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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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演奏に向けた何かしらん
Stonnington Symphony Orchestra
Sunday Series 1
Malvern Town Hall
6月3日 14:30開演
指揮者:Fabian Russell
アントニン・ドヴォルザーク 序曲「謝肉祭」
レイフ・ヴォーン=ウィリアムズ オーボエと弦楽合奏のための協奏曲(オーボエ:Thomas Hutchinson)
セルゲイ・ラフマニノフ 交響的舞曲

そしてこちらも(ソロの方)。
FOGA (Firbank Old Grammarians' Association) Centenary Concert
Patricia Turner Centre,for Creative Arts, Firbank Grammar School
6月1日 19:30開演
私はメシアンの前奏曲第6番「苦悩の鐘と別れの涙」を弾く予定です。

演奏前ラスト更新です。明日はリハーサルで明後日は学校の方本番、土曜はさんで日曜日にコンサート後出かける可能性ありなので。

そしてFOGAの方ではOGの集まりの100周年なので校歌を始め色んな学校関連の歌のsing alongが予定されてるのですが学校の100周年記念に作曲された歌Centenary Hymnの伴奏をすることになりました。まあ簡単っちゃあ簡単なのですがちゃんとさらっておこうと。
あと校歌の伴奏はくじ引きの可能性があるので一度弾いておきました。明日も一回くらいは通した方がいいかな。

うちの学校は1909年設立で校歌はそこからまだちょっと古い時に書かれた賛美歌なのですがこうやって久しぶりに弾いてみると&最近書かれたCentenary Hymnと比べてしまうと音楽的にしっかりしてるなあ、と。19世紀でまだキリスト教の影響が強い時代に賛美歌として書かれてるってのはそれだけで土台ががっしりしますね。ちょっとその分比較的最近のクリスチャン系の歌は薄っぺらく感じてしまうのです。これは教育観点から考えるべきか音楽理論方面から考えるべきかもっと違う色々を交えてくるべきか。

オケの方ももうそろそろ最後の準備です。リズムと表現とその他色々正確さを磨き上げると音楽が見違えるのがすごいところ。もちろんこの曲に限らず最近弾いた中だと火の鳥とかショスタコ13番とかもそうですが。今の指揮者さんのリハーサル運びだったり指揮テクニックも今週で見納め。私のパートとしては残りのオケとのバランスがまだ要調整ですが(もっと音量上げてかつ中身詰めた音でもよい)たまには存在感出していきたいところ。

ソロの方はどうかなあ、もうちょっと緊張感持ったほうが良いのかも知れないというのが正直な心持ち。こないだ聴いてもらったときもレッスンで弾いた時も緊張ゼロだったんで逆に危険を感じる。でもやっぱりその時になってみないと分からないのが自分の気質で。
とにかくいつでも聴衆に素敵な&初めてのメシアンをお届けすることを念頭に置いて演奏したいです。

ということで今回は早々に。次回更新するときは2つまとめてということになるかな。


今日の一曲: オリヴィエ・メシアン 前奏曲第6番「苦悩の鐘と別れの涙」



「前奏曲」というジャンルが特にピアノでは「何かの前に演奏される曲」という意味を離れて大分久しいようにも思えますがその中でもこの曲の「前奏曲」らしくなさはなかなかですね。今回はこれ一つですがそもそもが最後に弾かれるように書かれてるようにしか聞こえない曲(ただしこの前奏曲集の8番がアンコール的に後にくるのはありかなあ)。

だいたいメシアンの「メシアンらしい作風」が確立したのが時の終わりの四重奏曲(ちなみにこんどタスマニアのMONAにてDark Mofoでポートアーサー監獄跡で演奏されるそうです)とか20のまなざしといった1940年初頭の作品群ですが、この曲集は1939年とかなり近いながらやっぱりすぐ後の作品とはちょっと違ったところがあるような印象。濃さというか複雑さというか確固としたポジションというか、そういうとこの差かな。そのどの要素をとってもちょっとライトな気がします。

