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Age of Wonders III公開まで後1日!!
・・・と思ったら実際のリリース時間が3月31日の中央ヨーロッパ時間で18時、ということで。
メルボルンだと4月1日夜中の2時、日本だとちょうど日付が変わるときになりますかね。
ちょっと思ったタイミングより遅れるとはいえ楽しみなのには変わりません。わくわくです。
今日はオーストラリアのコミュニティベースのラジオ、3MBS FMが主催するシューベルト1日コンサートマラソン(South Melbourne Town Hallにて)のコンサートに行ってきました。
9時から21時まで2時間おきにコンサートがあり(全部で7つ、今書いてる時点で最後のコンサート進行中)、ピーターが11時のセッションで弾いてるのでそのコンサートに行きました。
それにしても1日パスを買ってる人は優先で良い席に座れるのですが各コンサート間が30分もない場合が多かったので本当に全部行った人は少ないんじゃないかな。近くで食べるところもありますがそれでもハードなスケジュール。
11時のセッションのプログラムはこんな感じでした。もちろん作曲家は全部フランツ・シューベルト。
3つのピアノ曲 D. 946
アレグロ イ短調「人生の嵐」 D. 947
幻想曲 ハ長調「さすらい人」 D. 760
ピアノ三重奏曲 変ホ長調 D. 929
ピーターは最初の3つのピアノ曲を演奏しました。最初の音から「おおー血肉のある人間のピアノの音だー」としみじみしてしまった辺り最近ちょっと聞く音楽が(必ずしも悪い意味ではなく)偏ってた証拠ですね(汗)未だに彼の演奏は現代音楽が輝くと思うのですが、それ以前の音楽を弾くときの人間らしい暖かみも好きです。特に2曲目がよかったなー。
「人生の嵐」はシューベルトの連弾曲のなかでもおそらく最難にして最大。今回は夫婦でのデュエットでした。大学で一度マスタークラス受けたことある先生と大学時代の後輩で。私が卒業したあとに何があったか後で聞いたことなのですが。
在学中からその後輩はものすごく大人っぽいというか完成した演奏をするな、とは思っていたのですがこうやって夫婦で並んで弾いても年齢の差(といってもものすごくあるわけではないです)を感じさせないしっかりさ、対等さ。演奏もアンサンブルも良かった。
「さすらい人」を弾いたのも以前お世話になったことがあるピアニストの方。彼女は結構小柄で手も小さいんですがこういったスケールの大きい曲でもとにかく演奏がパワフル。
ただちょっと全体的に重かったかなーという印象はありました。シューベルトの音楽って短すぎることよりも長すぎると感じることが多くて、特にこの曲もそうで、重いとどうしてもその長さが際立ってしまう。
ピアノ三重奏曲もやっぱりちょっと長いなーと思うところありましたが魅力的な曲&演奏でした。時代のこともあり影響もありでベートーヴェンの音楽と似てるところって結構あるのですが、でもシューベルトの音楽にあるオーストリアっぽい軽さ、次々と表情と色彩を変える気ままさがよく現れてる作品だと思います。チェロパートがなかなかおいしい。そして第2楽章がなにより楽しい。
シューベルトは自分もちょくちょく弾いてはいるんですけどシューベルトが好き!というよりは点で(曲単位で)好きなんですよね。好きな曲(ハ短調のソナタとかアルペジオーネとか未完成交響曲とか)は好きだけどその他の曲はどうもなあ、みたいな。
で、自分で弾くのよりも他人が弾くのが好きな作曲家でもあり。そんなに頻繁に聞く作曲家でもなかったり。
なかなか付き合い方が難しいです、シューベルト。
でも今日一つコンサートをマラソンから聴いてみて(上記評価に変化はないながらも)シューベルトの魅力について再確認しましたね。
シューベルトは歌曲の王様で、器楽曲でもその歌うような(特にチェロで弾くと楽しそうな!)メロディーが一番わかりやすい魅力としてあって。
