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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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まなざし語りふたたび
仕事一段落で平日のウィークエンドですなう。
ありがたいことにまたいくつか仕事が来るようなので休めるときは休んで、そして仕事も無理なくスケジュール立てていかないとですね。冬ですし。

休日といっても仕事をしないというだけでもちろんピアノはできるときは機会を逃さず練習してます。今日も2時間半練習できて満足ですが成果についてはまだまだ。
(そもそもここ数ヶ月メシアンしか、しかも20のまなざししか弾いてこなくて他の曲を弾きたくならないってのもある意味ちょっと心配だったり。例えば単純に練習量が足りないとか。)

以前も書いたように20のまなざしとも10年の付き合いで、もう少しで全曲演奏も見えてくるかという段階なのですが、そろそろ各曲だけじゃなくて曲集全体として考え始めなきゃいけない頃合いでもあり。
もう聴いたり弾いたり(全部揃って聴いた経験もあり)して良く知ってる20曲ではありますが、全体像を見るのは難しい。

ただ一つ分かったのは20のまなざしってメシアンが数年後に書いたオケ曲「トゥーランガリラ交響曲」と構成が似てるなと。20のまなざしは20曲、トゥーランガリラは10楽章からなる作品ですが、全体のテンションのアップダウン(というか曲の性質の流れ)がちょっと似てるような。
特にまなざしの10番20番とトゥーの5楽章10楽章のポジションと関係性はどんぴしゃとも言えるんじゃないかと(最後よりも中間点の曲の方が盛り上がるし曲として良い曲ってところも含め)。

あとは20のまなざしに近い曲といえば同時期でちょっと前に書かれた「時の終わりの四重奏曲」だったり「アーメンの幻影」だったり。音楽言語や使う音型のパターン、それから宗教的テーマの表現の仕方(タイトルの感じも合わせて)もここら辺3作品は近い。改めてそちらもきちんと聴いて勉強しなきゃ。

ところで1つの曲集に20曲っていうとクラシック音楽のジャンルのなかでもかなり多い方だと思います。決して珍しいわけではないですが(24曲セットも結構ありますしね)、それでトータル2時間は結構長い分類に入るのでとにかくでっかい印象になります。(ちなみに同じくメシアンの鳥のカタログは13曲編成ですが2時間半超え)
ただ20のまなざしの場合演奏時間が長くなってる原因の多くはゆっくりな曲がとにかく遅くて長くなることなので弾く方としてはある意味楽だったり。
例外が6番で、速い・長い・音の密度が高い・音量高いという(特に20曲全部弾くには)困難がぎゅっと凝縮されてる曲。

この曲集を弾き始めて「これ全部弾くな」と思ったとき、自分が最初にしたのは20曲を大中小に分けることでした。難易度と長さのコンビネーションによる感覚的な分類で。確か:
小:1,2,3,4,7,8,9,16,19
中:5,11,12,14,17,18
大:6,10,13,15,20
みたいな感じだったかな。後で「これ違うな」ってのもありましたがこの分類を目安に小さい方から弾き進めてました。おかげで大を弾いてる頃にはメシアンの音楽言語や技巧が身についたのですが、でも20曲全部弾くんじゃなけりゃ中とか大から好きな曲を選んで必要に応じて小を足したりするのがいいんじゃないかな?となぜかアドバイスになってしまいました。
メシアンの作品全般、20のまなざしも「難しいんじゃない?」とよく言われますが難しいもん(上記「大」とか)はすごい難しいですがちょっと慣れが必要なだけど実際はそんなでもない良い曲が「中」あたりにあるのでオススメです。「小」は難しくないですし。

前も書いたと思うのですが20のまなざしで一番難しい曲は、というと6番と10番、その中でも10番と言う人に何人か出会ってるのですが、自分にとっては第6番が一番難しいです。というか「習得するのが難しい」が主なのかな。ものすごく音が多くて頭も指も苦労しながら全然最後にたどり着かないという。その掘り進めていく過程ものすごく楽しいんですけどね、大変です。
10番はでも「喜びの精霊のまなざし」というタイトルと曲の性質からして弾くときに「喜び」を爆発させる余裕を備えてないといけないってのはあるかな。

