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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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Doctor Says (認知行動療法の基本の一部)
今日は3ヶ月ぶりに精神医とのアポでした。
調子が悪いときは毎週とかなのですが、随分と間が開けられるようになりました。
ただ間があくと調子が良いのであんまり話すこともなく、間があくといつからだったっけ、とかちょっと前に調子が一時的に悪かったとかで逆にしゃべるのが難しく。
まあ、いいことではあるのですが。

とりあえずは私の自分の学習のためもかねてリクエストでこないだ調子悪かった時の話をケーススタディとしてもう一回ドクターのアプローチについてちょっと復習、と行った形でお話させてもらいました。

以前も書いた記憶があるのですが、私の精神医はいわゆる認知行動療法というアプローチを得意としていまして。
その広くて多少不明瞭なエリアの中でも私の治療のフォーカスだったのが自己モニタリング+認識した今の自分にとって「正しいこと」を行動に移す、という側面です。

ものすごく基本的なことで、慣れれば自然なことなのですが、それでもきちんと実行に移すにはちゃんとした真摯なアプローチが必要で。
メンタルヘルスだけでなく身体の病気の管理、さらには健常者が心身ともに健康でいるための健康管理にも普遍的に応用できる基本コンセプトなのでなんとかまとめられれば、と今日なんとかチャレンジしてみます。
以前のエントリーの内容とかぶってしまったらすみません。

自分の状態を把握する。
簡単なことのようで案外難しいことですね。完全にそこをミスった私の数週間前ですが、私だけじゃ・・・ないですよね。いろんな病気の話を聞く度に思いますが。
例えば鬱に関しての自己モニタリングで一番わかりやすいバロメーターは感情でしょうか。
気分がふさぎ込んでいたり、辛く感じたり・・・
思考もまた大きい要素です。非論理的なネガティブ思考や自殺願望など。
そして行動。友達と会わなくなってたり、趣味に時間を費やすことが極端にすくなくなったり。

自分の状態を把握する場合、持病を持っている方はもちろん病気の典型的な症状を知識として把握することが前提ですね。チェックリストのように自分を評価したときいくつか当てはまってたりしたら警告として捉えるべき、など。
あとは特に精神疾患では「自分の症状」を知ることも大切ですね。例えば不眠はうつの主な症状の一つですが、過眠傾向になる人も珍しくありません。自分が調子がわるくなるときはこうなる、というパターンを理解するには自己モニタリングを継続して経験から学ぶしか術がありません。

健常者の方で一番わかりやすいのは飲酒関連でしょうか。
どれくらい自分が普段飲めるか、今週休肝日をつくったか、今自分は真っ直ぐ歩けているか、風邪気味ではないか、薬を服用していないか、どうやって家に帰るか・・・などを考慮していつお酒をストップするか、そもそも今夜は飲むべきか決める・・・そういうことです。

あとは私の精神医が私の治療で活用したのは「表現活動」です。
音楽と創作にかなり心を注いでいることもあって、例えばいつもより練習量が減っていないか、表現活動から遠ざかっていないかというのももちろんですが弾く曲や弾き方、書く物の内容にどう自分の状態が反映されているかということにも目を向けてみるよう説いていました。

ただ精神疾患の影響を受けている状態(そして酔っぱらっている状態)では思考能力がダウンしているので、正確に評価すること、そして評価したうえで判断することに支障がでることが大変多いです。
なのでそういった状態に変わってもなるべく気づけるよう自己モニタリングを健康な時も怠らず、さらに専門家の診断での評価だったり周りの人だったりにも同じように「気をつけていてもらう」という形のモニタリングとの併用で確実さは増します。

自己モニタリングは治療にも大きなメリットがあります。
例えばお医者さんが自分の事を分かってくれてない、と思った時はお医者さんの理解態度に問題があるか、それとも自分が自分の状態を十分に表現できてないことでコミュニケーションに問題が起こっていると考えて良いと思います。自己モニタリングによりどっち側に問題があるかに関してヒントが表れる可能性もありますし、自己モニタリングすることで自分の状態を把握し表現することの助けにもなりますから。
専門家と患者さんの関係についてはまた別の長い話なのでここでは割愛させていただきます。

