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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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便利だったり不便だったり
仕事がちょっと一段落した感があってちょっと心に余裕ができ・・・
・・・ると思ったんですけど最近ちょっと疲れやすい感があったりふらつくようなことがあったりまた貧血気味か?と疑ってるのですが見てもらわないことにはなんとも言えなく。

とはいえ動き回る必要がある時とかは外も動き回ってます。
ちょこちょこ物欲が発動して何が欲しいかいつどこで買うかみたいな調べ物をだらだらしたり。

そんなプロセスで知ったのがメルボルンのシティでクラシック音楽のCD・DVDを特に多く扱っていたThomas' Musicという店が閉店したことを知りました。利用頻度はそんなに多くないながらもまずThomas'で録音があるか探したり、予算+欲しい1枚を決めて他は店舗でぶらぶら物色して好きに選んだり、みたいな楽しみもあったので残念は残念なのですがやっぱり今日日実店舗は厳しいんだろうなあ。

ただその逆に感じるジャンルもあり。
近いうちに前から書いてるトラベラーズノートブックの青いのを買う予定なのですが、購入先を決めるのも一つの悩み所になってます。
前だと「なるべく国内での販売店を応援がてら国内でオンライン購入」か「価格の安さと発送&到着の迅速さを買ってシンガポールOverjoyedから」のチョイスだったのですが今ではオーストラリアのオンライン販売、海外からのお取り寄せ、さらにメルボルンでの実店舗少なくとも2つ(Bookbinders Design、Miligram)で即日入手という手もあり、さらに革のカバーにヒートスタンプが無料だったり有料だったり。
どこで買うにしろノートや万年筆やインクの実物をとりあえず見に行ってみよう、が出来るようになったのは本当に便利です。なんかちょっと前と比べてものすごく恵まれた環境になってびっくり。

Miligramは前も言及してると思いますが新しい店舗でロケーションもメルボルンセントラルと最高で神戸インクなど幅広く置いてあって万年筆コミュからもスタッフがいてそちらの対応もよさげなので一番よく立ち寄るのですが(というか要がなくても立ち寄る)、ノートブックのサンプルなんかも置いてあって。トラベラーズは誰のか分からないですがレザーが使い込んだ感じので愛好家がその魅力を存分に分かってもらえるよう出してくれたのかなーとか想像がふくらみます。

・・・と書いたところで実はサイズにまだ迷ってる。パスポートサイズは確かに小さかったけど普通サイズもあのとき手に取って「でかいなあ」と思ったもんなあ。
また店に行って悩んでこようか、という選択肢ができてほんといいですなあ。

最近一日一筆とかやってなくて万年筆もちょっと前ほどは使ってない気が。それでもほぼ日に毎日ちょこちょこ記録してるので固まったりはしないです。来月あたり詩の一日一筆やっておくかなあ。ネタ(というか調べ物)の都合でそんなに頻繁にはできないのですが。

手持ちの万年筆もどれにどのインクを入れたいかだいたい決まってきたような気がします。なるべくいつも使いたいインクを決まったペンに入れておきたいですがいろいろ試したい用のペンもあったり。今はそうでもないですがちょっと余裕が出てきたら(長期的に狙ってる以外での)万年筆欲もまた出てくるかも?
気持ち的には「いいインクにいい万年筆を合わせたい」なのでなんかツボるインクがあったら誘惑されてしまうかも。またどっかでサンプル頼むかなー。


今日の一曲はまたもやお休み。ちょっと気力が足りない。


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The Orchestra Project「マーラー9番」感想
まさかの2日連続更新です。珍しい。
というのも今日行ったコンサートが昼だったので即日感想が書けるパターンでした。

久しぶりのThe Orchestra Project。ゲリラ的?とは違いますが指揮者Fabian Russellが不定期に若い音楽家を中心に集まって少ない日数で大曲を仕上げるちょっと変わったプロジェクトです。
今回に限らず(個別のパートの難易度を超えて)難しい曲を扱うのですが集まるのはかなり腕の立つ奏者たちで毎回素晴らしい演奏を聴かせてもらってます。

ただこのプロジェクトを最初に聞いたのが大学在学中なんで間はあくにしろもう10年以上続いてるわけで。そうするともう今回なんかはチェロセクションでもほとんど知ってる人がいなくて時の流れをものすごく感じます。(それと同時に指揮者さんは色々教育方面も含め常に若い奏者とお仕事して新しい才能を拾い上げてくのが凄いです)