意外に苦戦してるのが8番15番。8番はもうまなざし始めて最初の年に弾き始めたし最短の曲でそんなに難しくない曲なのですが(鳥の鳴き声的なパッセージほとんどなんで特に鳥カタ弾いてると難しくないはず)どうも自分にとってはすごくビビりやすい曲だったり。明らかな不得意曲。
そして15番もそこそこ難しい曲だけどそれほどではないのに全然美しく聞こえてくれないのが悩み。静かな部分も喜びの部分も愛の表現もこの曲こそがメシアンの(20のまなざしの)真髄!みたいな音楽なので余計に悔しいんですよね。

曲集に20曲も入ってると好みや合う合わない、得意不得意もかなり出てくるのが面白い(なので全部弾かないにしても各々に合うの見つけてもっと弾かれるべきだと思いますし、色んな人の選曲をもっと見てみたい聴いてみたいです)。
私にとっての不得意は上記の通り8番と15番ですが得意は4,5,11,14,17,18,19番あたりかな。17番はなんだか特別な曲で得意って言っちゃうのはなんだかおこがましい気もするのですが、得意の意味でも好きの意味でも17,18,19番をセットで自分の十八番と言いたいです。本当に特別な曲。

そして第6番も難しい難しい言ってますが好きな曲で自分に合う曲で、脳の作業面では得意な曲だと思うのです。だから弾けるようになったら本当に自分に身につく、自分にとって大事なレパートリーの一部になるような気がして、というかほぼ確信になってます。なかなか音がごちゃごちゃ精度が上がらないのですが、自分の物にできるようになるのが楽しみです。

ということで20のまなざしに関する色々を止めどなく語ってしまいましたが、とにかくこの曲集を弾くこと、完成させることが今でも楽しみで。自分の弾く20のまなざしってどんな演奏になるんだろう。
もうちょっと他のレパートリーも考えて思い詰めすぎないようにしたいですが、今の演奏頻度だとなかなか・・・という面もあり。
なのでまだまだこれからもしばらくピアノといえばまなざしの話が続くと思いますが次回はもうちょっと進歩した段階から書けるよう弾く方も考えるほうも引き続き頑張りますぜー。


今日の一曲: オリヴィエ・メシアン 「幼子イエスに注ぐ20のまなざし」 第18曲「恐るべき塗油のまなざし」



第18番は前紹介したっけ?表記が曖昧だったりしたら検索しようがないので確認してないのですが。
第17番もものすごく特別な曲(自分にとって、そして音楽全般で)なのですが、18番にも同じくらい特別な物を感じます。前後の3曲セットとしての話はまた後でするのですが。

メシアンの音楽はいくつか性格・性質で分類できるのですがこの18番のまなざしは6番、10番、12番と似たようなパワー系。中でも「神の全能の力」を表す12番に似ています。
第18番が表すのは戦う神、雷を落とす神、神とその力に対する「畏れ」の表現。12番と比べて「畏れ」の要素が強いような気がします。

題材というかインスピレーションに新約聖書の「黙示録」があるというイメージから自分にとってはずっとfire and brimstones的なイメージがあって、実際降下する音型は雷よりももっと重い実体と硬さを持ったものが落ちてくるような感じ。ずっとff以上キープですから大変ですが(家ではちょっと力抜いてますが)どっかんどっかん弾くのはとっても楽しいですよ。

そしてこの曲の何が凄いってその無機質さ。最初と最後のリズムの逆行(とそのシンメトリー)や、繰り返されるトライトーン(=減五度の音程、オクターブの半分)の音型、全く同じに別の音から繰り返されるセクション、とにかく公式があってそれに違わず音楽が作られている。それがメシアンが人間ではなく「神」を表現するときの様式で(12番も似たような手法で書かれてる)、その完璧さにまた畏怖を感じます。

持論なのですが、先ほど書いた通りこの18番は神の畏れるべき「力」を、そして17番「沈黙のまなざし」は抽象的にしか表現し得ない神の「神秘」を、そして19番「我は眠っているが、私の魂はめざめている」では神の「愛」と三つの違った側面を描いていて、どれもちょっと抽象的なアングルから捕らえているのがまたバランスが良いと思うのです。ということで私にとってはこの3曲は揺るぎなきセットです(ついでながらセンターピースの18番の冒頭と最後がシンメトリーになってるのもちょうどいい)。

ということでいつかこの3曲も自分の演奏でお届けしたいのですがリンクはもちろんamazonから。このJoanna MacGregorってピアニスト、以前こっちで行った友人のコンサートで友人に紹介してもらってちょっとだけお話したのですがこの人も10番が一番難しいって言ってました。手もそんなに大きくなさそうでしたしやっぱ大変だよなー。


