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ちょっと間が空きました-。
大体仕事と三國無双と家周りのこと(あとピアノやってるときはピアノのこと)ばっかり考えて過ごしていてブログに書くことまで頭が回りませんでした。
とりあえず無双は蜀ストーリー2周目でIF攻略中です。やっぱり蜀に関しては英語でいうところのsoft spotが心にあるなーと実感しています。
もう秋分とあってかなり秋になってきて(それでもちらほら暑い日はあったりしますが)、起床時間に遅れがでたりなんだりちょっと精神面の調子にも影響が。
食欲が旺盛というか食の好奇心、色々おいしいものを食べたい欲が旺盛になってきているのもその一部なのかな。(おかげで例のスーパーマーケットブランドのStiltonとKabanaというおやつソーセージが冷蔵庫に)
インプット欲全般高まっているような傾向があるなか、そろそろ新しくCDを買いたいなーと思いここ数日各所に作ったウィッシュリストを見ながら色々考えていました。
友達のリサイタルで買ったCDを除いて最近(日本の銀行口座から振り込みの問題がありまして)消費は控えめにしていたのですが、そろそろ新しい音楽に出会いたい。
とりあえず物理的なCDとしてArkivmusic(ここは現代音楽もそうですがかなりたくさん録音が見つかります)でクラムのアメリカ歌曲集第7番&スペイン歌曲集第2番(グラミー賞にノミネートされた新しいの)とユーリ・バシュメットが弾くビオラの超俺得なラインアップのCDを買いました。
収録曲はヒンデミットのビオラとピアノのためのソナタop.11-4、ブリテンのラクリメ(ピアノ伴奏版)、そしてショスタコーヴィチのビオラソナタ、しかもリヒテルがピアノ弾いてると聴いたら買うしかないでしょう。バシュメットの演奏は他のヒンデミット(ソナタとか葬送音楽)とかも手元に欲しいな-。
そしてiTunes storeでも色々欲しいものが溜まってたのでとりあえず6つに絞って2回に分けて買う予定。たくさんいっぺんに聴けないのでちょっと噛み砕く時間をおいて。
なんたってほとんどが自分にとって全く新しい、それから一部は普段あんまり聴かないジャンルのCDもあるのでじっくり馴染ませながら楽しみたい。
ということで絞った結果の6つのCDがこちら。リンクはどれもiTunes storeの。
(1)Reich: Different Trains, Electric Counterpoint(クロノス・カルテット、Pat Metheny)
大学時代の何らかの科目のリスニングリストにDifferent TrainsもElectric Counterpointも入ってたはずなのになぜか後者だけしかPCに残っていなかった謎。最近の20世紀カウントダウンなんかでDifferent Trainsが何回か出てきて改めて欲しくなりました。あとElectric Counterpointは自分にとっての初Metheny(演奏してるのがPat Methenyだということは諸々後から知りましたが)。
(2)Uniko(クロノス・カルテット)
これはウィッシュリストに入れた理由を覚えてなかったのですが最近試聴したら分かりました。クロノスの録音を色々あさってた時にぱっと聴いて気に入ってぽちっとしたと思われ。このCDの作曲家、Kimmo PohjonenとSamuli Kosminenは「前衛的(avant-garde)」という言葉で説明されてるのですが聴いてみるとそんなほどでもないというか、クラシックらしいクラシックとは違うけどジャンル意識することなく面白く聴ける音楽だと思います。
(3)Early Music(クロノス・カルテット)
クロノスもういっちょ。現代音楽がメインジャンルの一つであるクロノスがバロック時代以前の古音楽などを演奏するCD。西洋音楽だけに限らないのがまたクロノスらしい。もちろん作曲当時のスタイルに忠実な演奏ではないと思いますがクロノスのスタイル・解釈は自分にとって間違いないのでここから古音楽も広げていけたらと思ってます。ただ一番楽しみにしてるのは古音楽でなくシュニトケの作品。試聴して全体がすごく知りたくなりました。
(4)Orchetrion(Pat Metheny)
去年生で聴いたPat Methenyの録音をやっと!購入します。長く活動してる方なので色々録音もありますがとりあえず新しい方から、コンサートで聴いて好きだった(そして試聴して思い出した)Spirit of the Airが収録されてる「Orchestrion」を。このCDはソロ演奏にパーカッションなどをプログラムしたアンサンブルを合わせている、ちょっと変わったスタイルの録音だそうで。人間のアンサンブルの演奏も素晴らしかったけど音楽の感じはプログラミングアンサンブルが好きだったのでチョイス。
(5)Prototyp(Hurdy-Gurdy)
以前も紹介したとおりこのアルバムの「Tok Jöns」がクロノス・カルテットのクラウドファンディング企画の特典ミックステープに収録されていて、以来気になっていたCDです。試聴した限りでは「Tok Jöns」が目立って民族音楽的なキャラクターが強くて、他はもうちょっとアンビエントとかテクノ方面の要素が強いみたい(ジャンルに疎いので表現があってるかどうかはちょっと分からないのですが)。
(6)Biophilia(Björk)
最初にこのCDの事を知ったのは確かWiredかなんかのニュースサイトの記事だったのですが、その後もちらほらネット界隈で言及があったりで気になっていて。ただ決定打となったのがこのアルバムで使われている「Gameleste」という楽器について知ったとき。なんでもガムランとチェレスタのあいのこ的な楽器だそうで(こちらに音の動画が、こちらにメイキング動画があります)。これはチェレスタ弾きとしては是が非でも注目してしまう。あと全トラック試聴してなんかこういう音楽も好きだな、と思ったので好奇心に任せてダイブしてみたいです。楽しみ。
ということでここから3つ後で購入する予定です。残りの3つは5月くらいかな。4月はAoW3拡張を筆頭にゲーム出費が予測されるので・・・
あと父がPat Metheny知らないって言ってたのでマレーシア行った時に聴かせてあげたいです。OrchestrionとかElectric Counterpointが初めてにふさわしいかちょっと疑問ですが。
今日の一曲: ヨハネス・ブラームス ピアノソナタ第3番 第3楽章
前友達のコンサートで聴いた曲紹介してなかった!(CDがGracenoteトラック名入ってないのでCDとして聴いてもインポートしてないのが原因だと思われます)
前回彼が弾いたときは案の定第2楽章を紹介したので今回は第3楽章をチョイス。第2楽章ほんと好きで何度でも紹介したいのですが。