マーラーの交響曲は作曲家が年を重ねていくにつれて複雑になる、というのはあまりにも簡単に言いすぎかも知れませんが前聴いた「大地の歌」とはまた違う深さと難しさ。それは聴いてる方もそうですし弾いてる方も相当大変。そもそもこの曲を頭で捉えるとこからだから予習がとにかく大事。

とっつきやすい例でいうと5番の第3楽章みたいな徘徊するような曲調が特に第1楽章と第3楽章でものすごくて、でもあてもなくさまよってるんじゃなくて確固たる意志を持ってぐるぐるしているので聴き手としてはがんばってついてかなきゃいけないじゃないですか。ほんとに脳と気持ちに労力がいる曲です(だがそれがいい)。

今回はこのプロジェクトでは毎度おなじみといってもいいSouth Melbourne Town Hallでの演奏だったのですがこんなにでっかくて複雑な大オケ曲を弾くには向いてない音響なんだよなああそこ。もっとクリアに細部まで聞こえる方が望ましいんだけど・・・あといくらなんでも客席が奏者に近いと色々大変ですね。

今日の演奏で特にすごいなと思ったのはホルン、ティンパニ、Es管クラリネットあたりですかね。Esクラはなんか聴いててあんなに安心できる(曲調に関係なく)音は初めてだったかも。危なげない、を通り越してるような。あとハープ。元メル響のJulieの音聴くの久しぶりだったなー。

マーラーの9番というと最終楽章の弦楽器がものすごくおいしいなーあんなの弾けたらなーと思うのですが最後の最後の弱音を聞いて「怖っあんな繊細で消えるような音出せない!」とビビったのは内緒。チャイコ6番とかでもあることですが弾く側であの緊張感に耐えられるハートは(大学時代はあったかもですが)持ち合わせてないです。

もうとにかく濃い音楽でした。まだ頭がついてってない。大地の歌だって前聴いてからじわじわと慣れていってるとこなので9番ももっと聴く頻度増やしてじっくり耳と脳でチャレンジしていかないと。
そしてマーラー巡礼(今回はメル響ではなかったですが)はあと8番と10番を残すのみ。今年のメル響のプログラムには入ってないですがコンプリートする日が早めに来るといいなあ。
さらにThe Orchestra Projectも奏者が代替わりしても今後も何か演奏があったら駆けつけて聴きたいと思います。きっとこれからも面白い曲やってくれるはず。


今日の一曲はお休み。今後マーラー9番どの楽章か紹介できるといいな。


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一段落したようなしてないような
そして毛糸のサンプルはイースター休みまでに来ませんでしたとさ。
・・・イースターは月曜日も郵便は休みなのですが火曜日に来ると良いなあ。
ちなみにメルボルンでいうとイースターはGood Fridayがスーパーマーケット含めお店がほとんど閉まってるのでご注意を。(イースターは毎年日にちが変わるから余計に難しいやつですね)
ついでにメキシコにいる両親と話してたら向こうはキリストが(人間の罪を背負って)亡くなった金曜日よりも復活した日曜日の方が大事な日らしいです。ちょこちょこ詳細が違うんだなー。

最近なんだか夕飯の献立が迷走気味というかものすごく悩んでます。仕事がまだ忙しくて外に出る機会が少なめでだったりたまに買い物に行くとちょっとなんか高かったり。毎回「これが食べたい!」というものが良いタイミングで出てくるわけじゃないですしね。一人暮らしだと献立を考える脳も一つですし適当な献立にしたらそれを消費する胃も一つしかない。
一応夕飯の献立はほぼ日手帳に簡単にメモしてるのですがなんだかんだでバラエティを維持してるので後から見てもそういう悩みとか苦労はなかなか伝わらないかな。

そして相変わらず真三國無双8プレイ中。フォトモードが追加されて画面の諸々表示きれいにとっぱらってスクショが綺麗に撮れる!とわくわくして説明みたらなんと天候変えたりインスタばり(?)のフィルターかけたり私にはちょっと高機能でないか(汗)
・・・と思ったところで董卓でプレイしてるとそんなにスクショを撮りたいと思えないから不思議なもので(笑)