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Progress
1000エントリー目を迎えてからちょっとばかり間が開いてしまいました。
気候的には寒波が過ぎて過ごしやすくはなったものの、精神的には本格的に冬がどっと押し寄せてきた感じ。生活のテンポを落としてやっていけることに今年も感謝です。

そういうことがあったり、特別な事をしてないのもあって特に書くことがなくて間があいたわけですが。
スローになりながらも日常の諸々のことは続いています。

ただピアノはちょっと頻度が少なくなってます。お隣さんの車がガレージスペースにあったらお隣さんが家にいるということでピアノ弾くのを控えてるシステムで。最近仕事が少なめ時間で大丈夫なのでピアノ練習できるときは2時間半練習するようにしてるんですけど。弾けない日が続くとちょっと不安になるな。

2時間半は2時間よりも落ち着きが出ますね。20のまなざしは1時間練習するのと30分練習するのに分かれるのですが(6番とか10番とかが前者、大半は後者)、その30分で比較的弾けてる1曲を回しておくだけで練習の体感的に大分違います。うまく説明できてない気がしますが。

20のまなざしも6番・10番あたりがある程度弾けるようになると音量(&大音量での練習時間)もちょっとはましになるはずなんですよね。多分。弾けるようになりたい、はもちろんですがそういう意味でも今の困難を早く乗り越えたい。
どっちもパワー系の曲ですが10番はでも自分にとっては6番ほどは難しくないと思います(逆という人も何人か会いました)。10番は今の段階で全体像が見えるのですが6番は練習でも曲の終わりに届かず、とにかく情報量が多い。

昨日は2週ぶりのバレエレッスンでした。やっぱり火曜日(もひとつ上のレベルのビギナークラス)に代わりレッスン行ける時は行っといた方がいいですね。楽しいからというのもそうですが、やっぱり感覚とかすぐ忘れるし筋肉痛もなるし。火曜日のレッスンは先生に聞いてみたところ結構内容違うそうなのですが、もうなんかできなくて恥ずかしいとかないような気もするのでどんなもんか見てみたいです。あと当面の目標として目指すところを見るってのもありますね。

そんな昨日のハイライトはピルエットがもうちょっとだけちゃんと回れるようになったことかな。片足で回るあれです。最初は目線をなんとかする(体が回っても頭を前に残す)→上体を引き締めてバランスを取る→それから腕でアシストする(一度開いてまた閉じる)までは分かったのですが、それに加えて肩を下げたらなんだか回転がコントロールできるようになりました。バレエの他の要素でも思いますがバランスを取るって上体の使い方が大きくて、その働き方って結構意外なことが多いです。
(ただしこの話は右側に限った話で左は相も変わらずブレブレです)

そして例に漏れず「何が進まなくともゲームは進む」の法則でゲーム諸々も進んでいます。
三国志11では「女の戦い」シナリオ(PKシナリオ)クリア、無双7では猛将伝DLCシナリオを攻略中。DLCシナリオはクリア自体はそんなものすごく難しいものではないのですが「きれいに」クリアするのは難しいですし、登場武将も多いので遊びごたえあります。
あとメインのストーリーの補足的なエレメントもあって面白い。上達したいキャラクター数人に絞って使い勝手に慣れたりサブ武器決めたりじっくりプレイ中。

それから以前購入したElegy for a Dead Worldもたまにプレイしています。物書きのエクササイズ的に気軽に始めてみましたが、さまざまな文体や題材が用意されててやりこみ要素もあったり。もうちょっと遊んだら改めて紹介したいと思います。

ということで何の変哲もない普段の生活を書きましたが要するにあんまり日常のリズムを崩さず続けていかないとな、ということで。
もちろん外出もおっくうに思わず出かけたいと思います。


今日の一曲: ベンジャミン・ブリテン 「戦争レクイエム」より「Dies Irae」



前回ブリテンをやるといったのでブリテンを。戦争レクイエムを知るならまずDies Irae(怒りの日)からだと思うのでこれをチョイス。多分一番有名な部分なんじゃないかな。

