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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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楽器と性格、最後の楽器&エピローグとしての雑記
前回のエントリーに拍手ありがとうございます~

今回はそろそろ締めといきましょうか、ということで楽器と性格のラスト、ピアノについての話です。

恒例のおことわり:
1)これらの性格分析は私個人の観察と楽器の特性から導き出したものです。
2)あんまり真剣にとらないでいただけると嬉しいです。それなりに分析はしてますが、とりあえずネタということで。
3)メルボルン発データなので環境要因があると思われ日本人の場合どうなっているかは未知です。
4)個人攻撃、誹謗中傷は全く意図していません。

ただバイオリンの時に書いたように「弾いてる人口と楽器に出会う機会が桁外れに多いのと、それから本人の意思以外のきっかけで始めることが多い」ことからステレオタイプ化するには向いてない、というかなにやっても過度にgeneralizedになってしまうのですよね。
でもやっぱり他の楽器と同じく、ピアノをある程度続けられる、というのにはある程度性格の向き不向きや、楽器と向き合い続けることにより生じる性格の変化も多少なりともあると思うんです。(全くない、というのはあると思えないんですよね)

ピアノは基本一人の楽器です。そのレパートリーも演奏形態もソロがかなり大きな部分を占め、ステージに立つときにも練習においても無伴奏・独りであることが圧倒的に多く。
しかも練習量がダントツで多いので独りでいる時間が本当に多いです。大学だとピアニストはいっつも練習室にこもってる、といわれるのですが間違ってませんよそのイメージ(汗)
で、独りだから全部自分で負わなくちゃいけないわけです。一つの曲の音を全部弾かなくちゃいけないし、独りで音楽を創り上げることが求められる。(室内楽でもピアノが弾く音は他の楽器全てを足したよりも多いですし、割と音楽的な解釈とかアンサンブルを仕切るとかでもピアノが負う責任は大きいです)

それを踏まえて傾向みたいなものを観察する、となると・・・ピアニストはわりと自立した性格、といえるかな。
例えば女の子でボーイフレンドにべたべたで頼りっきり、というピアノの子はかなり少ない気がするんですよね。
それから基本スタンスとしては自分は自分、他人は他人、と割り切れるタイプかな。数々の巨匠や自分の周りの奏者から影響を受けても自分の音楽を作る事に対する態度ははっきりしている印象があります。

あとは技巧などに求める「完璧さ」だったり他の楽器よりも多い練習量と関連して「努力」、「忍耐」、それからそうやって音楽を詰めていく過程でピアノで特に求められる「分析する頭脳」とか・・・?

室内楽や歌曲、伴奏などにおいてピアニストの弾く楽譜には自分の弾く音だけでなく他の人が弾くパートも記されています。つまり指揮者と同じく音楽の全体像を常に把握している、ということで。
なので、といいますかピアニストは仕切り役、ツッコミ役に回ることが多いのと、それから何でも自分でやったほうが安心するというか、すくなくとも何が起こってるか自分で一通り知ってないと不安になるようなところがあるのでは、と。
ツッコミ役、ということに関しては音楽の全体像を把握しながらこれまでに書いてきたように色々キャラの強い楽器をまとめたり、引き立てたり、生かしたり全体の流れをコントロールしたり、そういうところがやっぱりあるんじゃなかと思うんですよね。

少なくとも音楽的には独りでやっていけるし、一人のほうが楽だったり一人の方が好きだったり、そんなピアニストの中では私は若干寂しがりやな方なのかもしれない、と常々思っています。
もちろん自分がオーケストラの音楽と主に親しんで、オーケストラで長く時間を過ごしてその楽しさを味わってきた、というのもありますが私がオーケストラやそれにまつわるいろんなものを求めるのは寂しがり屋だから、というのもあるのかなあ、と。
現実の世界でも脳内で複数のオケを動かして遊ぶときも、いつだってオーケストラでこの「楽器と性格」シリーズで紹介した様々な楽器と、それを弾く様々なキャラクターの奏者たちと一緒に、オケの内部にいて楽しみたい、という思いがあって。
ピアニスト、チェレスタ奏者としてオケの端っこから、そして様々な楽器を弾く奏者となってその世界の中にいたいのです。