この曲も和音はメシアン的和音なのですがこないだ友人と話してたのはちょっと後期ロマン派のシュトラウスとかワーグナーなんかに通じる色彩や雰囲気なんかもあり。でも全体的な絵というかメッセージは結構シンプルだったり。とはいえ「メシアンなりのシンプル」ではあるんですけどね。

そしてシンプルに美しいこの曲。「悪魔の音程」なんても言われるオクターブの半分=トライトーン(減5度 or 増4度)をこの曲の後半ではものすごく美しい色で彩り、その音程が作る絶妙な緊張をうまく活用してるのが粋なところ。シンプルなメカニズムながらからくりが分かるとさらに楽しくさらに頷けて味わい深いのがこの曲の楽しいところだと思います。

ちなみに演奏時間でいうと10分近い演奏も結構みるのですが私はそんなに遅くは弾かない傾向(ただやろうと思ったら遅くもできるかな)。リンク用録音にみつけたマダム・ロリオの演奏は8分下回ってて私の演奏時間に近いようです。ただ今回弾く前にしゃべったりするしそれ合わせて10分が持ち時間なので弾くときはなるべく遅い方に傾くように心がけたいと思ってます。明暗はいかに。


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耳を貸し借り
迫ってきましたのでお知らせー

Stonnington Symphony Orchestra
Sunday Series 1
Malvern Town Hall
6月3日 14:30開演
指揮者:Fabian Russell
アントニン・ドヴォルザーク 序曲「謝肉祭」
レイフ・ヴォーン=ウィリアムズ オーボエと弦楽合奏のための協奏曲(オーボエ:Thomas Hutchinson)
セルゲイ・ラフマニノフ 交響的舞曲
そしてこちらも(ソロの方)。
FOGA (Firbank Old Grammarians' Association) Centenary Concert
Patricia Turner Centre,for Creative Arts, Firbank Grammar School
6月1日 19:30開演
私はメシアンの前奏曲第6番「苦悩の鐘と別れの涙」を弾く予定です。

昨日は友人Tristanが来週のリサイタルで弾く曲をちょいと事前に聴いて欲しいというので聴きに行って来ました。ついでといってはなんですが他のみんなが来る前に私が来週弾くのも聴いてもらいました。やっぱり人前で弾いて聴いてもらうと違いますね。あと家のピアノじゃないピアノで弾くと違います。忙しいなか大変ありがたかったです。

さてTristanが弾いたのは以下の2曲。
フランツ・リスト 「巡礼の年」第2年 イタリアより「婚礼」
ルートヴィッヒ・ファン・ベートーヴェン ピアノソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」

彼は音楽で博士号をやってるので演奏や録音なんかもそのテーマに絡めることもありベートーヴェンやリストを弾く事が多いです。ただ博士号のテーマにするだけあって得意・専門分野かつ思い入れが深い分野なので毎回期待できますね。
巡礼の年はでもTristanの演奏ではまだそんなに聴いてない(婚礼はこないだオルガンのコンサートで聴きましたが)。他のもそのうち弾くのかな。

ただハンマークラヴィーアは他のベートーヴェンのソナタとは大分話が違う。スケールのでかさとか長さとか難しさとかあらゆる方面ですごい。格が、というかそもそもの存在意義が違うというか。
全てがガチなんですよあの曲は。弾く方とか聴く方とかに優しくとか聴きやすくとかはもちろん、たまに音楽として美しくというのも捨ててガチのベートーヴェンをぶつけてくると私みたいな凡人ではスコアを見てても(今回ページめくり役でした)理解が追いつかない。
特に最終楽章にそれがぎゅっと凝縮されてて集中力的にも大変そうでした。

来週はリハーサルやら本番やらもありTristanの本番に行けるか微妙なところなので聴けてよかったです。前述のとおり破格な作品なので生で聴ける機会も少ないですし。ほんとはでも本番行きたい&ページめくりしたいですが。でもそんな余裕はないかもなあ。