ここでいう「Dies Irae」は最初のDies Iraeに始まりバリトンソロのあるBugles Sang→ソプラノソロのLiber Scriptus→テノール&バリトンのデュエットのOut There→女声合唱のRecodare→男声合唱のConfutatis Maledictis→バリトンソロのBe slowly lifted up→クライマックスのDies Irae→ ソプラノソロのLacrimosa&テノールソロのMove him into the sun→コーダの一連の楽章をまとめて言います。こう書くと長そうですが、各部分はそんなに長くなくキャラクターも様々で、暗いなかでもドラマチックな展開に転がされるように聴けます。

ただやっぱり印象が強いのは7拍子のDies Irae。聴いたらそれとすぐ分かるリズムで刻まれる怒りの日の歌も印象的だし、世界の終わりのトランペットを表す金管楽器の掛け合いもかっこいい。その2つさえ頭の中に刻んでおけば、この曲の中にのめり込んでさらに楽しく聴けること間違いなし。

特徴的なリズムが刺さるのはDies Iraeの7拍子だけでなく、後のConfutatis Maledictisの5拍子(そしてその次のBe slowly lifted upのティンパニの5つの音)もそうですね。ここのリズムは1+4拍子構成になっていて。Dies Iraeもそうですが、その独特なリズムを「普通に」戻すとメロディーがグレゴリオ聖歌みたいになるんですよね。リズムを変えるだけで全くあたらしい(そしてどこか別の意味で禍々しい)ものになるのが面白い。

一聴しただけだと難しい曲に思えるのですが、合唱のパートやソロのパート(あと楽器のパートも)を一緒に歌えるようになると聴くのが何倍も楽しくなる曲だということは強調しておきたいです。Dies Iraeに限らず、「戦争レクイエム」全体もそう。ラテン語部分は他のレクイエムと共通ですし、英語部分もそんなに難しくはないはずなので歌詞まで歌っちゃいましょうぜ。

「戦争レクイエム」はその題材やメッセージからシリアスで重いイメージはありますが、普段聴いても、楽章毎に聴いても楽しめる&盛り上がれる曲です。以前弾き手として人が死ぬとこは大体弾いてて楽しいみたいな話を書いた覚えがありますが、そういうネガティブなところがある音楽で心の底まで楽しむことも素晴らしいことなのです。
なのでもちろん曲に込められたメッセージも大事なのですが、なにより音楽そのものを楽しもう、と思うのです。音楽そのものも素晴らしいからこそなんで。
「戦争レクイエム」の音楽の良さをもっと広く知らしめるには多分その「メッセージから分けて考える」ことが一つの鍵なんじゃないかな。

戦争レクイエムは意外とようつべで全曲1つの動画にまとめられてる演奏動画がいくつかみつかってますが(1時間超えのがそう)、やっぱりここでリンクするのはブリテン指揮・ピアーズがテノールを歌ってる録音。コンサートでは生で色んな演奏を聴きたいですが、手元において日常で聴きたいのはやっぱりこれなのです。

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メル響コンサート「Britten's War Requiem」感想。
祝!1000エントリー目!(あくまでも数字の上ですが)
今回のエントリーは昨日行ったコンサートの感想ですが、今回聴きに行ったブリテンの「戦争レクイエム」はこのブログを始めた5年前にも聴きに行って感想書いてるんですよね。そんなに経ってるのか。実際前回聴きにいったのもうちょっと最近だと思ってたんですが。

さて、今回のメル響のブリテン「戦争レクイエム」の演奏は首席指揮者Sir Andrew Davisの指揮で、ブリテンが当初指示したようにソプラノがロシア人、テノールがイギリス人、バリトンがドイツ人の歌手による演奏でした。前回も書いてると思うのですが(もちろん歌ってて言語に訛りとかが出るわけではないのに)それぞれの国の歌手のスタイルにパートがぴったり合うように書かれてるのが不思議。

プログラム詳細は以下の通り。
Britten's War Requiem
指揮者:Sir Andrew Davis
フレデリック・シプティマス・ケリー 弦楽のためのエレジー(ルパート・ブルックの思い出に)
ベンジャミン・ブリテン 戦争レクイエム
(ソプラノ:Tatiana Pavlovskaya、テノール:Ian Bostridge、バリトン:Dietrich Henschel、Melbourne Symphony Orchestra Chorus、National Boys Choir of Australia)

