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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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Minor injury
これまでのエントリーで言及したかわからないのですが単独でエントリー立てるのは初めてなのでとりあえず書いてみる。

ここ数ヶ月どうも手首に体重をかけたときだけ鋭い痛みがあって、理学療法のクリニックに行ったりしたのですがどうも良くならず。
ピアノが原因?と思うのは自然なのですがピアノ弾いてても悪化したり弾きながら痛みが軽減したり難しい。枕の高さあたりと関係あるかもしれない首のなにか、そしてもしかしたら腕のなにかも関係あるかもなーという話になっていて。普段生活してても悪化したりしなかったりどうもはっきりしない。

ということでこんど音楽家専門の理学療法士に診てもらうことになりました。お値段とかは聴いてみないと分からないけど幸いシティ近くにクリニックがあってついでに女性の先生らしいのでとりあえず電話してみようと思います。
本当は日本に行って(ピアノ無し+仕事の量少なめ)帰ってきてから様子見て受診、と考えてたのですがピアノ少なめでも必ずしもよくならないし出発前に行った方がいいのかも。

ただ最近思ったのですがどうも肘を曲げてたりすると手首の機嫌が悪くなるような感じがあって。
バレエやると必ず痛みがひくし実際腕の筋肉や神経がぐーっと伸ばされて楽になるような気が。
あとこないだ先生にメシアン聴いてもらった時もやっぱりピアノの弾き方のくせがいけないようなところがあります。

枕も前話しましたかね、明らかに高すぎたんでちょっと低くしたにはしたんですがそれでもまだ高すぎるみたいで。首だけでなく背中もちょっと負担かかってるかなーと。
不思議なものでピアノの椅子の高さと枕の高さは何がベストなのか、ベストでなくても何が良いのかもう何年もよくわからないままもやもやしています。

年齢的にもピアノ関係有り・無しの体の不調が出てくる時期(年齢)なんですよね。
大学のころもちょこちょこ音楽仲間で怪我なんかの話が出てきましたがその頃よりもそういう話を聞くのがずっと増えた気がします。
大学の時みたいに毎週レッスンで指摘があったりとかじゃないからなんか悪い癖は直されずに残りやすいし、舞台関連で狭いところで弾くとか仕事が忙しくて体のメンテや運動の時間がないとか色々な要素が重なって。

そういう中でバレエを始めたのは幸いだったかも。生活バランスや運動だけでなく筋肉の動きとかにも注意するようになったという面でも。
昨日なんかレッスンで(バレエでは手のひらが基本自分の方を向いてなきゃいけないのに)なぜか手のひらが気づかないうちに外向きになってるのを指摘されて。子供のころも最近始めてからもそんな癖はなかったのにおかしいなあ、と思ったのですがこれも手首に関するなにかなのかも、と気づくきっかけに。

何はともあれこの痛みが実際音楽に関連してるかに関わらず音楽家専門の理学療法士がいるってのは素晴らしいことですね。基本的なところで「話が通じる」だけでも心強い。音楽家特有の問題・改善策色々ありますし。
同様にアスリート専門の理学療法士だったりリハビリ専門だったり妊婦・産後に特化した理学療法なんかもあるようで。
自分のものとはいえ体を使うって難しいですね。

こうやってブログを書いていてもどうも肘の辺りが機嫌が悪い感じです。
なので今日の一曲はお休み。
もうオケのコンサートまで1週間切ってリハーサルもありますがもう一回くらい更新できたら良いな。


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旅が近づいてくる
9月になりました。暦の上では春です・・・が案の定昨日は完全なる冬日でした。
まあメルボルンなんで多少そういうことはよくあります。来週半ばの20度超えにとりあえず期待。
色々動き回る予定もありますし寒くないのはありがたい。

そして9月になったので一時帰国まで一ヶ月を切りました。
今回は両親が一時的に日本にいたり(来年からまた海外)色々会いたい人もいたりなんだりで日本列島のかなりの長さを旅する予定になってます。
毎回恒例の買い物やライブや色々ある上に長旅もあり(長旅と買い物は混ぜられないですからね)、そこになんかちょこちょこイレギュラーなイベントが来たり。
例えばポケモンで10月に悪の組織イベントが発表されちゃったりするとそれに合わせた日に買い物に出なきゃ、みたいなことになりますし。なるんですよ。

