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~名もない蛾と虹の錯乱~ 内の思いと外の色彩をつらつらと。
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Reincarnated into Music
一昨日、大分久しぶりに寝付けないという経験をしました。
何回か書いてるようにどっちかというと過眠傾向にあるのですが、深く眠ってるときに(いらない)メールがきてiphoneが鳴ったのに起こされて・・・という経緯で。

結局は寝れたのですが不思議な夢を見ました。
夢の中で音楽が流れてるんですけど、スタイルはまったくそのままヴォーン=ウィリアムスの音楽で・・・でも聴いたことない曲で。
以前「今日の一曲」」で紹介したモンポウの「歌と踊り」第5番は彼が夢の中で聞いた音楽を起こしたものなのですが、その話を先生にしたら「夢の中までカタルーニャ風なんだね」と先生が言ってまして。
日本生まれでオーストラリア在住の私がなぜ無意識レベルにイギリスの印象派ともいえるヴォーン=ウィリアムスの音楽を飼ってるか分からないのですが(きっと時によって変わる?)、本当に面白い体験をしました。
本当に弦の響きとハーモニーがあの独特のテイストで、本当に美しくて。
書き起こせたらなあー!
(そして次回はクラムでお願いします!)

さて、そのヴォーン=ウィリアムスなのですが、死に面して面白いことを言っていました。
もしも生まれ変わるのなら音楽家になって音楽をするのは骨が折れるから、音楽そのものになりたい、と彼は言ったそうです。(そしてそれが彼の言葉で記録されたうちの最後になったそうです)

確かに楽しい反面、音楽をするのは(例えそれがどんな形でも)「骨が折れる」部分もあります。
私たちは人間で、肉体があって、肉体的な制限、認知的な制限があり。自分の体と心を生かしていかなくちゃいけない。生きて行く上でたくさん意図の他で悩むことも苦しむこともある。
音楽をやるときだけに限ってもたくさんの縛りがあって、超えられないこともある。
Earthseaでも人と竜の違いについて「人間はなにかをするけれど、竜はただ「ある」だけだ」というような記述があります。音楽をするよりも音楽そのものでありたい、そんな欲求を抱く人は多いんじゃないでしょうか。

自分だったらどんな音楽になるか、なりたいか・・・と考えるとなかなかそれを表現するのは難しい。
なので今存在する、自分が知ってる曲でどんな曲になりたいかのトップ5を選んでみました。
カウントダウン形式でやってみます~
(ちなみに生まれ変わり自体はあんまり信じてません・・・というか死んだらそれで終わりにしたいよ、という感じです)

5位: レイフ・ヴォーン=ウィリアムス 「トマス・タリスの主題による幻想曲」
張本人の曲です(笑)もう3回弾いている、なじみ深い曲であり、大変美しい曲。
弦楽でこの曲の「一部になる」という感覚、この曲を内から見たり感じたりすることの不思議さ、喜び。
そして分け入って、拡大して詳細を見てみても、ぶわーっと一気に体と心を任せてもどっちも良い音楽です。

4位: モーリス・ラヴェル 「夜のガスパール」
どの楽章になっても楽しそう。ラヴェルのあの「完璧」に近い音楽に自分がなれるのか、なっていいのか、というのはこの際別とします。「するのは骨が折れる」という意味では確かにラヴェルは本当に難しいですけど本当にいい音楽なので、苦労せずにできたらな・・・という下心みたいなものはあります(笑)

3位: ジョージ・クラム 「Songs, Drones and Refrains of Death」
Lux Aeternaだったり、Ancient Voices of Childrenだったり、マクロコスモスシリーズの各曲も本当に捨てがたいけれど、この曲の果てしない黒さ、色んな色彩の「黒」、深さだったり暗い躍動に憧れてます♪
もちろんクラムの音楽の多くに共通する独特の空間・時間の感覚だったり、ある意味生命のコアみたいなことだったり。音楽を超えてそういうなんらかの生命体になりたい・・・?

2位: ドミトリ・ショスタコーヴィチ 前奏曲とフーガ第16番 変ロ短調
もういろんなところで出してますね、この曲。本当に弾いてるときもめちゃくちゃ自分に近く感じて、自分が死ぬときこういう(フーガ)感じなのかな、とか思ったりして。あとこの曲は自分のもの、というような感覚も強くて。今自分が生きて変化しながら蓄積していくこの曲のイメージや解釈も自分が死んだらなくなるんだ、と思うと少し惜しい気がするんですよね。この曲になってそれだけでも生きながらえたい。

1位: オリヴィエ・メシアン 「幼子イエスに注ぐ20のまなざし」より第17番「沈黙のまなざし」
まだ1位2位ぎりぎり迷ってるのですがやっぱりこれかなー。もちろん好きの度合い、親しみの深さもありますが、音楽だけど沈黙、聴覚だけど色彩、という独特の存在感が一番でしょうか。恐ろしく抽象的なものになりたいんですね、私(汗)音楽の至福だけでなくて色彩の至福も感じられる・・・想像をはるかに超えますね。

やっぱり目新しい曲の紹介にはなりませんでした(笑)覚悟はしてたんですが。
メルボルンもすっかり気温が下がってきて(夏時間も昨日で終わって日没も一気に早くなりましたね!)人間としての肉体がちょっとしんどくなってきたので・・・音楽になりたい、という欲求が少し強まってるものと思われます。
音楽を力にゆっくりいかないと、ですね。


今日の一曲: レイフ・ヴォーン=ウィリアムス 「「富める人とラザロ」の5つの異版」



ヴォーン=ウィリアムスの曲の中でなかなか知られていない印象がありますが、ものすごく好きな曲です。
ヴァリエーションじゃなくて「異版」。同じ歌で地域とかによってちょっと違ったりするのを集めた、ということなのかな?

ヴォーン=ウィリアムスは一昨日の夢のとおり(・・・といっても私しか分からないですね)、弦楽器のサウンドの美しさがピカイチで。
この曲はそれにハープが加わってまた違う雰囲気で。
5つの違うバージョンを通ってなにか旅をしているような、そんな雰囲気になります。

うーん、曲の凄さと比べて書くことが大分少ない!もっとうまく紹介できればいいのになあ・・・

(ちなみに試聴できるリンクを貼りました。イギリスの音楽はイギリスのオケ(バンド)が断然ベストです!他の国の作曲家も、その国のアンサンブルを、というのが基本一番いいですが、イギリスはその傾向が本当に強いです。)

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