そうなんです。今回演奏されたのは戦争レクイエムだけではなくもう一曲第一次世界大戦に縁の深い曲を。ケリーのエレジーは去年弾いたコンサートでも演奏された曲なのですがちゃんと聴くのは初めて。ケリーはオーストラリア生まれの作曲家ですが、イギリスに渡って1908年のオリンピックではイギリス代表としてボート競技でメダルを獲った人(なので豪・英どっちもで表記されることが多いです)。第一次世界大戦に際しガリポリ作戦(オーストラリア軍によるトルコ上陸)に向けてギリシャに滞在した時に詩人ルパート・ブルックの葬儀に参加したのをきっかけに書かれたそうです。

プログラムにも説明があったようにこの曲はどことなくギリシャの雰囲気がするのがとても美しいです。ヴォーン=ウィリアムズに似た、でももっと素朴なまごうことないイギリス音楽のスタイルの中で最初のメロディーの音階とか平行和音の使い方とか(ドビュッシーの前奏曲にあるような)や、ギリシャの海を思わせるような音型だったり。ありふれたようでありふれてない、特別な場所にひっそりと咲いてる曲でした。メル響の弦の音も美しかったですしやっぱハープの存在感素敵すぎる。

さてメインディッシュの戦争レクイエム。曲自体も難しく、オケ(大オケ+小オケ)・ソリスト・合唱・児童合唱(小オルガン付)という大きく複雑な編成のため実際に演奏するのがとても大変そう。
今回はHamer Hallでのコンサートでしたが、オケ・小オケ・ソリスト3人はステージ上、合唱はステージ上+ステージ両脇の席、そして児童合唱と小オルガンはなんと(私が座ってた)上バルコニーの後ろ側にいました。もちろん指揮者が見えるようステージを映したモニター使用です。

そんなわけでバランスとかアンサンブルの細かいずれとかはどうしても避けることができないのですが、全体的にとてもパワフルで素晴らしい演奏でした。
各クライマックス部分でのスケールはほんと生で聴いてよかった!と思いましたね。合唱の声の圧みたいなものがこの曲で存分に味わえて。
(ただ合唱に関してはConfutatis Maledictisの所で最初のCが聞こえなかったり(今日のラジオ放送でも同じく)発音関係でのふわふわしてた部分があったのがちと残念。)

今回一番すごい!とおもったのが児童合唱でした。この曲の児童合唱のパート(特に入り!)ってかなり難しいはずなのですが果敢に入り綺麗に歌っていました。特に最後のParadisumの部分は明るすぎない絶妙な色彩でよかった-。

演奏全体としては比較的ざくざく進む感じで、Agnus Deiがちょっと落ち着かない感じだったのですが(今日のラジオ放送の演奏はよかったです)、Libera Meの最後のクライマックスをかなり引き延ばしたのがものすごく効果的でした。ああいうクライマックスがもっと聴きたい。

ブリテンの戦争レクイエムは生できくとかなりがっつりメンタルにくるのですが、それでもやっぱり好きな曲です。全楽章あますことなく、全ての音が好き。昨日のコンサートではDies Iraeのクライマックスの和音の変化一つ一つがもう愛しくてたまりませんでした。
そして自分の気持ちとはまた別に戦争レクイエムは20世紀の偉大な音楽の一つだと思うのです。・・・と思ってたら今日のラジオ放送でショスタコーヴィチも同じことを言ってたと説明がありました。ショスタコもこの曲を聴いたってこともなんか嬉しいですね。

次にこの曲を生で聴くのはまた5年先になるかな。また聴きに行くのを楽しみにしています。
そしてメル響は来週マーラー4。曲自体も楽しみですが母校の先輩Jacqui Porterの歌声を聴くのも楽しみ。そしてさらにチェロレパートリーの中で最難と言われるプロコフィエフのSinfonie-Concertanteも聴けるとはわくわくですよ。

さて、メンタルにも本格的に冬が来ていますが無理せずぼちぼち行きたいと思います。


今日の一曲はお休み。戦争レクイエム・・・はどの楽章紹介したかな。とにかく一つ選んで次回に。


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カウントダウンafterや魅惑のデザートや
前回のエントリーに拍手どうもです~

寒いです。冬なので当たり前なのですが。寒さでちょっと喉やら胃やら怪しいのでお医者さんに行ったほうがいいのか。

寒いのもそうですがピアノが弾けない日(=隣の人が在宅の時)があったり家の周りでなんかいろいろ作業やってたりでそこそこストレスが溜まる日々だったりします。作業に関してはマレーシア行く前に別の工事やってた頃からほぼ切れ目なく続いてますからねー。パーソナルスペースというかテリトリーの感覚がどうも狂いっぱなし。

