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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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メルボルン博物館「アステカ展」
昨日の記事に拍手ありがとうございます。

最近シティに行く機会は主にコンサートで、ちょっとぶりに昼に外に出たら結構用事が溜まってて半分くらい未消化のまま帰ってきました。
そのなかでやっと!消化できたのがメルボルン博物館のアステカ展。トラムとかで宣伝見るたびに行きたい行きたいと思ってたのですがなんとか行ってきました。

創作書き物に関して(あと普通に趣味興味で)色んな神話に関して調べたり参考にしたりすることは多いのですが中南米の神話はこれまでなかなか手が出づらいというか、そこまで手が届かないと思いがちというか(神様の名前が長くてしかも司るエリアがちょこちょこ重なるので難しいってのもあるかな)。なのでこの機に歴史・文明・神話のとっかかりを作るべく勉強しようということで。

アステカ展ではこちらに(さっきTwitterに貼ったリンクが切れてるのでこっちも残ってるかどうか分からない)The Ageの記事があります。展示の一部の写真も。ところで見出しにBarbarityとあってやっぱりキリスト教ベース社会・現代社会からみるとアステカの人身御供の週間は野蛮に映るのか、と思うのですが実際展示を見てたときはそういう形容詞は浮かばなかったです。

主な展示内容はアステカ人がメキシコに拠点を構えてから周囲の勢力と協力したり飲み込んでいったりの歴史、それから生活と信仰、戦いと生け贄、そしてスペインによる征服まで。
神々を象った品が多く他にも生活の道具や儀式の道具などものすごく多いわけではないですが様々な要素がしっかりカバーされてました。

元々アステカの神話や文化にもちょっと親近感を持てるかなあ、と思って望んだのですが結果自分の知っている文化や価値観や世界とはものすごく違うことを突きつけられたというか、ものすごくカルチャーショックながらその違うものに出会うことがすごく楽しかったです。
例えばアステカ人が近隣の部族とあらかじめ予定して「生け贄にする人間を捕獲するために」戦争をやることとか、人の死に方として自然に死ぬより人身御供や溺死が死後の世界的にはいいところにいけたり、主に生け贄関連だけどそれに限らず。

そもそもアステカでいつもすごく好きで同時にものすごくわからなかったのが絵柄。例えば今回の展示にあったCodex Borgia(ボルジア絵文書)という神々や儀式などを描いた絵巻にこのアステカの絵柄が一面描かれているのですが、見れば見るほどなんでこういう絵柄になるのか、どうしてこういうスタイルがデフォルトになるのかわからない。シンプルな線とか図形をベースにして作っていく文化の人間として首をかしげるばかり、だけど(だからこそ)見てて飽きない。Codex Borgiaが手元に欲しいです。

スペインによるアステカ征服はまた別に勉強したいですが今回の展示でスペイン軍とアステカ軍の装備の違いだったり、それがそもそもアステカが文化・習慣として殺すための戦いでなく傷つけ捕らえるための戦いしか知らなかったこととか、妙に「それは仕方がないなあ」みたいな歴史のすれ違い的な側面もあったりで。
あとスペインによる征服で興味深かったのは軍事面よりも宗教面でしたね。アステカの神殿の土台や彫刻などを一部破壊したり流用したりというのは文化や宗教のtakeoverの過程の一例として破壊的でありながら結果一部保存にもなってたり、面白い例だと思います。

展示されているもので印象に残ったのは黒曜石の刃諸々(金属がなかった文明における刃)だったり、暦に関する品だったり、あと神々の姿を彫ったものはみんな面白いですし、色々真面目にすごいなあーと思ったものも多いのですが、ちょっと違ったテイストで印象に残った品も。

生け贄の話って元々厳かな儀式で実際こういう展示で語られるときも結構血なまぐさい感じで語られるのですが(映像資料にはちょっと刺激が強いかもとか注意書きがあったり)、どうしても笑ってしまうようなものがいくつか。
例えばさっきのThe Ageの記事にあったこの本物の人間の頭蓋骨で作った仮面。目つけたのか!「本物の人間の骨です」と注意書きがあったのでわくわくしてたらこの顔に出迎えられたんですよ!
これと似たテイストで生け贄のナイフもすごかった。儀式用のナイフって宗教的なモチーフとかで飾ってあったりするイメージですが(しかもこの場合実用ですし)、今回展示してあったナイフはこのサイトにあるのと一緒のでした。吹き出しかけました。一応水の神様の顔なんですが、一つじゃなくていくつも並んでるのみんなこの顔で安定のクオリティで。これで殺されるのかと思うと脱力する。

とにかくそのカルチャーギャップ含めて面白かったです。見るのも知るのも考えを巡らせながら歩くのも。接点が出来てよかった。これから神話面の復習&フォローアップがっつりせねばですが。(そういえばアステカの神々で数少ない知ってる神、イツパパロトルさんがいなくて残念でした。Codex Borgiaに描いてあるみたいですが解説なしだとわからない)

メルボルン博物館まできたのでついでにルーチン訪問で恐竜周りと虫の展示にも行ってきました。相変わらずタランチュラさんたち元気そうに静止していてなにより。よーくみると足の先にちっさい爪があったり出す糸(網は作らないですが)が意外に繊細でなめらかで綺麗だったり、見所は尽きませんがそれでもちょっとは動いてくれ。ムカデも完全にだらけてましたし。

さて、今の本文のほとんどは昨日書きかけたのを今日終わらせたもの。
昼間にめずらしく更新してるのは今夜コンサートに行く予定があって明日その感想をかかなきゃならないので。ビオラのコンサートですよー。楽しみ楽しみ。ショスタコのソナタが特に楽しみ。


今日の一曲もそんなわけでお休みです。

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