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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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(多分)夏も終了
どうやら今シーズンの暑い日(30℃超え)は今日で終わりだったようです。
とはいえ今日は午前中から風が強くて雷は鳴るわ雨は降るわで嵐になり。
予報によるとこれからだんだん20℃台前半の日々に変わって行く様子。服もメンタルも秋冬仕度せねば。

ということでこないだジンチョウゲ第2号を近くの植物屋さんで買って来ました。
ついでに土も庭のそこら辺の土でなくちゃんとしたPotting mixを購入。水の吸収が大分違います。
これから涼しくなるのと、あと元の植物が1号より成長した状態なのも味方にして今度こそ冬に花咲かせられるか。

庭といえばインパチェンスも夏の暑さに何株かやられてるみたいで、残りはメルボルンの冬は越せるかどうか、ちょっと今の時点ではわかりませんね。ローズマリーとかラベンダー(あんまり花はまだ咲いてなかった)、そして庭に元々ある諸々は丈夫そうなので心配はしてないですが。
花壇がごっそり空いちゃったら将来的に青い花を植えることも考え中。

そういえば何気なくfacebookでメンタルヘルス団体の投稿を見てたら「双極性障害のサバイバルキット」的なアイディア集に入れる項目を広く募集していて。いまのところ当該投稿のコメント+googleドキュメントでまとめてる様子。どれくらい集まるかわからないですがこういうアイディア面白いですね。

ざっと見たとこ例えばルーチンを確立しておくとか薬を忘れず勝手に変えたりしないとかご飯をちゃんと食べるとかの「生活基盤系」だったり、テレビを見て楽しんだり音楽を聴いたりして気持ちを逸らす、楽にする「緩和アクティビティ系」だったり、仕事も友達と会ったりするのもとりあえずほどほど控え目にみたいな「ブレーキかける系」だったり、本当に十人十色なのですがそうやってカテゴリ分けしてみるのも面白いかも。

ルーチンを回すのは私も結構重視してることで、仕事が忙しくてもちょっと調子が芳しくなくても一人でなんとかなるのはそういうこともあるかなーと。
もちろんそれで手が届かないこともたくさんあって、それと関係するかどうかは分からないのですが今仕事やなにやらで家の掃除とかまで手が回らなかったり。私に限らず「散らかってる」のは問題そのものでなくて「他の問題によるあらわれ」なケースが多い気がします。

そういう余裕がない感じのときはあんまり色々変えない方がいいんですが、季節の変化による衣替えとかご飯の献立の変化とか、あとそろそろピアノのレパートリーも新しいのを考えなきゃ。
前者2つはまあある程度は労力かけなくてもなんとかなりますが(新しい服買い足しは除く)、ピアノのレパートリーは脳を取り込みモードにして音楽聴いたり楽譜のコレクションをじっくり見たり時間と労力が必要。もちろん楽しいプロセスではありますがスイッチがonにならないとちょっと大変。

ということで矛盾してるようですが目下ちょっと気合い入れて、同時にちゃんと休みながら季節の変化と仕事忙しいシーズンを乗り切りたいところです。本当にどう見ても矛盾してるんで自分でも具体的にどうするか全く分かりませんが。とりあえずこんどお風呂やさん行きたい。


今日の一曲: モーリス・ラヴェル 「夜のガスパール」第2楽章「絞首台」



さきほどのピアノのレパートリーチェンジについてなんですが、こないだこの曲集のウンディーネ一時休みにしてその後をどうするか、という話になったのですがさっき書いたようにそれ用のモードにならなきゃ曲もちゃんと選べない・・・ということで苦肉の策でこれを弾くことに。

この曲好きなんです。ものすごく好きで。ラヴェルの曲でトップを争えるくらいに好きで。好きだからこそ弾くのが勿体ない。そしてラヴェルって書いた曲数がすごい少なくて、ピアノ曲も高校終わりくらいから弾き始めてもうあんまり手つかずの曲がほとんど残ってないんです。
ということでなんか弾くのが躊躇われる。