そうそう、先週末に豪ABC Classic FMで放送されていたカウントダウン100「Swoon」、101位から200位までのランキングも発表されましたよ。こんなラインアップになっている様子。
こっちのリストのほうがテンションが上がるというか共感度が高いというか。「あーこれいいよなー入っててよかった-」と思うことが本当に多い。さすがにメインの方は目(耳)が厳しくなってしまいますし、メジャーから一歩さがったところにある曲の方が好きなのが多いので毎年101位~200位のリストを楽しみにしています。トップ100には票数でかなわなかったとはいえ音楽の質としては全然負けてない曲ばかりなのでこっちの曲もオススメです。

ちなみに私が投票した10曲の中で101位~200位の中に入ったのはラフマニノフの交響曲第2番(第3楽章が102位、マーラーの交響曲第2番(第4楽章)が136位、そしてメシアンの「時の終わりのための四重奏曲」(第5楽章)が198位。メシアンぎりぎり嬉しい!そしてラフマニノフもぎりぎり惜しかった。
こちらのリストの方がバラエティに富んでるんですよね。Hildegarde von Bingenみたいな古音楽から20世紀の音楽まで色々入ってます。
あと注目すべきはWestlakeのMissa SolisとCompassionがランクインしてるとこ。オーストラリアの作品全般そうですがスタンダードレパートリー(演奏はもちろんですが何より聴く方で)として定着するといいな。

さて、昨日は田舎に住んでる友人がこっちに遊びに来てたので夕飯にみんな集まりました。
ちびさんにトウシューズ(10歳の時にちょっと使ってたの)を見せてあげたりなんだり。
ご飯には魚介のパスタを食べたのですが(貝が多くてちょっと食べにくいながらも)おいしかったです。テナガエビおいしかったー。

で、デザートも(友人とシェアで)いただいたのですが、これが初めましての面白いデザートで。
メニューにはAlaska BombeとあったのですがBaked AlaskaとかBaked Bombeとかいう名前でも呼ばれる、アイスクリームが焼きメレンゲに包まれているデザート。
メレンゲにはちゃんと火通ってるしアイスクリームをぴったり包んでるからどうやって作ってるのか不思議だったのですが、オーブンでさっと焼くことでメレンゲの断熱効果によりアイスクリームが溶けないそう。(あとでフランベするときも同じく)
かなりおいしかったです。今回バニラアイスでしたが検索すると他の味のアイスで作るレシピもあり、バリエーションも面白そう。

それから夏のAngleseaに続き冬の小旅行にいこうという話にもなりました。モーニントン半島はSorrento、冬空いてる時期に2日ゆっくりしようとの魂胆で。ボードゲームやったり、上記Alaska bombeを作ったり、あとあそこは近くに温泉(Peninsula Speings)があったり。あそこは是非行きたいと思ってたのですよ。すでにもう企画が始まってるようなのでとりあえずわくわくしておきます。

明日はメル響によるブリテン「戦争レクイエム」のコンサートを聴きに行きます。その次の日(金曜日)の公演は豪ABCで放送されるそうです(日本時間午後7時から)。多分次回のエントリーでコンサートの感想を書いてるときですね。いいコンサートになるといいな。

今日の一曲は101位~200位から。


ヨハネス・ブラームス バイオリン協奏曲 第2楽章



惜しくもトップ100を逃した101位がこの曲でした。ブラームスも交響曲とか室内楽しか普段扱わない(ここで紹介することだけに限らず)のでこういう機会は最大限に活用しなければ。
ブラームスの協奏曲やソナタなどが劣ってるとか自分が好きじゃないとかそういうことではなくて、室内楽とか交響曲のほうが肌に馴染みやすいところがあってついつい他のジャンルをないがしろにしてしまい。

このバイオリン協奏曲もそういう感じで今まで言及しそびれてきた曲であります。協奏曲というフォーマットではありますが中身のぎっしりつまってる感じは交響曲に匹敵するくらいで(ブラームスのピアノ協奏曲も同じく)、聴き応えはもうすごいです。特に第1楽章。
ブラームスはベートーヴェンを意識しリスペクトして様々な要素を受け継いでいますが、協奏曲のこのみっちりさもその一つなんじゃないかな。