前このブログで書いた期もするのですがソナタや交響曲でスケルツォ楽章があるとどうしてもちょっと重めだったりちょっと真面目なところのあるスケルツォを好きになってしまう傾向があって。(もともとスケルツォは息抜きというか軽さ・冗談のようなエレメントが入ってるものなのですが)
この第3楽章もやっぱりそういう感じのスケルツォ。そもそもブラームスだからやっぱりある程度の重みはでてきます。それがブラームスのいいところ。
とにかく曲の冒頭からいきなり助走つけて崖を駆け下るかのような意表を突いてくる感じと勢いがすごい好き。そして重みはあってもしっかり踊るようなリズム、そしてブラームス得意のちょっとジャズのようなハーモニーの変化だったり中間部の暖かみだったり、初期の若い頃の作品だけど色々ブラームスらしいいいとこが既に確立されてる。
ブラームスは室内楽だったり協奏曲だったり色々ピアノを使って曲を書いてますが(そして自身も演奏しましたし)、ピアノソナタは初期の3つしか書いてません(第3番でop. 5ですからねー)。
この第3番でもピアノの鍵盤を縦横無尽に駆け回り、ピアノ独奏ならではの飛翔が見られたり、ピアノソナタとして魅力がたくさん。これ以降にピアノソナタを書いてないのがちょっと惜しまれます。
この楽章を含めてけっこう大きい手が必要とされる(有利不利でなくもはや必要の域)曲なので自分が弾くことはかなわないと思いますが、友人の演奏を胸に、そして録音を手元にこの曲がもっと聴けることを願います。
リンクしたのはブロンフマンの演奏。ブロンフマンはブラームスのピアノ協奏曲第2番が十八番というイメージで、他にもプロコフィエフのピアノソナタ2番とかでっかい曲が得意な印象。手が大きいのかそういう曲の演奏もどこか軽さと余裕があっていつも驚きます。試聴してみたところこのソナタもそういうところあります。すごいよなあー。
大体仕事と三國無双と家周りのこと(あとピアノやってるときはピアノのこと)ばっかり考えて過ごしていてブログに書くことまで頭が回りませんでした。
とりあえず無双は蜀ストーリー2周目でIF攻略中です。やっぱり蜀に関しては英語でいうところのsoft spotが心にあるなーと実感しています。
もう秋分とあってかなり秋になってきて(それでもちらほら暑い日はあったりしますが)、起床時間に遅れがでたりなんだりちょっと精神面の調子にも影響が。
食欲が旺盛というか食の好奇心、色々おいしいものを食べたい欲が旺盛になってきているのもその一部なのかな。(おかげで例のスーパーマーケットブランドのStiltonとKabanaというおやつソーセージが冷蔵庫に)
インプット欲全般高まっているような傾向があるなか、そろそろ新しくCDを買いたいなーと思いここ数日各所に作ったウィッシュリストを見ながら色々考えていました。
友達のリサイタルで買ったCDを除いて最近(日本の銀行口座から振り込みの問題がありまして)消費は控えめにしていたのですが、そろそろ新しい音楽に出会いたい。
とりあえず物理的なCDとしてArkivmusic(ここは現代音楽もそうですがかなりたくさん録音が見つかります)でクラムのアメリカ歌曲集第7番&スペイン歌曲集第2番(グラミー賞にノミネートされた新しいの)とユーリ・バシュメットが弾くビオラの超俺得なラインアップのCDを買いました。
収録曲はヒンデミットのビオラとピアノのためのソナタop.11-4、ブリテンのラクリメ(ピアノ伴奏版)、そしてショスタコーヴィチのビオラソナタ、しかもリヒテルがピアノ弾いてると聴いたら買うしかないでしょう。バシュメットの演奏は他のヒンデミット(ソナタとか葬送音楽)とかも手元に欲しいな-。
そしてiTunes storeでも色々欲しいものが溜まってたのでとりあえず6つに絞って2回に分けて買う予定。たくさんいっぺんに聴けないのでちょっと噛み砕く時間をおいて。
なんたってほとんどが自分にとって全く新しい、それから一部は普段あんまり聴かないジャンルのCDもあるのでじっくり馴染ませながら楽しみたい。
ということで絞った結果の6つのCDがこちら。リンクはどれもiTunes storeの。
(1)Reich: Different Trains, Electric Counterpoint(クロノス・カルテット、Pat Metheny)
大学時代の何らかの科目のリスニングリストにDifferent TrainsもElectric Counterpointも入ってたはずなのになぜか後者だけしかPCに残っていなかった謎。最近の20世紀カウントダウンなんかでDifferent Trainsが何回か出てきて改めて欲しくなりました。あとElectric Counterpointは自分にとっての初Metheny(演奏してるのがPat Methenyだということは諸々後から知りましたが)。
(2)Uniko(クロノス・カルテット)
これはウィッシュリストに入れた理由を覚えてなかったのですが最近試聴したら分かりました。クロノスの録音を色々あさってた時にぱっと聴いて気に入ってぽちっとしたと思われ。このCDの作曲家、Kimmo PohjonenとSamuli Kosminenは「前衛的(avant-garde)」という言葉で説明されてるのですが聴いてみるとそんなほどでもないというか、クラシックらしいクラシックとは違うけどジャンル意識することなく面白く聴ける音楽だと思います。
(3)Early Music(クロノス・カルテット)
クロノスもういっちょ。現代音楽がメインジャンルの一つであるクロノスがバロック時代以前の古音楽などを演奏するCD。西洋音楽だけに限らないのがまたクロノスらしい。もちろん作曲当時のスタイルに忠実な演奏ではないと思いますがクロノスのスタイル・解釈は自分にとって間違いないのでここから古音楽も広げていけたらと思ってます。ただ一番楽しみにしてるのは古音楽でなくシュニトケの作品。試聴して全体がすごく知りたくなりました。
(4)Orchetrion(Pat Metheny)
去年生で聴いたPat Methenyの録音をやっと!購入します。長く活動してる方なので色々録音もありますがとりあえず新しい方から、コンサートで聴いて好きだった(そして試聴して思い出した)Spirit of the Airが収録されてる「Orchestrion」を。このCDはソロ演奏にパーカッションなどをプログラムしたアンサンブルを合わせている、ちょっと変わったスタイルの録音だそうで。人間のアンサンブルの演奏も素晴らしかったけど音楽の感じはプログラミングアンサンブルが好きだったのでチョイス。
(5)Prototyp(Hurdy-Gurdy)
以前も紹介したとおりこのアルバムの「Tok Jöns」がクロノス・カルテットのクラウドファンディング企画の特典ミックステープに収録されていて、以来気になっていたCDです。試聴した限りでは「Tok Jöns」が目立って民族音楽的なキャラクターが強くて、他はもうちょっとアンビエントとかテクノ方面の要素が強いみたい(ジャンルに疎いので表現があってるかどうかはちょっと分からないのですが)。
