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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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「血」の慣用句でキーワードto音楽
久しぶりのキーワードto音楽でいきなり題材が若干物騒ですが気にしない。
どうも最近メンタルの調子色々なのかそっちに(どっちとは言わないですが)傾きやすく、それでどうもメシアンが音楽的にうまくいってなかったり(汗)
ただ多少物騒なメンタルも音楽では他に活かせることもあるのがいいところ。ということで今回は久しぶりに一つまとめてみました。

お題はタイトルの通り「血」という字を使った慣用句。思いついただけでは足りなかったのでネットで適当に調べました。そして作曲家かぶりは今回OKにしました。ある程度の偏りが予想されたので。

(1)「血が騒ぐ」:ドミトリ・ショスタコーヴィチ 交響曲第10番第2楽章
個人的に自分が聴いて血が騒ぐ曲といったらこれ。ショスタコーヴィチ全体「血」題材に縁が深いですがこの楽章のひたすら前に前に突っ走る感じ(ショスタコにしてはちょっと珍しい突撃スピード&勢い)が何より血を騒がせるのです。とにかくアグレッシブな演奏がいいですね。特に打楽器が元気がいいと盛り上がる、DNAに刻まれてるレベルの戦いの音楽。

(2)「血の涙」:オリヴィエ・メシアン 「アーメンの幻影」より「イエスの苦しみのアーメン」
血の涙を流すような苦しみを表す曲は色々ありますが、一番「血」のイメージだったのがこの曲。赤い血、というよりはメシアンらしいサイケデリックな苦痛の色の涙ではあります。絞り出すような涙の雫に幾千もの強烈な色が詰まっている、ものすごく濃い痛み。
苦痛に限らずメシアンも実はなにかと「血」のエレメントが強い曲も結構あったりするのです。

(3)「血が通う」:ヨハネス・ブラームス ピアノ四重奏曲第3楽章 第2楽章
血が通った人間らしいブラームスの音楽のなかで自分が一番ストレートに血を感じるのがピアノ四重奏曲第3番、その中でも心臓が送り出してる血液を感じるのが第2楽章。以前も書いてると思いますが刺したら鮮血が飛ぶだけでなく肉や臓器、骨の感触が伝わってくる音楽です。

(4)「血祭りに上げる」:ベドジフ・スメタナ 「我が祖国」より「シャールカ」
あらすじが正に「血祭りに上げる」話。というかこの曲だけで「血」に関する慣用句ほとんどに当てはまってしまう、「血」のイメージが濃い曲です。題材もそうですが音楽も半端ない。特にエンディングの惨殺シーンのたたみかけるような性質は血に酔いそうです。

(5)「血に飢える」:バルトーク・ベーラ 組曲「野外にて」より「狩り」
ちょっと見身近な風景を描写しているようにも思える組曲「野外にて」ですが、どうも恐怖の要素がつきまとう。「舟歌」の恐ろしい淵をのぞいたような雰囲気もそうですし、この「狩り」のガチで追いかける感じもそう。ストラヴィンスキーの「春の祭典」の儀式にも通じる、魂の底からわき上がる「追いかけ狩る」本能。

(6)「血気にはやる」:リヒャルト・シュトラウス 「ドン・キホーテ」
こちらも題材がそもそも血気にはやってる曲。それがシュトラウスの音楽でさらに血気にはやります。同じシュトラウスの後述「血の気が多い」よりもさらにダイレクトに行動に通じてるのが特徴的。そしてこんなにせわしない&地に足がついていないチェロも珍しい!

(7)「血を吐く思い」:トーマス・アデス 「Arcadiana」より「Et...」
この慣用句を表すには聞きにくいくらい強烈な弦の響きがぴったり。特に「吐く」部分に重きを置いての選曲です。その吐き具合は聴いたら分かると思います。声も涙も出ない地獄のような苦しみ。ある意味タンゴの枠を大きく超えた規格外のタンゴ。

(8)「血の気が引く」:バルトーク・ベーラ 「中国の不思議な役人」より最後の方の部分
殺せども殺せども生き返る中国の役人がシャンデリアに吊されシャンデリアごと落ちて、暗闇のなかでぼうっと光る場面。ホラーはホラーでもバルトークの闇はすごい。生き返るのはこれが初めてではないのに改めて感じる不気味さと恐怖がたまらない音楽です。

(9)「屍山血河」:ドミトリ・ショスタコーヴィチ 交響曲第11番 第2楽章「1月9日」
このブログでも何回か紹介している、「血の日曜日事件」を描写した音楽。虐殺そのものだけでなくその後の余韻もしっかり描いているのが特にこの言葉にふさわしいと思い(どストレートだなと思いながらも)チョイスしました。ただ景色としては「山」「河」というよりものすごく凍り付いているイメージ。

(10)「血の気が多い」:リヒャルト・シュトラウス 「英雄の生涯」より「英雄」
シュトラウスの音楽はそういう傾向にありますが、多分この曲が一番わかりやすく血の気が多い。ドン・キホーテと違って意気重視だとこっち。これから行動を起こす、その自分の姿を考えて盛り上がっている様子(多分)。

(11)「血も涙もない」:リゲティ・ジェルジュ 練習曲第14番「無限柱」
曲調がどうとかいうよりこの曲の難しさが「血も涙もない」。とにかく容赦ない。そもそも弾くように書かれてなくて普通にピアノで弾ける別版があるくらい。あと曲が機械的に書かれてるのも余計に血も涙もない感じがあったり。ぱっと聴きの印象ではなくピアノ弾きとして難しさを感じながら聴くと痛感する曲です。

(12)「血湧き肉躍る」:オットリーノ・レスピーギ 「ローマの松」より第4楽章「アッピア街道の松」
これまでの選曲とは違って音楽に「血」のエレメントが入っているわけでないながらも自分の血が湧いて肉が躍る。イメージとしては夜明けにローマに向かって凱旋行進で、黄金の太陽が昇りながら故郷に近づく昂ぶりというのもあるのだけど、実際の演奏で金管楽器が響き渡るのが一番興奮するのです!レスピーギ好きな人が周りに少ないけど私にとってはこの曲のラストがたまらなく熱いです。

キーワードto音楽はお題探し&曲まとめにちょっと時間がかかるのですが選んだり書いたりするのは楽しいのでもうちょっと頻繁にやるべきだなーと思ってます。善処します。

今日の一曲はお休み。

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