さらにそのメロディーを支えるハーモニーも魅力的。ころころキーやハーモニーが変わって色彩が華麗に変わるのも惚れます。
そしてシューベルトの音楽って堅すぎず、軽すぎず、重すぎずなところがいいなあ、と。ほどよい変化とほどよい真面目さと、形式をしっかり使いながら音楽に柔軟さもあり。決めた時の気持ち良さ、ちょうど良さが確かにあると思います。
その反面前述どうも音楽が長く感じるときもちょくちょくあり、それから31歳で亡くなったとは思えないほど多作で(未完の作品もいっぱいあります)、そのためか必ずしも全部当たりの曲とは限らない、まんべんなく好きになれない部分があったり。
(ただ他の作曲家だと必ずしもそうではないのですが、シューベルトの場合有名な曲はほぼ間違い無く良い曲と思うのでわかりやすい指標はあるかなー)
ここ数年(正確には分からない)シューベルトマラソンが開催されてますが、それだけシューベルトが色んな楽器の奏者&声楽家に愛され、さらに音楽をやる人以外にも広く愛されているということで、毎回色んな角度からアプローチして楽しめるということで。
メルボルンでそれが味わえるということはいつもながら贅沢で良いですねー。
とりあえずは室内楽作品を要履修ですね(汗)自分で弾かないにしても聴く側としても勉強せねば。
また数日後にコンサートに行く予定なのでそちらも楽しみ。
今日の一曲: フランツ・シューベルト アルペジオーネ・ソナタ 第1楽章


今日のシューベルトマラソンで行かなかったコンサートで演奏されてました。聴きたかったなー。(行ったコンサートでの曲はまだ紹介できる気がしない・・・)
とりあえず「アルペジオーネ」とは何ぞ、というところから。簡単に言えばチェロの様に構えるけどチェロよりちょっと小さい、バロック時代のビオラ・ダ・ガンバにも似た楽器だそうです。小さいので2本以上の弦を同時に弾く(重音)のも複数の弦を渡るように弾くのもチェロより容易になるはず。そして小さいのでもちろん音は高い。
ただこの楽器は現在一般的ではなく(もしかして当時も?)、シューベルトのこのアルペジオーネのためのソナタは一般的にはチェロかビオラで演奏されます。
アルペジオーネのための曲をチェロで弾くと、主にチェロの比較的高音域を使うことになり、それで難易度が上がります。技巧的な問題もそうですがチェロのあの暗さ・厚みのある低音を使わない状態でしっかりチェロを歌わせるのは独特の難しさがあるんじゃないかな(そしてピアノパートのサポートも大事になるんじゃないかな)。
ただこのソナタの冒頭みたいなちょっと高めの音域は「歌わせる」音域でもあり。ドイツやイギリスのテノールのような透明さを伴った、弦の張力を感じるような緊張のある音。
前述シューベルトの音楽の歌うメロディー、そしてちょうどいい軽さにはぴったりの音域かな。
とにかくおいしいチェロのパート。最初のため息のように始まりだんだんと歌い上げるメロディーだったり、軽く踊るようなパッセージだったり、心ゆくまで歌って遊んで楽しめる(余裕があれば)。
シューベルトの音楽の例に漏れず普段はあんまり聴かない曲ではあるのですが、聴いてみると色々にやっとしてやっぱ好きだなーと思うことたくさん。
特にこの第1楽章は雨の時に聴きたくなることが多いですね。雨に合うんだなあ。これからの季節(メルボルンの)にぴったり。
私が持ってる録音はフルニエのちょっと古い録音で、優雅で軽いタッチが気に入ってるながらももっとクリアな新しい録音が欲しい気持ちもちょっとあり。あとビオラ版の演奏も欲しいですね。
とりあえずAmazonで見つけたフルニエの録音をリンク。やたらと色々な曲が収録されてる録音ですね。これで割と主要チェロレパートリーたくさんカバーできますのでお好みで。
そしてさっきちょうどシューベルトマラソンの最後を飾った四重奏曲「死と乙女」も紹介したかった!また今度!