(6)Biophilia(Björk)
最初にこのCDの事を知ったのは確かWiredかなんかのニュースサイトの記事だったのですが、その後もちらほらネット界隈で言及があったりで気になっていて。ただ決定打となったのがこのアルバムで使われている「Gameleste」という楽器について知ったとき。なんでもガムランとチェレスタのあいのこ的な楽器だそうで(こちらに音の動画が、こちらにメイキング動画があります)。これはチェレスタ弾きとしては是が非でも注目してしまう。あと全トラック試聴してなんかこういう音楽も好きだな、と思ったので好奇心に任せてダイブしてみたいです。楽しみ。
ということでここから3つ後で購入する予定です。残りの3つは5月くらいかな。4月はAoW3拡張を筆頭にゲーム出費が予測されるので・・・
あと父がPat Metheny知らないって言ってたのでマレーシア行った時に聴かせてあげたいです。OrchestrionとかElectric Counterpointが初めてにふさわしいかちょっと疑問ですが。
今日の一曲: ヨハネス・ブラームス ピアノソナタ第3番 第3楽章
前友達のコンサートで聴いた曲紹介してなかった!(CDがGracenoteトラック名入ってないのでCDとして聴いてもインポートしてないのが原因だと思われます)
前回彼が弾いたときは案の定第2楽章を紹介したので今回は第3楽章をチョイス。第2楽章ほんと好きで何度でも紹介したいのですが。
前このブログで書いた期もするのですがソナタや交響曲でスケルツォ楽章があるとどうしてもちょっと重めだったりちょっと真面目なところのあるスケルツォを好きになってしまう傾向があって。(もともとスケルツォは息抜きというか軽さ・冗談のようなエレメントが入ってるものなのですが)
この第3楽章もやっぱりそういう感じのスケルツォ。そもそもブラームスだからやっぱりある程度の重みはでてきます。それがブラームスのいいところ。
とにかく曲の冒頭からいきなり助走つけて崖を駆け下るかのような意表を突いてくる感じと勢いがすごい好き。そして重みはあってもしっかり踊るようなリズム、そしてブラームス得意のちょっとジャズのようなハーモニーの変化だったり中間部の暖かみだったり、初期の若い頃の作品だけど色々ブラームスらしいいいとこが既に確立されてる。
ブラームスは室内楽だったり協奏曲だったり色々ピアノを使って曲を書いてますが(そして自身も演奏しましたし)、ピアノソナタは初期の3つしか書いてません(第3番でop. 5ですからねー)。
この第3番でもピアノの鍵盤を縦横無尽に駆け回り、ピアノ独奏ならではの飛翔が見られたり、ピアノソナタとして魅力がたくさん。これ以降にピアノソナタを書いてないのがちょっと惜しまれます。
この楽章を含めてけっこう大きい手が必要とされる(有利不利でなくもはや必要の域)曲なので自分が弾くことはかなわないと思いますが、友人の演奏を胸に、そして録音を手元にこの曲がもっと聴けることを願います。
リンクしたのはブロンフマンの演奏。ブロンフマンはブラームスのピアノ協奏曲第2番が十八番というイメージで、他にもプロコフィエフのピアノソナタ2番とかでっかい曲が得意な印象。手が大きいのかそういう曲の演奏もどこか軽さと余裕があっていつも驚きます。試聴してみたところこのソナタもそういうところあります。すごいよなあー。
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仕事が続くと色々外食でおいしいもの食べたくなる欲が強くなり困る日々です。
昨日はコンサート後に鴨ラーメン(とジェラート)、今日はその時に買って帰ったカスタードまんや近くのベーグルやさんでベーグルを買ったり。
(中華まんが買える店は家の近くにないものか・・・)
ということで本題は昨日のコンサート。友人がピアノ弾いてるトリオPlexusの今年初めてのMelbourne Recital Centreでのコンサートでした。
プログラムは今回も委嘱作品を中心にオール21世紀・オール女性作曲家の6曲。こんな感じです。
Plexus 「Post-Patriarchal」
バイオリン:Monica Curro、クラリネット:Philip Arkinstall、ピアノ:Stefan Cassomenos
Jennifer Higdon 「Dash - 」
Sally Whitwell 「The Web」
Nat Batsch 「Into the Light」
Lisa Cheney 「No Distant Place」
Sally Greenaway 「Quietude」
Maria Grenfell 「Voyage」
(最初の曲以外全部世界初演)
ちなみに今これを書いてる間豪ABC Classic FMでこのコンサートが放送されてるので聴きながら書いてます。
6曲とも聴いてて楽しかったですし一つのプログラムとしてもなんか相性のいいところがある曲でした。それぞれの曲で楽器の活躍の仕方とか表現が変わるのも面白い。
今回「No Distant Place」の第2部では通常のクラリネットでなくバスクラ演奏でした。以前も色々持ち替えありましたがこの編成のトリオだとそういうとこも自由がきくのがいいよなーと改めて思いました。
特に印象に残ったのはピアノ、バイオリン、クラリネットという楽器の超機動力を駆使した(そしてそれゆえアンサンブルが難しそうな)「Dash - 」、音楽と特にバイオリンの激しさが狂おしくも気持ち良い「The Web」、多分一番抽象的ながらも題材の詩と合わせて心にしみわたる「No Distant Place」あたりかな。
(ちなみにその詩というのがDerek Bourne-Jonesの「No Distant Place」という詩です。いい詩ですよ。)
ただそれを超えてSally Greenawayの「Quietude」がお気に入り。(これも題材としてRichard Aldingtonの「Bombardment」という詩を使っています)
曲を通じてこんなに一つ一つの和音の色彩が愛しいと思うとは。夢で見たことあるような空の色が音楽に見つけられて、本当に特別な体験。出会えてよかった。
今回のコンサートはメルボルン内外で活躍している女性作曲家(4人コンサートに来てました)の作品を聴くことが出来たわけですが何人かは私と同世代。これからの活躍を祈っています。
ちなみにクロノス・カルテットがカーネギーホールと共同で主催する「Fifty for the Future」という世界中の存命の50人の作曲家とのコラボレーションによる作曲委嘱プロジェクトでも作曲家の男女比を1:1にしているそうで、これから女性作曲家の作品を聴く機会がぐっと増えると思われます。
こちらも色々面白そうなので応援していきたいです。あとクロノスまたメルボルンに来て欲しい!