この第2楽章は前後の2つの楽章みたいにピアノの超絶技巧がすごい!みたいな曲じゃないので地味なイメージはありますがある意味他の2つの楽章にはない迫力があります。
なんせ元のベルトランの詩が描くのが黄昏に揺れる絞首台の死体とそれに止まる虫たちの情景。
初めてこの曲に会ったとき音楽にも心動かされましたが詩(英語訳ですが)にもやられました。

曲は安定のラヴェルなスタイルではあるのですが同時になにか重く禍々しく響くものもあり。和音のチョイスとか流れるゆるやかさとかなんとなくこう死体が揺れてるようなフレーズとリズムとか、色々要素があるのですが曲の最初から最後までずっと背景に響く鐘が妙に不気味でいいです。無表情、というか無情に変わらず鳴り続ける感がすごいツボ。たまらん(ただし私はそもそもが鐘フェチです)。

いやあ弾けるようになりたいなあ。その禍々しさも静けさも変わらず鳴り続ける鐘もみんな合わせて。渋ってたのは確かですけどずっと弾きたかった曲なので。

リンクしたのはまたもミケランジェリの演奏。先生と第2の師(Michael Kieran Harvey)の録音持ってて、あとコラールのラヴェルピアノ曲全集にも入ってて合計でガスパールは3つ録音持ってるのですがミケランジェリの演奏も欲しいなあ。3ガスを4ガスに。いつか。


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万年筆×6になりました
なんか飲みたいなと思ったらオーストラリアに来て21年でした。
まあ21年なんで特にこれといってお祝いするわけじゃないですし最近疲れてるんであんまりは飲みませんが、とりあえず親子丼後の白ワイン。

そして先日無事ペリカンデビューを果たしましたーぱちぱち。
  
ペリカンのM205アクアマリン+エーデルシュタイン「アクアマリン」インクのセットです。シンガポールのOverjoyedで購入。
アクアマリンの宝石自体よりもずっと濃く緑が強い落ち着いた色。しっかり光が当たるときに写真撮ればよかった。濃いは濃いけど透き通ってるしちゃんと青緑なんですよ。
そしてM205シリーズは他にも色があるのですが買う際にはそのサイズの小ささ(短さ)が合わない手の大きい人もいるみたいなので店頭で試し持ち・書きしてからの購入がおすすめだそうです。
(私は手が小さいんで心配せず購入でしたが)


ニブはEF。日本語(というか漢字)書くとなると十分な太さです。そしてクリップのペリカン形状も可愛いです。
これは胴に直接インクを吸入するタイプなのでコンバーターなどと比べて容量が大きい。さっそくセットのインクでなくRobert OsterのFire and Iceを入れました。すごく合うんだこれが。


そしてラミーのサファリ(透明)が空になってニブもEFに交換するついでにアクアマリンインクも試し書き。比較対象が同じエーデルシュタインシリーズのトパーズ、セーラーの蒼天だってのもありますが胸を張ってこれは緑色と言える色彩。
色はすごく好きなんですがなんせちょっとおとなしめで色の濃淡とか光沢とかがそんなにないので物足りないところはあるかな。

最近自分の所持インク+欲しいインクのラインアップを見てみるとどうも濃いめ・おとなしめの色が多く。明るい・鮮やかなインクも欲しいなー・・・と思うのですが実際トパーズ(サンプル)を入れたら「おおう明るい(汗)」となってどっちやねん状態。なんか手持ちに定着する明るいインクが見つかるといいんですが。


ということで現在の手持ち6本です。Red Dragonと前述トパーズがサンプル。Red Dragonはそのうちボトルで買う予定。Diamineの赤は微誤差でいくつかあるのですがこうやってみるとレギュラーメンバーとしてちょうどバランスの良い色彩(ついでに今回入手して今後参戦予定のアクアマリンインクともいいんじゃないか)。

そしてトパーズ担当のかたつむりさんがうなだれてるのにはちょっとわけが。
こないだ買ったラミーのEFニブを今回サファリに装着したのですがどうも特定方向に線を書くとがりがり感があり。これはまたお店に持ってって見てもらわにゃ、ということになったのです。
こういうときも含めてメンテ・インク入れキットをネット購入しようと思ってるのですが・・・でも自分でニブの調整とかなかなか心配だなあ。細かいものは見えにくい。

