忍者ブログ
~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

小旅行でした(海山温泉の巻)
行って帰ってきましたー金曜の夜から月曜の午後まで連休をめいっぱい使ったモーニントン半島への小旅行。
朝から夜まで色々遊んだので2回に分けてお届けします。
今回はゲーム以外の諸々で。

モーニントン半島はメルボルンの南にある半島で、穏やかな内海、ダイナミックな岩が楽しめる外海、内陸のワイナリー地域など様々なアクティビティが楽しめるエリアです。
公共交通機関で回るのは難しいのですが車で向こうに移動して宿泊すれば色々短時間で行けます。
今回は例によって貸し家を借りて(海とかバス停に近かった-)みんなで泊まりました。

 
左の写真が途中のDromanaの内海からメルボルン方面(だいたい)を見た写真、真ん中が外海、そして右側が泊まったとこのすぐの海(内海)。

金曜の夜に前乗り的に移動したのにはちょっと理由があり。
モーニントン半島に比較的新しくできた温泉リゾートPeninsula Hot Springsになるべく混雑しない時間=土曜の朝早くに行くためでした。週末とか混み合いそうなときは予約推奨なのですが朝8時に予約でもかなり人が居ました。でもそれなりにゆっくりできて結局昼まで居れてよかったー。
Peninsula Hot Springsは屋外のお風呂がいっぱいあって(ちなみに水着着用です)池の隣でカモを見ながらお風呂に浸かったりトルコ風の蒸気風呂に入ったり足つぼフットバスロード(適当)なんかもあったり。そしてちゃんとお風呂として入れる(日本のお風呂みたいな)温度のお湯がよかった。
一番の見所は丘の上から周りを見渡せるお風呂。今回冬の早朝で霧が小降りの霧雨になるくらいの天気でしたがそういう天気で入るのも気持ち良かったです。

携帯は持ち込み可でした。今回は初だったので持ってきましたが防水じゃないとリスクあり&めんどいので次回は水筒だけ持ってこう。あとサンダルはあった方がいいですしロッカーもほぼ必須ですがタオルは持参&借りローブはあってもなくてもお好みですかね。

今回はお酒だったりチーズだったり持ち寄りした人が多かったのでRed Hillあたりのワイナリーは行かなかったです。でもあそこら辺はワイナリーが多いので差別化に色々+α(チーズとかレストランとか)やってるとこが多いので改めて行ってみたい。
ただRed HillにあるJohnny Ripeというパン屋さんは美味しい物いっぱいでした。シフォンケーキ大でクロワッサン要素もあるシナモンドーナツや外はさくさく中は具だくさんのパイやら色々。もはや普通のクロナッツは食べられないかも・・・?

そして帰りにあるArthur's Seatというちょっとした山の頂上に行って来ました。
ほんとちょっとした山なのですがちょうど天気が大いに曇ってたときに通ったので道路も展望台も辺り一帯霧でした。

でもロープウェイは元気に動いてた。そして山を下りた後はしばらく綺麗に晴れてました。今日は本当に天気の移り変わりがすごかったなー。帰りの日でよかったかも。

海辺のエリアは夏が盛り上がるかと思いきやモーニントン半島は温泉にワインに冬でも楽しめる場所が色々あって、あと天気もよければ内海は散歩できるくらいに穏やかで。
貸し家も結構冬場インドアで楽しめるようになってて(ただし今回の家は2階建てで外にしか階段がなかった、でも各ベッドに電気敷き毛布があったり)、全体的に楽しく過ごせました。
また温泉も行きたいなー。

ということでインドアも満喫した結果ゲーム関係も色々楽しかったです。それについてはまた次回に続く。


今日の一曲: フランツ・シューベルト 「美しき水車小屋の娘」より「水車職人と小川」(リストによるピアノ版)



何かが波長が合うのか引き続きシューベルトにはまっているようです。リストがピアノ編曲したシューベルトの歌曲の録音(リンクしてるやつ)を買って魔王・Auf dem Wasser~・菩提樹が揃ったー・・・と思ったらこの曲にも惹かれ始めたり。おかしいなあ歌曲版では見向きもしなかったのに。ネクロダンサーのリミックスでもそうですがそういうことがあるのが色々な版がある音楽を聞くことの楽しさ。

Auf dem Wasser~になにか危ないものを感じると書いたと思うんですがこっちの曲は歌詞からしてすでに危ない。リストの水車小屋セレクションでなぜ2曲目に入ってるかわからないのですが元の歌曲集ではラス2、というか水車職人自身の歌としてはラスト。恋破れた主人公が入水するシーンです。この曲の甘さは色んな意味で禁断の甘さなのですがほんとシューベルトのそういう描写たまらんですな。

シューベルト全般そうですが長調がハッピー、短調が悲しいとは決めつけられない微妙な光と闇のなかで長調と短調が揺れ動くのがいいですね。密かな不安定さの繊細さは唯一無二といっていいかも?