今日の一曲はお休み。
昨日はコンサート後に鴨ラーメン(とジェラート)、今日はその時に買って帰ったカスタードまんや近くのベーグルやさんでベーグルを買ったり。
(中華まんが買える店は家の近くにないものか・・・)
ということで本題は昨日のコンサート。友人がピアノ弾いてるトリオPlexusの今年初めてのMelbourne Recital Centreでのコンサートでした。
プログラムは今回も委嘱作品を中心にオール21世紀・オール女性作曲家の6曲。こんな感じです。
Plexus 「Post-Patriarchal」
バイオリン:Monica Curro、クラリネット:Philip Arkinstall、ピアノ:Stefan Cassomenos
Jennifer Higdon 「Dash - 」
Sally Whitwell 「The Web」
Nat Batsch 「Into the Light」
Lisa Cheney 「No Distant Place」
Sally Greenaway 「Quietude」
Maria Grenfell 「Voyage」
(最初の曲以外全部世界初演)
ちなみに今これを書いてる間豪ABC Classic FMでこのコンサートが放送されてるので聴きながら書いてます。
6曲とも聴いてて楽しかったですし一つのプログラムとしてもなんか相性のいいところがある曲でした。それぞれの曲で楽器の活躍の仕方とか表現が変わるのも面白い。
今回「No Distant Place」の第2部では通常のクラリネットでなくバスクラ演奏でした。以前も色々持ち替えありましたがこの編成のトリオだとそういうとこも自由がきくのがいいよなーと改めて思いました。
特に印象に残ったのはピアノ、バイオリン、クラリネットという楽器の超機動力を駆使した(そしてそれゆえアンサンブルが難しそうな)「Dash - 」、音楽と特にバイオリンの激しさが狂おしくも気持ち良い「The Web」、多分一番抽象的ながらも題材の詩と合わせて心にしみわたる「No Distant Place」あたりかな。
(ちなみにその詩というのがDerek Bourne-Jonesの「No Distant Place」という詩です。いい詩ですよ。)
ただそれを超えてSally Greenawayの「Quietude」がお気に入り。(これも題材としてRichard Aldingtonの「Bombardment」という詩を使っています)
曲を通じてこんなに一つ一つの和音の色彩が愛しいと思うとは。夢で見たことあるような空の色が音楽に見つけられて、本当に特別な体験。出会えてよかった。
今回のコンサートはメルボルン内外で活躍している女性作曲家(4人コンサートに来てました)の作品を聴くことが出来たわけですが何人かは私と同世代。これからの活躍を祈っています。
ちなみにクロノス・カルテットがカーネギーホールと共同で主催する「Fifty for the Future」という世界中の存命の50人の作曲家とのコラボレーションによる作曲委嘱プロジェクトでも作曲家の男女比を1:1にしているそうで、これから女性作曲家の作品を聴く機会がぐっと増えると思われます。
こちらも色々面白そうなので応援していきたいです。あとクロノスまたメルボルンに来て欲しい!
今日の一曲はお休み。
不覚にも昨日ピアノ練習で腕を一部痛めて間があいてしまいましたが前回のエントリーの続き。
前回選んだ「21世紀のオーケストラ音楽で注目してる曲ベスト10」各曲の(21世紀的なポイントも交えながらの)注目ポイントの紹介です。
(1)トーマス・アデス 「Polaris」
まずはアデス、何よりアデス。20世紀イギリスの偉大な作曲家ブリテンに続く21世紀の偉大な作曲家。オペラから交響的作品から新古典的な作品からどれもとっても素晴らしい。20世紀の音楽から受け継いだ部分も多く、その複雑さが癖になる。中でもPolarisはそういった面もありながらの美しさがあり、今アデスの曲で一番お勧めの曲です。
前回選んだ「21世紀のオーケストラ音楽で注目してる曲ベスト10」各曲の(21世紀的なポイントも交えながらの)注目ポイントの紹介です。
(1)トーマス・アデス 「Polaris」
まずはアデス、何よりアデス。20世紀イギリスの偉大な作曲家ブリテンに続く21世紀の偉大な作曲家。オペラから交響的作品から新古典的な作品からどれもとっても素晴らしい。20世紀の音楽から受け継いだ部分も多く、その複雑さが癖になる。中でもPolarisはそういった面もありながらの美しさがあり、今アデスの曲で一番お勧めの曲です。
(2)ブレット・ディーン 「The Last Days of Socrates」
CDがまだ出ない!でもここで紹介しないわけにはいかない。上のアデスと同じく交響的なスタイルと複雑さがあるディーンの作風、私でもなかなか一回聴いただけじゃ捕らえきれないのですがその難しさ、難解さと聞き込む楽しみが好き。こういう曲が生まれるのもハイレベルなオケや演奏家が増えた21世紀だからこそ。作曲も演奏もこれからに期待できる。
CDがまだ出ない!でもここで紹介しないわけにはいかない。上のアデスと同じく交響的なスタイルと複雑さがあるディーンの作風、私でもなかなか一回聴いただけじゃ捕らえきれないのですがその難しさ、難解さと聞き込む楽しみが好き。こういう曲が生まれるのもハイレベルなオケや演奏家が増えた21世紀だからこそ。作曲も演奏もこれからに期待できる。
(3)アルヴォ・ペルト 「Lamentate」
実はこの曲が2000年より後に書かれたことにちょっと驚いた。まあペルトはミニマル・ミュージックに入ってからスタイルが安定してるからな。ピアノがソリストではあるけれどピアノとオケの関係性が協奏曲とは大分違う、比較的伝統的なサウンド、伝統的な形式・編成に新しい意味と形を見いだしているという意味で21世紀らしいかなと思ったのでチョイス。あと私が弾きたいくらい好きなので。
実はこの曲が2000年より後に書かれたことにちょっと驚いた。まあペルトはミニマル・ミュージックに入ってからスタイルが安定してるからな。ピアノがソリストではあるけれどピアノとオケの関係性が協奏曲とは大分違う、比較的伝統的なサウンド、伝統的な形式・編成に新しい意味と形を見いだしているという意味で21世紀らしいかなと思ったのでチョイス。あと私が弾きたいくらい好きなので。
(4)ジョン・アダムズ 「City Noir」