もちろん演奏の規模は全然違いますが私も自分の演奏に向けてもうひとがんばり(×2)しなければですね。メシアンの音楽を一人でも多く好きになってもらうために全力の演奏を届けられるよう頑張りたいと思います。


今日の一曲: フランツ・リスト 「巡礼の年」第2年 イタリアより「婚礼」



なんか今日は昼から頭が痛くてPanadolも効いてないのでハンマークラヴィーアの話はまた今度に。
リストも基本自分は弾かない作曲家なのですがアッシジの聖フランチェスコと鳥のやつを筆頭に宗教的な作品群はそのうち触れてみようかなーと思ってたり。

というのもリストも後期になってくると表現的に時代を先取りするというか色々面白いことやってたりして印象派とかにも通じるところがあったりで自分の好きなところにも近かったり相性がよかったりするはずで。自分の色彩をブレンドするみたいな弾き方も応用できたり。

この「婚礼」もちょっとフランス音楽に通じるハーモニーと色彩の美しさ、あとワーグナーの「ローエングリン」と宗教的な景色の描写が似てたりで色々と美味しい音楽です。
それでリストの情熱的なピアノ使いが味わえてるんですからなんかこう世界感がいい感じに完結してる感があります。

この曲のいろんなレイヤーを色んな音色で表現できるという意味では確かにオルガン編曲向きだと思いますがやっぱりはっきりしたエッジのあるダイナミックな広がりがあるピアノの音で聴きたいですね。オルガン的な要素のあるピアノの音、いいですね。

リンクした録音はパスカル・ロジェの。フランスっぽくなるだろうなと期待してのチョイス。
それにしても伝説とか単品とかまだ聴きこんでない&弾くことを考えてないリストの作品もたくさんあるなー。
今は弾くには自分の得意分野から時系列で前の時代、後の時代それぞれうまくカバーしてきたいのでリストはほんと真剣に聴き広げていかないとですね。


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先生のリサイタル

行ってきました先生のリサイタル!
ということでいきなりプログラムです。

French Piano Music
ピアノ:Stephen McIntyre
ガブリエル・フォーレ 夜想曲第4番 op.36
セザール・フランク 前奏曲、コラールとフーガ M21
モーリス・ラヴェル 高貴で感傷的なワルツ
クロード・ドビュッシー 前奏曲第2巻より
   第1番 「霧」
   第3番 「ヴィーノの門」
   第7番 「月の光が降り注ぐテラス」
   第8番 「水の精」
   第12番 「花火」
クロード・ドビュッシー 喜びの島

70歳のバースデーコンサート以来はや5年、75歳を迎えてもメルボルン内外で、州外・海外も含め色んなところで今も精力的に演奏活動してる先生ですがオールフランスなプログラムは久しぶりですね。今回はフォーレやフランクも入って正に20世紀になる前後諸々の時代の変化が味わえる曲揃い。
フォーレなんて特に先生の演奏だからってのもありますがちょっと粋なジャズを聴いてるような空気があったり。

中でもやっぱりフランクの立ち位置は独特ですね。重量感というかちょっと他のフランスものと違って、あとオルガンでの作風がものすごく反映されてるような印象。なかなかピアノ音楽聴いてるとは違うよなあ。好きなんだけどよく分からないところもあり、自分で弾いてもなかなか馴染んでくれたためしがないですが先生が弾いてくれてありがたい。

ただ先生の弾き方だと華やかだったりユーモアがあったりする曲の方が楽しく聞けるといつも思います。今回のラヴェルとドビュッシーはそういう意味では俺得な曲揃いでしたね。特にラヴェルと最後の喜びの島。喜びの島は自分ではなかなか弾きたいとは思えないのですが先生の演奏は素晴らしくて大好きでもっと聞きたくなる。

