日事件の虐殺を題材にしているのですが、第2楽章は実際の虐殺の描写です。(ちなみに題名の「1月9日」はロシア旧暦です)
苦しい生活をしている人々が徐々に集まって、行列が波になり、ツァーリの宮殿に嘆願に向かう様子、そして彼らが宮殿の前で止まり、そして銃を向けられ倒れる様子。
ビビッドでわかりやすい描写なので聴いてもらえれば説明する必要はあんまりないと思います。

ショスタコーヴィチはなによりもユニゾン、オクターブの使い方がものすごくパワフル。
もともとユニゾンやオクターブで複数の楽器の音を重ねると共鳴で音が増幅するのですが、ショスタコーヴィチはそれをさらに高みに持ってくような気がします。
例えばこの第2楽章でも色んな楽器が同じメロディーを一緒に奏でてるところがありますが、そこで音を溶け合わせるよう楽器の組み合わせなどを選ぶのではなく、違う音をどんどん重ねてまさに「異口同音」の状態にしてるような節があります。
たくさんの人の、老若男女の様々な声が同じことを求め、願い、叫んでいるその様子は本当にショスタコの作品の真髄と言えると思います。ショスタコーヴィチの心の叫び、そしてソヴィエトの民の叫び。

この第2楽章は決して短くはありませんが(割と長いです)、ショスタコの音楽の、交響曲の、そしてロシア史の大切なところがぎゅっと詰まっています。

そして言い忘れそうになりましたがとにかく打楽器が格好いい!
ほぼソリストであるティンパニはもちろん、虐殺の幕を開けるスネアドラム、そしてその後に全部の打楽器が全軍行進する様は(リハーサル場所では耳が痛いですが)本当に圧巻です。

リンクした演奏はムラヴィンスキー指揮のレニングラードフィル。あるかな?と思って調べたらありましたね。どのつくほどホームグラウンドなので間違いないと思います。私も欲しいなあ、MP3アルバムとして購入してしまおうか。(本当はCDも欲しい)あとジャケットもそれらしくていいですね。
 

拍手[1回]

日本はそろそろGWですね
前回のエントリーに拍手ありがとうございます。

メルボルンはすっかり寒いです!もう秋も深まり下手したら冬ですねー。雨も大分多くなりました。

4月後半は仕事も大分少なくてゆっくり過ごす毎日。ピアノはもちろん継続、創作は未だ停滞気味。
月曜日から両親がこちらに来るので家の掃除などもしたり。来週はピアノも仕事もお休みで、外食が多くなるのでなんとか冷蔵庫の中身も調整しなきゃならないですし。

父と母がこちらに来るのは2年ぶりになるのかな。もちろん去年の9月に日本で会ってはいますが。
私は車も持ってないですし私たちだけだとあんまり観光したりしないんでこういう時にいろいろ行けるのが楽しみです。
一応予定としてはヒールスビルで動物を見に行ったり、ワイナリーに言ったり、ダンデノン山に行ったり。
そして食事なども色々こちらならではで美味しい料理を、ちょっとよさげなところで食べる予定。
Laurentのサンドイッチ、ギリシャ料理、シーフード、日本食などなど。あとはラクサとかフォーとか鴨ラーメンも。
「メルボルンらしい」カフェやrooftop barにも行きます(天気がどうなるかなー・・・)

最近改めて日本から来たお客さんにメルボルンを楽しんでもらうには、メルボルンの魅力を知ってもらうためにはどういうポイントを押さえればいいだろう、ということを考えるようになっていたのですが、来週の諸々で色々学んでいきたいと思います。

そして5月3日は両親の結婚30周年記念の日で。(GWに遊びに来る事がおおいので結婚記念日はこちらで、ということが多いのです)
とりあえずその日のディナーは私たち持ちということになる決まり。レストランがBYOオーケーだったら買っておいてあるStonier'sの白ワイン(シャルドネ)も持ってけますしね。