あと歌曲(または吹く楽器曲)→ピアノ版に編曲して面白いのはテンポをぐっと落としても息の心配がなくてまた違うフレーズの長さとかを楽しめること。だから私も菩提樹を筆頭に歌曲ピアノ版はしっかりテンポ落として弾こうよ!あと元の歌パートはちゃんと歌わせて伴奏はばたばたしないようにしようよ!歌曲全般せっかちな自分にはいいお灸になる・・・はず。

この曲は弾くかどうか未定なのですが(一応楽譜はみつけといた)同じCDに収録の菩提樹ももっと弾けるようになりたいし同じくAuf dem Wasser~を始めるのも楽しみです。いつかはソナタとかにも取りかかりたいけどとりあえず歌曲の魔力に身をゆだねたい。

ちなみにこのリンクした録音は上記諸々歌曲が一枚に収録されてるから選んだというのもあるのですがようつべのコメントセクションでAuf dem Wasser~はホルヘ・ボレットの録音がいいというコメントがいくつかあったので試聴して確定しました。すごい好みの録音です。
もしかしたら歌曲で歌声ががない方が聞きやすいって人もいるかもしれないのでシューベルトの歌曲はこういう録音集から入ってみるのもありかも。

拍手[0回]

PR
何度外に出ても寒い
あ゛ー寒い!昼も寒けりゃ夜ももっと寒い!
天気が比較的良くて風とかがあんまりないのが救いですがなかなか染みいる感じです。
昨日もちょっと夕方から夜にかけて出かけてきました。

出かけた先はシティの向こう側のそこそこ遠いところにある病院。
(トラムだとちょこちょこ遅くなる区間があるのでもっと遠く感じますが)
友人がそこの精神科に入院してるのでお見舞いに行って来ました。
万年筆仲間でもある友人なので最近新しく使い始めた万年筆とかインクとか試してもらうために持ってったり。そしてあのRobert Osterさんからインク数本と万年筆のお見舞いが来たそうで。最近新色いっぱい出して忙しそうなのに凄い人だなあ。(ちなみにサンプルとして少し分けてもらうので改めて私も感謝しなきゃですね)

友人は薬を変えることになってその時の安全確認(なんか言葉が違うような)なども兼ねて入院してたのですが3週間の入院期間を終えて今週末退院するそうで。ただ退院しても外来のプログラムとかで来院する予定があったりこれからの諸々生活の運用もしっかり家族と話し合ったりしなきゃだったり大変そう。元がしっかりしてる子だしパートナーもいて両親もsupportiveなので心配の度合いは少ないですが、移行の時期も無事なんとかなって欲しいところ。

前も書いてますが私も過去に別の精神病院に入院してたので(2000年、2006年、2008年の3回)初めての場所とはいえなにか親しみがある場所でした。今回お見舞いにいったとこは複数科ある病院の中の精神科病棟だったのですが、私がいたのは精神科だけの病院でオフィスビルを作り替えたとこだったのでそっちの方が中のつくりはシンプルだった印象。ただだいたい構成要素とかシステムはどこも同じはず。あとどちらも私立の病院。

ただプログラムは病院間で差が出てくるだろうし、私が最後に入院してたのからもう来年で10年になるので当時と今でのプログラムの内容もけっこう違うんじゃないかな。(ティーン病棟にいたのは18年前ですよもう。その後も何回か訪れたことありますがかなり変わってるはず)
友人のとこはペットセラピーもあったそうで。自分が一般的に犬とか猫とかに癒やしを覚えるかというとそうでもないのでそんなにうらやましいとは思わないんですがそういうプログラムがあるってことはいいことですね。
ちなみに私が3回目の入院で特に気に入ってたのがビーズクラフトのグループ。今でも一つ作品飾ってます。あと最初の入院ではティーン病棟でまた特別色々やったのでそれは今もほぼ全部とってあります。というか今色々思い出して写真撮ってきたのでアップしちゃう。