あと先生の演奏はほどよく力が抜けたようなところがあってユーモアは軽妙に、華やかなのは広がりがあったりで自分の演奏にないところが色々。あとこないだレッスンでがっつりやった色んな強弱やtextureでのコントラスト作りだったり、さらには今後のレパートリーに関してのヒントだったり楽しく聴くだけじゃなくたくさんのことを学べたコンサートでした。

そして今回は一日に2公演だったのですが私が行った2回目の公演では同世代の先生の生徒たちも結構来ててちょっとした同窓会みたいな感じで話に花も咲きました(ただし後で飲みにいくほどでもなかった)。同門の結束やっぱりいいですねえ。

とはいえ2週間もすれば今度は自分が演奏する側です。しかもソロもオケもあり。
特にソロの方はまたメシアンを皆さんにお届けするため(あ、前回書いてなかったですが前奏曲第6番「苦悩の鐘と別れの涙」を弾きます)ベストな演奏ができるようにしなきゃですね。
いつでも目標はこれまでメシアンの音楽を聴いたことがなかった人にメシアンの音楽を届け、あわよくばメシアン好きを一人でも増やすことなので。完全に草の根運動ですが着実に続けたいです。


今日の一曲: モーリス・ラヴェル 高貴で感傷的なワルツ



ラヴェルはむかしむかし先生が全ピアノ作品を一つのリサイタル(2時間半~3時間くらい)で弾いたくらい残した作品が少なくて、私もかなり前からだんだん弾いたことがないラヴェルの作品のストックがじわじわ減ってきていることが気がかりで。
そんな中この曲はまだ弾くことも考えてなかったです。でも生で&先生が弾くのを聴いちゃったらちょっと考え始めちゃいそうになる。

ピアノ音楽も(私から見ると)完璧に近い音楽を書くラヴェルですが彼の音楽を語るにおいてやっぱり「一流のオケ書きである」という話は避けて通れない。ピアノ曲でも特にこの「高貴で感傷的なワルツ」なんかはオケ要素が満載で。実際オケ版もあるのですがピアノ版でもrピアノ一台に収まりきらないような多様な音色と曲調、そしていないはずの打楽器の存在を感じる踊りのリズム、そしてきらびやかで華やかな色彩。

今Wikipediaで調べたらワルツも色々ありながら元になってるのはシューベルトのワルツなんですね。プーランクの即興曲集でもシューベルト意識の円舞曲があります。新古典主義の時代ではありますがそれでシューベルトにスポットライトが当たるのは面白い。同時にバレエが発展した時代でもあるから「踊り」の視点からシューベルトにスポットライトが当たるのかというとさらに面白いですね(現代だとシューベルト=歌曲の巨人というイメージですし)。

ただいまラヴェルは復習モードもあっていつこの曲に手をつけられるか分からないですがいずれは弾きたいです。その時には心にも演奏にも余裕を持って、色んなワルツを演じ分けて踊り分けて、オケの色彩パレットをあますことなく使って楽しいワルツにできるといいなあ。できるといいなあ(汗)

リンクする録音は先生の先生の演奏。やっぱ弾いてたんだなー。

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本格的に冬突入
寒いし雨は降るしで秋もあっという間に通り過ぎてメルボルンも冬になってまいりました。

まずはお知らせ。

Stonnington Symphony Orchestra
Sunday Series 1
Malvern Town Hall
6月3日 14:30開演
指揮者:Fabian Russell
アントニン・ドヴォルザーク 序曲「謝肉祭」
レイフ・ヴォーン=ウィリアムズ オーボエと弦楽合奏のための協奏曲(オーボエ:Thomas Hutchinson)
セルゲイ・ラフマニノフ 交響的舞曲

そしてこちらも(ソロの方)。
FOGA (Firbank Old Grammarians' Association) Centenary Concert
Patricia Turner Centre,for Creative Arts, Firbank Grammar School
6月1日 19:30開演
母校のOG会の100周年記念コンサートで演奏だけじゃなく色々聴衆参加型のナンバーもあるようです。