今回はもうしばらく行けるかどうかわからないような遠い所まで行くのもあってちょっと御朱印帳なるものを購入して社寺参拝を増やそうかなと思ってます。
・・・となると特定の神社やお寺に行ってそこの御朱印帳を購入せねばとか思ってまた行動とスケジュールがそれに左右されることに。

そして以前kindle fireを購入してその目的の一つが「一時帰国の時に買って持って帰る&送る本を減らす」ことがあったのですが・・・どうも無理そうです。父が紙の本で持ってるのはそっち優先しちゃいますし、他でも紙の本欲しいものは(なるべく絞りますが)紙で買いますし、紙でしかないものもありますし。ということで努力はしますが去年と比べて身軽ってことにはならなさそうです。

ただその目的の他ではkindle fireの購入は大正解かも。一時帰国に限っても旅先で読む本とか初めて遊びにいく場所のガイドブックとかも気軽に買えますし、ネットで見つけた観光マップとかの表示もスクリーンが大きい方が見やすい。

kindle本もそうですが音楽も旅に備えて買い足しておきたいところです。ゲームは長旅にはポケモン+ノブナガの野望と相場が決まっていますし。ポケモンサイドのシステムが第5世代ベースなのに面食らう以外はまとまった時間がある機会にもってこいのゲームだったりします。シナリオによって長さも違って旅の長さに合わせたりもできますし。
一時帰国で旅先で城を見ることも増えましたし戦国時代の知識ももっとつけておいたいです。

あとは服なんですよね・・・残暑から本格的な秋くらいまではカバーしなくちゃいけない。
そもそも服を合わせる買う見立てるのが苦手なので、既に下見してはいるのですが全く目処が立たないままでいます。仕事のご挨拶用のちょっといい服はもちろんですが日本ではちゃんとせにゃいけないイメージがあるので。(メルボルンだと夏でもキャミソールなしでブラ見えてても平気だけど日本だとキャミソール必須とかそういう違いが自分の中であります・・・)

ということで忙しい中をぬっての準備がたくさんありますがストレスで軽躁方向に傾かないように気をつけながら走り回りたいと思います。
そして日本に行く前にもう一つ遠出があるのでそちらも楽しみです。


今日の一曲:  アントニン・ドヴォルザーク 弦楽四重奏曲第12番 op.98「アメリカ風」 第4楽章



旅曲ではないですが近い曲。ドヴォルザークがチェコからアメリカに渡ってしばらく住んでた時の作品です。有名な「新世界」交響曲はアメリカから祖国を思う曲ですが、こちらの「アメリカ風」弦楽四重奏曲は新天地の景色を描いたもの。
特にロマン派以降の音楽では交響曲は「公」、小編成の室内楽は「私」みたいな役割になってることが多いです(極端な例がショスタコですね)。

外国の景色を描く音楽ではその土地の音楽のスタイルを自分のスタイルに絡ませていくことがよくあります。この「アメリカ風」四重奏曲もアメリカの黒人霊歌のメロディーや音階、リズムを積極的に取り入れています。ヘ長調というシンプルな明るさやのどかさがある調で4つの弦楽器がのびのびと歌います。

もちろん音楽全般で一番注目すべきなのは主旋律で、ドヴォルザークもまあいいメロディー書くのですが、この四重奏曲、特に第4楽章では伴奏のリズムが自分にとっては最高にツボです。
第4楽章の冒頭のビオラのリズム、テンション上がる!(笑)メロディーが入る前の2小節だけで笑えます。ビオラあんまりメロディーもらえてないけどこのリズムがあるだけで曲が進んでいく。がんばれビオラ。(新世界でも似たようなパートがありますね、ビオラは)

ものすごく聴きやすい曲でメロディーもキャッチーな曲なのですが、だからこそメロディー以外のところで何が起こってるかにも耳を向けてみると面白いです。というかとにかくビオラが縁の下の力持ちなので気づいてあげてください。

リンクしたのはアルバン・ベルク四重奏団による録音で、チェコからアメリカに渡ったこの曲と、祖国チェコのスメタナの四重奏曲を組み合わせたアルバム。ドヴォルザークの弦楽四重奏はこれが第12番なのですが他がとにかく知名度が低くて私も全然知りません。なのでアルバムで探すと他の編成or他の作曲家の弦楽四重奏曲との組み合わせが多いようです。