そしてその友人が退院するにあたって緊急時の連絡先を5人書かなきゃいけないらしくて私にその一人になってくれないか、とお願いがあったので喜んでと答えました。喜んでというかほんとに嬉しいですしこんなに光栄なことはないですよほんとに。でも実際(1)仕事中とかでも割といろんな時間に電話がとれる(2)夜遅くも起きてるし受け答えできる(3)メンタルヘルス関連ちょっとは知識と経験がある、という要素から連絡先としては結構向いてる条件なのかも。

病院に行って見て回ったのもそうですしそうやって連絡先になってもらえないかと聞かれたのもそうですが自分が入院してた時から長い道を来たんだと本当に思います。さっきの絵を引っ張り出してきたときもほんとうに噛みしめました。思えば遠くにきたもんだ。今や一人暮らしですからね。最初の入院のときもそうですが3回目退院したときだって想像できてなかったかも。

センチメンタルになってるとかそういうことではないのですがもうちょっとこれ噛みしめてきます(笑)
その前にお見舞いが長旅になることが予想されていたので新しく購入した音楽を今日の一曲で。


今日の一曲: ジョージ・クラム マクロコスモス第4巻「天体の力学」第3楽章「Gamma Draconis」



クラムも時には増やさないと。でも新しく出会った曲でなくすでに別の録音が手持ちであったこの曲をチョイス。前から持ってたのは大学の図書館にあった録音でなぜか1・2楽章と3・4楽章にトラックが分かれてた点がどうも腑に落ちないCDで。でも解釈には結構愛着があったので(クラムは結構ばらつきがあってそれが良いんですけどね)特にこの第3楽章の弾き方が新しい録音もツボで本当によかった。手元にちゃんと1楽章1トラックであると妙に安心します。

この曲の話するとき毎回書いてると思うんですがこの楽章のモチーフになってるりゅう座といえば昔々は天の北極で、歳差運動でおおぐま座にその座(ダジャレじゃない)を譲ったのが恐竜が絶滅してほ乳類が台頭したのとか神話の時代が終わって竜の伝説が消えていったのとかと重なるんですよ。この曲の特殊奏法のメタリックな音が鱗っぽかったり、とぐろを巻くような音形だったり他の楽章と比べてアグレッシブな曲調もドラゴンにぴったり。神話的な世界観とそれにマッチする現代的な作曲法の奇跡のマッチング。

神話的っていいなあと思います。現代音楽の神話性については本も買って読んでたりするのですがクラムの音楽に直接触れることが少なくなってからアイディアを広げることも少なくなり。今弾いてるスクリャービンとかもそこんとこ親和性(ダジャレじゃない)高いはずだし、他にもどんどん応用していけるはずなんだけど。
竜の伝説を絶やしちゃいけないですね、本当に。

リンクしたのが今回入手した録音。はじめましてだったのがカリヨンのための「Easter Dawning」とピアノのための「Processional」。特に後者はまだ聴き込みが必要。(カリヨンの音はトラムで聴いてても聞こえるけどピアノの弱音は厳しいからなあ)
マクロコスモスシリーズだと第4巻が多分一番マイナーなんだけどもっと天体の力学に愛を!と叫びたいです。

拍手[0回]

ちょろっと弾いてきました&サウンドチェックの話
無事本番終わりました~

Stonnington Sympony Orchestraコンサート
6月4日(日)14時30分開演
Malvern Town Hall
指揮者: Patrick Miller
アレクサンドル・ボロディン 交響詩「中央アジアの草原にて」
セルゲイ・プロコフィエフ 「キージェ中尉」組曲(バリトン:Matthew Thomas)
アレクサンドル・ボロディン 「イーゴリ公」序曲
ニコライ・リムスキー=コルサコフ シェヘラザード(バイオリン:Roy Theaker)

ほんとあっという間でした。そこは普段なら惜しむべきとこなんですが昨日はちと早起きして向こうに着いたくらいから体調が芳しくなくてステージにいるのが短かったのはある意味ありがたかった。ほんとは後半のシェヘラザードも中で座って聞こうと思ってたのですが。