でも董卓のストーリー面白いです。他の黄巾討伐武将と同じく「張角を討伐」というメインミッションやってるのに「盧植を蹴落とす」というサブミッションが追加されてたりとか、戦闘以外のミッションでいちいちなんか悪いことやってるのがちょっとツボ。
色々不便もあるゲームですが今のこれをベースにまた進化してくといいなーと思えるゲームでもあります。少なくとも複数勢力に仕えた武将(例えば張遼が董卓?→呂布→曹操みたいに)でもストーリーがちゃんとそこもカバーするようにはしてほしいかな。夏侯覇とかになると晋の武将ではありながら大部分のアクションは蜀だったり。それはそれで色々ドラマがあるし。

前も書いたかもしれませんがオーストラリアに住んでこのゲームやってると山がものすごい不思議ですね。日本も街と山がすごい地域って(京都とか)ありますがとにかくものすごい急に山。
長安(今の西安)そばの崋山なんてほんと近くに人間の街がある感じ出さずに平気でそびえてたり。現代の地図だったり封神演義で出てくる仙人が住んでる山の名前とかと照らし合わせてみると意外と仙人人間の里の近くに住んでる。でも山が高いからものすごく離れてる感もある。

そう考えるとオーストラリアは意外とオープンワールドの舞台としては面白くないのかなあ、とか思ってしまいます。熱帯から砂漠から色々地形があることはあるんですが真っ平らなのがずっと続く部分も多かったりするので。でもその反面ポケモンの舞台地方としては向いてると思うので将来的に見てみたいと思ってます。というか願ってます。

最近仕事が忙しいのもあり友人がちょっとクルーズに行ってる写真をfacebookで見たりしてるのもありちょっと違う景色が見たいなーちょっと旅行に行きたいな-と思ってます。何をするでもないゆっくり一人旅。ゆっくりお風呂にはいったりとかおいしいご飯食べたりとかちょっと仕事したりとか長移動でゆっくり編み物したりとかノートブックに書き込みしたりとか。やっぱり車がないのでかなり限られますしなにより時間とお金ががが。
でもずっと家周りでじっとしているのもどうかと思うのでなんとか実現したいものです。

あとノートブックといえばトラベラーズのブルー・・・オーストラリアでの報せはまだ来てないので旅行に出る前に手に入るといいなあ。


今日の一曲: Peter Sculthorpe 「レクイエム」より「Canticles」



先ほどオーストラリアの国土が平たいという話をしましたが音楽もそうなんですよね。
なかなかこういう曲は山を望んで書けるものじゃなさそうというか、傍にそびえ立つ地形がある感じじゃない。水平線まで大地が広がってて限りなく空が広がっているような、そういう音楽。

でもそういうオーストラリアの大地の表現を確立したのもきっとSculthorpeの音楽に寄るところが多いのかなー。どういう技法でとかはっきりしたものはないのかもしれないですけどなにかと共通している感覚の元があるような。

このレクイエムは以前もDidjeridooを使ってるよ!ということで紹介しましたがこの楽章はDidjeridooのカデンツァ的なソロに加えて合唱がアーネムランド(豪の北の方)の辺りの先住民の伝統的な子守歌を取り入れたことでよりオーストラリアの土地に根付いた作品となっています。
もしかしたらこの作品がそういうコラボとしては最初じゃないかもしれないですし、もちろん唯一ではないと思いますがアボリジニの文化を取り入れた作品として筆頭にあげるべきいい例だと思います。

Didjeridooは面白い楽器ですね。メロディーを吹く楽器ではないけどちゃんとオケをバックにソロ楽器として成り立ちますし、分類としては木管楽器ですがコントラバスを中心として弦楽器の音とも相性がいい。これはでも弦楽器として相性がいいというか英国、そしてオーストラリアのクラシック音楽でよくあるメロディーでなく色彩や質感を出す楽器群としての使い方と相性がいいのかな。

とにかくこれが!オーストラリアの!クラシック音楽!としておすすめしたい曲の一つには確実に入るこの曲。他にはRoss EdwardsのManinyasも同じ感じで推してます。オーストラリアもどんどん作曲家が活躍して音楽が多様化して色々楽しい世界なのでこれからも引き続きラリアの音楽推していきたいと思います。

リンクしたのは手持ちの録音。平べったくも様々な表情をしたオーストラリアの大地の色んな景色が楽しめます。Earth Cryは中でもかなり気に入ってます。回ったらほぼ毎回聞いてるかな。リズムと弦の感じが素晴らしい曲。

