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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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国立アカデミー生徒集合室内楽コンサート感想
前回のエントリーに拍手ありがとうございます。
だんだん精神の調子が落ち着いてきている・・・と思っていたのですが外にでたら光や音や声や色々な刺激で頭がくらくら、ぐるぐるするように。なかなか本調子とはいかないようです。

でも今日はなんか春らしい日で、出かけるにもいい天気でした。
なので数日情報が入った友達何人かが弾いてるコンサートに行きました。
場所はMalvernにあるSt. George's Anglican Church。十字型をしたこぢんまりした教会で、ステンドグラスがきれいでした。
プログラムはこんな感じ:
ドビュッシー フルート、ビオラとハープのためのソナタ
ドヴォルザーク ピアノ五重奏曲 op.81

どちらも好きな曲なのですが、ドビュッシーに関しては(彼の晩期の作品にちょくちょくあるのですが)いまいち自分の中で理解と解釈が根付いてないというか、どうとらえていいか分からなかったのですが演奏前の説明でドビュッシーが自身が書きたい音楽の特徴として「Pastoral」という言葉を使っていたと聞いて演奏を聴いたらものすごくしっくり来ました。
よくよく考えたら(決まった調ではないのですが)ヘ長調ベースだし、ドビュッシーでフルートといえば牧神だし。それにドビュッシーの晩年の作品はこちらも田園的な音楽を書いたヴォーン=ウィリアムスに通じるところもあり。言葉でうまく言い表せないですがすとんと落ち着きました。
演奏は特に第3楽章で強烈なビオラと大胆なハープの音がかっこよかったです。フルートはなんというか役割と音色が固定しているので残りの2人のキャラクターが物を言うみたいですね。

ドヴォルザークは本当に良い曲です。ピアノ五重奏曲といえば(ピアノ+弦楽四重奏の形式でピアノ五重奏を最初に書いたのはシューマンですが)ブラームス、ドヴォルザーク、ショスタコーヴィチあたりがビッグ3。
(でもドヴォルザークはこのop.81の前、初期に同じイ長調でピアノ五重奏曲を書いているのですが出来が気に入らなくて原稿燃やしたそうです。録音は出て私も持ってますが)

なんといってもアンサンブル・チームワークが素晴らしかったです。
お互いの音をよく聞いて、一つの音楽を感じて奏でているその一体感がよかった。
もちろん一人一人の演奏も素晴らしい。ピアノの音がとにかく色彩豊かで、アルペジオを弾くたびに音がふわっと花開くのは惚れ惚れ。
第1,2楽章でがんがんメロディーをもらえるビオラとチェロの活躍もすごかった。もともとどちらも贔屓の楽器ですが、この曲のこの2つの楽章でのビオラとチェロの輝きは特別。
(ドヴォルザークはビオラ弾きでしたし、チェロ協奏曲も王者ですしね)

あとドヴォルザークってメロディーだけでなくリズム伴奏のセンスが面白い(新世界の第4楽章もそうです)。その使い方が独特の民族音楽的なキャラクターを与えているのかな、と改めて。そもそもこの曲全体がドヴォルザークの故郷であるチェコ周りの民族音楽のスタイルをベースにしていますが。

そしてコンサートの後は奏者何人かが作って持ってきたケーキやクッキーなどをいただきながら色々おしゃべりしたり。みんな会うの久しぶりなので(汗)また会う約束するため連絡せねば。
私と同じ頃大学行ってた友達は今年の末(つまり来週)で国立アカデミーを卒業。この後どうする、という話はあんまりまだ聞いてませんがこのメンバーで集まって弾くこともあるんじゃないかな、と。あのチームワークだと。楽しみです。
それから私もがんばらないとですね。

さて今日はちょっと出かけただけなのに結構疲れてしまった。
これから数日暑いみたい(ただその後また20度以下に戻るみたいですが)なのでまた外に出たいです。ただ調子がどうかなー・・・

さらにこれからポケモンYでポケモンリーグ挑戦。
手持ちパーティーなどは次回に。


今日の一曲: アントニン・ドヴォルザーク ピアノ五重奏曲 第2楽章



それぞれの楽章が違った民族音楽のキャラクターで書かれているこのピアノ五重奏曲。
第2楽章は「Dumka」です。元はウクライナの叙事詩的なバラード的な歌や器楽曲のことを指すそう。(他にもチャイコフスキーとかヤナーチェクなどがDumkaのスタイルで曲を書いています)
スローなメロディーを主にして色んなキャラクターの部分をはさみながら歌い語るような曲になっています。

特にビオラ弾きにとっては贅沢すぎるほど美味しいこの第2楽章。東ヨーロッパらしい渋いメロディーをセンターで奏でさせてくれる。今回の演奏でもビオラの子がソロの時はがんがん前に出る音でしっかり聞かせてくれました。
(あの子が室内楽で弾くのは何回か聞いてますが、サポートからカウンターメロディーからソロから色んな音を使い分けてるのがすごいです。ビオラってそういうことなんだろうなあ。でもその中でも「最前列に出る音」があの子は凄いのです)

メロディーもいいのですが特に私がこの曲で「ボヘミアだ!」と思うのが一番速くなるセクション。ここは歌ではなくて踊りですね。この狂おしい盛り上がり方が他の文化圏とはちょっと違うような気がするのです。

持ってる録音はリヒテル+ボロディン四重奏というものすごい顔ぶれの、これまた生演奏とは思えないくらいのクオリティの録音なのですがちょっと惜しいことにこの第2楽章のテンポがすごく遅くて聞くのが大変(汗)演奏はいいのだけれど長い・・・
先ほども書きましたがこの録音はドヴォルザーク自身は気に入らなかった最初のピアノ五重奏曲と収録されています。ただ同じドヴォルザークの弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」だったり、はたまたシューマンのピアノ五重奏曲とのカップリングもあって面白いですよ。


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