本番ならではのころっと転げちゃうとことか本番にいきなりぴしっと決まるところや本当に色々で、それが本番なんだなとちょっと感じるとこもあった演奏でした。
キージェは前も書いた通りオケ全体の基礎を試すようなところがあったり、シェヘラザードも同じくオケみんなに色んなものがハイレベルで求められる曲で。オケの一員ってやっぱりいいなあ。

自分の出番自体はもう何も話すようなことがなかったです。とにかく少ない出番が。
今回指揮者さん(ふだんはオペラ関係で指揮する人なのですが)が演奏内外チェレスタを気にかけてくれたりいい人で、実際の指揮も良い感じの人だったので出番が少なかったのはやっぱり残念。どっかまた一緒にお仕事できたらいいなあ(ちゃんと伝えた)。

ということで演奏自体にあんまり書くことがないのでまあそこら辺周りでちょっと。
もしかしたら前も書いてるかも知れませんがサウンドチェック、日本語でいうとゲネプロのこと。
コンサートの前、大体コンサート当日でコンサート会場でやる最後のリハーサルのことをゲネプロ、サウンドチェックと言います。
言わずもがな普段のリハーサルよりかなり重要なリハーサルです。

今回お仕事させていただいたStonnington Symphonyはリハーサル場所が本番の場所と全く同じなのですがそうでないケースの方が多く、そういう場合に実地でサウンドチェックするのは音響やオケのメンバーが見えるかどうか距離感がどうかとか照明、空調、曲間の椅子など移動だったり実際の演奏以外の色々な要素が大事になってきます。

で、サウンドチェックはそんなに長く時間は取れないことが多いです。理論的にプログラム全部通すくらいの時間があっても実際そんなことはしてられないケースが圧倒的。
そういうときサウンドチェックで何をカバーするか、上記みたいな周りの細々とした大事なものにも時間を割くのが分かってる上でいつもよりも厳しい時間管理をどうするか、そこを指揮者がどう考えてるかってのは実際の指揮や解釈と同じくらい人それぞれで面白いです。

あともう一つサウンドチェックで考慮しなくちゃいけないのが奏者の体力。奏者というか主に金管楽器の唇の体力ですね。プログラムにもよるのですが例えばマーラーとかシュトラウスとかだと金管の人達ところどころ弾いてないとことか楽めに吹いてるところがあったり。知らない人には見えないところで一部ものすごいハードなスポーツが繰り広げられているらしいです。
(私はその対極といえるくらい動かなくて下手すりゃ凍えるほどなのに)

オケのコンサートだとサウンドチェックがあんまり朝早かったりコンサートまでの間が中途半端に空いたりして過ごし方に迷ったりみたいなことがなくて、ついでに天気が良かったら本番当日はむしろ普段よりのんびりできるのが良いです。次回のコンサート(近いうちに改めてお知らせ予定)もそんな当日になるといいな。


今日の一曲: ニコライ・リムスキー=コルサコフ シェヘラザード 第3楽章「若い王子と王女」



いやあやっぱりシェヘラザードいいですよね。弾けたらなあ&踊れたらなあ。
あと想像の中のいろんなバイオリン弾き設定の人物にシェヘラザードのソロを弾かせたらどうなるのかどう違うのか考えてみるっていう遊びも好きです。賢姫の面だったり色気だったり技巧だったり自由さだったりいろんな要素が絡んできて考えてるだけで楽しい。

ソロの出番で言ったら多分一番少ないんじゃないかと思われますがオケの色気というかロマンティシズムがすごいのはこの第3楽章じゃないかな。特に中間部後半からの盛り上がりでいわゆる英語でいうところのschmaltzというかオーバーなくらい甘ったるくてロマンチックな音楽の盛り上がりが楽しめる(常時そうでないのでちょうどいい)。

特に一番のクライマックスのとこ!ここまでやるか!というほどブレーキかけて全オケで持ってってボリューム膨らませて、それで降りてくる途中のハープの分散和音がなんかすごいキラキラすぎるかと思いきや絶妙で。もう!なんでこんな音楽書くんだよう!みたいなドーパミン的にも音楽的にも諸々オケの細かいことに関してもしてやられた感があるクライマックスです。