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火の鳥してきました
終わりましたー本番。そして本番の日から風やら雨やらすっかり季節の変わり目。
一応演奏服の下に着るヒートテックは持ってったものの意外といらなかったです(笑)そもそも火の鳥は結構動くんで着たら暑かったかも。

まずはプログラム。

Zelman Symphony Orchestra 「French Connections」
指揮者:Rick Prakhoff
ガブリエル・フォーレ 「ペレアスとメリザンド」前奏曲
クロード・ドビュッシー 「サラバンド」(ラヴェル編曲)
モーリス・ラヴェル ピアノ協奏曲ト長調(ピアノ:Caroline Almonte)
(休憩)
クロード・ドビュッシー 牧神の午後の前奏曲
イーゴリ・ストラヴィンスキー 「火の鳥」組曲(1945年版)

やっぱりてんこ盛りでしたね。全部の曲で弾いた奏者の皆さん、とくに木管+ホルン+トランペットはほんとにお疲れ様です。
私は火の鳥のみ演奏なので牧神の午後だけ袖で聴いてたのですが音楽性しっかりリハーサルを重ねて育ってましたね。余裕すら感じるほど。

火の鳥はやっぱ最初の方が固まりにくいですね。自分も含めて火の鳥のバリエーションは細かい諸々が大変。
ただそれよりなによりびっくりしたのが魔王カッチェイ。最初でちょっと崩れかけたのは指揮者さんがアドレナリン考慮してわずかにブレーキかけたのがおそらく原因。そこからちょっと(テンポ以外で)オケに色々とブレーキかかっちゃって勢いがでなかった印象でした。

ただそこで踏みとどまるか攻めるかという決断はほんと指揮者にとっては難しい選択です。本番って緊張とかを差し引いてても色々あるからどっちに転ぶ可能性が同じくらいある。攻めていつものテンポでやっててもまたもっと派手に崩れてたかもしれないし、今の指揮者さんで初めてのコンサートなのでお互いどういう感じになるかまだ分かってなかったのもあるのかな。
(ここら辺は三国志関連読んだり遊んだりしてるとより理解できる感じがします)

あと今年第1回目のコンサートで(何回も来てる場所とはいえ)音響が演奏場所だとどれくらい変わってくるかというのにサウンドチェックの時点でもかなり惑わされましたが本番でもちょっと慣れてないとこもありましたね。(そもそもその違いを敏感に感じ取る&1回のサウンドチェックで順応する人間の耳ってすごい!)自分もちょっとそこらへん肝に銘じておかないと今回要所要所でびっくりしたので。

実質的には最後まで気が抜けないとはいえ、火の鳥は子守歌+フィナーレは結構安定するので途中で何があっても余裕を持って楽しく気持ち良く終われるのは素晴らしいですね。(今回のプログラムでいうとラヴェルの最終楽章なんかは特に最後までアドレナリンラッシュのまま突っ走らなきゃいけないようなところもありそうです)

何はともあれよかったよかった。オケ内のチームワーク、そして指揮者さんとのチームワークもこれからまた積み立てていけるといいですね。
ちなみに12月のコンサートはチェレスタが入るので確定とみなしていい様子なのですが調べてみたら9月のコンサートにもパートがある様子。まだ向こうには伝えてませんがそのうち気づくはず。
それともう一つのオケのが6月にあるのを狙ってたりソロが6月にあったり、状況によっては演奏三昧の年になるかも。毎年こうならいいんだけどな。

それからZelman Symphonyの過去のコンサートの録音一部がBandcampで購入できるようになりました。私が弾いてるのは2016年のAmerican Story、2015年のRussian Dance、そして2014年の惑星。惑星の録音はチェレスタのお披露目回だったので金平糖の精のソロを弾いたのも入ってます。無料試聴もできるので是非。(ちょっとチェレスタもたっとしてるけどこの回)

それにしても火の鳥が去って寒くなる変化がひしひし。去年は気に入ったマフラーが見つからなかったので今年は自分で編もうかと編み物する友人に聞いておすすめされたBendigoの毛糸屋さんから無料カラーサンプルをおとり寄せしたのを待ってます。そちらもまた後日。