オケの方は火曜日にリハーサルでした。といってもほとんど弾いてないですが。あとで指揮者さんからお詫びがありました(ついでにちょいとおしゃべりしてくれて大変嬉しい)。
いやあそれはしょうがないですよ、やっぱり難しいのは第3楽章と第2楽章の終わりだしきちっとやっとかないと。そこらをリハーサルしながら色々まとまってくのを目の当たりにできる貴重な機会ですし。あの人が振ってるの&リハーサルするの見るのなるべくたくさん見てたいので。

ただホールがある程度暖かいとはいえ動いてないと途中で寒くなる(トイレ行くついでにちょっと体動かしました)。ピアノが一人でステージの上なので幕の向こうからなんか冷たい風が来るんですよね。広い空間は冬は大変です。
もう一つのオケの方は集会場所的な感じなのでしっかり温まりますが例えば古めの教会とかなかなかしんどいです。メルボルンで一番大きい聖パトリック大聖堂でこの時期ユースオケのコンサートとかやったときはひたすら寒かったことばっかり記憶に残ってます。

そんなところにBendigo Woollen Millsから毛糸が届いたので絶賛マフラー編み編み中です。

Luxury(100%ウールで柔らかい上に洗濯OK)の 8 ply(太さ)、色はBlue DenimとJunior Navyを買いました(ここです)。どっちも200g玉です。似たような色ではありますが汎用性が高いので消費には困らないかな。特にこのマフラー編み始めたBlue Denimは黒とか灰色とかとも合わせやすそう。というかそういう色だけじゃなく他の色も色々使ってみたい。

あと友達がくれたメリノウールの毛糸はMorris & SonsのEmpire 8 plyなのですが(これですね)そこのお店に行ったら色々(ちょっと高め~もっと高めも含め)売ってました。Empireの8 plyはハンドウォーマーでまだ編み方のコツが掴めてなくて四苦八苦してるのですが毛糸自体はとってもいい感じで色んな色が欲しくなる。
ちなみにそこのお店は年2回セールだったりポイント集めてクーポンがもらえたり賢くショッピングすれば効果覿面と聞いているのでそこらも楽しみです。

とはいえどのアイテムをどんな毛糸とどんな針で編むかとか調整とか換算とか難しいところ。そしてオケと一緒で数えるのが苦手な私にどこまでのサイズのアイテムが編めるか。なんでも作ってみたいしいろんな毛糸使いたいんだけどなあ。

ということで適度にちゃんと休みながら&腕の疲れに注意しながら色々編んでいきたいです。なんでもとにかくのめり込む性質があるのでほんと編み物とか適度な作業では意識的になんとかしなくちゃ。

リハーサルに行ったり買い物に行ったりラーメン食べに行ったりなんだかんだで一週間毎日外に出ていたようで(とポケGOが行っていた)冬も色々外に出るきっかけを引き続き作らないとですね。特にソロ・オケのコンサートが終わってからが勝負かな。旅行も楽しみです。


今日の一曲: ピョートル・チャイコフスキー 「白鳥の湖」より第1幕「Tempo di valse & Andante - Allegro」



ラフマニノフは前も弾いてるので本番感想エントリーで代表で一つ楽章選んで紹介する予定。
さてどの楽章を選ぼうか、果たして選べるのか(汗)

白鳥の湖はあんまり自分から聞いたり見たりはすることが少ないのですが最近ちょっと気になってるのがこの曲。元のスコアに準拠して(あと手持ちの録音もそう)第1幕と書いてますが現在のバレエ公演では第3幕の黒鳥のシーンに使われる曲です。

白鳥ではやっぱりオーボエの活躍がめざましいですがコンマス=バイオリンのソロもかなりあります。第1幕だとこのソロ、第2幕には王子とオデットのパ・ドゥ・ドゥ、そして第3幕にはロシアのお姫様の踊り。それに加えてトゥッティのバイオリンパートも相当難しいパッセージあったり(第4楽章がすごかったなあユース時代)、とにかくバイオリンもすごいこのバレエ。

第2幕の感情たっぷりの美しいソロ、ロシアのお姫様での情熱的で超絶技巧もいいですが第1幕のこれもそれらをちょこちょこいいとこ取りしながらショーピース的な遊び心もあったりしてずっと独擅場。これを従来の第1幕じゃなくて舞台の上での主役級の見せ所にぶつけるように改変した人偉い!

