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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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MNOZIL Brass「HOJOTOHO」感想
前回のエントリーに拍手2つありがとうございます。
まだまだ調子が安定せず何かと沸騰しやすい時とそうでないときがぐるぐるしてるので、ゆっくりのペースでやってます。そんなに長くは続かないと思いますし、とりあえず無理せずかな。

そんな中日曜日にMNOZIL Brassの「HOJOTOHO」に行ってきました。プレビューがようつべにあったのでリンク
コンサートというかショーというかコントというか舞台というか。今メルボルンで開催中のワーグナーの生誕200周年Ring Festivalの一部としての公演でした。
ちなみにこの「HOJOTOHO」自体もワーグナーゆかりの地でありワーグナーの音楽の本場であるドイツのバイロイトの市から直々にワーグナー生誕200周年を祝う作品を依頼されたらしいです。これはものすごいことですよ。(特にMNOZILはいわゆる「純粋な」音楽を扱うグループでないので)
そういう経緯で作られたこのHOJOTOHOですが、やっぱりワーグナーという(特に金管にとっては)偉大な作曲家の音楽にたった7人の演奏で真っ向に立ち向かうよりも、その精神を讃えながら独自の形でなにかできないか、という思いで作られたみたいです(プログラムを私はそう読んだ)。

まずMNOZIL Brassについてちょっとおさらい。前回彼らがメルボルンに来たときの感想はこちらに書いています。
MNOZIL Brassはオーストリア(リアの方ね)を拠点とした金管奏者おじさん7人組。トランペットが3人、トロンボーンが3人、テューバが1人。世界各地(日本含む)を旅してる中メルボルンには色々縁があって、もう数回彼らのコンサートを聴く機会に恵まれています。
彼らの舞台は単なる楽器の演奏にとどまらず、歌ったり踊ったり、時には楽器を抱えながら激しく動き回ったり、専門以外の楽器を持ちだしてきたり、演技もコメディー要素も下ネタもなんでもありのバラエティに富んだエンターテインメントを繰り広げる最高に面白いおじさん達です。(しかも楽器を吹く以外でも何をやっても上手いんだ!)
取り扱い音楽はオリジナルだったりクラシックだったり、はたまた誰でも聞いたことがあるような音楽だったりと色々で、音楽に詳しくなくても終始大笑いで楽しめるのですが、音楽について知ってるとさらにツボが増えるシステム。

今回の「HOJOTOHO」は特にワーグナーとその作品(特にこのフェスティバルの主役、オペラ「ニーベルングの指環」)とつながりがあるショーなので、私もワーグナーの元ネタをもうちょっと知ってたらもっと細かいところで笑えたなー・・・というところもありつつ。
でもとりあえず「指環」サイクルの大まかなあらすじを知ってたのでその元ネタのコネクションが見えて面白かったです。Funnyに加えてinteresting。

だからところどころで「あんたヴォータン(オーディン)なのか!」とかツッコミ入れっぱなし。曲解とも言えるし全く新しい何かとも言えるし、同時に難しいことなしで馬鹿馬鹿しく楽しめる何かでもあり。
元々彼らのショーは台詞が少ないのですが、台詞が分からなくても全然気にならないですし、あと全体的に笑いのツボってやっぱ(世界共通とはいわずとも)国境とか文化を超えるなーと。一人をいじってみたり、下ネタに持ってったり、変な顔や動きで笑わせたり。

これは彼らのパフォーマンス全体に言えることですが、とにかくスタミナがとんでもない!
まず演奏の音量がすごい(コンサートホールでバルコニーあたりで聞いててもうるさいくらい)のと、とにかく動き回るのと、それでいろいろやってショーの終わりもアンコールまでもがそのすごい音量キープしたまま、という。聞いてて毎回びっくりします。
そしてコンサートホールみたいな大きいステージを移動するのにちょっと特殊で効率的な走り方をしてるのも面白い。
で、そういう大きい場所でもものすごい細かいとこまで演技したり。

そうそう、このパフォーマンスで面白かったのが反ユダヤ主義で有名なワーグナーを祝う作品の中でユダヤ系の音楽を何回か使ってたこと。プログラムに書いてはいませんでしたが思惑があるのかな。(もともとMNOZILはショーの中でそっち系の音楽ちょこちょこ使いますが)
あとHOJOTOHOはこれまで見たパフォーマンスの中で一番歌う部分が少なかったです。吹いてる部分と演技の部分がほとんど。

結局中身についてはほとんど書きませんでしたが本当に楽しかったです。笑いました。一番笑ったのはやっぱりくだらない方面のユーモアでした(笑)
大学の頃から金管奏者は下ネタ好きでふざけるのが好きで、その延長線上にあるような舞台なんですよね。
そして母(ホルン吹き)がよく「金管楽器は和音を一緒に吹いて溶け合わせるのがとにかく幸せ」と言ってましたがショーの最初の10分でそれがよく分かりました。チェロやピアノにはない幸せですね。

・・・で、公演が終わってロビーでDVDとCDを売ってる(サイン会もあった)というので言ってみたらなんとCDが30ドル、DVDが40ドル、1枚ずつセットで50ドルという安すぎないか心配になる価格だったので1枚ずつセットで買いました。
CDは「what are you doing the rest of your life」、DVDは「Magic Moments」(こちらにプレビューが)。
やっぱり生の演奏が一番ですが手元でいつでも楽しめるようになったのは大収穫。ありがたやありがたや。両親に見せるのが楽しみです。

次はいつメルボルンに来るのかな。MNOZIL Brassとクロノス・カルテットが3年サイクルくらいで来てくれるとベストなんですけどねー。
そろそろメルボルンの2013年コンサートシーズンも終わりですが、今年も良いコンサートに色々行けてよかったです。
もうしばらくお出かけ控えめですがゆるゆる回復していきたいです。


今日の一曲: MNOZIL Brass 「Hungarische Schnapsodie」



CDに入ってた!(でもDVDで見れるのは売ってたもう一つの方だった!)
メルボルンのブラスフェスティバルで初めてMNOZILのコンサートに行ったときに大笑いして印象に残ったこの曲。
彼ら得意の東欧スタイルの音楽に、ものすごい超絶技巧にコントに歌に色気(?)に金管楽器あるあるなネタに、そのほか色々この1曲に詰まってます。

もちろんCD版なんでその全部は味わえませんが音楽として聞いても楽しいです。
金管楽器で超絶技巧とかスターといえばトランペットですが、この曲の主役はトロンボーン。
(ちなみに彼はメルボルンのとある金管奏者と結婚してるのでそういう意味でもMNOZILとメルボルンは縁が深いのです)
腕の筋肉という他の楽器を操るよりも大きな筋肉でものすごい速い音を弾いたり、低音楽器とは思えない高音を吹いたり。音色も豊かに広がる大音量からビブラートのかかった甘い音まで自由自在。

MNOZILの奏者達の音の魅力の一つはあの爆発し続けるような大音量を真っ向から浴びることだと思うのですが、CDでは割と音が丸められているような印象。(DVDはそうでもないです)
それがちょっと残念ながらも落ち着いて聴けるのは確かにいいかな。

そうそう、去年見たBlofeldもすでにDVDになってるようです。手元のDVDは舞台裏までコントが続いてたりするのでBlofeldもバックステージが楽しみ。
Youtubeも公式アカウント複数(MNOZILのだったりメンバーのだったり)を含め色々動画があるので是非探してみてください。
リーダーなのかな?第1トランペットの方のアカウントには2009年の日本ツアーの諸々映像を集めた動画(ちなみにカテゴリはコメディです(笑))もあります。大笑いしました。おすすめ。

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