もちろんハイライトは他にも色々。クラリネットやフルートの速い音階上下が難しそうなのにクールに弾いててかっこよかたり、中間部のリズムだったり(スネアドラムやトランペットのリズムの真似よくします)、後半でバイオリンソロが伴奏的な感じのソロを弾いてたり。どうしてこういうとこにテンション上がるのか分からないですけどシェヘラザードはとにかくオケの活躍がメインもサブもそれ以外も聞いてて楽しいです。

リンクしたのはデュトワ指揮のモントリオール交響楽団の演奏。特にこの楽章と相性良さそうな感じ。同じくリムスキー=コルサコフのスペイン奇想曲は多くのアルバムで一緒に収録されてますが残り時間も曲調もいいコンビですね。

拍手[0回]

お知らせしないともうすぐ本番
タイトルの通りなのでまずはお知らせ~

Stonnington Sympony Orchestraコンサート
6月4日(日)14時30分開演
Malvern Town Hall
指揮者: Patrick Miller
アレクサンドル・ボロディン 交響詩「中央アジアの草原にて」
セルゲイ・プロコフィエフ 「キージェ中尉」組曲(バリトン:Matthew Thomas)
アレクサンドル・ボロディン 「イーゴリ公」序曲
ニコライ・リムスキー=コルサコフ シェヘラザード(バイオリン:Roy Theaker)

前半の私が弾いてない2曲、どっちも聞いたことない曲でした。ボロディンにはあんまり詳しくない。あんまり縁がないんだよなあ。イーゴリ公といえば韃靼人の踊り弾いたけど。
改めて聞いてみるとボロディンはメロディーの人で、同じメロディー繰り返してても(中央アジア~とか)美しい音楽になるような。中央アジアの~が交響詩であることは今調べて知ったのですがロケーション以外は北欧の交響詩に似た風景画的な音楽。

そして今週のキージェのリハーサルはバリトン歌手と一緒でした。歌付きバージョンだと曲のロシアっぽさが上昇するような気がします。ロシア語を歌詞として聞いてるのもあるのかもですがメロディーと伴奏の関係性により集中してディテールに気づくというかなんというか自分でも何言ってるかわからなくなってきた。とにかくキージェ中尉がこんなにもロシアなキャラの音楽だとは長年聞いてて(というか長年聞いてたからこそ)気づかなかったです。

あと普段からバリトンの歌聞いてないわけじゃないんですけどバリトン歌手ってすごい低い声域で歌うなー。たぶんキージェでいうと第2楽章はスタンダードな声域で、第4楽章のトロイカはかなり高い部分が多いぽい。
楽器でいうとチェロやファゴット、ホルン、トロンボーン、バスクラなんかは中低音楽器といえど結構高い音域でのメロディーもよくありますし。こういう楽器がいわばテノールに相当して、バリトンはコントラバスやチューバなのか、感覚的に。

そういえばすでに書いたかわからないのですが英Boosey & Hawkesで注文したカバレフスキーの24の前奏曲(ピアノ独奏)とショスタコ13番ミニスコア(次のオケ仕事用)がこないだ届きました。ミニスコアさすがに音符と文字が小さい・・・年齢じゃなくて多分実際小さいしあと眼鏡もそろそろ新しくしたほうがいいのかも。
あとこの版のショスタコ13番は歌詞がキリル文字ロシア語+ドイツ語でしか書いてないので歌って遊べないのが残念。ドイツ語も歌えるドイツ語で書いてあるみたいだけど・・・違うんだよう。

ショスタコ13番はハープ4人必要で、そういう曲って珍しくないはずだし大体の場合は2人でもなんとかなる(特にアマチュアオケだと)場合が結構あるのですが今回実際4人ハープを揃えるらしく。裏方経験からいって大変なことだしすごいこと。そしてチェレスタ弾き経験からいって一人くらい知ってる人がいるはず。いるよねえ。クラシック音楽の世界自体狭い世界で、その中でのレアキャラであるハープですし。そこも含めて楽しみです。

とりあえずまずは日曜日のコンサート。短いとはいえしっかり出番。お隣さん両サイドも来てくれるはずなのでしっかり聞こえるように頑張らないと。出番が少なすぎて申し訳ないくらいだけど、聞いて楽しいプログラムのコンサート。楽しんでもらえるといいな。