さて第2楽章。ブラームスのロマンチックさ、子守歌のような暖かさを備えながら全体的にはなんだか硬派な印象を受ける曲です。飾りの少ないバイオリンの歌い上げるメロディー、そしてシンプルながらもしっかりと支え音楽を作り上げるオケにもさりげないストイックさがあります。
でもやっぱり主として伝わってくるのは日の光のような柔らかい暖かさなんですよね。

先ほどストイックと言いましたがこの協奏曲のバイオリンのソロパートって他の楽章も派手に技巧を披露するようなものもなくて、表現とかキャラクターの幅もものすごく多彩って感じではなく、バイオリンの魅力を存分に味わえるというとはちょっと違うような気がするのですが。
でも自分にとってはこのブラームスのバイオリン協奏曲は「バイオリン協奏曲の中のバイオリン協奏曲」みたいなポジションにあります。バイオリンの精神的なものというか、ここに「真理」があるような気がして。宗教音楽ではないですが精神は近い。要するに真面目なんですがそれが特別でそれがいい。バイオリン協奏曲も数あれどこういう曲はなかなかないです。
この第2楽章もバイオリン協奏曲のアダージョ(ゆっくりな)楽章の神髄みたいなものがあるような、そういう風に思っています。

(そしてそんなブラームスがチェロ協奏曲を書いたらよかったのになーどんな風になっただろうなーとため息をつかずには居られないのが元チェリストの性だったり。室内楽とは違うブラームスのチェロが味わいたかった!)

リンクしたのは手持ちの録音。ストイックでロマンチックなブラームスにまた違う意味でintenseで情熱的なハチャトゥリアンの面白いコンビ技。バイオリン協奏曲は違う作曲家による2曲を組み合わせてるCDも色々あって、組み合わせの妙もちょっとした楽しみです。


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豪ABC Classic FMカウントダウン「Swoon」聴了!
前回のエントリーに拍手ありがとうございます。

メルボルンは今週末は連休で(女王様の誕生日なのです)隣に住んでる人もずっと家にいたようでピアノが出来ず。仕事も何日も続く規模の案件なのでなかなか頭が落ち着かなく。

そんな中で楽しみだったのが毎年恒例の豪ABC Classic FMによるカウントダウンの放送。金曜日から今日まで100曲(単一楽章だったり全曲だったり)を4日にわたって放送されました。
今年のテーマは「Swoon」。心をここではないどこかに持って行く、時が止まるような感覚に陥る恍惚の音楽。とはいえどう説明してもどっか違う感は否めないのでとりあえず投票時のエントリーであーでもないこーでもないした痕跡にリンクしておきます。ついでに私が投票した10曲もそちらに。

さて、全体の結果は豪ABCのこちらにありますが10位までここに引用します。
10位 トマゾ・アルビノーニ アダージョ ト短調
9位 ガブリエル・フォーレ レクイエム
8位 エンニオ・モリコーネ 映画「ミッション」のサウンドトラック
7位 エドワード・エルガー エニグマ変奏曲
6位 ジュール・マスネ 「タイス」 
5位 グレゴリオ・アレグリ 「ミゼレーレ」
4位 アルヴォ・ペルト 「Spiegel im Spiegel」
3位 サミュエル・バーバー 弦楽のためのアダージョ(アニュス・デイ)
2位 ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト クラリネット協奏曲
1位 レイフ・ヴォーン=ウィリアムズ 「揚げひばり」

毎年カウントダウンのトップ10は賛否両論なのですが今回は自分の中だけでもなんだか複雑な気持ちになるラインアップでした。わかるにはわかるけどトップ10!?みたいな。入ってこなかった曲を思ってうーんと頭をひねる感はあります。ラフマニノフとかショパンとかどこいったー。
でもやっぱりすごく美しいし確かにswoonだもんなあ、と納得せざるを得ない。

ちなみにミニデータ(なんちゃって)。
私が投票したうちで100位以内に入ったのはアルヴォ・ペルト 「Cantus in Memoriam Benjamin Britten」(57位)と リヒャルト・ワーグナー 「トリスタンとイゾルデ」より「前奏曲と愛の死」(50位)のみ。
オーストラリアの作品はSculthorpeのSmall Townと小組曲、ロス・エドワーズのDawn Mantras、Kats-Cherninの「Wild Swans」組曲、Westlakeの南極組曲、と概ねおなじみのラインアップ。
ジャンルで言うと声楽、特にオペラが多かったですね。合唱曲・歌曲も合わせるとかなりの数になるはず。