ということで舞台上の踊りを見ることが多い曲ですがバイオリンの活躍にも是非是非耳を傾けて欲しい曲です。そしてもちろん他のバイオリンソロも。特にロシアのお姫様の踊りはたまにカットされることもあるような印象なのですがかなりかっこいいので録音の場合は入ってるバージョンをオススメしたい。
なので手始めに手持ちの全曲録音をリンク。小澤さん指揮です。

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今年もカウントダウン
来たー!頼んだ毛糸が届いたぞー!
・・・ということに今一番盛り上がってるのですがそれはまた今度に置いておいて。

来たー!今年も豪ABC Classic FMのカウントダウン!
今年のテーマは「Dance」。バレエだったりそれ以外の諸々だったりとにかくステップを踏みたくなる、心躍る曲のトップ100を投票で決める祭典。
今年も一般ノミネートされた曲から投票対象が決まり、今こちらで投票中。一人10曲まで票が入れられます。

いやあ面白いリストですね。普段はぶいぶい言わせてるマーラーとかが曲数的に鳴りをひそめ気味だったり、あとオーストラリアで強めのイギリス勢が優勢とも言えない情勢。
先ほどのリンク先にラジオパーソナリティや関係が深い音楽家などのチョイスが出てますがストラヴィンスキーが強いのにちょっとにやりとします。きっとオケ勢はストラヴィンスキーに入れる人多いだろうな。どこまで票を伸ばせるかどうか。

ちなみに私がノミネートしたのはこの5曲。(限度はなかったのですがすでに揃いつつあったので補足する感じで入れました)
・オリヴィエ・メシアン トゥーランガリラ交響曲
・モーリス・ラヴェル ラ・ヴァルス
・ヨハン・シュトラウス2世 皇帝円舞曲
・ヴォーン=ウィリアムズ ヨブ(仮面劇)
・ベーラ・バルトーク 舞踏組曲

結局メシアンが入らなくて(というかメシアンが1曲も入らなかった・・・前述パーソナリティのチョイスで時の終わりのための四重奏曲を挙げてた人がいたのが唯一の抵抗です)他は無事投票対象曲になってました。

そして投票したのはこちらの10曲。
・セルゲイ・ラフマニノフ 交響的舞曲
・モーリス・ラヴェル ダフニスとクロエ
・モーリス・ラヴェル クープランの墓
・ヴォーン=ウィリアムズ ヨブ(仮面劇)
・ヨハン・シュトラウス2世 皇帝円舞曲
・イーゴリ・ストラヴィンスキー 火の鳥
・イーゴリ・ストラヴィンスキー 春の祭典
・ロス・エドワーズ バイオリン協奏曲第1番「Maninyas」
・セルゲイ・プロコフィエフ ロミオとジュリエット
・リヒャルト・シュトラウス サロメ

なんというかオケ周り中堅どころ手堅く!みたいな感じになりました。サロメは七つのヴェールだけですがあとヨブ以外は弾いたことのある曲。あと自分で踊ってみたい曲ですね、どれも。ということで弾く&踊るどっちの視点からも納得がいくチョイス。

まずラフマニノフは自分にとっての「踊り」ベストに限りなく近い作品です。今弾いてるのもありますが是非100位までに入ってもっと知られて欲しい。同じくダフクロも100位に入って欲しいですお願いします的な思いで入れました。サー・アンドリュー・デイヴィスも次点としてあげてたしなんとかランクインしないかなあ。