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オケも色々
それほどではないですがこないだよりは若干落ち着いてきました。
ただ明日から始まる週は色々イレギュラーに動く予定があるのでメンタルもばたばたしそうです。
日本行きの準備とかもあるけどちょっとはゆっくりしたいです。

相変わらずオケのリハーサルもやってます。
まずはもうすぐやってくるコンサートのお知らせから。

Zelman Symphony Orchestraコンサート「American Story」
指揮者:Mark Shiell
2016年9月10日午後8時
Eldon Hogan Performing Arts Centre, Xavier College
プログラム:
アーロン・コープランド 「市民のためのファンファーレ」
ジョージ・ガーシュウィン(ベネット編曲) 交響的絵画「ポーギーとベス」
アーロン・コープランド クラリネット協奏曲(クラリネット:Philip Arkinstall)
ジョージ・ガーシュウィン キューバ序曲
レナード・バーンスタイン 交響的舞曲「ウェスト・サイド・ストーリー」
前回弾かせていただいたコンサートに負けず劣らずの難しいプログラム。
ノリで弾けない&脳作業が求められるコープランドが他とは違う難しさがあるかも。
でもこないだリハーサル聴いてたらポーギー&ベス(メドレー風味)もころころテンポや曲が変わるのが大変そうだった。
バーンスタインは楽しいけどプロでも難しいとこがある曲だし、さてどんな仕上がりになるか。

前も書いたと思いましたが今回ピアノとチェレスタのパートもかなり弾きごたえあり。
単純にページ数が桁違いですし弾く音の数、そしてソロ他聴衆にしっかりきこえる部分も多い。
未だにピアノはキーボードなんで実際音がどれくらい聞こえるかとかタッチとか懸念材料もある・・・けどそれはもう本番の日(サウンドチェック=ゲネプロ)まで分からないので悩んでもしょうがない。とりあえずまだ正確さをなんとかしなきゃ。

Zelman Symphonyはアマチュアのコミュニティオケなのですが挑戦するレパートリーがかなりambitiousでチェレスタの修復なり新しい楽器の購入なりかなりお金がかかるプロジェクトもやったりでコミュニティオケとしてはかなり頑張ってる団体だと思います。
これまでに演奏された難しいレパートリーは前回弾いたラフマニノフの交響的舞曲だったり今回のコープランドやバーンスタインだったり、もっと前の惑星だったり、あとマーラー8番(そうですあの千人のです)だったり。

それが来年はさらにすごいことをやる予定だという報せが前回のリハーサルで入ってきました。
(なのでもしかしてまだ公的にはオフレコなのかもしれない)
来年のちょうどこれくらいの時期になんとHamer Hallでコンサートをやる予定らしく。
しかもショスタコの13番(大編成オケ+合唱+声楽ソリスト付き、ハープは4台!?!?)をやるとのことで。ピアノ・チェレスタ(おそらく両方1人で)のパートがあると知ってるので早速弾かせてもらえるようお願いしておきました。ショスタコのチェレスタパートは音は少なくとも存在感は抜群なのです。
ショスタコだから!っていうのもそうですがショスタコでも13番はなかなか生で聴く・弾くことは珍しいので今からもうわくわくです。

ということでHamer Hallでコンサートするにはかなりお金が必要なので今回のコンサートから集客がんばらないと!というプレッシャーがかかってるわけですがそれ以上に楽しみなプロジェクト。
さらにはそのコンサートでこないだPlexusで作品を演奏された(そしてZelmanでも以前演奏された)Harry Sdrauligの新曲、そして去年Zelmanが演奏したElena Kats-Cherninのフルート協奏曲「Night and Now」も演奏される予定だそうです。現代音楽、特にオーストラリアの作曲家の作品も積極的にレパートリーに取り入れていくのもこのオケのいいところ、応援したいとこだと思います。(ただメルボルン全般プロオケに限らずオージー作曲家の演奏頻度上がってきてる傾向はあるかも。もちろん素晴らしいことです)

とにかくまずは9月10日のコンサートを頑張らないとですね。良い演奏を、だけじゃなくて特にこのプログラムは楽しい演奏になるように。テンション上がるぞー。踊りたくなるぞー。