21世紀を代表する交響詩なんじゃないのかな、この曲は。アダムズの音楽の変遷が20世紀(ミニマル・ミュージック)から21世紀に進化したのの象徴と言いますか。20世紀の諸々も含め過去をひっくるめて次の時代を作っていく、という流れを表している曲です。それから「都会」をロマンチックにモチーフにするのも21世紀ならではかな。
21世紀を代表する交響詩なんじゃないのかな、この曲は。アダムズの音楽の変遷が20世紀(ミニマル・ミュージック)から21世紀に進化したのの象徴と言いますか。20世紀の諸々も含め過去をひっくるめて次の時代を作っていく、という流れを表している曲です。それから「都会」をロマンチックにモチーフにするのも21世紀ならではかな。
(5)ナイジェル・ウェストレイク/リオール 「Compassions」
映画音楽やクラシック以外のスタイルとの融合はもちろん、ヘブライ語とアラビア語の併用、西洋以外の地域の音楽や要素を取り入れるなど21世紀なエレメントがたくさん。そしてその曲の聴きやすさやLiorの歌声で従来より広い層の聴衆をターゲットにしているのもこの時代ならでは(マーケティング面もそうなのかしらん)。
映画音楽やクラシック以外のスタイルとの融合はもちろん、ヘブライ語とアラビア語の併用、西洋以外の地域の音楽や要素を取り入れるなど21世紀なエレメントがたくさん。そしてその曲の聴きやすさやLiorの歌声で従来より広い層の聴衆をターゲットにしているのもこの時代ならでは(マーケティング面もそうなのかしらん)。
(6)オズバルド・ゴリホフ 「3つの歌曲」
オケとはいえど小編成。ただアルトフルートなど特殊楽器を使って音にこだわったり、打楽器の種類が多いのも20世紀終わり~現在の傾向(特にクラムがそうで、ゴリホフはクラムに影響受け手ますからね)。調性のほどよい曖昧さ、美しさとシンプルさはやっぱり今の時代に新しめなことじゃないかな。
オケとはいえど小編成。ただアルトフルートなど特殊楽器を使って音にこだわったり、打楽器の種類が多いのも20世紀終わり~現在の傾向(特にクラムがそうで、ゴリホフはクラムに影響受け手ますからね)。調性のほどよい曖昧さ、美しさとシンプルさはやっぱり今の時代に新しめなことじゃないかな。
(7)ロス・エドワーズ 尺八とオーケストラのための「The Heart of Night」
オーストラリアっぽいオーストラリアの音楽を選びたかったのですが案外最近のオケ作品が少なくてこれをチョイス。そもそもオーストラリアの作曲家がクラシック音楽界で存在感増してきてるのは21世紀の傾向ですね。あと尺八という西洋以外の楽器を使うこと(ただ使い方としては大分西洋寄りかな)だったり。あとこの曲の木管楽器の使い方が好き。20世紀に引き続き木管大活躍してるのかな。
オーストラリアっぽいオーストラリアの音楽を選びたかったのですが案外最近のオケ作品が少なくてこれをチョイス。そもそもオーストラリアの作曲家がクラシック音楽界で存在感増してきてるのは21世紀の傾向ですね。あと尺八という西洋以外の楽器を使うこと(ただ使い方としては大分西洋寄りかな)だったり。あとこの曲の木管楽器の使い方が好き。20世紀に引き続き木管大活躍してるのかな。
(8)エイノユハニ・ラウタヴァーラ チェロ協奏曲第2番「Towards the Horizon」
2010年作曲ですが形式としてはかなり伝統的なコンチェルト。ただサウンドだったりオケや楽器のポテンシャルを(ソロに限らず)ぐいぐい引き出し使うという意味では現代ならではの協奏曲の進化形。伝統的な形式だけれど自由さと新鮮さがある曲です。チェロも特にロマン派でのオイシイところいただきながらその上をさらに行く感があっていい。
(9)エレーナ・カッツ=チェルニン バレエ組曲「Wild Swans」
(9)エレーナ・カッツ=チェルニン バレエ組曲「Wild Swans」
大編成の曲や多くの人力が必要になるオペラやバレエがちょっと少なめな時代ではありますが、こういうバレエもあります。「Wild Swans」はこぢんまりとしてシンプルな響きのある作品。そんな中で音楽は精巧で色彩も豊か。題材や枠組みは伝統的だけれど新しい味もあるバレエです。(あとバレエだけでなく組曲としても存分に楽しめます)
(10)譚盾 「Triple Resurrection」
これも1回ラジオで聴いただけと無謀なことをしてしまった(汗)譚盾は映画音楽で有名ですがクラシック方面でも活動していて作風もかなり幅があったり(そこはウェストレイクと共通要素が多く、先ほどウェストレイクの作品について書いたことは譚盾にも当てはまります)。西洋のオケと東洋の楽器や音楽と融合とか映画に先駆けて音楽を作ったりとか色々ありますが、なんと言っても彼を始め「文化大革命世代の中国出身の作曲家」が現在活躍してるのが面白いなと。20世紀の(音楽に限らず)諸々の中で生まれ育った作曲家がどんな作品を今作ってるのか、と思うと21世紀の音楽にわくわくします。
ということで前回も書きましたがQ2の21世紀音楽マラソンは3月24日。全部聴けなくとも少しは聴きたいです。新しい音楽にもっと出会いたい!
そして話は変わりますが真・三國無双7(with猛将伝)のストーリーモード、魏の1周目史実ルートを始めました。というかキャラクターがある程度猛将伝分で育ってるんでさくさく進んでしまう。
呂布伝では意外とそんなに見られなかった呂布と貂蝉の関係性が呂布が戦場にいる間に貂蝉を先に倒したときの呂布の咆哮という形で見られてよかったです(ただその後脱兎のように逃げましたが)。
今日の一曲はお休み。10曲紹介したので。
(10)譚盾 「Triple Resurrection」
これも1回ラジオで聴いただけと無謀なことをしてしまった(汗)譚盾は映画音楽で有名ですがクラシック方面でも活動していて作風もかなり幅があったり(そこはウェストレイクと共通要素が多く、先ほどウェストレイクの作品について書いたことは譚盾にも当てはまります)。西洋のオケと東洋の楽器や音楽と融合とか映画に先駆けて音楽を作ったりとか色々ありますが、なんと言っても彼を始め「文化大革命世代の中国出身の作曲家」が現在活躍してるのが面白いなと。20世紀の(音楽に限らず)諸々の中で生まれ育った作曲家がどんな作品を今作ってるのか、と思うと21世紀の音楽にわくわくします。
ということで前回も書きましたがQ2の21世紀音楽マラソンは3月24日。全部聴けなくとも少しは聴きたいです。新しい音楽にもっと出会いたい!