今回のこれでペン欲はちょっと収まったのですが(次は誕生日に大きな買い物予定)、それでもインクについては欲したり悩んだり、欲しいペンの数より欲しいインクの数のほうが大幅に多いという困った状態に。
あと6本体制が始まったばっかりでうまく運用できてないのでとりあえずはこの6本を色々使って慣れることからですね。あと丁寧に字書こうぜ自分。


今日の一曲: トーマス・アデス 「Darknesse Visible」



インク沼にはまってからこの曲の楽譜が色んな色で書かれてるのがインクの色の変換されるようになってきた・・・(汗)
という話はさておき、最近この曲に戻ってきて練習しています。これの前に弾いてたらラヴェルもそうですがこの曲はこの曲でしか使わないテクニックとか筋肉が満載で最近ちょっと手の細かい筋肉が固かったり痛かったりするのはこれが原因。

前回練習してたときで音はだいぶ覚えてますし原曲(この曲は20世紀末のイギリス音楽ですが、元はルネサンス期イギリスの作曲家ジョン・ダウランドの「In darknesse let me dwelle」という歌曲がベース)との音の関連性も分かってきたのですが、今はそれを踏まえてもう一歩進もうとしている段階。

この曲はダウランドの歌曲の「音」は変えずオクターブを散り散りばらばらにしたもの。
つまりは元のメロディーとかその他の部分も形は随分違って聞き取れないくらいだけど残っているから、なんとかフレージングとかも元の曲に近づける努力をすべきなのだろうか?と。
作曲者(アデス)が書いてる強弱も大事だけど、undercurrentというかその下に流れるダウランドの流れも尊重して活かしたいなあ。
(そうすれば最後ほほうでダウランド味が強くなっても突然な感じにならなくてすむんじゃないかなー)

一見無機質で不可解に思えるこの曲も、元の歌は強い鬱状態で共感するような闇の歌だし、それをあえて言葉とメロディーをなくしたこの曲もそれによってより強いものを感じるような気がしますし。この曲をどう形作るか、色々悩ましいところがあります。結局初めて聞く方にしては何がなんやらわけわからない曲になることは避けられないと思うのですが、がつんと闇が響くような演奏にしたいなあ。(元の詩はプログラムに必須ですね。こちらもインパクトがあるし良い詩なので)

インパクトのある詩といえばリンク先のCDに共に収録されてる「Life Story」の詩もなかなかすごいですね。アデスの音楽のこの心への響き方ってやっぱ現代だなーと思います。
Powder Her FaceもTempestもPolarisもAsylaも。言葉では説明しにくいのですが今の時代を反映しているという以上に現代の心にストレートに来る何か。アデスがすごいのは作曲技巧も時代性もそうですがさらに心の深いところにもあるんじゃないかな。

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田舎にて週末でした
やったーシンガポールのオンラインストアでセールで買ったペリカンのM205アクアマリンが届いたー!
・・・と万年筆の話をしてしまいそうですがまだインクも入れてないし諸々整頓などもあるのでまた次回。
先週友達の家にみんなで押しかけていったので今日はそちらの方を。

いつもはその友達の誕生日辺り(1月末)に遊びに行って、ちょうど田舎はこっち以上に暑くて午後の遅くにプールで大人も子供もわいわい、という感じなのですが今回はみんな色々ばたばたしててこの時期に。一番上の子も小学校始まりましたし2番目の子も(フルタイムではないですが)幼稚園も始まり。(あ、オーストラリアは学校の1年が1月末に始まります)

田舎とはいえ今の学校は私たちのときとは色々事情が違うようで。お便り系統はみんな電子媒体、さらには学校での様子が写真や動画で親とアプリ経由でシェアされたり。すごいなー。

3月とはいえ先週末はよく晴れて暑かったです。ただそれでも夕方~夜には結構涼しくなるので過ごしやすい・・・けどプールはあたたまらなくかなり冷たかったです。とりあえず脇下くらいまでは入りましたがそこまで浸かるのにかなり時間かかりました(笑)とりあえず今シーズンのプールはこれでおしまいかな。

そして日曜日は町外れ?にある動物園に。動物園といってもそんなに大きくはないのですがホワイトライオンが2頭いて餌やりも見れるのが目玉みたい。
ちょっと写真を何枚か。