ずっとこのシリーズで、そしてブログの諸々他の部分で紹介してきたように奏者はみんな大小様々な材料とサイズと形と弾き方の楽器と出会い、性格や体格、他の要因によって続けたり続けなかったりして、奏者として生き残りながら楽器を弾くことで性格がそれに合わせて影響され。
そしてオーケストラというのはそんな全く違うキャラの奏者たちが一同に数十人も集まる場所で。
みんな違うバックグラウンドで、みんな違う音で、音楽に関するこだわりや重要とするポイントも違ったり、一つの曲の解釈もみんな違う、けれどみんなが一つの音楽を一緒に、美しく、最高のものにするという一つの目的のために奏でるところで。
まるで社会の縮図といっても良いほど様々な人間と思惑が集まるところだけれど、多くの場合争うことなく(たまにありますが!)ハーモニーを奏でて。
一つの音楽を奏でるからといって個々を消して集団になるわけでもなく、個々の奏者の音が何よりも生きる集団であるオーケストラ。
やっぱ面白いんですよね。オーケストラの曲、演奏をなんとなく聴くだけでも、その曲や音楽だけにフォーカスして聞くだけでも味わえない魅力があると思うんです。

このシリーズがオケの楽器の音、得意不得意、働きや役割、歴史もちょっと、そして楽器と奏者のキャラクターなどについて少しでも親しみをもってもらうために役立っていたらいいな、と思います。

ということで「楽器と性格」シリーズは終わりですがブログの更新はこれからも続けていきますし、オーケストラやその楽器、奏者などの話はこれからも止まらないと思いますよ-(笑)


今日の一曲: セルゲイ・ラフマニノフ パガニーニの主題による狂詩曲



パガニーニ・ラプソディーとかラフパガとか愛称のあるラフマニノフの楽曲の中でもかなり有名で広く愛されている曲です。
ラフマニノフは4つピアノ協奏曲を書いていますが、これも同じくピアノがソリストでオーケストラ伴奏、という協奏曲のフォーマットをとっているため5つめのコンチェルト扱いされることが多いです。

パガニーニの主題、というのはいつものあれです。ブラームスやリストや他にたくさんの作曲家が主題としてバリエーションを書いた同じメロディーです。
言い忘れましたがこの曲は狂詩曲=ラプソディーですがフォーマットとしては変奏曲=バリエーションとなっています。24つの変奏曲ですが、主題が様々な形に変容してだんだんと見つけにくくなるので(メロディーが残ってるとも限らない)それを追っかけてみるのも楽しいですよ。

でもこの曲は主題を超えて第18変奏曲のあのロマンチックなメロディーが有名ですね。このメロディーは元の主題のメロディーを上下逆さまにしたものですがラフマニノフのハリウッド的ロマンチシズム全開!ですね。
(私はその後の変奏曲のロシアっぽさがなにげに好きだったり。あと前半でもいくつか良いのがありますねー)

上記メロディーの美しさ、ラフマニノフが得意としている(と私は思う)テーマいじり、楽器使いなど色々素晴らしいところはありますが、変奏を重ねていく中での音楽の展開、というのが特にわくわくする曲です。(普通の協奏曲とかと比べて格段に曲調が変わるペースも速いですし、意表を突いたりするのも上手いんですよ)
だからこそ第18変奏曲だけでなくて全曲聴いて欲しい!とここで強く主張したいです。20分だったらこの時代の普通のピアノ協奏曲よりも短いですし!

ラフマニノフ本人が弾いてる演奏もあるのですが、彼の演奏も素晴らしいものながらなんといってもオケの色彩の鮮やかなのをベストなクオリティで味わってもらいたい!という思い・・・だったのですがどれがベストか分からないのでとりあえず持ってる録音をリンクしました。(ラフマニノフの演奏はこちら
こんなこと言うのもあれですが、割と巷でポピュラーな某ピアニストの演奏(名前はあえて出しませんが)は全体的に避ける方向で。あんまり派手でパワフルでオーバーなのは苦手なのです。

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