そして話は変わりますが真・三國無双7(with猛将伝)のストーリーモード、魏の1周目史実ルートを始めました。というかキャラクターがある程度猛将伝分で育ってるんでさくさく進んでしまう。
呂布伝では意外とそんなに見られなかった呂布と貂蝉の関係性が呂布が戦場にいる間に貂蝉を先に倒したときの呂布の咆哮という形で見られてよかったです(ただその後脱兎のように逃げましたが)。
今日の一曲はお休み。10曲紹介したので。
前回のエントリーに拍手ありがとうございます。
その前回のエントリーはDwellingsの話でしたがこないだ始めたランダムマップではいくつか街を押さえたのにまだDwellingが一つも見つかってなかったり。Nagaさん来い来い(ゲームどうこうでなくただ単に蛇が好きなだけ)。
さて、最近ネットラジオはちょっとご無沙汰なのですがニューヨークの現代音楽特化チャンネルQ2 Musicでまたマラソン的な特集のお知らせが入ってきました。
ななななんと「21世紀(2000年より後)に作曲されたオーケストラ曲」のくくりで24時間放送するそうです。3月24日に。ニューヨーク時間の真夜中からかな?予告記事はこちらから。
21世紀ですよ。20世紀でさえ作品の知名度が低い時代なのに&まだ21世紀が始まって15年目なのに。
でも20世紀に一般にあまり知られず素晴らしい曲がたくさん残されているのと何ら変わらず21世紀にも世界の色々な所で様々な作曲家が前の時代に劣らない作品を書いて活躍しています。
そしてクラシック音楽も進化が止まったわけでなく、20世紀よりもさらに多様化した、一口で「クラシック音楽」とはくくれないくらい色々なスタイルに広がっています。
20世紀から21世紀の全体的な傾向としては19世紀の頃みたいに大金持ちのパトロンがいるわけでもなく、それから音楽のスタイル(クラシック以外にも)や拠点がものすごく多様化したためお金や人など資源がかなり分散して、でっかいオペラやオケ音楽がそうたくさん出来ないようになった、みたいな理解でいいのかな。
なのでオペラも最近は「室内オペラ」というオケや舞台のセットなどがこぢんまりした構成のオペラやmusic theatreが流行だったり、室内楽グループによる作曲委嘱、歌曲の作曲が多かったり、オケと室内楽の間みたいなサイズの編成の曲が作曲されたり。
なのでここで21世紀の「オケ曲」に絞るってのはなかなかチャレンジかもしれません。
先ほどの紹介記事やそのコメント、そして記事に言及があるTwitterハッシュタグ「#21cOrch」のツイートを見るといっぱい知らない曲が言及されて改めて自分の不勉強さを思い知る、と同時にものすごい好奇心が湧いてきます。もっと色んな音楽を知りたい!
ただ私もいくつか知ってることは知ってるはず。なので自分にとっての「21世紀のオーケストラ音楽で注目してる曲のベスト」を選んでみました。
とはいえそもそもの母数も少なく、自分が知ってる曲も少なく、厳しい目で選ぶというよりは自分の好きな曲をなんとかかき集めた感じになりました。難しい!
ちょっと前に生まれてるけど存命の作曲家で21世紀になってからあんまり大編成の曲書いてない人もいたり(Sculthorpeとかクラムとか)、あと意外と1990年台以前だったりする曲もいくつかあって、80年台以降は歴史の年表的に考えられなくて難しい。要勉強です。
今現在の自分にとっての「21世紀のオーケストラ音楽で注目してる曲ベスト10」はこんな感じです。
(1)トーマス・アデス 「Polaris」
(2)ブレット・ディーン 「The Last Days of Socrates」
(3)アルヴォ・ペルト 「Lamentate」
(4)ジョン・アダムズ 「City Noir」
(5)ナイジェル・ウェストレイク/リオール 「Compassions」
(6)オズバルド・ゴリホフ 「3つの歌曲」
(7)ロス・エドワーズ 尺八とオーケストラのための「The Heart of Night」
(8)エイノユハニ・ラウタヴァーラ チェロ協奏曲第2番「Towards the Horizon」
(9)エレーナ・カッツ=チェルニン バレエ組曲「Wild Swans」
(10)譚盾 「Triple Resurrection」
うーん、やっぱりもうちょっと知識を蓄えてからやりたかったかも。難しい!
やっぱり地元バイアスといいますかオーストラリアの作曲家は多くなりますね。(2,5,7,9)
自分が短期間で好きになった曲ぞろいなので比較的聞きやすいラインアップになっています。作曲家だけでも参考にどうぞ。
ただこの10曲だけでも21世紀音楽の魅力というかキーポイントが結構押さえられているような気がします。
例えば作曲家の拠点・ベースになる文化の多様性(豪だけでなくイギリス、エストニア、アメリカ、アルゼンチン、フィンランド、中国、7は尺八で日本もちょっぴり)、音楽の軸になっているspiritualな芯が伝統的な宗教に必ずしも基づいていないという意味での多様性(3とか5特に)、伝統的な形式と新しい形式を自由に組み合わせる枠組みの作り方(3とか4、8)、それからクラシック以外のジャンルの要素の取り入れ(4,10)とかで比較的聞きやすい曲が多くあるのも特徴。
これ・・・次のエントリーで10曲それぞれ改めて紹介しようかしらん。
ちょっとなんかざっと概要書いただけだと足りないというかなんというか。ということで次回に続く。
今日の一曲: Nigel Westlake/Lior 「Compassion」 第5楽章「Al Takshu L'vavchem」
iTunes storeでの録音リンク(試聴有り)
久しぶりのCompassion。検索かけてないけど記憶だとまだ1回しか紹介してないはず。それも勿体ない話なのでこの機会に。
映画「ベイブ」の音楽で有名なオーストラリアの作曲家ナイジェル・ウェストレイクがイスラエル系オーストラリア人歌手Liorと手を組んで作曲、演奏したオーケストラと歌い手のための作品、「Compassion」。ウェストレイクの映画音楽と似たスタイルやしっかりしたオケ使い、Liorによるヘブライ語とアラビア語の歌詞や中東の音楽で聞くようなこぶし、そしてなんといってもその美声、とクラシックになじみがなくとも聴きどころたくさんの曲です。
「Compassion」の聞き所といえばゆっくりめのテンポでLiorの美声が聴けるメロディックな楽章だと思うのですが、今回紹介したいのはテンポでいえば一番速い第5楽章。本文がオケの話だったのでオケが活躍するこちらをチョイス。
なんてったって最初の最初から打楽器が元気!速い5拍子をベースにしてくるくる拍子が変わりますが打楽器が生き生きしてるとイレギュラーでもリズムにのりやすい。(ちなみに拍子がよくかわるのは20世紀以降の音楽の特徴で、特にオーストラリアでは特徴的に多用されています)