あと明日はまた先生にメシアンを聞いてもらいに行きます。
とりあえずメシアンにメンタルが持つといいなあ。


今日の一曲: ジョージ・ガーシュウィン キューバ序曲



今回のプログラムで自分が弾かないけどちょっと弾きたかった曲。
ガーシュウィンの作品だとやれラプソディー・イン・ブルーだやれポーギーとベスだ有名な曲は超有名ですが好きな曲は(有名ではありますが一ランクだけ下がる)パリのアメリカ人やこの曲。

タイトルで分かる通りアメリカ人がキューバに行った旅曲(ドビュッシーとかもよくやってるやつ)なので本物のキューバの音楽と比べてどうかというかそういう話ではないんです。
ただ本場のキューバの音楽(ちょっとだけ知ってる&持ってる)に負けないくらい、最初から踊りたくなるリズムとテンション。とにかく明るい、とにかく楽しい!(確か前「昼」の曲に選んだ記憶がある)

ガーシュウィンの作風ってクラシックとしてもジャズとしてもかなりポップな方向にあって(特に作曲されてから大分経ってる&それぞれのジャンルが発展してる)だからあんまりたくさん聴くと食傷気味になるのですが、同時にそのちょっとcheesyな感じが多くの人に愛される、若干ひねくれてる人でも許したくなっちゃうところがあり。

だからまあ素直に楽しく、でも用量と用法をほどほどにするのがガーシュウィンを楽しく聴くベストな方法なのかもしれませんね。だからこういうちょっと知名度が低い曲も聴いて楽しんで欲しいな、と思います。

とは言いましたがCDとかだとガーシュウィンの作品はまとめて収録されることが多いのでリンク録音もまとめてドン。
私が持ってる録音はコープランドやガーシュウィンが混ざって入ってるのでたまにどの曲がどっちの作曲家か混同することも。


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そんな季節らしく。
前回更新時にスパムコメントが山のように来てたのですが単一ソースだったらしく簡単に止まりました。少なくとも今はこれで大丈夫かな。

オケ周りの話をしようと思ってたんですけどね。メンタル関係の話はしたいと思ったときに書いとかないとぐだぐだになるので。
特に軽躁周りは自分にとってもよく分からないことが多いので記録しておきたいという面もあり。

季節の変わり目というか春が来たというか、ここ1週間~2週間くらい軽躁に悩まされてました。
例によっていわゆる「ハイ」とは違う、焦燥とか怒りの方向に気持ちが高ぶるDysphoricな軽躁です。感情が少しでも動けば軽躁にアクセルが急激に入るし、ありとあらゆることに腹が立ち(→軽躁にアクセル)、頭の中がぐちゃぐちゃに動いてるのにそれでも頭を動かさなければ気が済まない。
朝起きた瞬間から焦燥状態だったり、あと言動に慎重さが欠けて自分でもよく分からないことしたり(もしかして軽躁・躁状態だと一般的に外傷も増えるのかな?)それで自分をいちいち責めたり腹立てたり、反対に頭の中がぐるぐるしすぎて言葉が出てこなくなったり。

前書いたと思うんですが元々は「鬱」で「双極性障害(2型)」と診断されてからも数年は軽躁は目立たなかったのがここ数年で実際に不便・苦しみを感じるように。目立つようになってから程度がひどくなってるか、と聞かれるとなかなか分からないんですよね。のど元過ぎれば、じゃないですけど覚えてるのが難しいですし後から冷静に分析しようとするとわからない。

特に双極性障害でも2型は1型みたいな激しい躁ではないので、軽躁は気分が上がって楽しいもの、良いものみたいな誤ったイメージ(スティグマ)が根強くあるようで。Euphoricな方の軽躁は経験したことないので違うとはっきり言えないのですがDysphoricにしてもEuphoricにしても軽躁に苦しんでる人は多いようです。