ストラヴィンスキー2曲は完全に上位狙いのブーストです。なるべく上に入って欲しい。ちなみに枠が10曲なのでさすがにペトルーシュカまで入れる余裕はなかった。
プロコフィエフのロミジュリもオケ勢・バレエ勢どっちもから支持があると思われるので100位には入るだろうとは思うのですが一応保険・・・というわけでなく純粋にバレエとして好きなので外せない。

サロメはどうなんだろうなあ、どんな位置にくるのか予想も付かない。でも見てたら入れたくなったので一票。同じシュトラウスでも別族のヨハン2世はたーくさんリストされてたのでなるべくいいやつが上に来て欲しいのでノミネートもした皇帝円舞曲を。つまらない曲もたくさんあるからなああの作曲家は。

オーストラリアの曲も結構入ってましたね。Kats-Cherninのバレエ作品やHindsonのテクノとかもある中今回推したのはロス・エドワーズ。もうリズムがたまらんのですよ。弾くにも好きだし踊りで見たいし常に変化するリズムにオーストラリアを代表してほしくて。

クープランの墓は入ったらどのバージョンが流れるんだろうな。自分で弾いたのがピアノだし他がオケだからピアノ版を想像してるのだけど。入るかどうかは微妙なとこかな。
そしてヴォーン=ウィリアムズはそもそもヴォーン=ウィリアムズが好きなのと珍しくイギリスでバレエに近い作品なのとヴォーン=ウィリアムズの作品としても踊り作品としてもなかなか独特なところにあるので入れてみました。言及もあるか(=例えば200位までのリストに入るか)どうか怪しいけどちょっと楽しみにしておきます。

さてカウントダウン結果発表&放送は6月9日~11日(女王誕生日の連休中)。また結果に盛り上がりなり抗議(?)なりエントリーを立てて語りたいと思ってます。楽しみ。


今日の一曲: レイフ・ヴォーン=ウィリアムズ 「ヨブ(仮面劇)」より「序曲」



ヴォーン=ウィリアムズの作品はイギリス文化圏ではかなり親しみがありますがヨブに関してはかなりマイナーな扱いかも。
そもそも色々変わってる作品ではあります。珍しくバレエ作品かとおもったらバレエはいやだから「仮面劇」とか題が付いてるしそもそも音楽に感じる踊りのスタイルがいわゆるこの時代(20世紀前半)のバレエとは離れてるし他のヴォーン=ウィリアムズの作品の雰囲気と違って独特なところもあり新約でなく旧約聖書のまたトリッキーな「ヨブ記」を題材にしたり。
もう一つ言わせてもらうとそんなトリッキーな曲をオーストラリア中のユースオケが集まるコンサートのプログラムにひっさげてきたクイーンズランドユースオケも相当でっせ(2001年の話)。

音楽に感じる踊りのスタイル、というのを掘り下げるといわゆるそのクラシックバレエとかモダンバレエの動きじゃなくてたとえばルネッサンス時代あたりの足を上げたり飛んだりしないようなフォーメーションとか「仕草」みたいな動きに近い気がするんですよね。
実際各楽章の題に出てくる踊りもGalliardとかMinuetとかPavaneとか古い踊りの名前がいっぱい。曲調はそんなでないんですがいわゆる新古典派的な要素もあり。

でも面白い曲なんですよね。いわゆる「お決まりのヴォーン=ウィリアムズのあの牧歌的で美しい弦楽器のソロ」もありますし、中期の交響曲にあるダークさや吹奏楽作品にも通じるようなかっこよいセクションもありますし(ヨブの夢のとこが一番オススメ)。それから「印象派」的な面も強くてその雰囲気と色彩にひたすら浸るのもいいです。そこに関しちゃこの最初の楽章なんかいい雰囲気してると思うんですよね。やっぱイギリス&ヴォーン=ウィリアムズはこうでなくちゃ(個人の感想です)。

検索したら我らが(=メル響の)サー・アンドリュー・デイヴィスの指揮のがあったのでリンク。カップリング曲のウォルトンの「Belshazzar's Feast」もわりとこちらでは聞く・聴くことある曲ですね。


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