両親に会うのも遊びに行くのも楽しみですが諸々持ってきてもらうものも楽しみです。
いつも送ってもらう通り録画DVDとか日用品(三角コーナーいらずの袋は絶対!なのですよ)だったり、静岡名物うなぎパイなど日本のお菓子を頼んであったり。
そして妹も私もCDを頼んであるのがまた楽しみです。
私はface to aceの「風と貝がら」、「Peaks」。妹は聖飢魔IIの「地獄より愛をこめて」と「メフィストフェレスの肖像」。
各CDから1曲ずつはこちらの「今日の一曲」で紹介していきたいと思います~
車(レンタカー)移動のときはリモコン争いならぬオーディオ争いになりそうです。

CDといえば誕生日など兼ねて父・母それぞれに買ったCDの反響も楽しみですね。
私もまだフォーレは全部ちゃんと聞いてなかったりするのですが(汗)こちらはでも持って帰って楽しんでもらう分かな。

ということでここ2週間みたいなぼんやりした休日ではなく来週はがっつり遊ぶ!というメリハリのある休日になる予定ですがそのまえにユースオケのコンサートですよ。
明日の夜のリハーサル、土曜日のリハーサル、そして日曜日のサウンドチェック(ゲネプロ)と本番。
弾く箇所は少ないとはいえ気は抜けません。寒さに負けずちゃんと起きて。凍えないよう気をつけないと。

コンサート前にもう一回更新できるかな?できなかったらコンサートは昼間なんでその日にまとめて様子を・・・と思っています。


今日の一曲: ジョージ・クラム アメリカ歌曲集第2巻 「A Journey Beyond Time」より第2楽章「Joshua Fits de Battle of Jericho」



耳で聞くだけじゃなくて楽譜を一度でも見てみることが曲を知る事、感じる事、理解する事にどれだけ大きい影響を及ぼすか、ということをこないだこの曲集のスコアを借りたときに改めて思い知りました。
こないだ買ったCDにはアメリカ歌曲集の第2巻と第4楽章が一緒に入ってたのですがスコアは第2巻しかなかったため、スコアを見た事のない第4巻とは曲を知ってる度合いが大きく開いてしまいました。
その差がちょっと不本意ではあるのですが、でも曲に親しみが持てるということは良い事に変わりないです。

アメリカ歌曲集の中のメロディーは今までに民謡などとして聞いて知ってるものもあり、そうでないものもあるのですが、そうでないものもかなりキャッチーなメロディーだったりして最近は生活の中で口ずさんでるものもあったり(ただしクラムのバージョンで)。
Afro-American Spirituals(黒人霊歌)で有名なものはスローなものが多い印象がありますが今回紹介するこの第2楽章は戦いの音楽で活発なテンポの一曲です。
(今持ってる第2,4,5巻はどれも第2楽章がアップテンポですね)

「Joshua Fits de Battle of Jericho」は旧約聖書でヨシュアの率いるイスラエルの民がエリコという街とその城壁を攻め落とした戦いを描いた歌です。
聞いてすぐタロットの「戦車」のカードを思いましたね。最も戦車の正面図ではなくもっと動きのあるアングルでお願いしたいです。

多彩な打楽器が使われる中面白いな、と思ったのは中国の京劇で使う銅鑼2種類です。(少なくとも1つは)曲の一番最初で聞こえます。これを聞くとクラムが京劇用の銅鑼にこだわった理由、そして彼の作品を通じて世界の色んな地域から打楽器の音を追求した理由が分かるような気がします。
あとは戦場を思わせる太鼓群だったり、そして打楽器奏者たちが「Joshua fits de battle」とコールする中、歌詞にもある「羊の角」が吹かれます。
これがShofar(ショファール)というイスラエルの楽器で、そのまんま角笛なんですが、これをピアニストが起立して吹く!という。
ピッチはおおまかにしか示してないものの自分の楽器とは全く違う、金管楽器的な楽器を奏でるのも凄いですし。そして起立するんですよ!いやでも注目を浴びてしまうではないですか(笑)

打楽器も、(打楽器としての)ピアノも、歌も、コールも、ショファールも、リズムもテンポも全部ひっくるめてものすごく引き締まってて心を鼓舞、そして興奮させる曲です。
この曲のキャッチーさはメロディーというよりもその動きとか雰囲気とか、なんと言ってもリズムのエキサイティングなのがviralで困ります(笑)
頭の中であの京劇の銅鑼が鳴ったらおしまいですよ(笑)