最後のは犬ではないです。ディンゴです。ディンゴも一応犬なんですが。
それにしてもこういう模様のディンゴを見たのは初めて。地域によって違ったりするようですがあんまり飼い犬風の模様だと野生味がない・・・(汗)
トカゲはアオジタトカゲでこれもオーストラリアの固有種。その名の通り口を開ければ舌が青い。結構おとなしくてすべすべで可愛いやつなんですよ。

ここの動物園はドライフードを手で&スコップで特定の動物(けっこう居る)にあげたりもできて、私は(ある意味恒例になりつつありますが)エミューとダチョウに手で餌やりしました。だいたいみんな怖がるやつ。でも飼われてるのなら結構やさしいですよ。ダチョウは初だったのですが女の子だからかエミューとなんら変わることなく手で餌やれる。
ただここで手強いのがラクダ(ヒトコブ)。ラクダは「スコップで餌をやれる」カテゴリなのですが、フロントで「たまにスコップごと持ってかれるけど気にしないで-」的なことを言われるくらい。結構体も大きいしスコップやバケツが少数散乱してる中に鎮座してる姿を見るとやっぱ簡単には餌はやれないなと。

ということでくつろいで遊んで帰ってきました。
今回はポケモン関係がほとんどできなかったのですがマルチバトル用チームを考えるなど宿題もできたので次回会う前に考えたりなんだりするのも楽しみ。厳選余りをお裾分けしたりしてるので違う種類を育てなければ(汗)

あ、あと向こうで行ったOp shop(チャリティショップ的な、大体教会関連団体が運営してる)でモーツァルトのフルート協奏曲第2番とファゴット協奏曲のCD、それからレ・ミゼラブルのオリジナルロンドンキャストのCD2枚組を合計3ドルで買ったので今日の一曲はそちらから。でもいつも使ってるPCのCD-ROMドライブが反応しなくてipodに入れられない・・・なんとかせねば。


今日の一曲: クロード=ミシェル・シェーンベルク 「レ・ミゼラブル」より「Bring Him Home」



レ・ミゼラブルはミュージカル自体の演奏(メドレーもないかも)・観劇経験は全くないのですがちらほら有名ソロナンバーを学校やらユースオケやらで弾いた縁はあります。
その中で自分が歌える声域のソロといえばユースオケでも弾いたBring Him Homeかなー。歌うのもそうですが聴くにも高いテノールのソロ大好きです。

あとあんまり年齢を感じるとかそういうことってないんですがこの曲の歌詞にじんとくるのはやっぱ次の世代を意識するようになった一つの印かなーとか思ったり。まあユースオケで弾いた20代でもじんときてましたが。ただまだ「Castle on a Cloud」で涙するほどではない・・・はず。

今回の旅の帰りに2枚通して聴いて思ったことが2つ。まずミュージカルって音楽でも結構伝えるし言葉でも伝えるし結果オーバーになることが多いのかもなーということ。ウェストサイドなんかはそこんとこうまくバランスが取れてるような気がしますが。
あともう一つ思ったのは近年アメリカを中心に有名なミュージカル「Hamilton」ってヒップホップとか現代な感じと見せかけて根本はすっごく伝統的なミュージカルを基盤にしてるなーと。(実際に観劇したんじゃなくて友人の持ってるサントラを聴き通しただけですが)
次回聴いたらなんかすごく古風というかそっちの方に偏って聞こえちゃうかも。

ということで今回縁で手に入ったCDをリンク。なんか私と同い年なんだこの録音。ちなみに今年レコードとして新しい版が出てるのを今ちらとみかけたような。不思議な時代だなー。

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いわゆるHiatusってほどでもないですが
ちょっと更新の間があいてます。
ちょっと諸々忙しくてブログに書くこと考えてる余裕がないだけでなくちょっと疲れやすかったりなんだり。
今週末はまた田舎の方にお出かけなのであんまり無理しちゃいけませんな。

