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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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21世紀のオーケストラ音楽で注目してる曲ベスト10
不覚にも昨日ピアノ練習で腕を一部痛めて間があいてしまいましたが前回のエントリーの続き。
前回選んだ「21世紀のオーケストラ音楽で注目してる曲ベスト10」各曲の(21世紀的なポイントも交えながらの)注目ポイントの紹介です。

(1)トーマス・アデス 「Polaris」
まずはアデス、何よりアデス。20世紀イギリスの偉大な作曲家ブリテンに続く21世紀の偉大な作曲家。オペラから交響的作品から新古典的な作品からどれもとっても素晴らしい。20世紀の音楽から受け継いだ部分も多く、その複雑さが癖になる。中でもPolarisはそういった面もありながらの美しさがあり、今アデスの曲で一番お勧めの曲です。

(2)ブレット・ディーン 「The Last Days of Socrates」
CDがまだ出ない!でもここで紹介しないわけにはいかない。上のアデスと同じく交響的なスタイルと複雑さがあるディーンの作風、私でもなかなか一回聴いただけじゃ捕らえきれないのですがその難しさ、難解さと聞き込む楽しみが好き。こういう曲が生まれるのもハイレベルなオケや演奏家が増えた21世紀だからこそ。作曲も演奏もこれからに期待できる。

(3)アルヴォ・ペルト 「Lamentate」
実はこの曲が2000年より後に書かれたことにちょっと驚いた。まあペルトはミニマル・ミュージックに入ってからスタイルが安定してるからな。ピアノがソリストではあるけれどピアノとオケの関係性が協奏曲とは大分違う、比較的伝統的なサウンド、伝統的な形式・編成に新しい意味と形を見いだしているという意味で21世紀らしいかなと思ったのでチョイス。あと私が弾きたいくらい好きなので。

(4)ジョン・アダムズ 「City Noir」
21世紀を代表する交響詩なんじゃないのかな、この曲は。アダムズの音楽の変遷が20世紀(ミニマル・ミュージック)から21世紀に進化したのの象徴と言いますか。20世紀の諸々も含め過去をひっくるめて次の時代を作っていく、という流れを表している曲です。それから「都会」をロマンチックにモチーフにするのも21世紀ならではかな。

(5)ナイジェル・ウェストレイク/リオール 「Compassions」
映画音楽やクラシック以外のスタイルとの融合はもちろん、ヘブライ語とアラビア語の併用、西洋以外の地域の音楽や要素を取り入れるなど21世紀なエレメントがたくさん。そしてその曲の聴きやすさやLiorの歌声で従来より広い層の聴衆をターゲットにしているのもこの時代ならでは(マーケティング面もそうなのかしらん)。

(6)オズバルド・ゴリホフ 「3つの歌曲」
オケとはいえど小編成。ただアルトフルートなど特殊楽器を使って音にこだわったり、打楽器の種類が多いのも20世紀終わり~現在の傾向(特にクラムがそうで、ゴリホフはクラムに影響受け手ますからね)。調性のほどよい曖昧さ、美しさとシンプルさはやっぱり今の時代に新しめなことじゃないかな。

(7)ロス・エドワーズ 尺八とオーケストラのための「The Heart of Night」
オーストラリアっぽいオーストラリアの音楽を選びたかったのですが案外最近のオケ作品が少なくてこれをチョイス。そもそもオーストラリアの作曲家がクラシック音楽界で存在感増してきてるのは21世紀の傾向ですね。あと尺八という西洋以外の楽器を使うこと(ただ使い方としては大分西洋寄りかな)だったり。あとこの曲の木管楽器の使い方が好き。20世紀に引き続き木管大活躍してるのかな。

(8)エイノユハニ・ラウタヴァーラ チェロ協奏曲第2番「Towards the Horizon」
2010年作曲ですが形式としてはかなり伝統的なコンチェルト。ただサウンドだったりオケや楽器のポテンシャルを(ソロに限らず)ぐいぐい引き出し使うという意味では現代ならではの協奏曲の進化形。伝統的な形式だけれど自由さと新鮮さがある曲です。チェロも特にロマン派でのオイシイところいただきながらその上をさらに行く感があっていい。

(9)エレーナ・カッツ=チェルニン バレエ組曲「Wild Swans」
大編成の曲や多くの人力が必要になるオペラやバレエがちょっと少なめな時代ではありますが、こういうバレエもあります。「Wild Swans」はこぢんまりとしてシンプルな響きのある作品。そんな中で音楽は精巧で色彩も豊か。題材や枠組みは伝統的だけれど新しい味もあるバレエです。(あとバレエだけでなく組曲としても存分に楽しめます)


(10)譚盾 「Triple Resurrection」
これも1回ラジオで聴いただけと無謀なことをしてしまった(汗)譚盾は映画音楽で有名ですがクラシック方面でも活動していて作風もかなり幅があったり(そこはウェストレイクと共通要素が多く、先ほどウェストレイクの作品について書いたことは譚盾にも当てはまります)。西洋のオケと東洋の楽器や音楽と融合とか映画に先駆けて音楽を作ったりとか色々ありますが、なんと言っても彼を始め「文化大革命世代の中国出身の作曲家」が現在活躍してるのが面白いなと。20世紀の(音楽に限らず)諸々の中で生まれ育った作曲家がどんな作品を今作ってるのか、と思うと21世紀の音楽にわくわくします。

ということで前回も書きましたがQ2の21世紀音楽マラソンは3月24日。全部聴けなくとも少しは聴きたいです。新しい音楽にもっと出会いたい!

そして話は変わりますが真・三國無双7(with猛将伝)のストーリーモード、魏の1周目史実ルートを始めました。というかキャラクターがある程度猛将伝分で育ってるんでさくさく進んでしまう。
呂布伝では意外とそんなに見られなかった呂布と貂蝉の関係性が呂布が戦場にいる間に貂蝉を先に倒したときの呂布の咆哮という形で見られてよかったです(ただその後脱兎のように逃げましたが)。


今日の一曲はお休み。10曲紹介したので。

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