戦いの音楽のスピリットをぎゅっと詰めた曲です。ぜひ試聴してみてくださいね~
(ショファールは試聴トラックの後半、そして中国の銅鑼は一番一番最後にちょろっと聞こえます)

拍手[1回]

リハーサルやらレッスンやら
前回のエントリーに拍手ありがとです~

昨日はユースオケでショスタコのリハーサルだったのですが結局午前も午後も居なくちゃいけませんでした。
途中数時間空いたんでシティでランチしたり、公園のベンチでうとうとしたり。

あ、そうでしたね、コンサートのお知らせ。

メルボルン・ユース・オーケストラ 第1コンサート
2012年4月29日 2:30開演 Iwaki Auditoriumにて
指揮者: Imre Pallo
ツィンバロム: Rob Cossom
<プログラム>
コダーイ 「ハーリ・ヤーノシュ」組曲
ショスタコーヴィチ 交響曲第11番 「1905年」

ということで昨日の時点で本番までもうあと1週間、なんですがやっぱりショスタコの方はまだまだ懸念がたくさん。
いっちょまえに「若いオケメンバーたち」に言いたいこといろいろあるのですが、何よりも「ちゃんと録音を聴こうよ」、と。
シンフォニーは長いんで最低でも一番難しい第2楽章だけでも。
ショスタコに関しては実際弾く音は難しいのですが、自分のパートの音を弾けるようになるのと同じくらい全体の流れを知って自分のパートがどうその中で動いているか、というのを理解するの大切だし有用なことなんだよ、ということですね。
そこがやっぱりオケで弾く事、オケの音楽を弾く事の醍醐味だと思いますし(同時にそれがオケに特異的なスキルでもあると思います)。そうすることで自分がどこで弾くか、とか誰と音を合わせるか、とか見えてきて色々楽になりますし。
話し始めると説教がましくなっちゃうんでこれ以上は言わないでおきますが・・・

前も書いたようにユースオケのメンバーの年齢層、経験値ともにぐっと平均が下がったのももちろんあります。
今回のプログラムは特に初めてリーダーを務めるメンバーにはなかなか難しいです(ショスタコ11番でのコールアングレ奏者、ビオラのリーダー、トランペットのリーダーなど本当にがんばってます)。
そしてやっぱり奏者としての腕とオケで問われるスキルにおける「腕」はまた別で。

私が最初にユースオケで弾き始めたのが2001年、もちろんそれ以前にもサマーキャンプや学校のオケでも弾いてるのですが、ずっとそうやってオケでチェロだったりピアノ、チェレスタを弾いてきた年月の中で誰に直接教えられたでもなくオケでの演奏で学び、積み重ねた知識やスキルがいろいろあるんだな、と改めて思いました。
本当にパートのどこにキュー書き入れればいいか、とかそういうちょこちょこしたオケスキルは自信ありますよー。

そして日は変わって今日、久しぶりのピアノのレッスンでした。
一時帰国のお土産まだ渡してなかったくらい久しぶり(汗)
今回はラヴェルの「クープランの墓」から「フーガ」、ヴィラ=ロボスの「ブラジルのバッハ」第4番第2楽章、そしてスクリャービンの「炎に向かって」。
概ね良い評価をいただたいて安心しました(そんなに不安だったわけでもないですが)。あと先生は初めましてだったこのヴィラ=ロボスが好感触で。私が先生が知らない曲をいきなりレッスンに持ってくるのは今に始まったことじゃないのですが(笑)、先生がそういう曲を好きになってもらえるのは嬉しいです。(先日書きました「おすすめした音楽を好きって言ってもらえるうれしさ」ですね)