今日の一曲: イーゴリ・ストラヴィンスキー 「火の鳥」組曲(1945年版)より「魔王カッチェイの凶悪な踊り」



もちろんこれを最後にとってありました。自分にとっては父と母が弾いたことあったり二人とも(特に母が)好きで小さい頃から聞いている馴染み深い曲、と同時にいつ聞いても変わらず楽しい曲。この曲が弾ける(しかもプロでなくても生涯2回目)のはほんと人生で最高に素晴らしいことなんです。
ダークかつかっこよくかつ華やかでとにかくテンションが上がる、主人公は火の鳥と王子だけど音楽としての花形な曲です。

そのテンションが上がるのも、アドレナリンで崩れやすくなるのもこの曲の色んなところに出てくる「後打ち」のリズムの仕業。日本語でどう表現するかちょっと難しいのですが「anticipatory」な性質のリズムです。拍がずれることで次がどうなるかわからないサスペンス的な要素があるだけでなく、後打ちでずれたビートの爆発的なパワーがたまらない。このリズムはある程度テンポが速くないとなかなか魅力がでないんですよ。

音色だったり強弱だったりしっかり計算されたサプライズとコントラストが速いテンポの中でたくさん表れて、オケの様々な楽器が色んなところで色んなことをしてたり、聞いててもついていくのが大変な曲なのですが曲の最後の方でテンポアップして、さらに「楽譜が何拍子で書いてあっても1小節=1拍&同じテンポで降り続ける」箇所は奏者もかじりついてついてかなきゃならない大変なセクション。ピアノは結構休んでる部分もありますがチェロのパート譜だとどんどん楽譜の先に先に進んでく感覚がすごかったし面白かった記憶が。楽譜のビジュアルと音楽の感覚の関係って考えてみると面白そう。

さて、演奏を終えてみて1919年版・1945年版の組曲を比べてみてどうなのかという話なのですがやっぱり華やかなのはオケも大きく響きがロシア寄りの1919年版、でも楽章構成は1945年版に軍配というところ。スケルツォは(弾くの大変だけど)魅力的な曲だし位置もいいので1919年版にないのは惜しいなと思います。どっちも聞くに楽しいし圧倒的に勝ってるわけじゃないけどやっぱり耳慣れた1919年版の方を選んじゃうかな。

リンクする録音もやっぱりメジャーどころは1919年版か1910年バレエ版が多いようで、これまでなんとか1945年版探そうとがんばってきた(はず)なので今回だけ1910年バレエ版の録音をリンク。ブーレーズ指揮で調べたら色々カップリング曲が違う録音がいくつかでてきたけどここは鳥繋がりでナイチンゲールの歌が収録されてるやつを。

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火の鳥と火の鳥と
行ってきましたーが2件ほど。

まずは火曜日にラストリハーサル行って来た今週土曜日のコンサート。
お知らせも一回貼ります。

Zelman Symphony Orchestra 「French Connections」
指揮者:Rick Prakhoff
ガブリエル・フォーレ 「ペレアスとメリザンド」前奏曲
クロード・ドビュッシー 「サラバンド」(ラヴェル編曲)
モーリス・ラヴェル ピアノ協奏曲ト長調(ピアノ:Caroline Almonte)
(休憩)
クロード・ドビュッシー 牧神の午後の前奏曲
イーゴリ・ストラヴィンスキー 「火の鳥」組曲(1945年版)

いやあまだまだ危なっかしいです、正直。これだけ曲があってラヴェルのコンチェルトと火の鳥が揃って難しいので(他は分からないのですが)火の鳥は時間が毎回足りない気がしてたのですが最後まできてもリハーサル不足な感がひしひし。最後のリハーサルはちょっと長めになったしサウンドチェックも長めになるそうなんだけどみんな大丈夫かな。私は主にそのみんなに関してのひやひやでアドレナリンが困ったことになりそう。

そして昨日はThe Australian Balletの「Murphy」に行ってきました。ちょっと帰りにトラムで大変だったので一部感想が飛んでるかもしれませんが今頭の中にある分でなんとか。
オーストラリアの振り付け家Graeme Murphyの偉業と作品にスポットライトを当てた公演でいくつかの作品&一部映像があるなかで休憩後の後半が「火の鳥」でした。