そしてそんな中出オケの色が様々に変わるのと一緒に歌い手の声の色も同じように様々に変わるのはたまらない魅力です。速いテンポでリズミカル(というか早口言葉にさえ聞こえる)に歌うだけでなくリズムに乗ったメロディーも美しい。
結局歌の方の話になってしまいましたがやっぱりオケが生き生きしてるのはこの第5楽章だと思います。
リンクしたのは今唯一出てる(はず)シドニー響の演奏。日本のAmazonにもあるのですが試聴がなかったのでこっちに。
ちなみに私もメル響のSidney Myer Bowlでのコンサートで聞いて以来(打楽器がすごく元気だった!)なのでまた演奏どこかでやらないかなー。
その前回のエントリーはDwellingsの話でしたがこないだ始めたランダムマップではいくつか街を押さえたのにまだDwellingが一つも見つかってなかったり。Nagaさん来い来い(ゲームどうこうでなくただ単に蛇が好きなだけ)。
さて、最近ネットラジオはちょっとご無沙汰なのですがニューヨークの現代音楽特化チャンネルQ2 Musicでまたマラソン的な特集のお知らせが入ってきました。
ななななんと「21世紀(2000年より後)に作曲されたオーケストラ曲」のくくりで24時間放送するそうです。3月24日に。ニューヨーク時間の真夜中からかな?予告記事はこちらから。
21世紀ですよ。20世紀でさえ作品の知名度が低い時代なのに&まだ21世紀が始まって15年目なのに。
でも20世紀に一般にあまり知られず素晴らしい曲がたくさん残されているのと何ら変わらず21世紀にも世界の色々な所で様々な作曲家が前の時代に劣らない作品を書いて活躍しています。
そしてクラシック音楽も進化が止まったわけでなく、20世紀よりもさらに多様化した、一口で「クラシック音楽」とはくくれないくらい色々なスタイルに広がっています。
20世紀から21世紀の全体的な傾向としては19世紀の頃みたいに大金持ちのパトロンがいるわけでもなく、それから音楽のスタイル(クラシック以外にも)や拠点がものすごく多様化したためお金や人など資源がかなり分散して、でっかいオペラやオケ音楽がそうたくさん出来ないようになった、みたいな理解でいいのかな。
なのでオペラも最近は「室内オペラ」というオケや舞台のセットなどがこぢんまりした構成のオペラやmusic theatreが流行だったり、室内楽グループによる作曲委嘱、歌曲の作曲が多かったり、オケと室内楽の間みたいなサイズの編成の曲が作曲されたり。
なのでここで21世紀の「オケ曲」に絞るってのはなかなかチャレンジかもしれません。
先ほどの紹介記事やそのコメント、そして記事に言及があるTwitterハッシュタグ「#21cOrch」のツイートを見るといっぱい知らない曲が言及されて改めて自分の不勉強さを思い知る、と同時にものすごい好奇心が湧いてきます。もっと色んな音楽を知りたい!
ただ私もいくつか知ってることは知ってるはず。なので自分にとっての「21世紀のオーケストラ音楽で注目してる曲のベスト」を選んでみました。
とはいえそもそもの母数も少なく、自分が知ってる曲も少なく、厳しい目で選ぶというよりは自分の好きな曲をなんとかかき集めた感じになりました。難しい!
ちょっと前に生まれてるけど存命の作曲家で21世紀になってからあんまり大編成の曲書いてない人もいたり(Sculthorpeとかクラムとか)、あと意外と1990年台以前だったりする曲もいくつかあって、80年台以降は歴史の年表的に考えられなくて難しい。要勉強です。
今現在の自分にとっての「21世紀のオーケストラ音楽で注目してる曲ベスト10」はこんな感じです。
(1)トーマス・アデス 「Polaris」
(2)ブレット・ディーン 「The Last Days of Socrates」
(3)アルヴォ・ペルト 「Lamentate」
(4)ジョン・アダムズ 「City Noir」
(5)ナイジェル・ウェストレイク/リオール 「Compassions」
(6)オズバルド・ゴリホフ 「3つの歌曲」
(7)ロス・エドワーズ 尺八とオーケストラのための「The Heart of Night」
(8)エイノユハニ・ラウタヴァーラ チェロ協奏曲第2番「Towards the Horizon」
(9)エレーナ・カッツ=チェルニン バレエ組曲「Wild Swans」
(10)譚盾 「Triple Resurrection」
うーん、やっぱりもうちょっと知識を蓄えてからやりたかったかも。難しい!
やっぱり地元バイアスといいますかオーストラリアの作曲家は多くなりますね。(2,5,7,9)
自分が短期間で好きになった曲ぞろいなので比較的聞きやすいラインアップになっています。作曲家だけでも参考にどうぞ。
ただこの10曲だけでも21世紀音楽の魅力というかキーポイントが結構押さえられているような気がします。
例えば作曲家の拠点・ベースになる文化の多様性(豪だけでなくイギリス、エストニア、アメリカ、アルゼンチン、フィンランド、中国、7は尺八で日本もちょっぴり)、音楽の軸になっているspiritualな芯が伝統的な宗教に必ずしも基づいていないという意味での多様性(3とか5特に)、伝統的な形式と新しい形式を自由に組み合わせる枠組みの作り方(3とか4、8)、それからクラシック以外のジャンルの要素の取り入れ(4,10)とかで比較的聞きやすい曲が多くあるのも特徴。
これ・・・次のエントリーで10曲それぞれ改めて紹介しようかしらん。
ちょっとなんかざっと概要書いただけだと足りないというかなんというか。ということで次回に続く。
今日の一曲: Nigel Westlake/Lior 「Compassion」 第5楽章「Al Takshu L'vavchem」
iTunes storeでの録音リンク(試聴有り)
久しぶりのCompassion。検索かけてないけど記憶だとまだ1回しか紹介してないはず。それも勿体ない話なのでこの機会に。
映画「ベイブ」の音楽で有名なオーストラリアの作曲家ナイジェル・ウェストレイクがイスラエル系オーストラリア人歌手Liorと手を組んで作曲、演奏したオーケストラと歌い手のための作品、「Compassion」。ウェストレイクの映画音楽と似たスタイルやしっかりしたオケ使い、Liorによるヘブライ語とアラビア語の歌詞や中東の音楽で聞くようなこぶし、そしてなんといってもその美声、とクラシックになじみがなくとも聴きどころたくさんの曲です。
「Compassion」の聞き所といえばゆっくりめのテンポでLiorの美声が聴けるメロディックな楽章だと思うのですが、今回紹介したいのはテンポでいえば一番速い第5楽章。本文がオケの話だったのでオケが活躍するこちらをチョイス。
なんてったって最初の最初から打楽器が元気!速い5拍子をベースにしてくるくる拍子が変わりますが打楽器が生き生きしてるとイレギュラーでもリズムにのりやすい。(ちなみに拍子がよくかわるのは20世紀以降の音楽の特徴で、特にオーストラリアでは特徴的に多用されています)
