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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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The Australian Ballet 「Houston Ballet's Romeo and Juliet」感想
一昨日行ってから昨日感想書こうと思ってすっかり忘れてました。
今夜はマーラー6番なのでその前に書いておかなきゃ。

ということで今年1回目のバレエ観劇。ヒューストンバレエのロミオとジュリエットのプロダクションをThe Australian Balletが踊る、というシステムで良いんですかね。バレエの世界は色々難しい。ヒューストンバレエのダンサーさんたちも踊ってたみたいでした(キャストの書いてある紙によると)。

まずオケは頑張ってました。管楽器がちょこちょこ残念なとこあったのですが弦楽器はなかなか。あの弦パートは鬼のように難しいですからね。特にチェロのセクションソロで難しいとこしっかりなってたので嬉しかった。

舞台の上は面白かったです。コミカルなパートがいちいち細かくて面白かったり、バレエなんだけど演劇的なエレメントも多く。作品の性質上その方が面白いのかも。各登場人物の演技が生き生きしてて(特に助演級)、恋人・身内を殺されたときの女性登場人物のリアクションとか見所がぎゅっと詰まってました。

個々のキャラクターの魅力ももちろんでしたが(マキューシオの死は悲しかった!色んな意味で&いろんなところで全部持ってくな彼は!)、一番印象に残ったのがキャピュレット家のダンスパーティーの「騎士たちの踊り」でした。振り付けはシンプルんだけど一つ一つの動きと集団とフォーメーションがかっこよくて。
ちなみにようつべで探したらちょうどヒューストンバレエ自身の公演でちょうどそのシーンが見つかりました。こちら。やっぱここかっこいいよなー。

そしてロミジュリは音楽が素晴らしいバレエ、そして舞台と音楽がシンクロするバレエと言われますがむしろその実態は「作曲家が振り付け師と演出家の首根っこ掴んでる」に近いのかも。
音楽によってシーンの移り変わりやどの登場人物が前に出てくるべきか、さらには振り付けのステップとかまで濃く影響を与えてるような気がひしひしと。
だからこそ音楽だけでも成り立つんだろうなあ(実際プロコフィエフは自分でバレエをオケ用・ピアノ用に編曲してます)。

そういうこともあって舞台で細かいところが見えなくても(バルコニーでしたが見えました、新しい眼鏡万歳)音楽が補完してくれる、という意味でも伝統的にキャラクターのグループが色分けされてる(キャピュレットは赤、モンタギューは青、大公関係は金&白)という意味でも、そしてストーリーがシンプルかつよく知られているという意味でも初めてのバレエにもってこいの作品かもしれません、ロミジュリ。
(プラス前述の個々のキャラクターの表現の魅力と音楽の良さも)

バレエは次は9月のニジンスキー。今度はもうちょっとお金を使って良い席で見るぞ-。
実はその時期に弾く方のオケの予定も入っててばたばたしそうですが見逃せない!
オケの方のお知らせはまた今度に。


今日の一曲: セルゲイ・プロコフィエフ 「ロミオとジュリエット」第2組曲より「モンタギュー家とキャピュレット家」



日本でもこの曲はCMやなんかでも多用されててこのバレエの中で突出して有名な曲ですね。
さっき書いてた「騎士たちの踊り」は組曲版ではこのタイトルになってます。
舞台では貴族の大人達が踊る荘厳さなのですがタイトル一つで敵対と闇が強調されるというからくり。

この曲をかっこよく聞かせるポイントはリズム。しっかり音の長さを3:1にしなきゃ曲全体がだれてしまう。学校やユースでもやりましたがこのリズムをしっかりするだけで印象は変わります。
あとはチェロ・コントラバス・トロンボーン・テューバ・ティンパニあたりの低音楽器の活躍でダークさが増すのも楽しいところ。

あとは再現部でちょっと注目したいのが(フランスとかアメリカの音楽以外では)珍しいサキソフォンのソロ。短いですが特徴的。

そしてなぜ今回バレエ版じゃなくて組曲版にしたかというと・・・チェレスタがいるから。
バレエだと前半と後半の間にちょっと短いシーンが入るのですが、組曲版だとジュリエットのソロのバリエーションを一部借りて中間部にしてます。チェレスタはちょっとしたソロなのですがジュリエットの心の中の迷いを表す様にバレエの要所要所で出てくる、小さいながらもオイシイパートだと思います。

プロコのロミジュリはバレエ版の他にピアノ組曲版とオケ組曲版が3つあるのですが、オケのコンサートで弾くにはプロコフィエフが集めてくれた組曲じゃなくて3つの組曲から曲をpick & mixすることが多いです。それだけ聴き所が多いバレエ。
組曲版から始めるのもいいですが、バレエ版しかない聴き所もたくさんありますし、舞台の踊りと合わせてさらに楽しめる所もありますので。バレエ観劇オススメです。

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