Graeme Murphyの振り付けはモダン寄りが基本みたいですが、使う音楽も結構現代寄り。特に今回でいうとThe Silver RoseでのCarl Vine、そしてEllipseでのGraeme Koehne、そしてAir and Oher Invisible Forcesでの尺八奏者Riley Leeなどオーストラリアの作曲家・演奏家の起用が目立ってちょっと嬉しいですね。オーストラリアの大地から生まれる「ラリアならでは」みたいな要素がダブルで楽しめる幸せ。音楽も踊りも弾けるような自由で生き生きしたエネルギーが共通してるのかな、という印象でした。

今回の公演で「シェヘラザード」をやるのでどの楽章かなと思ってたらリムスキー=コルサコフじゃなくてラヴェルの歌曲の方でした。しかも生で歌い手が舞台上に、と思ったら歌手の方も振り付けに一部加わるという不思議な演出。この曲踊るのか、と始まる前はよくわからなかったのですが見てものすごく納得。振り付けもそうですし女性と女性の二人で踊るのとかコスチュームとか全体的にこの歌曲の雰囲気をうまく表現していろんな色彩を引き出して、あとクリムトとのコネクションも確かにあって。

踊りだけに限らない振り付けというのはシェヘラザードだけでなく「Grand」でもいっぱい使われてましたね。グランドピアノが演奏されながら動いたり、ピアノ型の囲みが開いたり閉じたり、作品終わりのお辞儀の後にエピローグがあったり。それを「小道具・大道具芸」と言い切ってしまうにはちょっと勿体ない世界感と「act(舞台)」の感じ方がありました。最後の「音楽を振り付ける」ナンバーもその派生というか関連があるような。
あと「Grand」はヒナステラのピアノ音楽に自分が知ってる以上の命を与えててすごいよかったです。ヒナステラのピアノ音楽はピアノで弾くだけよりもっと活きる形があるはずだなーとはうすうす思ってたのですが踊りってフォーマットいいですね。
そしてユーモアも舞台には(それがバレエであっても)パワフルな要素ということを実感。笑えるバレエ、たまにみたくなるかも。

そして「火の鳥」(ちなみにうちらが弾くのと同じ1945年版の組曲でした)。
火の鳥も小道具を交えた振り付けだったり、お姫様と王子のパ・ドゥ・ドゥでの火の鳥の絡みだったり新鮮な要素が色々。あと魔王=冬 vs 火の鳥=春の構図で最後に魔王がちょっと顔を見せたのは確かに納得できるコンセプト(ただそこでかたんと音がして出てきたのでちょっと笑っちゃいましたよみんな。魔王はユキヒョウの姿だったのでしっぽもたまに音出て大変そうですた)。

最初から最後まで楽しい公演でした。モダン系統のバレエも観たいですが何よりオーストラリアの音楽がバレエになってる作品はもっともっと見たいですね。海外でもちょこちょこそういう作品があるのは耳に入ってはきますがまずオーストラリアでやらないと。今後もそういう機会があったら積極的に観に行こうと思います。


今日の一曲: イーゴリ・ストラヴィンスキー 「火の鳥」組曲(1945年版)より「子守歌」と「フィナーレ(終曲)」



フィギュアスケートなどもあって多分日本ではフィナーレがダントツに有名だと思いますがその前の子守歌も素晴らしい曲なんですよ。もうとにかくこんなにファゴットが美しいメロディー吹いてるの貴重すぎる!ストラヴィンスキーでファゴットといえば後に書かれた「春の祭典」の冒頭のソロが有名ですがこの子守歌の哀愁と神秘さのある美しさはまた別のクラス。

そしてソロといえばフィナーレの最初のホルンのソロもかなりの見せ所ですね。
見せ所なんですがその下で背景を弾いてる弦楽器の動きにも注目。録音・演奏にもよるのですがさーっと突然春の風が渡ってくところがあってそれもたまらなく愛おしい。

ちなみにフィナーレを通して繰り返されるこのメロディー、実はカバレフスキーのピアノのための前奏曲op.39の13番にも使われてます。この前奏曲集はロシア回りの民族音楽を使ってるそうなので元ネタはそういうことなのかも。確かにピアノでだったら片手で手を動かすことなく弾けるシンプルなメロディーはロシア民謡辺りによくある感じ。

リンク先はこれ一枚でストラヴィンスキーの三大バレエが作曲家のバトンで聞けちゃうというアルバム。ちょっと古い録音ではあるけれど一度は聞いておきたい録音ですね。

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