そしてそんな中出オケの色が様々に変わるのと一緒に歌い手の声の色も同じように様々に変わるのはたまらない魅力です。速いテンポでリズミカル(というか早口言葉にさえ聞こえる)に歌うだけでなくリズムに乗ったメロディーも美しい。
結局歌の方の話になってしまいましたがやっぱりオケが生き生きしてるのはこの第5楽章だと思います。
リンクしたのは今唯一出てる(はず)シドニー響の演奏。日本のAmazonにもあるのですが試聴がなかったのでこっちに。
ちなみに私もメル響のSidney Myer Bowlでのコンサートで聞いて以来(打楽器がすごく元気だった!)なのでまた演奏どこかでやらないかなー。
昨日書くはずだったー・・・のですが夕方に突然(珍しく)回転性めまいに襲われました。
なんだろう急に、と思ったのですがどうも天候の急変化が原因だったかもしれない。時間関係的にそれが一番可能性が高い。それにしてもびっくりしたー(めまいも天気も)
ということで金曜日の夜はイギリスからこっちに戻ってきた(博士号を取るそうです)大学来のピアノ友達、Tristan Leeのリサイタルに行って来ました。
プログラムは彼得意のブラームスとリスト。私と比べると陳宮と呂布くらいの身長差で手もでっかいので体格的にもこういう曲が向いてますが、音楽的な性質でもほんとよく合う。
実際のプログラムは前半がブラームスのピアノソナタ第3番、後半がリストのピアノソナタ。どっちも40分くらいあるんじゃないかな。長さだけじゃなく深さも厚さもでっかい。よく一緒に弾こうと思うなー私は1つも無理(特にブラームスは手がでっかくないと不可能)。
それにしてもいい演奏でした。リストはまだあんまり完成しないまま弾いちゃったらしいのですがピアノのピアノらしい世界と旅路のような流れがよかった。あんまり頻繁に聴くものじゃない特別な曲ですがまた彼の演奏で聴きたいです。
そしてブラームスは真骨頂というかなんというか。前回聴いたとき以上にこの曲を一生大事にする意志が見えて。ブラームスの初期の作品にしては音楽的に完成してる感じはあったのですが、でも第2楽章と第5楽章はその円熟した音楽性がものすごく心地よかったです。
それにしてもこのブラームスのピアノソナタ第3番、5楽章編成というのがすごくしっくりくる。ソナタや協奏曲、交響曲であるスタンダードな3~4楽章編成とはまた違う世界観。スケルツォと最終楽章の間にスローな楽章が一つ入るだけの差なのに。
意外とショスタコーヴィチは5楽章編成多いですね。交響曲第9番とかピアノ五重奏曲とか、弦楽四重奏曲でもあったはず。
さらにコンサート後はピアノ友達周りで飲みに行きました。
シティのFlinders StreetとRussell Streetの角あたりにあるThe Duke(Duke of Wellington)というバーで、いくつか中が分かれてる様子。レストラン部分もあるのかな?ご飯代わりに食べたチョリソーとチーズのコロッケが美味しかったです。
最近忙しさなど諸々でちとピアノが弾けずにいたのですが、今回コンサートを聴いてピアノ仲間としゃべって次ピアノと向き合うのがちょっと楽しみになりました。感化されやすい、というよりは負けず嫌いなのもあるかな。それからしばらくコンサートもなく外部から刺激受けてなかったからか。とにかく自分は焦らず、あともうちょっと堂々したほうがいいのかなーとはピアノ友達としゃべる度に思うのですが。
そうそう、今回Tristanが初CDを出したということで買っちゃいました。今回演奏されたブラームスのピアノソナタ第3番と同じくブラームスの間奏曲集op.117。イギリス滞在中の録音です。
ただブラームスのピアノソナタ第3番はそんな頻繁に聴く曲ではないのでもうちょっと時間をおいて聞いてみる予定。楽しみにしています。
今日の一曲で紹介するのも録音聴いてからにします。なので今日はお休み-。
なんだろう急に、と思ったのですがどうも天候の急変化が原因だったかもしれない。時間関係的にそれが一番可能性が高い。それにしてもびっくりしたー(めまいも天気も)
ということで金曜日の夜はイギリスからこっちに戻ってきた(博士号を取るそうです)大学来のピアノ友達、Tristan Leeのリサイタルに行って来ました。
プログラムは彼得意のブラームスとリスト。私と比べると陳宮と呂布くらいの身長差で手もでっかいので体格的にもこういう曲が向いてますが、音楽的な性質でもほんとよく合う。
実際のプログラムは前半がブラームスのピアノソナタ第3番、後半がリストのピアノソナタ。どっちも40分くらいあるんじゃないかな。長さだけじゃなく深さも厚さもでっかい。よく一緒に弾こうと思うなー私は1つも無理(特にブラームスは手がでっかくないと不可能)。
それにしてもいい演奏でした。リストはまだあんまり完成しないまま弾いちゃったらしいのですがピアノのピアノらしい世界と旅路のような流れがよかった。あんまり頻繁に聴くものじゃない特別な曲ですがまた彼の演奏で聴きたいです。
そしてブラームスは真骨頂というかなんというか。前回聴いたとき以上にこの曲を一生大事にする意志が見えて。ブラームスの初期の作品にしては音楽的に完成してる感じはあったのですが、でも第2楽章と第5楽章はその円熟した音楽性がものすごく心地よかったです。
それにしてもこのブラームスのピアノソナタ第3番、5楽章編成というのがすごくしっくりくる。ソナタや協奏曲、交響曲であるスタンダードな3~4楽章編成とはまた違う世界観。スケルツォと最終楽章の間にスローな楽章が一つ入るだけの差なのに。
意外とショスタコーヴィチは5楽章編成多いですね。交響曲第9番とかピアノ五重奏曲とか、弦楽四重奏曲でもあったはず。
さらにコンサート後はピアノ友達周りで飲みに行きました。
シティのFlinders StreetとRussell Streetの角あたりにあるThe Duke(Duke of Wellington)というバーで、いくつか中が分かれてる様子。レストラン部分もあるのかな?ご飯代わりに食べたチョリソーとチーズのコロッケが美味しかったです。
最近忙しさなど諸々でちとピアノが弾けずにいたのですが、今回コンサートを聴いてピアノ仲間としゃべって次ピアノと向き合うのがちょっと楽しみになりました。感化されやすい、というよりは負けず嫌いなのもあるかな。それからしばらくコンサートもなく外部から刺激受けてなかったからか。とにかく自分は焦らず、あともうちょっと堂々したほうがいいのかなーとはピアノ友達としゃべる度に思うのですが。
そうそう、今回Tristanが初CDを出したということで買っちゃいました。今回演奏されたブラームスのピアノソナタ第3番と同じくブラームスの間奏曲集op.117。イギリス滞在中の録音です。
ただブラームスのピアノソナタ第3番はそんな頻繁に聴く曲ではないのでもうちょっと時間をおいて聞いてみる予定。楽しみにしています。
今日の一曲で紹介するのも録音聴いてからにします。なので今日はお休み-。