・・・と思ったら実際のリリース時間が3月31日の中央ヨーロッパ時間で18時、ということで。
メルボルンだと4月1日夜中の2時、日本だとちょうど日付が変わるときになりますかね。
ちょっと思ったタイミングより遅れるとはいえ楽しみなのには変わりません。わくわくです。
今日はオーストラリアのコミュニティベースのラジオ、3MBS FMが主催するシューベルト1日コンサートマラソン(South Melbourne Town Hallにて)のコンサートに行ってきました。
9時から21時まで2時間おきにコンサートがあり(全部で7つ、今書いてる時点で最後のコンサート進行中)、ピーターが11時のセッションで弾いてるのでそのコンサートに行きました。
それにしても1日パスを買ってる人は優先で良い席に座れるのですが各コンサート間が30分もない場合が多かったので本当に全部行った人は少ないんじゃないかな。近くで食べるところもありますがそれでもハードなスケジュール。
11時のセッションのプログラムはこんな感じでした。もちろん作曲家は全部フランツ・シューベルト。
3つのピアノ曲 D. 946
アレグロ イ短調「人生の嵐」 D. 947
幻想曲 ハ長調「さすらい人」 D. 760
ピアノ三重奏曲 変ホ長調 D. 929
ピーターは最初の3つのピアノ曲を演奏しました。最初の音から「おおー血肉のある人間のピアノの音だー」としみじみしてしまった辺り最近ちょっと聞く音楽が(必ずしも悪い意味ではなく)偏ってた証拠ですね(汗)未だに彼の演奏は現代音楽が輝くと思うのですが、それ以前の音楽を弾くときの人間らしい暖かみも好きです。特に2曲目がよかったなー。
「人生の嵐」はシューベルトの連弾曲のなかでもおそらく最難にして最大。今回は夫婦でのデュエットでした。大学で一度マスタークラス受けたことある先生と大学時代の後輩で。私が卒業したあとに何があったか後で聞いたことなのですが。
在学中からその後輩はものすごく大人っぽいというか完成した演奏をするな、とは思っていたのですがこうやって夫婦で並んで弾いても年齢の差(といってもものすごくあるわけではないです)を感じさせないしっかりさ、対等さ。演奏もアンサンブルも良かった。
「さすらい人」を弾いたのも以前お世話になったことがあるピアニストの方。彼女は結構小柄で手も小さいんですがこういったスケールの大きい曲でもとにかく演奏がパワフル。
ただちょっと全体的に重かったかなーという印象はありました。シューベルトの音楽って短すぎることよりも長すぎると感じることが多くて、特にこの曲もそうで、重いとどうしてもその長さが際立ってしまう。
ピアノ三重奏曲もやっぱりちょっと長いなーと思うところありましたが魅力的な曲&演奏でした。時代のこともあり影響もありでベートーヴェンの音楽と似てるところって結構あるのですが、でもシューベルトの音楽にあるオーストリアっぽい軽さ、次々と表情と色彩を変える気ままさがよく現れてる作品だと思います。チェロパートがなかなかおいしい。そして第2楽章がなにより楽しい。
シューベルトは自分もちょくちょく弾いてはいるんですけどシューベルトが好き!というよりは点で(曲単位で)好きなんですよね。好きな曲(ハ短調のソナタとかアルペジオーネとか未完成交響曲とか)は好きだけどその他の曲はどうもなあ、みたいな。
で、自分で弾くのよりも他人が弾くのが好きな作曲家でもあり。そんなに頻繁に聞く作曲家でもなかったり。
なかなか付き合い方が難しいです、シューベルト。
でも今日一つコンサートをマラソンから聴いてみて(上記評価に変化はないながらも)シューベルトの魅力について再確認しましたね。
シューベルトは歌曲の王様で、器楽曲でもその歌うような(特にチェロで弾くと楽しそうな!)メロディーが一番わかりやすい魅力としてあって。
さらにそのメロディーを支えるハーモニーも魅力的。ころころキーやハーモニーが変わって色彩が華麗に変わるのも惚れます。
