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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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○○チルドレンってわけじゃないですが
前回のエントリーに拍手くださった方、訪れ読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。
前回も書きましたが人を救おうとかそういうことではなくてただただ居ても立ってもいられなかったので・・・
それもあって表現に拙いところ多々ありますが少しでも伝わったら、気づきのきっかけになったらと思います。
メンタルヘルス関連はちょっと書くのに慎重になるのと、突発的に強く思ったときにしかうまく書けないためこのブログでも比較的エントリー数は少ないですがこれからもちょこちょこなんとか書いていきたいと思います。

今日はfacebookの方で残念な知らせが。
今、毎年恒例、夏の風物詩といえるメル響のSidney Myer無料屋外コンサート(ピクニック可!)ミニシリーズが開催されてるのですが、明日予定されている最後のコンサートでピアソラの「Histoire du Tango」にてソリストをつとめることとなってた、去年「惑星」を指揮した彼が出演キャンセルとなってしまったのです。
なんでも内耳が悪くてめまいがひどいそうで・・・良いお医者さんにかかっているそうなので具合が良くなるようただ祈るのみです。
明日のコンサートは学校からの友達周りから誘われてたのですが、仕事がきつくて行けるかどうかぎりぎり、というところだったのでおそらく行かないことになりそうです。家のこともあるし、もしかしたら夜働かなくちゃいけないかもなので・・・明日は天気も良く暑いですし(37℃!)本当に風物詩なので行けないのは残念ですが。

でも良い知らせも入ってますよ。こっちが今日の本題。
ちょっとまえから今年なにやら私のピアノの先生のバースデーコンサートみたいなものが計画されている、ということはちらっと聞いてたのですが、詳細がどうやら明らかになってきたようです。
5月の終わりにMelbourne Recital Centreでやるそうで、今のところ情報はこんな感じ
先生自身や彼の生徒達、そして先生にゆかりのある音楽家達が勢揃い。(ただピアノソロに関しては誰がどの曲を弾くかは分からないですねえ・・・先生は何を弾くのかしらん)
私の友達も弾いたり、それからトゥーランガリラの彼が作曲家として出てます。

うちの先生はフランス音楽、特に印象派と呼ばれる作曲家の作品が得意(昔はラヴェルのピアノ曲全部演奏したことも)ですがプログラムを見た限りそっち系統は少ないみたい。
ピアノのスタンダードだったり、20世紀の曲、新しく捧げられる事となる曲、そして気になるのがなぜ「ボギー大佐」がこのプログラムに入ってる!?なんかのジョーク?
色々ツッコミどころはありますが演奏は素晴らしいものになるのがもう見えてますし、なんといっても先生の誕生日を祝える機会とあって(柱:それでも先生の実際の誕生日とか何歳とか全然しらないんですが)今からものすごーく楽しみです。なんとしても行かなきゃ!

以前も先生、そしてその生徒達について書いてますがこの機にもう一度。
私が大学でピアノを習っていた、そして今もレッスンをたまに受けて先生を仰いでいるのがStephen McIntyreというピアニストです。ソロだけでなくて室内楽なども含め今も演奏しています。
ミケランジェリに習ったことがある(フランス音楽専門はそちらからと思われます)、ということを始めいろいろここのプロフィールにも書いてあります。
今は主にメルボルン大学で教えてて、住んでるのもメルボルン大学の寮の一つで。
音楽科ではピアノの先生の中で2番目に偉い2人の先生の1人です。
人柄は、というとちょっと変わったユーモアと口数が少ないのとなんだか謎な雰囲気で知られていますが(何年経っても絡みづらいというかどう接して良いかわからないところが・・・)、本当は優しい人です。よくわからないなあ、とかいいながらみんな先生が好きです。

メルボルン大学では入学の後オリエンテーションの時の軽いオーディションみたいなのがありまして、入学する生徒がどの先生に習うことになるかはそこでピアノの一番偉い先生が弾き方とかその他とか考慮して決めるシステムになっていて。(ちなみに先生が生徒を破門することはできないけれど、生徒は先生を変える権利があります)
私もそうやってスティーヴンに習うことになったのですが、なんかいろいろ正解だったと思います。(ピアノの一番偉い先生は色々良くないこともありますが若いピアニストを見る目はすごいのかも)

習う先生によって生徒の弾き方やピアニストとしてのあり方、人柄とかも変わっていくものだとは思いますが、上記のシステムによって先生に振り分けられる生徒にもある程度の偏り、というか共通点、パターンがあるようで。
私の先生の元で習う生徒達の共通点、というのは以前も書きましたが「ピアノ・音楽の枠を超えて活動する」ことにあると思います。(あとみんなちょっと軽く反体制(笑)みたいな感じもそうかな)
大学時代もdouble degree(大学で複数のコースをやること。音楽と法律とか、科学と経済とか)をやってる人が同門には多かったですし、卒業後も指揮を目指したり、法律関係だったり医療研究関連の仕事をしながらピアノを続けたり、作曲と演奏を両立したり。
私も医薬翻訳をやりながらピアノをやってることだったり、オケ活動もやってたり、と当てはまってます。