それがもっと伝わればいいなあと思いつつ今回軽躁を経験してからそれはかなり難しいことなんじゃないかと思い始めました。
軽躁をリアルタイム(またはちょっと回復した状態)で説明しようとするとどうしても面白おかしく・・・とまではいかなくてもたいしたことないように話してしまう。元々(Dysphoricな軽躁でも)症状とか現象自体の説明だけだと鬱ほどは苦しく聞こえないのに、患者自身が苦しさをナチュラルにぼかしちゃったらダメだよなあと。
別に強がったりしてるわけじゃないし、自分の症状のつらさもちゃんと見えてるはずなんですけど。あんまり大げさな風になっても信じてもらえないよなあ、とか信じてもらっても心配かけたくないよなあ、みたいな思いはあるのかもしれない。

そうやって不正確に伝えるのは結局のところ自分(と軽躁で苦しんでる患者さん全体)の首を絞めることにつながるからやめた方がいい、それだったら今のところは自分は黙ってたほうが良いかもしれないという結論に至ったわけです(あと何より軽躁の「とにかく自分に腹が立つ」が増えるので)。

今はある程度落ち着いたので(まだきっかけがあると焦燥スイッチがONになる)色々考えてみてるんですけど難しいです。自分の中で自分の状態を誰かに伝えるのをシミュレーションしてあーでもないこーでもないと考え中。もしかしたらこういうプロセスがセルフケアに繋がるかもしれないのですが正直よくわかりません。
軽躁周りの状態だとそんな難しいことは分からない、というのもありますが先ほど書いたように軽躁との付き合い方はまだまだ分からないことが多いので。勝手が分かるだけ鬱の方がいいなあ、といつも思います。

ということで気持ちを高ぶらせないように気をつけながら、自分でもよくまだまとまってないことを頭がちょっととっちらかってる状態で書いたのでしっちゃかめっちゃかになりましたがまだまだwork in progressということで。もうちょっと自分でも分かりたいです。


今日の一曲はお休み。そこまでの余裕はちょっとなかった。

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Beethoven and Beyond & メル響「the Lark Ascending」コンサート感想
ちょっとお久しぶりです。
色々ばたばたしてたり調子が悪かったりで更新してませんでした。
例えば昨日はオケのリハーサル。お知らせそろそろまたしたいんですが今日はコンサート2つ分感想でプログラム書き出しとかすると長くなるので次回きっと。

さて早速コンサート感想。まずは日曜日の2人のコンサートシリーズBeethoven and Beyondの第3弾。今回はTristanとGina(フルネームは下記の通りですが呼び名はこう)二人でリサイタルを半分ずつするという形でした(次回は連弾特集!)。

Beethoven and Beyond Recital Three
ピアノ: Tristan Lee & Gintaute Gataveckaite
ルートヴィッヒ・ファン・ベートーヴェン ピアノソナタ第27番 op. 90
Tim Dargaville 「Night Song」
セルゲイ・プロコフィエフ ピアノソナタ第7番
(休憩)
ヨハネス・ブラームス 間奏曲 op.119
ヨハネス・ブラームス 2つの狂詩曲 op. 79

いやあブラームスの狂詩曲は手強いですね。ホント弾くのに勇気がいる。他の曲と何が違ってそうなるというかよく分からないんですが。特に第1番はGinaの弾き方ものすごく好きです。勢いを味方に付けてる感じがあって。

Tristanがプロコフィエフの7番を弾くのはほんと大学以来でした。前よりもちょっと慎重さがあるもののダイナミックさは相変わらず。そもそもこの曲自体(他のプロコフィエフと違って)手堅い感じで行った方が適切か。
不思議な物でこの7番、昔はかなり(弾くには)怖い曲だと思ってたのですが改めて冷静になって聴いてみると今弾いてるまなざし10番とかと比べたらそんなに難しさも変わらないように思えてきました。(ただしプロコフィエフは和音がオープンで間隔広いので小さい手にはnot friendlyなことには変わりませんが)。

そして言及すべきはTim Dargavilleの「Night Song」。オーストラリアの作曲家でTristanの知り合いだそうですがこのNight Songは義賊ネッド・ケリーが処刑される前の最後の夜を描いた曲で。アンビエントな感じで好みの曲でした。ついでにいえば他の曲とも合わせやすいしオーストラリア題材だし今後もっと色々なプログラムに組み込まれるといいなと思います。

その次の日、月曜日は学校時代の友人(こないだPolyphonyで歌ってた)と一緒にメル響コンサートに行って来ました。
俺得最高レベルに近いプログラムはこんな感じでした。