オーストラリアはでっかくて気候も色々ですが色んな地方で嵐やら日照りやら異常気象が起こっている様子。
メルボルンは激しい異常気象こそないですが2月にびっくりする涼しさが1週間ほどあったり、それが3月になってから暑い日続きだったり。
しかも暑い日といっても30℃前後の日が連続で、40℃になる日もなければクールチェンジもなく。
これからいきなり涼しくなったりするのか、ちょっと予想がつかない感じ。
疲れる原因はそこらもあるんでしょうかね。暑いのは好きなんですが。

今日はシティでストレス発散がてら友達と買い物&ランチ&冷たい甘い物してきました。
今日行ったSwanston Streetの店舗を始め、アジアンスーパーなどでも「辻利」の字を見るようになりました。抹茶系統で見ることがおおいけど普通の日本の緑茶もこれまでに増してポピュラーになるといいなあ。夏は特に。

そして万年筆もお迎え。パイロットのコクーン(こちらではMetropolitan)です。万年筆を初めて買うならこれ、いずれは複数持つことになる、と万年筆コミュで聞きますがとりあえずまず1本です。
インク入れるのはまた今度。息をつく余裕ができたらサンプル含めてゆっくりインク交換&万年筆洗浄といきたいところ。

あと今回家計をやりくりしてたらちょっとまとまった自由にできるお金があったので近いうちにペリカンデビューを企んでます。まずはセール待ち。
万年筆とインクにはまってからお金のやりくりとかネットでの買い物がちょっと上手くなった気がします。趣味とリンクすることで考え方が分かってきたような。多分。
とにかく今年色々揃えて来年からはもうちょっと万年筆出費落ち着かせる目標でいますが・・・さてはてどうなるかな。

さてそろそろゆっくりタイムに入らなければ。次の更新は帰ってきてからになりそう。
土産話でも持ってこれるといいな。


今日の一曲はお休みです。

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メル響のマーラー7番コンサート感想!
前回のエントリーに拍手ありがとうございます~
あれからじわっと1都市領土が増えました。ただしかなりの火事場泥棒でやっとのこと。
ただ火事場泥棒=機会を逃さなかったとポジティブに見ております(笑)引き続き小覇王のタイトルと全土統一を目標に遊んでいこうと思います。

さて昨日は夜まであったかく夜のお出かけにはもってこいでした。
そしてマーラー7番にもなんかちょっと合う夜(特に第2楽章)。いやあいいマーラーの夜でした。
今回は単品ではなくこんなプログラムでした。

メルボルン交響楽団コンサート「MSO Plays Mahler 7」
Hamer Hall
指揮者: Sir Andrew Davis
Paul Stanhope 「The Heavens Declare」(合唱:Melbourne Symphony Orchestra Chorus、合唱指揮者:Warren Trevelyan-Jones)
(休憩)
グスタフ・マーラー 交響曲第7番


以前Brett Dean+マーラー5番という組み合わせもありましたが今回もオーストラリアの作曲家の大規模合唱曲とマーラーの交響曲のコンビネーション。今回も堂々と並べられるくらいの曲でしたよ!それに色々コンパクト化してる今の時代にこんな大きい曲を書いて演奏してもらえて本当に素晴らしいことです。

「The Heavens Declare」は聖書(旧約・新約どちらも)の言葉をラテン語で歌詞にした合唱+オケの曲。でも不思議と宗教感はそんなになくて、オーストラリアの音楽によくあるオープンなポジティブさとStanhopeのクリーンなハーモニーが支配してる感じ。とにかく光!最初の「最初の光」から最後の「Luminaria..」まで美しくてものすごく輝く光の描写。

その「光」の要素が多分Stanhopeの作品とマーラーをつなぐリンクなんだろうな。マーラーもまた光の描写がすごい作曲家。いつも言うのですが闇の暗さを知ってるからこそ光がああなる。
その中で7番というのはまた一筋縄では全然行かない交響曲。隣に座ってた老夫婦がStanhopeの作品に驚いてましたがむしろ今回のコンサートだったら現代曲よりマーラー7番の方がずっと聴くのに難しくて複雑な曲だと思います。

いやあ難しかったですねえやっぱり。マーラー7番は第3楽章を除いて後から振り返ってみてもどうやってここまでたどり着いたか全くわからなくなる、全ての方向転換と展開が意外でどう受け止めていいか分からなくなる。
でもその複雑さを生で真っ向から浴びてじっくり味わうのは本当に好きです。今回も楽しみました。未だによくわからない曲ですけど。