今回のカウントダウンのテーマは時代・国・楽器など特定の要素でくくるのではなく「Swoon」という割とふわっとした、個人の主観がかなり強く作用するようなテーマでしたが、それが投票やカウントダウンの納得にちょっと難儀するところもありながら結果面白い展開にもなりました。
カウントダウン放送中のTwitterハッシュタグをちょっと覗いてみると「これは自分にとってはswoonとは違うなー」とか「swoonの意味をもう一度考えさせられた」とか、一人一人の音楽の感じ方と思いの違いをこのテーマを通じて知り考えるきっかけになったり。
音楽の美しさの様々な形を味わったような気がします。

それから同じくTwitterのハッシュタグで面白かったのがリスナーさんたちの「Swoonのお供」。子供と聞いたり、温かい飲み物を入れたり、料理を作ったり、家にラジオがなくて車の中で聞いたり、好きな曲が続くからトイレ休憩にも立てなかったり。病気で療養中の人も居たり、犬猫も一緒にswoonを味わったり。「音楽に聴き惚れて週末の家事とかが全然片付かない!」というツイートも多かったです。みんながそれぞれ音楽の楽しみ方を共有してたのが興味深くて見て楽しかったです。
そういう音楽の聴き方、楽しみ方を引き出すのにもこういうテーマはよかったのかな。美しい音楽だからこそ味わい方にもこだわりが出てくる。

さらにラジオ放送の解説を見たりツイートの感想を見たりしてると音楽の美しさを表すボキャブラリーの多彩さも面白いです。Bliss(ful)、Heaven(ly)、Delight(ful)、Ecstatic、Divine、Orgasmic、などなど。こういう言葉が引き出されるのもこのテーマの音楽がなせる技。私もボキャブラリーを広げて磨かなければ。

ということでこんな曲ももっと上に入ってほしいなーと際限なく重いながら来年のテーマはなにかなーと早すぎる期待に胸をちょっとふくらませ。
あと101位から200位のリストも発表されないかな?毎年リストがざっと出るし、あと豪ABC Classic FMの朝のプログラムで小出ししていくようなことも言ってたのですが。

カウントダウン自体はABCのサイト(ここが最終日で下の方にいくつかに分かれてて、他の日へのリンクもあり)でもう一度聴けるようですし、ABC Classic 2(ネットラジオ)でも何回か再放送される様子です。

今日の一曲はトップ10からチョイス。


今日の一曲: サミュエル・バーバー 弦楽のためのアダージョ



正直この曲が3位になるとは思ってませんでした。確かに有名だし美しいけどあんな曲を押しのけてそんな曲と肩を並べるとは。

映画「プラトーン」に使われて有名になったこの曲。映画に使われた、ということだけでなくその使い方があまりにもツボにはまってて映画のシーンも音楽のシーンも相乗効果で強烈な印象になった例。こんなに強烈なケースって珍しいんじゃないかな。

以前書いたかな、私はこの曲あんまり好きじゃないんですよね。あれな理由ですが、とにかく悲痛すぎる音楽なので。あとその悲痛さがゆっくりのテンポで引き延ばされて一種の拷問に感じるので。
(ただこのゆっくりのテンポでの悲痛に耐えられないといいながらこの曲の合唱版である「アニュス・デイ」を聴くと息の都合上しょうがないとはいえ「速いなあ」と思ったりするんでもう理不尽なのは重々承知なのですが)

あと弾くにしても大変な曲です。弦楽器にとってフラットが多い曲は音程・和音の調整が難しく、長い音は弓のコントロールが難しく、弱音のコントロールもなかなかしんどい。最初の方はひたすら音量を抑えないとクライマックスが盛り上がらないですからね。そしてクライマックスで一旦静寂を挟んでからのエントリーのしんどさったら。

なので自分にとってはいろんな意味で鬼門な感がぬぐえない曲なのですが、弦楽オケのための作品ではトップクラス、そしてその悲愴な美しさは聴く人を別世界に突き落とし、時間と空間を止める正にswoon。
弱音まで聞こえる静かな場所でゆったりとした姿勢でその美しさと悲しさをがっつりかぶるような聴き方でどうぞ。

リンクはバーンスタインの指揮。なぜか惑星と威風堂々第1番のイギリス音楽との謎カップリング。どんなになってるんだろう。


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