メル響コンサート「the Lark Ascending」
指揮者: Sir Andrew Davis
ベンジャミン・ブリテン 「ピーター・グライムズ」より四つの海の間奏曲
ヴィトルト・ルトスワフスキ パルティータ (バイオリン: Richard Tognetti)
(休憩)
レイフ・ヴォーン=ウィリアムズ 「揚げひばり」(バイオリン: Richard Tognetti)
セルゲイ・ラフマニノフ 交響的舞曲

どうですこのラインアップ。今見てもまた聞きたくなる曲の並び。
今回ソリストだったRichard Tognettiは普段はAustralian Chamber Orchestraの長(コンサートマスター兼指揮者的なことをする、というのをアバウトに表現した結果の変な言葉のチョイス)で、メルボルンでもかなりファンが多いようです。(音楽畑でない友達にも何人か)

私は特にRichard Tognettiが現代音楽を弾くのが好きで(ACO内外関係なく)、今回もルトスワフスキはぴったりだと思いました。見てて聴いてて頭の動きが音楽にフィットしてる感がすごいする。ああいう脳が私も欲しいしああいう曲が弾きたい。(ルトスワフスキの音楽はピアノ曲とオケ曲と違うパターンなんですよ・・・)

ただ「揚げひばり」はそれはそれでいい感じでした。厳密に鳥の声を反映したソロパートではないのですが、鳥っぽいテンポとリズムの自由さで弾いてたのが印象的で。そうしない演奏もいいんだけど(音をメロディックに一つ一つ聞きたいし)、こういうのもやっぱりありかなーと。

最初と最後の2つは奇しくも去年Zelmanで弾いたコンビ。海が身近なブリテンも、花火のようなラフマニノフも変わらず大好きです。
ラフマニノフの交響的舞曲は元々フォーキンが振り付けするバレエとして書かれたけど彼の死によって今の形になったという経緯がある曲なんですが、いつ何度聞いても音楽が踊りを求めてるというか、バレエのステップを誘ってるというか。フォーキンなんで死んだ。
なので自分の中ではバレエ的なイメージがしっかり根付いてて、なので今回の演奏の第1楽章のメインのテンポはちょっと踊りにくいテンポだったなーという印象でした。舞曲から離れれば全然いいテンポなんですが。不思議なものですね。

一時帰国前に行くコンサートはこれで一段落かな。一応考えてるのも少数あるのですが無理しない方向で。仕事もあるし準備もあるし、あと調子の悪さ(特に軽躁方向)が気になるので。
次回はちょっとリハーサルやなんやについて書きたいです。


今日の一曲: レイフ・ヴォーン=ウィリアムズ 「揚げひばり」



イギリス文化圏にいるからには逃れられない揚げひばり。英Classic FMの投票では毎年1位とか2位とか3位とかにランクインする、とにかく英国系統の人々に愛されてやまない曲です。
だからこそ普段はちょっとなめてかかるんですけど(だってヴォーン=ウィリアムズなら他にも美しい曲はあるし似たような曲が多いし)、でもいざ実際に聴くと毎回やられちゃう。それだけの美しさがある曲。

簡単に説明しちゃうとイギリスの田舎の春の田園的なのどかで緑が美しい風景と、その晴れた空高くを飛び歌うひばりの声で構成されています。ソロを務めるのは(前述の通り)バイオリン。音域の広さと機動力がヒバリのvirtuosicな歌にぴったりなのかな。

ヴォーン=ウィリアムズはそれにしてもソリストの活躍させ方、ソリスト登場の舞台を音楽で整えるのがものすごーくうまいですね。これ以外だとトマス・タリスのビオラソロとか、交響曲第6番のスケルツォのサックスソロとか、同第8番のチェレスタソロとか。それでいてメロディーやハーモニー含め音楽全体の美しさもあり。バランスがいい&総合力が高い作曲家ではあるのかも。

リンクしたのはそんなヴォーン=ウィリアムズの(似たような曲ばっかりと言われてもしょうがない面もある)管弦楽曲集。トマス・タリスも好きだしLazarus and Divesも好き。吹奏楽からヴォーン=ウィリアムズに入った人には申し訳ないですがやっぱヴォーン=ウィリアムズといえば弦!だと思います。嘘だと思ったら聴いてみてください。


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