今回ちょっと第1楽章で目立ったのがリズムと縦向きに揃うはずのところが色々甘かったとこかなあ。特に第1楽章は一番の迷宮なので(特にハーモニーが)リズムでメリハリつけないと迷ってしまう。そういうメリハリが前に前に出るのは第6楽章なんですけど、それが7番まで繋がってるエレメントでもあると思うので。

7番は意外性いっぱいの交響曲ですがソロを担当する楽器もちょこちょこ意外。そもそも最初のソロがテノールホルンというオケではかなりの希少楽器。他にもコントラバスのソロがあったり、第3楽章はビオラがかなりソロ多かったり。ついでにコントラフォルテ(コントラファゴットの改良版)はソロだけでなく音量がでかいために吹けばソロに聞こえるようなパートが結構あったり。

第3楽章のビオラかっこよかったですねー。ホールの後ろの方に座っててもしっかり伝わってくる、暗いながらもなんというかちょっと色気のあるような音。
第3楽章は元々(ビオラのソロもあって)好きな曲なのですが今回Sir Andrewの指揮でこのスケルツォは(自分が思うところのアンデッドになる前は)ウィンナーワルツだったんだ!という発見が。あとどうやってマーラーがグロテスク・不吉・アンデッドを出してるのかってのが色々わかって面白いです。意外にわかりやすい第3楽章。

マーラーサイクルももう7番まで来ました。次は「大地の歌」でこれも聞き逃せない楽しみなコンサート。
というか最初から全部行くつもりでいます。もうこれは自分にとって巡礼というかなんというか。場所は毎回一緒なんですけど(笑)自分にとってマーラーの交響曲は多分宗教になんとなく近いところに位置してるような気がします。

仕事や何やらで忙しくて、今回のコンサートが癒やしになったかどうかはちょっと難しいのですが(7番だもんしょうがない)、心の糧には多分なってるはず。でもたまには休みます。多分。


今日の一曲: グスタフ・マーラー 交響曲第7番 第1楽章



いやあ好きだし書きやすいからって第3楽章選ぶのもなんだと思って(以前も紹介してるはず)第1楽章を選んでみたのですがどこから考え始めていいか。マーラーが書いたもののなかで一番難解なんじゃないかなあ。

でも難解だからこそ最後の第5楽章が輝いて気持ち良く終われるというか。この交響曲の最初の和音のこのくぐもった暗い何色とも言えない感じから最終楽章のハ長調に至るまでの壮大な旅路。
そういうこともあって5番や6番と比べて7番は楽章のばら売りがちょっとしにくかったりするか。(第2楽章・第3楽章あたりは単独でもいいかも)

マーラーの音楽描写ってリアルに迫るところが多々あって。この第1楽章では迷うような、ふと考えがあっちにこっちに行ってしまうような、そういうリアルな葛藤。そうやって見ると少しは分かるような気がするんだけど音楽としてはなかなか手強い。
マーラーの音楽はいつもクライマックスには自然と導いてくれるんだけどこの楽章に限ってはそうじゃなくて、ほんと戸惑いっぱなしです。

でも聴くのに難しいからといって悪い曲というわけでもなく、敬遠するべきとも思わないです。
素晴らしい曲であることは変わりない。
あとちょっと言い方は変ですがマーラーは人類の味方、特に鬱に気質が傾いてる人の味方だと思うので。

そしてやっぱりマーラーの交響曲って長いのですが時間と機会があったら是非丸ごと楽しんでもらいたいなと。
ついでに言えばマーラーの交響曲って前後の交響曲と少なからずつながりがあって(同じ・似たようなテーマを使ってたり)、5番・6番に続く作品とみるとまたちょっと面白くなってきたりします。

リンクしたのはTennstedt指揮の録音。(ただし第3楽章の印象で手持ちから選んだ)
マーラーの交響曲は長いのだとCDまたいじゃうし、どの楽章の後で切るとかあるし、だからといって余った時間にもう一つとかなかなかできないし、あと録音によって時間も大分変わるだろうからCDとして作る場合めんどくさそうだなー(笑)

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