あとスティーヴンの生徒たちはわりと20世紀の音楽を弾くことが多かったり、フランス音楽を得意としたり(先生が得意だからそれを学んで、というのもありますがきっと元々の生徒達の素質もあるのではないか、と)。
大学で2番目に偉いもう一人の先生はベートーヴェン専門として知られていて、その人も生徒達ももっと伝統的なレパートリーを得意として、ふるまいというかそういうものももっと「オーソドックスなピアニストらしい」感じなので対照的なんです。

スティーヴンの生徒は同門同士でつるんでる印象がある、と言われたことはあるんですが在学中も別にそんなに一緒にいた、という感じじゃなかった気がします。
でもなんとなくこう、大学とかだと同門の生徒同士って言うとゲームでいうところのギルドみたいな、そういうところがあるんですよね。そこまで濃い感じじゃないですけどね(特にうちの先生のところは先生がゆるーい感じなんで)。

スティーヴンはオーストラリアで演奏したりするだけでなく海外にもいったりするのですが(シューベルトのフェスティバルみたいなのに行ったとか書いてあったです)、なんか上海にもマスタークラスやったりしてコネがある、ということを最近初めて知って。
先生のあの不思議なテンション、ユーモアのセンス、そして割と音楽的に自由に生徒を育てる感じがまじめで技巧フォーカスに偏るアジア各国のピアニストにどう映るのかは物凄く興味津々(笑)

私も先生にはだいぶ自由に育てられました。どっからか分からないところから知らないような曲を引っ張ってきて勝手に自分の好きな方向にレパートリーを広げたりさせてくれましたし、基本私の曲の解釈に口を出すようなことはなくて。技巧と表現のしかたを通じて私の音楽表現を助け広げてくれる、というか。
私は割と得意なレパートリーも先生と近いんですよね。(先生メシアンまでたぶん専門内)
他にもいろいろ優しくしていただいたり、私のことを心配してくれてたり、お酒をおごってくれたり。
レッスン外で一緒に時間を過ごす事ってあんまりなくて、いろんなこと知らないままなんですが(みんな言いますけどね-)、本当に大好きな先生です。

なんだか書いてたら先生に会いたくなってきました。
レッスンも前回からだいぶ間があいてしまって。去年の末に先生が夏休みに入るまでにレッスンのチャンスがつかめなかったのでなんとか近いうちにレッスンを、と思ってるのですが最初に書いたとおり仕事がものすごく忙しいシーズンなので・・・
演奏やろうと思ってる、ってことも言わなくちゃいけないし、実は日本土産も渡してない(汗)
早くなんとかしたいです。


今日の一曲: エリック・サティ Gnossienne 第2番

Move Recordsの録音リンク

今日はもちろん先生の録音です。Move Recordsから出ている「The Impressionist」から。
私のイメージだと先生の一番得意はドビュッシー。そしてラヴェル、でちょっとメシアンも(残念ながら実際に聴いたことはないのですが)

そんな先生の演奏のなかから普段あんまり触れないサティの曲を今日はチョイス。
なぜかというと自分はあんまりサティが好きではないので(汗)
弾くのも聴くのもあんまり好きじゃない曲が多いです。ちょっとテンションというかユーモアについていけない、といいますか・・・(根が真面目だとか、light-heartedなのが苦手だとか周りからも言われますが結局そういうことかな)

青柳いづみこさんの著書「モノ書きピアニストはお尻が痛い」でサティを弾けるのはものすごく優等生か、ものすごく劣等生か、というようなことが書いてあったのですが、なんとなく分かる気がします。自分はどっちでもないので(笑)好みは変でも人としては結構普通のカテゴリに入るので・・・

耳には良いように書かれてるんですよ、サティの音楽って。大学の授業でだったかな、「聞き流すように書かれた音楽」みたいな目的があって。
それに関してはサティの音楽全般ものすごく優秀な「聞き流せる」音楽だと思います。
実際耳を傾けてみると色彩は綺麗ですし、まあそれ以上のものを求めちゃいけないかな、って気はするんですが。

Gnossienneはジムノペディに比べると知名度は低いですがいろんなところで使われていますよ。第1番と第2番が私は割と好きで、第2番のほうがちょっとフランスっぽい雰囲気があるかな(第1番に比べると、ですが・・・第1番はなんとなくギリシャ風味が強いような印象。)
あとGnossienneはいろんな変な指示語が書かれてるのも特徴的。次回また紹介しますね(汗)

この曲に限りませんが、このCDを聴いてると自分のフランス音楽的なタッチ(気づくとベートーヴェンもフランス風なタッチになってたりする!)は先生の影響をものすごーく受けてる気がします。どこが、というと難しいのですが、彼に習って数年、確実にちゃんとこの指の感覚に受け継がれてる・・・と思いたいです。

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