「認知行動療法」なのでいままで話した「認知」だけではなく「行動」ももちろん必要です。
そういえばこないだ自己モニタリングについての論文で自己状態の認知だけでなくその認知したことにたいして行動をとることも自己モニタリング尺度に含めるべきだ、という文を読みましたが。
私の精神医は今の私には認知はここ数年の努力からわりとナチュラルに来ているので行動をついていかせることが大切、といっています。

自分が調子が悪いことを認知して。
次に考えるべきは「自分はこの状態を改善させるため、または極力悪化させないためになにをすればいいのか」ということですね。
数週間前の私だと一歩立ち止まって自分の状態を確認して、これ以上勉強やら家事やらピアノとかやるのではなく自分には休憩が必要なんだと認識して、実際になにもせず休む時間を意識して作る=行動ですね。

またはそうやって状態が悪くならないようにあることをする・あることを避けることも行動です。
全般的な健康管理であれば健康な食事・運動プラス定期的に健康診断にいく、など。飲酒関連であればあらかじめ飲む量を決める、休肝日を作る、など。
精神疾患の場合は先ほど話した症状の知識としての把握だったり、専門家や周りとのコミュニケーション、理解を図ったり。
何かあったときの行動を健康なうちに決めておくのもまた備えの行動ですしね。

自分は今どんな状態にあって、なにが必要なのか。
それを理解し実行する努力を日常にとりいれることで、いつか努力は自然になり、自分の状態に振り回さることも少なくなり常時変化する自分の状態、自分の存在、そして自分の病気と割とリラックスしておつきあいすることができるのではないか、ということを私の精神医は何年もの治療の中で私に教えてくれたと思っています。


今日の一曲: Daniel Nelson "Metallephonic"より第3楽章 "Alum"


MusicPage動画(2005年 Melbourne International Brass FestivalにてOystein Baadsvik、Mark Shiell指揮Melbourne New Orchestra演奏)
(ちなみに動画はこの第3楽章の前に第2楽章が入ってます。)


最近再熱した曲なんですけど、実際どのくらいの人がこの曲を知ってるかがまったく分かりません。
テューバソロ+オケ+エレキ&ベースギターという編成の曲でほとんどのテューバ曲と同じくかなーりマイナーな分類に入ると思うのですが・・・

そもそもなぜピアニストの私がこの曲を知っているかというと・・・上に貼り付けてあるリンクの動画の演奏で弾いていたからなのです(汗)
自分が出てる動画(しかもピアノでなくチェロ)を貼り付けるのいやだったんですけどなんせこれしか録音がない!(で、このときのソリストが録音しているにはしてるんですけど、リミックスバージョンなるものでちょーっと違うんですよね)

そもそもMetallephonicは音楽自体の魅力もあるのですがそれ以外の魅力もあって。
Metallephonicの7つの楽章はIron, Arsenic, Alum, Mercury, Lead, White Arsenic, Steelとなっていて、楽譜にはなにやらシンボルが。
これらは現代科学の元素・化合物の話ではなく錬金術の話なんですね。

Alum=アルミニウム。
薄く軽く光沢がある状態で使われることが多い、わりと人間の生活には新しい(ナポレオンの時代でしたっけ?)金属。
テューバというイメージとしては重たい楽器が(実際色々重たいのですが)羽ばたきます!
オケの軽い、ちょっぴりcatchyな気まぐれなようでメカニカルなリズムとところどころのエレキのアクセントに、テューバの超絶技巧。
ホルストの「惑星」の「水星」にけっこう似たイメージがあるのです。

もうAlumという言葉を思っただけでこの曲がぱっと頭の中に流れるほどノリの良い、軽くも引力の強い音楽。
テューバという楽器のちょっとびっくりする能力、エレキとオケの意外な調和、そしてなんといってもリズムの魅力が半端じゃない!

いろいろとこの曲集にインスパイアされたものは最近ちょこちょこあって・・・
メジャーになっては欲しくないけれど、密かにもうちょっと知られて欲しいな、と思います。
音楽もイメージもなかなか分かりやすいですので、こちらから他の楽章も聴いていただけると嬉しいです♪
演奏の質の方はちょっと寄せ集め的なオケだったのであれなのですが、曲はいいですよ!(笑)


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