聴く音楽・弾く音楽とも先生の好みと私の好みと重なってるところが結構あったりするのですが(というかうちの母と先生の好みはかなり似ていると思います。どっちも私の好みのうちの「趣味の良い」部分が主で)。
今回弾いたスクリャービンの「炎に向かって」も先生は20年前によく弾いてたそうです。他にもスクリャービンだったら中期のソナタとか色々弾いてたり。私は先生がスクリャービンを弾いてるのは聴いた事ないんですよねえ。
これからスクリャービンの中期・後期の作品をもっと弾いて行きたいと思っていますが、同時に「炎に向かって」は長期的に、自分のコアレパートリーの「炎代表」として大切にしていきたいと思います。

今を含めて4月5月は仕事がそんなに忙しくない時期なようなので5月にもう一回レッスンしてもらえたらな、と思ってます。
2つのバッハと、もう一つのブラジルのバッハ(第3楽章)。
先生も5月末はバースデーコンサートの色々できっと忙しくなるのでそれまでに。
バースデーコンサートも楽しみです。あまりにも奏者が多くてどんな集まり・コンサートになるか今のところ想像もつかないですが。

さて、明日の分も仕事が来てないのですがしっかりちゃんと寝起きしなきゃ。家の掃除も両親が来る前に。


今日の一曲: ドミトリ・ショスタコーヴィチ 交響曲第11番「1905年」 第3楽章 「永遠の記憶」



こっちもちゃんと紹介しなくちゃ、ということで第3楽章。
まずはこの交響曲について概要。
この交響曲は1905年に起こった「血の日曜日」事件を題材として書かれています。(ちなみにショスタコは1906年生まれ)
生活の困難さを訴えにツァーリの宮殿に集まった民衆を軍隊が虐殺した、という事件で、共産党がツァーリの帝政を覆したロシア革命のさきがけ、みたいに扱われることもあります(社会主義の革命の定義というか、そういうものに当てはめると確かにそういうポジションですね)。
その「血の日曜日」の虐殺の物語を語るにあたってショスタコーヴィチはこの曲のあらゆるところで革命歌のメロディーを引用したり使用したりいじったりモチーフとしたりしてるのです。それもかなり細かいスケールで(ショスタコ自身が書いたメロディーってあるのかな・・・)。

実際の虐殺の様子は第2楽章で描写されています。第3楽章は死者を思い、弔う楽章。
虐殺の後の静寂から現れるチェロとコントラバスのピチカート、そしてそれに乗せて静かな歌が流れてきます。
この「同士は倒れぬ」という美しい革命歌のメロディーを歌っているのはビオラたち!
ピチカートの音だけをバックにものすごーく長ーいビオラのセクションソロが続くのが本当に美しくて涙を誘います。
ビオラの1人のソロでなくセクションソロならきっとこのメロディーが私の中での最高のビオラソロだと思います。

葬送行進曲のようなセクションからクライマックスまでの流れはショスタコの「映画音楽作曲家」としての一面がもろに現れますね。
悲痛で、でも豊かなオケの音はプロコフィエフのロミジュリやラフマニノフに劣らないロマンチックさがあります。

前このブログで書いてると思うんですがショスタコーヴィチの交響曲とか大規模作品はソヴィエト政府の目を気にして、というかソヴィエト政府の目的のために書いていた作品が多くあって。
この第11番もソヴィエト政府がその「革命の第一歩」みたいなことを記念というか、そういうことでショスタコに作曲を依頼したと思うのですよ。
だからあのビオラのソロで涙するのもクライマックスで胸が熱くなるのも、ソヴィエトのお偉いさんが狙った効果であり、ショスタコがその意図に合わせてそうしたものだっていえばきっとそうで、それはものすごく癪なんですが・・・

でもショスタコーヴィチが自分が生まれた1年前に起こったその事件に心を痛めていたのは確かで、犠牲になった人々を忘れてはならないと強く思っているのがこの第3楽章に現れていて。
そして第4楽章「警鐘」の存在からも分かるようにこの交響曲はただソヴィエトのお偉いさんの思う「革命の成功」をたたえるものではなく、共産党政府にも同じ轍を踏まないよう警告・批判する意味もあったり。

もちろん音楽それだけでも素晴らしいものですが、歴史・社会背景とのつながりもまた深く、そしてわかりやすい作品です(何回も書いてますがこれが私のショスタコ&ソヴィエト史の入り口でしたからねー)。

でもとにかく強調したいのは!ビオラたちのソロを聴いてください!

