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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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Gintaute Gataveckaiteリサイタル感想
留守が多いながらもご訪問ありがとうございます~
最近忍者ツールズからメールが来て何かと思ったらカウンターなど一部サービスが今後終了するという話で。ブログ更新もまばらながらカウンターもそれ以上に気にしてなかったので特にこれといって今は気にしてないのですが。
でも例えば何か別のきっかけでブログじゃないフォーマットを考えることもあるかな、という風には思いを馳せてみました。他のブログとかサービス(Noteとか?)に移行して「今日の一曲」をメインにしてたまに感想とか雑談とかという形式で更新頻度増やせるようにするのも手かな、とか。可能性としてはありかな。でも今は特に強く変えたいという欲求はないので(人生のお金や時間や労力の使い方の見直しの一つとして)ゆっくり考えることにします。

さてちょっと遅れましたが先日今年初のコンサートに行って来ました。(あと数日前にも今年初のメル響コンサートに行って来たのでそちらの感想もまた近いうちに・・・)
普段水曜日はバレエのレッスンの日なのですが今回弾いたピアノ友達はソロでのリサイタルの機会が少ないので急遽バレエは土曜日に振り替えて馳せ参じました。

1時間ほどのリサイタル、プログラムは下記の通りでした:
Melbourne Recital Centre「Spotlight」シリーズ
ピアノ:Gintaute Gataveckaite
ミカロユス・チュルリョーニス Druskininkai前奏曲集
フレデリック・ショパン 24の前奏曲
(アンコール:ヨハン・セバスチャン・バッハ 平均律クラヴィーア曲集第1巻 第1番の前奏曲)

チュルリョーニスは今回演奏した友人の母国リトアニアの作曲家でこの6曲編成の前奏曲集はオーストラリア初演だったそうです。短命な作曲家だったそうですがクラシック音楽史に名を残した最初のリトアニア人作曲家ということで現地では有名だそうです。そして短命にも関わらず作風のものすごい変化があったそうで、同時代のスクリャービンにも通じるロマン派→無調含めた混沌みたいな経緯をたどっているらしいです。
今回演奏されたDruskininkai前奏曲集は初期の作品だそうですがそのうち後期も・・・?とか言ってたので楽しみにしています。

Druskininkai前奏曲集ですが今回ショパンの前奏曲集と合わせた関係もあってショパン的?という印象よりもちょっとしたスタイルの違いの方が目立ちました。どっちかというとフォーレの前奏曲集に近い雰囲気もあったような。(自分がフォーレの方弾いて親しんでる影響はあると思われますが)ロマン派からより独特な作風に道を歩んだ作曲家って変化前のスタイルはそんなに個性がないケースも多い気がしますが、でもこの前奏曲集には主張が強いわけじゃないながらもそれなりに味があった印象。

ショパンの前奏曲もバラで聴くことは多いですが(日本だと良い例が某胃散のCMですね)こうやって生で24曲全部じっくり聞く機会は少なくがっつり楽しみました。短いやつはあっという間ですし緩急あるので24曲あっても飽き知らず。
このブログでも24つの調の個性やキャラクターについて色々書いてきましたが(というか直近が前のエントリーのアウエルバッハでしたね)、ショパンの前奏曲集はその各調のキャラクターをかなり大事にしている気がします。もう一セット書いてって言われたら無理っていうんじゃないかと思うくらい(笑)

ただ単体でものすごく印象が強い使われ方をすると全体を聴いててもそっちのイメージにものすごく引っ張られますね。先ほど言及した某胃散のCMのイ長調もそうですし、バレエ「ニジンスキー」の冒頭でニジンスキーのラストダンスに使われたハ短調もそう。きっと一般的に一番有名な「雨だれ」の変ニ長調について似たようなことを言う人もいるんじゃないかな。それだけ個々の曲がそれぞれの道を歩んでいるということで。これからもふとしたきっかけでこの曲集から別の前奏曲が単体で有名になったりとかするのかな、それもまた楽しみです。

そしてプログラムとしての全体の流れもよかったです。コンサート後の飲みで話になりましたがほんと「アルバム向き」の曲の組み合わせ。有名な曲にあんまり知られてない曲を合わせる、歴史的にもつながりがあるポーランドとリトアニア、そして前奏曲同士というのもそうですが音楽として聴いた時に言葉で説明しにくいけど相性の良さがあるので。私は買いますよ、録音が出るようなことがあったら。

あとやっぱりこないだのアウエルバッハにはまったタイミングでこのリサイタル聴けてよかった。また24つの調の色と個性をなんらかの形で探っていきたいです。


今日の一曲: フレデリック・ショパン 前奏曲ハ短調



私が今日の一曲でショパンを出すなんて珍しい(笑)でもほぼ「ハ短調」という調の話になりそうです。

そもそもこの前奏曲、平たく言えばコード進行4フレーズだけの曲とも言えるのですがその響きというかエフェクトというか24曲の中でも特別印象に残るところがある曲です。(正にその特徴が変奏曲の主題に向いていることもあってラフマニノフが「ショパンの主題による変奏曲」の主題に使ったりしてます)

短い曲で、心に残るようなメロディーもほぼ無い中でこの曲がなぜ強烈な印象を残すかというとやっぱりハ短調という調の特性が大きく関係してるんじゃないかと思います。
ハ短調の有名どころの曲といえば同じショパンだと「革命」エチュード、ベートーヴェンの「運命」や「悲愴」ソナタ(ベートーヴェンはハ短調得意ですよね)、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番あたり。
音量と和音でものすごいパワフルな感情、特に燃えるベクトルのAngstを表すのによく使われる調です。特に前述「悲愴」ソナタとかラフマニノフの冒頭の和音、それだけでかなり語れますし飲めますよ。むしろメロディーが付くとおとなしくなる傾向があるハ短調。

そんな和音の比重が大きい調というのもあってピアノで弾くと映えますね。さっきの例もほとんどピアノ曲。2本の手、10本の指の中で収まる音がこんなにパワフルに響くというのは気持ちいいです。ピアノを弾いたことがある人はちょっとこの前奏曲弾いてみるといいですよ、短いですし簡単は簡単な中でものすごい満足感も得られるし聴き手にもインパクト与えられるので。

リンクする録音はどうしようか、ショパンとかショパン弾きには詳しくないしなあとへっぽこピアノ弾き丸出しで考えてたのですが今日は国際女性の日ということもあってアルゲリッチ演奏で。同じショパンのピアノソナタ第2番がカップリング曲ですがこれは変ロ短調で、各楽章&前奏曲の変ロ短調を聴き比べてみるのも面白いかもしれませんね。

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