今日の一曲: セルゲイ・プロコフィエフ 「キージェ中尉」第2楽章「ロマンス」



ということで日曜日に弾くやつを。この楽章だとほんとにちょろっと2回(チェレスタで)弾くだけなのですが個人的に音楽的になかなかおいしいパートだと思ってます。
バリトン歌手(歌なし版ではチェロのソロ)との絡み方がなかなか粋だと思うのですよ。コールアンドレスポンスとはちょっと違うオーバーラップありの会話的なかけあい。

さきほどボロディンの作品がメロディー中心といいましたがこのロマンスもかなりメロディーの力に支えられてます。メインのメロディーはStingを始めいろんなところでカバーされてるほど名メロディ扱いですし、とにかくこの曲はソロが多い。歌付き版だとその多くをバリトンが担当してるのですが、コントラバスとかチェロとかビオラとかサックスとかファゴットとか。いろんな楽器(とくに中低音)にスポットライトが当たって楽しいです。
(そういうとこも手持ちの録音で展覧会の絵やハーリ・ヤーノシュと一緒に収録されてるとさらに楽しい要素かもしれませんね)

歌付き版がないかと調べたらありました。小澤さん指揮で同じくプロコの交響曲第1番第5番が収録。楽しく気軽に聞けるプロコフィエフ集でいいですなー。よく一つのCDに入ったな(5番は決して短くはない)。なにはともあれどれも素晴らしい曲です。

拍手[0回]

Plexusコンサート「Phantasms」感想など
忙しい週突入~
自分がやる諸々に友達がやる諸々にあっちらこっちら行ったり来たり。
しかもほとんどが夕方~夜のお出かけ、肌寒いを通り越して真冬の冷たさ。昼も寒いことが多くなってきたけどもう6月ですからねー。

一昨日は友人のトリオのコンサートだったのでちょっと行って来ました。忙しさと鉄不足なので無理しないように後飲みは無しでしたが。
さっそくプログラムはこんな感じでした。

Plexus「Phantasms」
Stefan Cassomenos(ピアノ)、Monica Curro(バイオリン)、Philip Arkinstall(クラリネット)
Brigid Burke「A Voice is Life」
Andrian Pertout「Voyage a la terre de l'enchantment」
Andrew Ford「Never」
(休憩)
Gernot Wolfgang「Reflections」
グスタフ・マーラー 「亡き子をしのぶ歌」(アルト:Liane Keegan、編曲:Stefan Cassomenos)

いつもの通り委託作曲の作品の初演を中心に先代ともいえるVerdehr Trioの委託作品(4曲目)、そして室内楽レパートリーとしては斬新な新しい編曲のちょっと長めのコンサート。あ、あと1曲目は映像付きでした。でも映像付いてても結構難解だった。

マーラーもこんな小編成で室内楽的な性質のコンサートで弾かれるのは珍しいですが、3曲目の「Never」も実は同作曲家のオペラ「ピーターパン」から派生してたり、一つの音楽やアイディアに色んな演奏の場ができるってのはいいですね。大編成の曲が室内楽のintimateで身近なコンサートで演奏されること、そして本来の場とは違う曲と組み合わされること。色んな変容が面白い21世紀。

そして21世紀で面白いといえば2曲目はミニマルミュージックにあるような手法が使われてたのですが曲全体ではミニマルミュージックとは違って、時代の流れというか時代を経た知識と手法の積み重ねを感じました。これもまた変容で進化。

マーラーは原曲はそこそこのサイズのオケで(マーラーですからね)歌の伴奏してるので3人だけでどう弾くの?どこを削るの?アルトの歌声を支えられるくらい音が残ってる?みたいな懸念はあったのですがなんかすごい納得の編曲でした。しっかり残ってるししっかり成り立ってるし。じっくり聞くとものすごーく削ってるというかちょうど最低限残ってるみたいな感じで。大胆なことしたなー。なんか意味もなくうらやましいです。

好きな曲は「Never」かなー。メリハリと音の響きとあとバスクラのダークな音がかっこよかった。あとファンタジーっぽいというと違うのですがちょうどどんぴしゃな感じの異世界感。オペラの方もちょっと気になるくらいには(共通点はそんなに多くないそうですが)。

そして昨日はオケのリハーサル、そして明日もリハーサル。なぜならコンサートが今週末(日曜日)だから。
そこらの諸々(お知らせ含む)は次回のエントリーで書けるといいなあ。


今日の一曲はお休み。最近休み多いですが。

拍手[0回]