メル響の録音があって試聴もあるのでリンクしました。(ただしこの第3楽章は抜き出されてる箇所が悪いな・・・)
私が最近気に入ってるジャズ組曲第1番も入ってます~「ワルツ」が特に格好いいですのでそちらも試聴強くおすすめです!

拍手[1回]

Rooftop Barとツィンバロム
前回のエントリーに拍手どうもです~
昨日は行って来ました!The AylesburyのRooftop bar!
友達3人と、ちょっとぶりの再会ですね。親友も看護師さんとしての仕事が始まりましたし都合を付けるのがちょっとだけ難しくなったかな。

The Aylesburyは本体が1階のスペイン料理レストランで、そのちょっと奥にあるエレベーターで5階まで上がってエレベーターを出るともうすぐバーがあります。
中のカウンター席(結構長いカウンターです)と、そしてバルコニーにもテーブルが置いてあったり、バルコニーの端にそって席があったり。
あんまり広くはないので金曜日・土曜日(日曜は休み)だと結構混むみたいです。昨日もちょっと混んでましたがそれでも椅子に座れましたし、両親がくる時は平日なんで大丈夫かな、と。
今回は飲み物だけだったのですが軽食もあるようです。もちろんワインはオーストラリア、海外からいろいろありますし、スピリッツ類も結構あります。ウォッカはGrey GooseとかBelvedereとかもあったり。

雰囲気もよかったし景色もよかったです。(もちろん晴天でないと楽しめないですが、この手の場所は)
メルボルンは小都会なんでそんなものすごい夜景とかはないのですが下にはこのバーがあるLonsdale Streetが見えたり、はす向かいのWesley Uniting Church、ビルの間からはメルボルン一の大聖堂であるSt. Patrick's Cathedralも見えますし、それに「小都会」だから頭上にはオリオン座や南十字星など星だって見えちゃいます(もちろん季節によりますが)。
今度はまた別のRooftop barに行ってみたいですね~

そして今日はユースオケのリハーサル。
ロルカでブランチ(12時ちょっとまえだったので朝食メニュー)でHuevos al Florentine(パンにほうれん草、サーモンとPoached EggにHollandaise Sauce。Huevos al Benedicto=Eggs Benedictのハムをサーモンに換えたもの)を食べて、リハーサルへ。
久しぶりのユースオケ、今日は午後中コダーイの「ハーリ・ヤーノシュ」組曲をリハーサルしました。

そして・・・今日はツィンバロムが来ました!待ってました!
それもなんと私のすぐ隣に配置という・・・今までも実物を見た事はなかったですし、オケでツィンバロムがでてくることってものすごく珍しいので今日は一日ガン見でしたよ!(笑)
ハープシコードみたいな華奢さというかあからさまに壊れやすそうな感じはなかったのですが台に乗ってたり専門の運搬の人がきてたり、結構仰々しい感じでした(メルボルン外から借りてる?)。

ツィンバロムは木でできた箱のような本体に弦が張ってある楽器で、弦を撥で叩いて音をだす楽器です。
ハンガリーの民族楽器なのですが、似たような楽器はイラン、タイ、中国など世界各地にあるみたいです。
今回使っているツィンバロムは木の色がまるで猫目石(キャッツアイ)のような色合いで、側面に掘ってある模様なんかも合わせて中国で仲秋の名月で食べられる「月餅」にそっくりでした(中も黒いですし)。
中に弦が張ってある様はでもピアノの中にそっくり。
撥は「マツイ棒」に似てます(笑)先が綿のようなものでぐるぐる巻きになってて、爪がちょろっと先出ている感じ・・・はある意味指を骨折して包帯巻いたみたいでもあります。
撥は軽く持つためちょうどそこが特殊な形になってるようです(ちょっとアブサンスプーンのようでも・・・ないか)

ツィンバロムを弾いているのは(前も書きましたが)メル響でシンバルを主に弾いてる打楽器奏者の方で、大学で打楽器の先生をやってたので大学のオケマネージャーとしても間接的に・直接的に色々お世話になった方(そして同時に迷惑を多々かけてしまったと思います)。
今回なかなか出会わない楽器のソリスト、ということで色々大変だと思うのですが、このツィンバロムという楽器自体がなかなかの曲者らしいです。