そしてシューベルトの音楽って堅すぎず、軽すぎず、重すぎずなところがいいなあ、と。ほどよい変化とほどよい真面目さと、形式をしっかり使いながら音楽に柔軟さもあり。決めた時の気持ち良さ、ちょうど良さが確かにあると思います。
その反面前述どうも音楽が長く感じるときもちょくちょくあり、それから31歳で亡くなったとは思えないほど多作で(未完の作品もいっぱいあります)、そのためか必ずしも全部当たりの曲とは限らない、まんべんなく好きになれない部分があったり。
(ただ他の作曲家だと必ずしもそうではないのですが、シューベルトの場合有名な曲はほぼ間違い無く良い曲と思うのでわかりやすい指標はあるかなー)
ここ数年(正確には分からない)シューベルトマラソンが開催されてますが、それだけシューベルトが色んな楽器の奏者&声楽家に愛され、さらに音楽をやる人以外にも広く愛されているということで、毎回色んな角度からアプローチして楽しめるということで。
メルボルンでそれが味わえるということはいつもながら贅沢で良いですねー。
とりあえずは室内楽作品を要履修ですね(汗)自分で弾かないにしても聴く側としても勉強せねば。
また数日後にコンサートに行く予定なのでそちらも楽しみ。
今日の一曲: フランツ・シューベルト アルペジオーネ・ソナタ 第1楽章
今日のシューベルトマラソンで行かなかったコンサートで演奏されてました。聴きたかったなー。(行ったコンサートでの曲はまだ紹介できる気がしない・・・)
とりあえず「アルペジオーネ」とは何ぞ、というところから。簡単に言えばチェロの様に構えるけどチェロよりちょっと小さい、バロック時代のビオラ・ダ・ガンバにも似た楽器だそうです。小さいので2本以上の弦を同時に弾く(重音)のも複数の弦を渡るように弾くのもチェロより容易になるはず。そして小さいのでもちろん音は高い。
ただこの楽器は現在一般的ではなく(もしかして当時も?)、シューベルトのこのアルペジオーネのためのソナタは一般的にはチェロかビオラで演奏されます。
アルペジオーネのための曲をチェロで弾くと、主にチェロの比較的高音域を使うことになり、それで難易度が上がります。技巧的な問題もそうですがチェロのあの暗さ・厚みのある低音を使わない状態でしっかりチェロを歌わせるのは独特の難しさがあるんじゃないかな(そしてピアノパートのサポートも大事になるんじゃないかな)。
ただこのソナタの冒頭みたいなちょっと高めの音域は「歌わせる」音域でもあり。ドイツやイギリスのテノールのような透明さを伴った、弦の張力を感じるような緊張のある音。
前述シューベルトの音楽の歌うメロディー、そしてちょうどいい軽さにはぴったりの音域かな。
とにかくおいしいチェロのパート。最初のため息のように始まりだんだんと歌い上げるメロディーだったり、軽く踊るようなパッセージだったり、心ゆくまで歌って遊んで楽しめる(余裕があれば)。
シューベルトの音楽の例に漏れず普段はあんまり聴かない曲ではあるのですが、聴いてみると色々にやっとしてやっぱ好きだなーと思うことたくさん。
特にこの第1楽章は雨の時に聴きたくなることが多いですね。雨に合うんだなあ。これからの季節(メルボルンの)にぴったり。
私が持ってる録音はフルニエのちょっと古い録音で、優雅で軽いタッチが気に入ってるながらももっとクリアな新しい録音が欲しい気持ちもちょっとあり。あとビオラ版の演奏も欲しいですね。
とりあえずAmazonで見つけたフルニエの録音をリンク。やたらと色々な曲が収録されてる録音ですね。これで割と主要チェロレパートリーたくさんカバーできますのでお好みで。
そしてさっきちょうどシューベルトマラソンの最後を飾った四重奏曲「死と乙女」も紹介したかった!また今度!
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