何よりも「腰が痛くなる」そうで。
ツィンバロムはピアノの右ペダルと同じく響きを開放するペダルがついてるのですが、それが箱の部分の中央から下に伸びてるためピアノやチェレスタよりも奥にペダルがあって、しかも楽器が台に乗ってるためペダル、そして楽器の演奏する面が高い。
さらに高音を弾くときは奥の方まで腕・体を伸ばさなくちゃいけない。
ということで腰には良くないようです。

さらに手前の低音部分は手前から順に半音ずつ音が上がってくのですが途中から一張りの弦が2つ、3つのセクションに分かれていて、一番高音のセクションは順番がめちゃくちゃになるみたいです(ファゴットの指使いが途中めちゃくちゃになるのと似たような感じかな)。
調弦するときもそれぞれの弦(ちなみに2~3本で1セット)を調律するときにも一張り調弦することで複数の弦の音程が合わなくちゃならないそうで、それも大変だとか。
(例えば同じ弦に左右でドとソがあるので両方合わせる必要がある。しかも音域によって左右・左右中の音程が変わったりややこしいです)

でもそんなややこしい諸々をほとんど感じさせない素晴らしい演奏をすぐそばで聞けて、そしてこの珍しい楽器の大好きな音と響きを存分味わえて(ガン見しながら)感極まってました。ソロの多い第3楽章「歌」はもちろんですが、やっぱり第5楽章「間奏曲」にはこの音が必要!以前紹介したときも書きましたがこの繰り返しの多い曲をずっと聴いてて飽きるどころかさらに好きになっています。

オケも今回のリハーサルで大分まとまってきて、自信のある演奏になってきたので29日のコンサートにはばっちりだと思います。(コンサートのお知らせは次回)
明日はみっちりショスタコーヴィチ。こっちのほうが量もでかいですしものすごく難しいので明日大きな進歩があるといいな、と思ってます。私はほとんど弾かないのですが。
弦楽器も木管楽器も金管楽器も、そしてなんといっても打楽器、みんなショスタコがんばれ!


今日の一曲: コダーイ・ゾルターン 「ハーリ・ヤーノシュ」組曲 第3楽章 「歌」



ツィンバロムの音色がわかりやすく、贅沢に味わえる一曲。
弦楽器中心のオケと一緒に弾いたり、ちょこちょこソロがあったり。
連打したり、アルペジオ(分散和音)を弾いたり、伴奏に回ったり、基本的な弾き方はわりとカバーされてるんじゃないかな。
オケだけでも少しエキゾチックなメロディーやハーモニーがあるのですが、このツィンバロムの音色はさらに異国の雰囲気を醸し出しますね~

ソロがあるのはツィンバロムだけではないです。
この楽章はちょっと長めのビオラソロから始まります。他の楽器が全く弾いてない、ビオラがたった一人で弾く正真正銘のひとりぼっちのソロ!
これもまた異国風のメロディーによく合う暖かい音色で。
今回ユースオケでこれを弾いてる人は初めてリーダーを務めるのですがものすごーく緊張するソロですね!大変です!でもこのソロってものすごーくゆったりしているのが魅力なので弾く側も聴く側も余裕をもって聴きたいですね。

他にも木管の各楽器に伸びるようなメロディーのソロがあったり、いろんな楽器の音の魅力を他のオケの楽器のサポートに乗せて味わうことができる、慎ましいけれど魅力あふれる曲です。
ゆったりした音楽を聴きたいときに、そしてツィンバロムという素晴らしい楽器と出会うためにぜひ。

今回はコダーイの作品を集めたCDをセレクト。この組曲以外で私が愛してやまないのが「ガランタ舞曲」。まだこのブログでは紹介してないかな。チェレスタのパートは残念ながらないのですがハーリ・ヤーノシュに負けず劣らずの東欧独特のフレーバー、そしてこの組曲を凌駕するものすごいエネルギッシュな音楽です。また機会があれば改めて。

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